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【海外レポート】海の見える特等席が待つ韓国・釜山のワーケーションセンター。観光だけではない、釜山のポテンシャルを感じるビジネスの拠点。立地、設備、利用者の声を徹底レポート

韓国・釜山は韓国第二の都市。日本からは飛行機、船の定期便があり、身近な海外旅行先として人気があります。しかし、ビジネスの舞台としての顔は意外と知られていないのが実情。MICE TIMES ONLINE編集部は、釜山でのビジネスの第一歩として活用できるワーケーションセンターにお邪魔して取材をしてきました。本記事でしっかりとご紹介します!(2025年4月15日 取材)

人情味あふれる屋台が並ぶ南浦洞

韓国・南部経済圏をリードする釜山

釜山の人口は約329万人、都市圏人口は400万人を超えます。周辺地域を含めると韓国内の船舶製造の約90%、自動車製造の40%以上を占め、製造業生産の重要地域です。韓国最大の港湾都市であるとともに、KTXなど高速鉄道、航空などインフラが整備されています。古来より日本と朝鮮半島を結ぶ交通の要衝として発展してきました。朝鮮半島では避難民が多く逃れてきて、戦後の韓国発展を支えることになりました。商業都市でもあり、MICEも盛んに開催されています。
旧市街である南浦洞エリアからリゾートの海雲台まで様々な表情を見せ、海から山まで豊かな自然に恵まれた美しい都市です。

釜山駅前のビル24階、海と街のパノラマ広がるワーケーションセンター

韓国・釜山駅から徒歩5分。アスティホテルの24階に「釜山ワーケーション拠点センター」(プサンワーケーションセンター)があります。釜山市外のビジネスパーソンや企業誘致を見据えたコワーキングスペースです。

【こんな方にピッタリ!】

・釜山で新しいビジネスを始めたい
・デジタルノマドの新天地を求めている
・ワーケーションで観光も仕事も生活も全部充実させたい
・釜山に住むことになり、仕事ができる場所を探している

“絶景”がどの席からでも臨める贅沢なロケーション

24階から見渡す釜山のパノラマは圧巻!とにかく海が見えます!船が見えます!山が見えます!これから開発がさらに進む釜山港、南浦洞(ナンポドン)エリア、歴史ある草梁(チョリャン)イバグキル一帯まで、視界いっぱいに広がる景色はこの場所ならでは。

注目したいのは、山肌にびっしりと並ぶ住宅街。その独特の街並みを高層階から見られる場所は多くはありません。春にはふんわりと色づく山桜が街を彩ります。韓国にもこんなに桜が咲くのか、と驚く方も多いはずです。眺めは季節によって異なる表情を見せます。

毎週開催のWデイ:釜山のビジネスのネットワーキングを広げるなら

釜山での人脈づくりや情報交換の場を探している方におすすめなのが、毎週水曜日に開催される「Wデイ」です。午後から交流会やピッチイベントが行われ、ローカルブランドを立ち上げた経営者や、IT技術で業界をリードするビジネスパーソンのリアルな話を直接聞くことができます。創業を準備している方や、会社を運営している方はぜひ利用してみてください。

ちなみに…
「Wデイ」の名前は、Wednesday(開催日が水曜日)とWorkation(ワーケーション)の字面が似ているからだそう

ロッテグループがパートナー企業であるため、そのネットワークを活かして、希望があれば企業や利用者同士のマッチングもサポートしてもらえます。「釜山にいきなり進出したけれど、知り合いが誰もいない…」そんな不安も、ここではすぐに解消されるかもしれません。繋がりたい方と繋いでもらえるだけでも、十分価値がありますよね。

ゆったり空間、使いやすさとおしゃれさを洗練したインテリア

インテリアが秀逸で、白を基調に観葉植物の緑がアクセントとなり、統一感ある洗練された空間です。館内はワンフロアに会議スペースイベントスペース個人作業スペーステレフォンスペースなど、用途に合わせたスペースが用意されています。

私も利用してみましたが、全席が広々。隣合った席の幅は約1m余裕があり、隣の人を気にせずに集中できる環境でした。あと、とっても静か。音は全く気になりません。おしゃれBGMが流れています。私のお部屋もこれなら集中できるのに…(笑)

窓は全方位に配置されているため、どの席からも釜山の景色を楽しめるという贅沢な設計。取り合いにならずに済みました(笑)オーシャンビューとシティービュー、どちらも選べる贅沢な立地で、仕事に集中しながら釜山の街と海を一望できます。席は自由です。空いている席を使いましょう。


Co-working Ocean View(プライベートシート11席、ラウンジシート7席)

釜山港を一望できるこのスペースは、2人並んで座れる大きなソファもあり、ミーティングにも対応可能。リラックスしながら作業できます。

隣が見えづらいようになっています

Co-working City View(プライベートシート4席、オープンシート10席)

釜山の歴史ある街並みを見下ろしながら作業できる落ち着いたスペースです。

Event Lounge(プライベートシート18席)

数名~30名規模のイベントやセミナー、交流会に最適なスペースです。昇降式デスクが4台あり、長時間の作業も快適にこなせます。

Meeting Room(2部屋、各10名収容)

壁面がホワイトボードになっており、ブレインストーミングやプレゼンテーションに最適。大型モニターもあり、HDMI接続で簡単に利用可能です。開発が進む釜山港エリアの眺望も抜群で、ブラインドを閉めて集中することもできます。

周辺エリアは今もまだ再開発の最中、これからどんな景色が展開されるのでしょうか

Phone Booth(4部屋、1〜2名)

防音設備が整った個室で、通話やビデオ会議が可能。ガラス扉で区切られた空間には、椅子と充電ステーションも完備されています。

テラスラウンジ

気分転換をしたいときにはテラスラウンジへ。伺った日には机椅子は置かれていませんでしたが、設置できるようです。
晴れた日には開放感たっぷりの屋外での作業や、休憩もできます。コーヒー片手に深呼吸すれば、仕事の疲れもすっと抜けていきます。

これは夜景もとんでもないことになるのでは、と予感させますね

ミニバー

コーヒー、紅茶(ティーバッグ)、冷水、湯沸かし器を自由に利用できるセルフスペース。電子レンジ、冷蔵庫など。ロッカーもあります。電子レンジ有り難い!テイクアウトしたものを温めて食べることもできます。


利用方法:事前申請が必要です

受付に人がいらっしゃるので、困ったことがあればその場で相談できます。基本的には韓国語での対応ですが、翻訳アプリでなんとかなります。

利用対象は、釜山市外の企業や個人。法人利用、フリーランス問わず、事前申請を行えばどなたでも利用可能です。利用申請から承認まではおおよそ2〜3日かかるため、余裕をもった事前予約や問い合わせをおすすめします。

利用形態
・ワークスペースのみ利用する場合:平日1日からでも申請OK。
・業務スペース(より本格的な使用)を利用する場合:3泊以上の申請(※週末を除く)が必要。

サポート体制:移転支援やワーケーション参加社への特典も。利用するしかない

釜山ワーケーションセンターの魅力は設備やロケーションだけではありません。制度面でのサポート体制も非常に手厚く、利用しない手はありません。

釜山市では、市外からの企業誘致にも力を入れており、移転や新設・増設を検討する企業に対して最大7億ウォン(約7,050万円)の支援が可能です。

支援の内容
・入居補助:賃貸物件の家賃等にかかる補助
・施設装備補助:業務や生産に必要な設備・インフラの導入支援
・雇用補助:新たに雇用される従業員に対する支援制度

ワーケーション向けの支援制度も整備されています。

全てのワーケーション参加者
・ワーケーション専門空間の利用を無償支援
・Wデイ、ネットワーキング、スポットを設ける

平日3泊以上のステイ参加者への追加特典
・1泊につき、5万ウォン(最大10泊)をサポート(年1回)
・5万ウォン相当の観光バウチャーを支援
・ウォーカーショナーのためのウェルカムキット提供
・パートナーセンター、ギフトカードで支援特典提供


加えて、釜山市内にある複数のサテライトセンターの無償利用も可能です。これは利用するしか…。他の場所の選択肢があるのも嬉しいです。

The Hyuil X Desker Workation Center(THE HYUIL×DESKERワーケーションセンター)
See Sea with BOOK
PATHFINDER南浦店(パスファインダー南浦店)
LAVALSE HOTEL(ラバルスホテル  オーケストララウンジ)
Grab the Ocean SONGDO(グラブ ザ オーシャン ソンド ワーケーション サテライトセンター)

釜山ワーケーション拠点センターの立地

注目すべきは抜群のアクセス。釜山駅から徒歩5分。釜山港国際旅客ターミナルから徒歩15分という立地のため、日本からフェリーで到着した後もすぐに足を運べます。KTXでソウルからやってきた方にも便利ですね。

釜山駅からは、センターが入っているアスティホテルのビルが見えており、迷わず向かえる位置にあります。

釜山広域市東区中央大路214番ギル7-8、アスティホテル24階

次のルートを参考にしてみてください。
1.釜山駅から徒歩約5分


2.アスティホテルの入り口にあるエレベーターで24階へ


3.ワーケーションセンターに到着

利用者インタビュー:中村さんに伺いました

中村さん
日本企業4社と契約し、フリーランスとして釜山でお仕事をされています。センターの利用歴は1ヶ月。

「施設がすべて整っていて快適です。他のワークスペースも利用してみましたが、やはりここが使いやすいですね。
会議ブースがあるのが有り難いです。飲み物がもらえることやロッカーも便利です。何より景色が素晴らしくて。疲れたときはデッキに出てリフレッシュするんです。この近くに住みたいくらいです」

中村さんは10年前に旅行に訪れたことがあるだけで、もともと縁があったわけではないそう。ご主人が釜山にいらっしゃるようで、それに合わせて再訪。現在は、日本企業のオンライン秘書として、リモートで業務を行っています。

「韓国の企業で働いたこともありますが、日本に比べて仕事のスピード感が速く、レポートラインがしっかりしていると感じました。日本の仕事のほうが自分には合っていたので、私はオンラインで働ける道を探しました。この働き方は、あちこちで仕事ができるし、釜山ワーケーションセンターも利用できるし、すごく便利です。自宅で仕事をしても良いのですが、ずっと家にいるのも疲れますしね」

釜山については、こう話してくれました。
「釜山の人たちはフレンドリーですね。日本語を喋れる人もいます。道に迷っていても声をかけてくれるし、日本が好きな方もいます。釜山に住みながらお仕事されてる日本人は多いですね。韓国では外国人向けのサービスも非常に充実しています。たとえば文化センターでは、語学や料理教室が開かれていて、勉強もできるし、日本人とも出会いやすいんです。
釜山では、会社が他地域に流出して少なくなっています。日本と釜山との架け橋ができることができれば嬉しいです」

近日公開予定!
ワーケーションセンター運営に携わる 釜山創造経済革新センター キム·ヨンウ代表へのインタビュー

日本推しのキムさんに釜山の過去、現在、未来を伺いました。力をいれるスタートアップ支援事情とは。


釜山・海雲台(ヘウンデ)。韓国を代表するビーチ

「暮らすように働く」 釜山でbusanessを始めてみる

「韓国に行ったら韓国もしくはグローバルな企業で働かないといけない」
そんなふうに思っていませんか?でも実は、日本にいるときと同じように、日本の企業の仕事を、韓国・釜山で続けることができるのだと、利用者の方のインタビューを通して気づくことができました。

まずは、「釜山に行ってみる」くらいから始めてみてはどうでしょう。働く場所を探しているなら、釜山ワーケーションセンターを使ってみるのがオススメです。日中は仕事、朝と夕方は観光や食事、夜は景色を眺めてゆったりと。そんな「暮らすように働く」日々ができると思います。

パンスタークルーズ新造客船ミラクル号から望む釜山の町並み

東京からは飛行機で約2時間、大阪からなら1時間半。大阪、福岡など各地からのフェリーという選択肢もあります。私たちは今回、大阪からパンスタークルーズを利用しました。金曜の夜に仕事を終え、土曜朝には釜山に到着。週末を存分に楽しんで、日曜に帰ることができます。たった1泊2日で、生活の中に新しい“はたらく”を組み込むことができます。日本と釜山の距離が近いからこそできることですね。

釜山ワーケーションセンターは、仕事をする場所以上に、「新しい価値観に出会う場」でもあります。国境を超えて働くということを、もっと自由に、もっと自然に。あなたの“busaness”は、すぐにでも始められます。

施設名:釜山ワーケーション拠点センター
営業時間:8:30~20:30
Webサイト:https://www.busaness.com/workplace/detail/10

韓国の外国人向けサービスについて
こちらの記事がわかりやすかったので、記載いたします。

釜山で韓国語を学ぶみなさんへ
https://note.com/humble_deer8596/n/n0494583e29f9


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