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【Seafood Expo Global 2025】スペイン・バルセロナで5/6~5/8開催:世界最大級の水産物見本市の歴史、概要と注目ポイント

2025年5月6日〜5月8日まで、スペインのバルセロナで「Seafood Expo Global 2025」が開催されます。世界三大水産(海洋)見本市の一つとされ、世界各国の水産物の専門家が一堂に会するイベントです。昨年30回目の開催を迎えた歴史の長いイベントであり、欧州での販路拡大をめざす日系企業の出展も増加しています。本記事ではこれまでの歴史や注目ポイントなどをご紹介します。

会場規模が大きくなり4度目の開催。各国の事業者が集う世界最大規模の水産物見本市

Seafood Expo Global(SEG)は、世界最大規模の水産物見本市とされています。世界各国から集まる水産事業者に向けて自社商品を直接アピールする機会であり、水産物に関係するすべての人が見逃せないイベントなのです。

世界三大水産(海洋)見本市とは

Seafood Expo Global(スペイン・バルセロナ)
ヨーロッパを代表する水産見本市で、世界中から出展者と来場者が集まります
Seafood Expo North America(米国・ボストン)
北米最大級の水産見本市で、日本産水産物のPRにも力を入れています
中国国際漁業博覧会(中国・青島)
中国を代表する水産見本市で、中国の水産関係者や世界各国の関係者が集まります

Diversified Communications USA シーフード担当副社長ウィンター・クールモント氏
「業界は、世界市場における年間のビジネス目標を達成するために、このイベントを頼りにしています。出展者と来場者の両方が、既存の顧客と出会い、新規顧客を獲得し、顧客関係を構築し、業界に関する知識を広げる場として、このプラットフォームを活用しています」

1993年に始まったSEGは、これまでベルギー・ブリュッセルを会場にしていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響による2年間の中断を経て、大きくパワーアップ。2022年よりスペイン・バルセロナで開催されています。同様のイベントは、シンガポールの「Seafood Expo Asia」、アメリカ・ボストンを会場にする「Seafood Expo North America」。それぞれ、2025年9月と2026年3月に次回の開催を予定しています。

SEGの特筆すべきポイントは、その規模です。2025年には、新たにアルバニアやエジプト、ジョージア、マルタなどの参加が決まり、今後ますます出展企業数が増加すると予想されています。すでに推定される経済効果からも、その勢いをうかがい知ることができます。

併催カンファレンスでは20以上のセッションを用意。注目は経済学者シャビエル・サラ=イ=マルティン教授(コロンビア大学)による基調講演で、地政学リスクや貿易摩擦が水産サプライチェーンに与える影響を読み解きます。業界横断のESG投資、AI活用、労働力不足対策といったテーマを網羅し、最新知識を効率的に吸収できるのが大きな魅力です。​

Seafood Expo Global 2025 開催概要

会場となるフィラ・バルセロナ・グランビア・カンファレンス・センター(公式サイト提供画像)

日程:2025年5月6日~5月8日
会場:スペイン バルセロナ Fira de Barcelona Gran Via
主催:Diversified Communications

公式Webサイト https://www.seafoodexpo.com/global/


数字で見るSeafood Expo Global

会場をスペインに移した2022年以来、来場者数や出展社数はどのように変化してきたのでしょうか。

開催年来場者数出展社・国数
2022年26,000人1,550社 76ヶ国
2023年33,000人2,078社 87ヶ国
2024年35,000人2,244社 87ヶ国

2024年開催時に行った参加者アンケートで、2025年の再来場を予定していると回答した人は87%。業界での関心の高さ、販路拡大に向けた熱意が伝わります。

また、ジャパンパビリオンへの参加は2022年・2023年が13社。2024年には18社に増加したほか、単独出展している日系企業も年々増加。小売りや食品サービス、流通部門などでまとまった数量の購入が見込まれるバイヤーの参加が増えています。

2030年までに5兆円の輸出額目標は達成できるのか

政府は、アジアを中心に海外の消費者の所得が向上していること、訪日外国人の増加を通じて日本食の魅力が広まっていることなどを背景に、水産物の輸出目標額を2025年までに2兆円、2030年までに5兆円と設定しています。この実現のためには、国内市場に依存してきたこれまでの構造を、海外市場での販路拡大に転換することが不可欠です。よりよいものを求めて世界中から関係者が集まるSEGは、絶好のビジネスチャンスであり、日本にとって勝負の場とも言えます。

参考:農林水産省「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略の進捗」
Webページ https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/progress

注目される「女性参画」と「持続性」

海上での長時間・肉体労働が大部分を占める水産業では、女性の地位向上と活躍が課題とされています。

参考:水産庁「水産業における女性の地位向上と活躍」https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h30_h/trend/1/t1_2_3_4.html

2023年のSeafood Expo North Americaで「世界の水産物セクターにおける女性の地位向上」について議論があったり、2024年のSEGで日本人女性がパネルディスカッションに登壇したりと、各国で女性参画に注力していることがわかります。また、同じく2024年のSEGでは「女性だけのドリンクタイム」というユニークな取り組みも行われたとのこと。同じ水産業に関わる女性同士のコミュニケーションの場として一役買ったことでしょう。今回のSEGには、4/10時点で登壇を予定している76人中26人が女性であり、どんな発信がされるかにも期待が高まります。

もう1点注目すべきは、ここ数年各分野で重視されるようになった「持続可能な取り組み」。水産物業界でも同じく、シンガポールやアメリカのSeafood Expo会場でも、至るところで「サステナビリティ」の文字や認証ロゴが並びます。

しかし、多くの国や地域がサステナビリティをアピールする一方で、ジャパンパビリオンは遅れを取っていたという参加者のレポートが。特にアメリカや欧米ではサステナビリティへの配慮は必須だといい、これらの地域をターゲットに考えている企業は早急な対応が求められるポイントでしょう。

バルセロナで未来の水産ビジネスを掴む

Seafood Expo Global 2025は、世界最大級のシーフード商談ハブとしてさらなる拡大を続けています。日本市場だけでは得られない国際的視点や最新技術、そして出展社にとっては数百社規模のバイヤーネットワークを一気に獲得できる絶好の舞台です。今年のSEGにぜひご注目ください。

※画像は Seafood Expo Global に提供いただいたものです。無断転載はご遠慮ください。

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