サンリオ、大分・ハーモニーランドの「エンタメリゾート化」基本構想を発表　「天空のパーク」へ刷新

株式会社サンリオおよび株式会社サンリオエンターテイメントは2025年12月8日、大分県のテーマパーク「ハーモニーランド」のリゾート化に向けた基本構想を発表しました。同園は「天空のパーク」をコンセプトに掲げ、全天候型大屋根の整備や新ホテルの建設を視野に入れた大規模な開発に着手します。大分県や日出町と連携し、観光拠点として「世界でいちばんやさしい場所」の創出を目指すプロジェクトです。

「天空のパーク」を実現する施設開発とインフラ整備

今回発表された基本構想の核心は、ハーモニーランドが持つ高低差のあるロケーションを活かした「天空のパーク」というコンセプトです。サンリオグループ初のリゾート開発として、空へとひらける眺望や自然環境を最大限に活用する計画が立てられています。

天候に左右されない滞在環境の構築

具体的な開発要素の一つとして、雨や夏の暑さを気にせず一年中快適に過ごせる「大屋根」の整備が検討されています。屋外型テーマパークであるハーモニーランドにとって、天候の影響を受けにくい環境づくりは、MICE開催や安定した観光誘客において重要な課題解決となります。また、園内の移動の利便性を高めるため、ロープウェーや電動モビリティの導入など、インフラ面での刷新も計画に含まれています。

滞在型リゾートへの転換を図るホテル構想

リゾート化の核となる施設として、隣接エリアへのホテル建設も視野に入れられています。計画されているホテルは、パークや山々、そして別府湾を一望できるロケーションを想定しており、単なる宿泊施設にとどまらず、大分の自然とサンリオの世界観を融合させた新しいリゾート体験の提供を目指します。これにより、日帰り観光が主体だった利用形態から、長期滞在も可能なリゾート地への転換が期待されます。

地域・ファンとの「共創」とインクルーシブな視点

本プロジェクトの大きな特徴は、完成した施設を提供するだけでなく、構想段階から地域住民やファンと共に作り上げる「共創型」の開発プロセスを採用している点です。

行政およびコミュニティとの連携強化

開発にあたり、サンリオエンターテイメントは大分県および日出町と立地表明式を開催しました。すでに2024年12月には大分県と包括連携協定を締結しており、交通アクセスの整備や「大分ハローキティ空港」の愛称化など、地域全体での観光促進が進められています。今後は「ハーモニーランド未来共創室（仮名）」を立ち上げ、国内外の誰もが参加できるコミュニティを通じて、施設のデザインやグッズ開発などを共に進めていく方針です。

誰ひとり取り残さないユニバーサルな設計

リゾート化の理念として掲げられているのが、「世界でいちばんやさしい場所」の実現です。年齢、性別、身体的な特徴にかかわらず、誰もが同じように楽しめるよう、ユニバーサルデザインやインクルーシブなサービスの提供を徹底します。0歳から100歳まで4世代が共に笑顔になれる空間づくりを目指し、障がいや言語の壁を超えたホスピタリティを追求することは、多様性が求められる現代の国際観光地として重要な指針となります。

35周年に向けた新たな観光拠点の誕生

ハーモニーランドは2026年に開園35周年を迎えます。今回のリゾート化構想は、長年愛されてきたテーマパークを、世界水準のエンターテイメント施設へと昇華させる大きな転換点となります。大分の豊かな観光資源とサンリオのブランド力が融合することで、インバウンド需要の取り込みや地域経済への波及効果が期待されます。

日帰り型のテーマパークだった施設を、ホテル併設の滞在型エンタメリゾートへ転換し、企業研修やインセンティブ旅行などMICEの需要も取り込んでいくかもしれません。ビジネスとエンターテイメントが調和する「天空のパーク」の実現に向け、今後の具体的な事業計画の進展が注目されます。

ハーモニーランド公式サイト　https://www.harmonyland.jp/

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