1. HOME
  2. 取材・レポート・コラム
  3. イベントの取材・レポート
  4. 【取材】学生必見!IVS2025で起業家が教えてくれた「学生時代にこれはやっておけ」学生記者が初めての取材にチャレンジ
イベントの取材・レポート

【取材】学生必見!IVS2025で起業家が教えてくれた「学生時代にこれはやっておけ」学生記者が初めての取材にチャレンジ

日本最大級のスタートアップカンファレンスに学生記者がゆく!

2025年、夏の京都。日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」が、みやこメッセで開催されました。全国から起業家、投資家、そして未来のイノベーターを目指す学生たち約13,000名が集まりました。

大学4年生のスタッフが、会場を訪れる起業経験者20名に突撃取材のチャレンジ。うち6名に取材掲載許可をいただきました。起業家のみなさんに「学生時代にやっておけばよかったこと」「心構え」について聞きました。起業を考える方や、未来に役に立つ経験をしたい学生の挑戦を、後押しできれば嬉しいです。

未来を切り拓いた先輩起業家たちの学生時代をのぞく

億単位の利益を生む学生起業家は、年に1,500時間は勉強している

株式会社Wewill:代表取締役 杉浦直樹さん

勢いのあるスタートアップのバックオフィス領域支援に特化した、管理部門シェアリングサービス『SYNUPS BackOffice』などを提供するスタートアップ企業です。上場やM&Aでの事業売却を目指すような”成長したい”、”変化したい”と望むVCの支援を行ってます。杉浦さん自身は税理士の資格も保有されています。

–学生時代にやっておくと良いこと
「バックパッカーの経験です。2ヶ月間パキスタン、シルクロード、イスラエルなど、西南アジア諸国をめぐる一人旅をしました」

大切にされている心構えはありますか
「勉強する姿勢です。スタートアップ支援の視点から申しますと…億単位の利益を生む学生起業家は、年に1,500時間ほど勉強しています。それは資格勉強ではなく、それだけ本を読むということ。起業家・ビジネスの世界では、”知らないことは恥”です。”勉強”と”実践”の両輪を回して、ビジネスの現場に知識をぶつけていきましょう。学生時代からその習慣を身につけると良いと思います」


自分で学費を払い大学に通うことで勉強のモチベを上げる

株式会社メタバースクリエイターズ:創業者・CEO若宮和男さん

メタバースの第一線で活躍する日本のトップクリエイターを束ねるプロダクションである『メタバースクリエイターズ』。日本のクリエイターをメタバース空間に集め、アバターを操作して交流してもらう空間体験を提供しています。

–学生時代にやっておけば良かったこと
「海外を巡ることですね。特に行き先を決めない旅を1週間でもするべきでした。異文化に触れて、もっと人とのコミュニケーションを楽しめば良かったです」

–学生時代にやって良かったこと
「自分のお金で大学に通うこと。実は、大学を卒業して、社会に出たあと、もう一度大学に入り直しました。学費を自分で払って経験できたことで、勉強のモチベーションが大きく上がりました」


恥を捨てて大人を頼る姿勢をもつ

一般社団法人Rideon 代表理事・Bearbell:代表取締役 服部悠太さん

学生起業家の旗が立つ商談ブースで、学生起業家にお会いできました!
服部さんは、秋田県 国際教養大学の4年生です。秋田県を舞台に、ライドシェアおよび野生動物に関わる会社を起業しています。服部さんは日常の小さな困りごとに気がつく敏感さを活かして、地域のネガティブな課題を0にするだけでなく、ポジティブなものへと昇華させようとしています。

野生動物のベンチャー『Bearbell』では、AIを駆使して動物の行動範囲を予測。クマの被害が相次ぐ県内で、次にクマが出る地域を予測するアプリをtoBおよびtoG(行政向け)に販売しています。「レジャー分野への応用や、絶滅危惧種や珍しい動物種の保護にも役立つのではないか」と今後の展望を語りました。

–大切にされている心構えはありますか
「コツは”恥を捨てること”でしょうか。学生は”自分は何でもない人”として、周りの大人に助けを求められる大変お得な時期です。恥を捨てて周りの大人に頼る姿勢を見せることが、必要な心構えだと思います」


人に会う選択・挑戦であれば何でもすること

Adora株式会社:代表取締役社長 冨田直人さん

『コドマモ』という、防犯およびスマホトラブル対策支援に関わるサービスを立ち上げた起業家です。東京工業大学の大学院生の頃に1社目を起業。M&Aに成功し、現在2社目の経営を行っています。

–学生時代の経験が今に活きること
「学生時代は統計学を専攻し、統計リテラシーは起業・マーケティングに活かせていますね。ふとしたきっかけで、インド工科大学の近くのカフェの店長をすることになりまして。カフェのお客さんがAI研究者であり、後の共同創業者です」

–大切にされている心構えはありますか
「なんでも挑戦をしてみることです。
最初は『意味がなかった』と思うようなことも、後から意味を持つことがあります。直感を信じて人に会いに行く挑戦をしましょう。大学院時代の、先生の、友人のつてで、愛知県の大学で講義をすることになりました。それがきっかけで私と愛知県警、大学とで防犯に関わるベンチャーを起業することになったのです。
手を挙げることで、人と人とが予期せぬかたちで結びつく…不思議な体験でした。まず、皆さんが始められる挑戦は、”いろんな授業で手を上げてみること””人に会う選択・挑戦であれば何でもすること”だと思います」


世界に出て”違和感”を感じよう

90株式会社:代表取締役 CEO高田勝太さん

IVS2025でブースを出展する同社。高田さんは、起業家や受講生と絶えずお話をされていました。1994年生まれで、今年31歳になりますが、近くで見ると大学生と間違えてしまうほどの若々しさ。聞くところによるとスキンケアにも力を入れているそうです。

高田さんは法政大学を卒業後、株式会社ミズノに入社。24歳で退職し『90 English』という伴走型オンライン英語コーチングスクールを立ち上げました。
語学の論文を徹底的にリサーチ。言語学のメソッドを活用して、発声方法から徹底的にサポートするプログラムを用意しました。90日+90日、計半年間で英語力の習得を目指します。共同創業者とは、なんと路上で靴磨きをしている時に出会ったというユニークなエピソードも。

–学生時代にやっておけば良かったこと
「留学など、海外経験ですね。1歳までドバイで過ごしました。両親は英語がペラペラなのに自分だけ話せないのがコンプレックスで。アメリカでの1年間の留学も経験しています。
大学時代にはアルバイトで貯めた200万円を英会話学校に投じたものの、メソッドがなく実りないレッスンに”違和感”。新卒入社先で営業職経験で感じた”違和感”…。学生時代の東進のチューターの経験から『教育業界に命を懸けたい』と決意し、起業しました。人の才能が開花する瞬間が一番楽しいです」


時間をお金に換えるアルバイトではなく、社会人経験を積めるインターン

株式会社コマースブースト:代表取締役 宮原和也さん

長野県出身。主にZ世代・シニア向けのライブコマース(ライブ配信×EC販売)事業を展開されています。自身が地方の出身であることから、地方のメーカーの商品も積極的に取り扱うことで地方創生で貢献をしたいと話します。

–学生時代の経験が今に活きること
「強いて言えばインターネットをよく見たことでしょうか。ライブ販売をする上で、必要な感性を磨けたかもしれません」

–学生時代にやっておくと良いこと
「IVSのような多くのスタートアップや学生が集まる刺激的な場によく参加すること。単純に時間をお金に換えるアルバイトではなく、それ以上の社会経験を積めるインターンシップのような活動に参加することですね」


Editor’s note:何もしないより、やってみたほうがいい

私は4時間半の会場滞在中に、25名の方と名刺交換をしました。起業家の方から学んだのは「正解はひとつじゃない」ということです。「何もしないより、まずは何かやってみたほうがいい」という意見が多数。その“何か”は人それぞれでした。また、起業も手段であって目的ではない。目指す未来やビジョンを見据え、実現のために起業するのだと分かりました。

こうした姿勢は、起業を目指す人だけでなく、将来のキャリアを切り拓きたいと考える、全ての方にとって大事なことだと思います。IVSのような場は、「同じ志を持つ人に会いたい」「キャリアについて相談したい」「自分のアイデアを誰かに聞いてほしい」方にとって絶好のチャンスです。興味があれば、お近くで開催されているスタートアップイベントへ足を運んでみてくださいね。

※取材担当:荒谷、写真:藤井

大阪・関西万博関連の記事はこちら
スマホアプリができました
MICEのキャリアコーナー 9月OPEN
毎月の要点を一気読みで振り返り!
イベント主催者を1年にわたり追いかける
過去記事から探す
カテゴリー