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イベントの取材・レポート

【イベントレポート】京まふ2024/西日本最大級のマンガ・アニメイベント/コンテンツツーリズムの今を知る

2024年9月21日(土) 京まふメイン会場 みやこめっせ

今年の京都は猛暑日が50日を超えた最高に暑い夏でした。しかし、暑い、いや熱い夏は終わっていなかったのです‥ということで、熱気あふれるイベント「京まふ」メイン会場に突撃してまいりました。
今回はMICE TIMES ONLINEの井上と藤井、2名でイベントについてお伝えします。

メイン会場となる みやこめっせ

What’s 京まふ? 「京まふ」って何?

「京まふ」、知らない方にはいったい何のことやら、よくわからない謎の響きですね。かくいう私もそうでした。
正式名称は「京都国際マンガ・アニメフェア2024」です。なるほど、どこで何をするイベントなのかよくわかります。英語にすると「KYOTO INTERNATIONAL MANGA ANIME FAIR」となります。ここから「KYOMAF」、つまり「京まふ」となります。
明日、誰かに話したくなりませんか。
「京まふって、どうして京まふなのか知ってる?」

公式サイト https://kyomaf.kyoto/

みやこめっせのキャパでは収まらないくらいの来場者(3階会場)

多くの来場者を集める「京まふ」

公式サイトには「西日本最大級のマンガ・アニメのイベント 総来場者数10万人(回)以上!!(オンラインを含む)」とあります。実際のリアル会場への来場者数は約3万人~約4万人規模であり、西日本ではこの分野で最大級であることは間違いありません。
初めて開催されたのは2012年、今では京都の定番イベントとしてすっかり定着。メイン会場は岡崎公園一帯で、平安神宮、みやこめっせ、ロームシアター京都などが会場となってきました。

「京まふ」では一般の方は入場チケットを購入します。ファストパス、ステージ鑑賞できるパスなどチケットの種類は多く、メイン会場に入れるものは1600円から、最も高額なものは12000円です。京都市の人口規模は約144万人(2024年3月)。この人口規模でマンガ、アニメのイベントで有料のこれだけの来場者を集めているという事実に驚きました。会場には人気のアニメスタジオ、出版社、IP関連のブースが並ぶ一方、各地域からの出展、教育機関のブースも軒を連ねます。

京都発のコンテンツツーリズム「京まふ」

「京まふ」の始まりは2012年に遡ります。2006年には京都精華大学に日本初のマンガ学部が設立され、京都国際マンガミュージアムもオープンしました。こうした背景により、マンガやアニメが一層の注目を集め、今では京都市の観光・経済に大きな貢献を果たしています。推進してきたのは行政である京都市です。一部の寺・神社などの人気観光地への観光客の偏った流入が招くオーバーツーリズムに対しても、マンガ・アニメツーリズム、コンテンツツーリズムは京都の新しい魅力として期待できます。

私は京都に生まれ育ったものとして京都を「古都」と呼ぶのはいささか違和感があります。新しいものが伝統に育つ土壌があり、それをいたるところで感じられるのが京都です。日本が誇るマンガやアニメの発信地であることに、とても「京都らしい」と感じます。多くの方がマンガやアニメの祭典「京まふ」を当たり前のように毎年訪ねることで、京都が持つ別の魅力の側面を知っていただけることを楽しみにしています。

(MICE TIMES ONLINE編集部 井上)


出展者ブースでインタビュー。コンテンツツーリズムにつながるブースで出展内容や背景に迫ります(4ブース)

白糸酒造株式会社 様:京都・宮津発・アニメとお酒コラボの先駆け


—何をご紹介されていますか
『刀剣乱舞』とコラボしたお酒をご紹介しています。飲まれない方もいらっしゃるので、お香や扇子など、工芸品とのコラボ商品も販売しています。

—白糸酒造様について教えてください
京都・宮津の酒造です。約10年前に『進撃の巨人』の商品化をきっかけに、アニメとのコラボグッズを販売し始めました。こちらからコラボを提案をすることもあれば、「このコンテンツでコラボしません?」と、お声掛けいただくこともあります。
最近は当社(白糸酒造)をモデルケースに商品化を進めている企業様もいらっしゃるようです。お酒という分野では、白糸酒造が先駆けになれたのかもしれません。

—どんな方に知っていただきたいですか
特に、インバウンドの方に興味を持っていただきたいです。

◎お酒の瓶にはキャラクターが印刷されたラベル。来場者はひとつひとつ丁寧にチェック。お酒が飲めない方向けの展開もされていて、「刀剣乱舞」の世界観を演出されていました。

白糸酒造 Webサイト http://sake-shiraito.com/


【知多娘。】一般社団法人 知多娘地域活性プロジェクト 様:知多半島をキャラクター化でPR

—何をご紹介されていますか?
一般社団法人知多娘地域活性プロジェクトが運営する「知多娘。」は、愛知県知多半島を19人のキャラクター化し、PRしています。知多半島の5市5町と連携しながら、地域の特産品とのコレボレーションや、漫画・動画制作、オリジナルグッズを製作販売を通じて、知多半島の魅力を広く発信しています。
実は、展示会のスタッフは皆、それぞれのキャラクターを担当する声優さんなんです。担当キャラクターのはっぴを着て、会場に立っていますよ。

◎私たちが訪れた9月21日には、4人の声優さんが会場にいらっしゃいました。声優さんがスタッフとしてブースに立つことで、ひときわ華やかな雰囲気が生まれ、活気が感じられました。声優さんと1対1でお話できるのは、特別な体験になりますね。

知多娘。 Webサイト https://www.nishiharima.jp/


アニメツーリズム協会 様:アニメ&まんが聖地 SUMMIT & EXPO2024を知ってもらいたい

—何をご紹介されていますか
アニメ&まんが聖地 SUMMIT & EXPO2024(AMPSE2024)」を知っていただくのが今回の大きな目的です。各地域にあるアニメやまんがに関連した施設をPRする取り組みであり、東京や大阪などの大都市にインバウンドの方々が集中する中で、地方にも足を運んでいただけるよう促したいと考えています。
2018年版より毎年「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」を選定しており、会場でも投票ができるようになっています。

◎まさにコンテンツツーリズムを推進されている団体様でした。投票の仕組みを取ることで、注目を集める仕掛けも面白いです。

一般社団法人アニメツーリズム協会 Webサイト https://animetourism88.com/

一般社団法人埼玉県物産観光協会 様:バーチャル観光大使「春日部つくし」さんで誘客

—何をご紹介されていますか?
埼玉県のバーチャル観光大使「春日部つくし」さんを紹介するために出展しています。2021年に埼玉バーチャル観光大使を募集するオーディションを実施し選ばれたのが、バーチャルYouTuber(VTuber・ぶいちゅーばー)の春日部つくしさんです。これらを通して、埼玉県内への誘客につなげていきたいです。

◎ブースでは春日部つくしさんが登場するトークライブも1日3回開催されていました。VTuberだからこそできるリモート出演ですね。ブースにはさいたま各地のパンフレットが設置されていて、観光大使を起点に埼玉を知ってもらうという流れを意識されているのがよくわかりました。

公式Webサイト https://www.pref.saitama.lg.jp/a0806/saitamavtuber.html

マンガ・アニメをきっかけに生まれる地域へのひとの流れ

地域の文化や特産品をアニメとコラボレーションしたり、キャラクター化して発信する取り組みは、「京まふ」でも注目を集めていました。東京や大阪、京都などの一部の都市に観光客が集中する現状に対して、地域への誘客の施策を検討している方々にとって、マンガやアニメとのコラボレーションは大きな可能性を秘めていると言えるでしょう。
「京まふ」が京都にとってのコンテンツツーリズムイベントであるのと同時に、各地域には京都という場でコンテンツツーリズムを促す場面となっています。来場者がブースを興味深くのぞいている様子や、両手いっぱいにグッズを買い求めている姿からも観光分野におけるビジネスチャンスを生み出すきっかけとなっているようです。

(株式会社イザン 藤井)


開催概要

開催名称 京都国際マンガ・アニメフェア2024
略称 京まふ(KYOMAF=KYOTO INTERNATIONAL MANGA ANIME FAIRの略)
開催期間 2024年9月21日(土)~22日(日)

[メイン会場]みやこめっせ/ロームシアター京都
09:00~17:00 (22日は16:00まで) ※入場は終了の30分前まで

[第2会場]京都国際マンガミュージアム
10:00~19:00 ※入場は終了の30分前まで

[サテライト会場]京都伝統産業ミュージアム
9:00~17:00 (※22日は16:00まで) ※入場は終了の30分前まで

主催 京都国際マンガ・アニメフェア実行委員会、京都市
共催 KYOTO CMEX 実行委員会、京都国際マンガミュージアム、京都コンピュータ学院・京都情報大学院大学
協力 「伝統産業の日」実行委員会、京都伝統産業ミュージアム、StyleKYOTO、株式会社アークライト、ゲームマーケット事務局

開催趣旨
・マンガ・アニメを活用した新たなビジネスの創出支援
・クリエイターの育成支援・雇用機会の創出
・若者・外国人を始めとした新たな観光客層の掘り起こし
・マンガ・アニメ文化の海外発信によるコンテンツ都市・京都のブランド向上など、関西圏のコンテンツ市場の拡大

MCIEインサイト:一気読みで振り返り!

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