
【2/9更新】MWCバルセロナ2025の見どころ/5G、AI、量子コンピューティング。世界最大級のモバイル関連カンファレンス-3月3日開幕

2025年3月3日から6日まで、スペイン・バルセロナのフィラ・グランビアで「MWCバルセロナ2025」が開催されます。MWCバルセロナは、モバイル通信業界の最新技術とイノベーションを一勝に体感できる世界最大級の展示会です。日本からも多くの企業が出展し、グローバルビジネスにおける重要な機会となっています。この記事ではMWC2025に関する情報を随時更新していきます。
※1/27出展情報追加 ※2/9出展情報追加

MWC:スペインで開催されるモバイル通信業界を中心に最新技術やビジネストレンドが集結する世界最大級の展示会
MWCは「Mobile World Congress」の略で、モバイル通信業界最大の国際見本市です。1987年に初開催され、当初は「GSM World Congress」としてスタートしました。現在では5GやAI、IoT、サステナビリティなど幅広い分野を扱い、テクノロジーの未来を形作る場として進化しています。
現在の主要な開催地はスペインのバルセロナ。以前はカンヌ(フランス)で開催されていました。また、バルセロナ以外にも、地域ごとのイベントが開催されることがあります。たとえば、アジアでは「MWC上海」、アメリカでは「MWCラスベガス」が行われ、それぞれ地域に特化したテーマや出展内容が特徴です。バルセロナのイベントは規模が最大で、世界中の注目を集める「本大会」として位置付けられています。
MWCバルセロナ2025 開催概要
日程:2025年3月3日~3月6日
会場:スペイン バルセロナ Fira Gran Via(フィラ・グランビア)
主催:GSMA(GSM Association)
公式Webサイト https://www.mwcbarcelona.com/
来場者数 : 約10万人(2,024年)
出展社数 : 2,700社(2024年)


2025年のテーマ「Converge. Connect. Create」
5G Inside
5G技術は、Release 17以降の進化が話題となり、より多用途で信頼性の高いユビキタスなネットワークが実現します。様々な業界やユーザーのニーズに対応できることが期待されています。
Connect X
GSMAiによると、2年以内にIoTデバイス数は150億を超える見込みです。実現するには、持続可能で安全なネットワークが必要です。MWC25では、クラウド、AI、ロボット工学など多様なプロバイダーが連携し、動的で効率的なネットワーク構築と接続技術の可能性を追求します。
AI+
生成AIが注目を集める中、その実用的な導入と影響に焦点を当てることが重要です。MWC25では、ネットワークやクラウドの変革を加速するためのプロセスの最適化や、人とAIの自然な対話による個別化された体験の実現、新しいデータ管理の重要性が取り上げられます。また、セキュリティや倫理的な課題についても議論が行われます。


Enterprise Re-invented
企業はAIや5Gなどの技術進化に対応するため、内部プロセスやビジネスモデルを再構築しています。MWC25では、デジタル戦略への取り組みと競争力確保の方法が共有されます。
Game Changers
量子コンピューティングは従来の計算を最大1億倍の速さで解決する可能性を持ち、拡張現実(XR)は新しいインタラクションの領域を広げ、人工知能(AI)は産業を次々に変革しています。これらの革新的技術が私たちの未来をどのように再定義するのか、最新の活用事例や洞察に富んだ議論が展開されます。
Our Digital DNA
私たちの社会は、デジタル進化から環境変革へと優先事項が大きく移行しています。この流れの中で、世界中のテクノロジー企業は、環境の持続可能性、ジェンダー平等、社会的責任といった新たな価値観を重視する方向に舵を切る必要があります。この変化は私たち全員に関わるものであり、どのようにその一部となれるかを探る場を提供します。

MWC2025の特徴・プログラム
MWCバルセロナ2025では、多彩なプログラムやセミナーを通じて、最新技術やビジネス動向を深く学ぶ機会が提供されます。中心的なプログラムとして、業界を代表するリーダーたちによるキーノートスピーチでは、AI、5G、量子コンピューティング、クラウド技術など最前線の話題が取り上げられます。
セミナーやサミットでは、生成AIの実用化やネットワーク変革を促進するプロセスの最適化、新たなデータ管理方法などが議論されるほか、ポスト量子暗号やサイバーセキュリティに焦点を当てたセキュリティサミット、デジタル技術が医療や健康分野に与える影響を探るデジタルヘルス&ウェルネスサミットも開催されます。

スタートアップに特化した「4YFN(4 Years From Now)」では、革新的なアイデアや製品を披露し、業界関係者や投資家とのネットワーキングが行われます。新たに「Talent Arena 2025」が開催され、AI、量子技術、サイバーセキュリティをテーマとした講演が行われ、開発者やエンジニアに最新知識を提供します。これらのプログラムは、単なる技術展示を超えて、最新技術が社会やビジネスをどのように変革するかを具体的に示す場となっています。
展示会場では、5GやIoT、XR(拡張現実)などを体験できるデモンストレーションが行われ、技術の可能性を直感的に理解できる工夫が施されています。さらに、環境持続可能性や社会的責任などの重要テーマも議論され、持続可能なビジネスモデル構築やグローバルな課題解決の手法が共有されます。
注目の出展企業情報 2/9更新

富士通:最新のネットワーク技術とAIソリューションを展示
「Boundless Potential(無限の可能性)」をテーマに最新のネットワーク技術とAIソリューションを紹介します。展示ブースでは、AIを活用したネットワークの構築・運用の高度化をデモを交えて解説し、海洋デジタルツインや次世代プロセッサ「FUJITSU-MONAKA」などの最先端技術を披露します。また、富士通独自のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」や、「Fujitsu Uvance」のデータ&AIを活用したサプライチェーン最適化、リテール分野の業務効率化の取り組みも紹介します。
ネットワークインフラの進化を支えるO-RAN準拠の5G無線技術や光トランスポートソリューションを展示し、持続可能なデジタル社会の実現に向けた最新技術を発信します。(2/9追加)
特設Webサイト https://networkblog.global.fujitsu.com/mwc2025/

フジクラ:5Gミリ波基地局向けに新たに開発した28GHzミリ波アンテナボード
注目の展示として、28GHzビームフォーマICや周波数変換ICを搭載し、周辺機能を統合した「28GHzミリ波アンテナボード」を初公開。そして「60GHzミリ波無線通信モジュール」を用いた超低遅延映像伝送のライブデモも実施します。28GHzミリ波アンテナボードは、8×8アレイアンテナやバンドパスフィルタ、コンバイナ/スプリッタを一体化し、5Gミリ波基地局の設計を容易にする革新的な製品。キャリブレーション不要のビームフォーミング技術により、高精度なビーム方向制御を実現します。
60GHzミリ波無線通信モジュールは、JPEG XSコーデックと組み合わせた高画質・低遅延映像伝送を体験できるデモを実施。リアルタイム性を活かし、映像を見ながらゲーム操作が可能です。(2/9追加)
会社Webサイト https://www.fujikura.co.jp/

アンリツ:未来のコネクティビティとデジタルトランスフォーメーションを加速するソリューションを展示
テーマは「Beyond Connectivity – テクノロジーと共創で、新たなつながる未来へ」とし、未来のコネクティビティとデジタルトランスフォーメーションを加速するソリューションを紹介します。ブース(Hall 5 Stand D41)では、AIを活用したスペクトラム分析や、自律的なネットワークを保証するサービスアシュアランス、交通弱者保護のためのC-V2Xデジタルツイン環境などを展示します。NTN NB-IoTテストソリューションや、仮想化されたモバイル端末のプロトコル開発環境、MECとモバイル端末間のエンドツーエンド遅延統計など、次世代通信技術の実用化を支えるソリューションを展示します。(2/9追加)
会社Webサイト https://www.anritsu.com/ja-JP

楽天グループ:「インテリジェントな成長」がテーマ
今年で4回目の出展となる楽天は、「Intelligent Growth(インテリジェントな成長)」をテーマに、完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークやOpen RANの活用、大規模ネットワークの自動化などの技術革新を紹介します。代表の三木谷浩史氏や楽天モバイルのCEOらが登壇し、通信やクラウド、AI技術を活用した成長戦略について講演を行う予定です。また、体験型ブースでは楽天の通信・クラウド技術をデモ展示します。楽天はMWCを通じて次世代技術の普及を促進し、通信業界の課題解決とグローバルな事業展開を目指します。(2/9追加)
会社Webサイト https://corp.rakuten.co.jp/
MWC Barcelona 2025, JAPAN Pavilion:出展16社が決定
総務省の支援により、MWCのテーマに沿ったICT技術を国際展開する日本企業向けに、〈JAPAN Pavilion〉への無料出展希望者を募集、次の16社の出展が決定しました。(1/27追加)
AironWorks Co., Ltd. AironWorks株式会社
AMATELUS AMATELUS株式会社
BBSakura Networks, Inc. BBSakuraNetworks株式会社
Dots for Inc. 株式会社Dots for
Elephantech Inc. エレファンテック株式会社
InnoJin, Inc InnoJin株式会社
IPNetfusion K.K. アイピーネットフュージョン株式会社
Japan Aviation Electronics Industry, Limited 日本航空電子工業株式会社
Japan Display Inc. 株式会社ジャパンディスプレイ
Meritech Co. Ltd 株式会社メリテック
MORITA TECH CO., LTD 森田テック株式会社
NIHON DENGYO KOSAKU Co., Ltd. 日本電業工作株式会社
RevComm Inc 株式会社RevComm
SEIKOH GIKEN Co., Ltd. 株式会社精工技研
Sharp Semiconductor Innovation Corporation / The Nakao Akihiro Laboratory at The University of Tokyo
シャープセミコンダクターイノベーション株式会社 / 東京大学 中尾彰宏研究室
Sumitomo Electric Industries, Ltd. 住友電気工業株式会社
MWC2025サイト内ページ https://www.mwcbarcelona.com/exhibitors/29832-japan-pavilion
「日本のスタートアップや企業が誇る革新的な技術を〈JAPAN Pavilion〉で体感しませんか?「Beyond 5G」時代を切り開く次世代技術を幅広くご紹介します。総務省の支援を受けた16社が、「AIとアプリケーション」「Beyond 5Gデバイス」「プラットフォームとインフラ」といった分野で最先端の取り組みを発信します。Hall 6、ブース6E54にぜひお立ち寄りいただき、日本が生み出すICTイノベーションの未来をご覧ください。」

NTTドコモ:感覚共有から宇宙通信まで。ドコモが提案する未来のエンタメとネットワーク
NTTドコモは「NTN(非地上系ネットワーク)/Aerospace」「Open RAN」「エンターテイメント」の3つのテーマを掲げ、次世代通信技術や取り組みを紹介します。「NTN/Aerospace」では、NTTグループの宇宙ビジネス戦略「NTT C89」や、非地上系ネットワーク「HAPS」の最新技術を展示。「Open RAN」では、各国の通信事業者との協業事例や、OREX SAIが提供するOpen RANサービスを紹介します。
「エンターテイメント」では、XRグラス「MiRZA」や2025年発売予定のARグラスを活用した遠隔作業支援デモンストレーションのほか、感覚共有技術「FEEL TECH」による新しい体験型エンターテイメントを提供します。また、2025年開催の「バーチャル万博~空飛ぶ夢洲~」も展示し、バーチャル会場の魅力を体験いただけます。(1/27追加)
会社Webサイト https://www.docomo.ne.jp/

KDDI:コンビニをAIとテクノロジーで次世代スタイルに
Life Transformationをテーマに、KDDIが提供する通信基盤と大規模なAI・データ基盤が支える「つなぐチカラの進化」の具体を展示。AIサイネージやAI自動制御による飲料売り場の品出しなどを備えた「次世代コンビニ」や、AI自動運転販売車、AIドローン運航など、モビリティ技術の未来像を紹介します。さらに、スタートアップとの連携を強調し、革新的な技術やサービスを通じて新たな体験価値を創出する取り組みも披露します。
特設Webサイト https://www.kddi.com/mwc2025/
注目の出展情報は今後、随時更新していきます。