
失われた30年をAIで取り戻す「AI博覧会Osaka2025」主催者がAIにかける思い【展示会レポート】
「AIの社会実装で、関西のビジネスを拡大する」がテーマの「AI博覧会Osaka2025」。AI・人工知能に焦点を当て、最新の技術やプロジェクト、業界のトレンドを知れる展示会です。50社が最新のAI製品を出展しました。
展示だけではなく、AIにまつわるカンファレンスも開催。実際の製品が見られるだけではなく、AIの活用事例やデジタルリテラシーまで、AIに関する情報を幅広く収集できます。
初日の1/22(水)に足を運びました。会場のレポートと出展者インタビュー、主催者インタビューをお届けします。
「AI博覧会Osaka2025」の詳細

開催概要
名称:AI博覧会 Osaka 2025
会期:2025年1月22日(水)~1月23日(木)10:00~18:00(最終日は17:00まで)
会場:マイドームおおさか 展示ホール3F
住所:大阪府大阪市中央区本町橋2-5
主催:株式会社アイスマイリー
出展社:50社 約100製品以上
カンファレンス数:約50講演以上
参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000477.000053344.html
会場の「マイドームおおさか」の最寄り駅は堺筋本町駅です。4番出口から出ると歩いて6分ほどでした。

「AI博覧会Osaka2025」は3階で行われました。直通エスカレーターで向かいます。

「AI議事録自動作成ツール」製品が目立つ。大盛況の会場で出展者インタビュー
写真の通り、会場内は活気に満ち溢れていました。AIへの興味・関心の高さが窺えます。



同会場内でカンファレンスが開催されていました。2日間で47社、ファミリーマートやLINEヤフーコミュニケーションズなどの有名企業が登壇。活用事例や最先端の情報が得られます。


人の間を縫うように歩くと、大阪・関西万博をPRするブースを発見。タイミングが合わず、本人(本体?)には会えませんでしたが、ボードのミャクミャクに会えました。鮮やかなミャクミャクに目が行きます。

「AI博覧会Osaka2025」には、画像認識、AI議事録自動作成ツールなど、一つのAIに特化した製品、いくつものAIが搭載されている製品などが展示されていました。AIリテラシーの教育・向上を啓蒙する企業のブースもにぎわいを見せました。AIの使い方に不安を覚える方が多いのでしょう。
目立っていたのはAI議事録自動作成ツールです。目視ではありますが、AI議事録自動作成ツールを掲げる企業が4社、製品に議事録機能を含むものも合わせると、7社が展示していました。
議事録作成に課題を感じる企業の、多種多様な解決策を一度に確認できる機会になりました。
そのなかから、2社のブースで話をお聞きしました。
シンプルな「議事録AI」で会議の負担減:株式会社コマースロボティクス
会議では、議事録の作成は必須ですね。
「後輩が入ってきて議事録から解放された」と考えたことのある方も多いのでは。


面倒だけれど、誰かが必ず書かなくてはいけない議事録を、ほぼボタン一つで完成させてくれるのが議事録AI「AIミニッツ」です。文字起こし、要約など最低限の機能のみを搭載しています。文字起こしした内容を、議事録のフォーマットに変換できるのも助かるポイントですね。
コマースロボティクスの久保田さんによると「AIミニッツ」での展示会出展は二回目。前回は「たくさんの見込み客と出会えたものの、出会いを活かしきれなかった」という反省が残ったそう。
「『AI博覧会Osaka2025』でもすでに多くの方と出会えました。まずはこの場で製品の魅力をしっかりと伝えたいです」。
株式会社コマースロボティクス:https://commerce-robotics.com/
AIミニッツ:https://www.ai-minutes.jp/
画像で金属有価物を判断して選別。「人が目で見て選ぶ」を効率化:株式会社インタードリーム

株式会社インタードリームは、AI搭載型選別ロボット「V-PICKER」を出展。対象の材質を画像で認識し、選別するロボットです。同社は「V-PICKER」に搭載されているAIを開発しました。
今は金属関係の作業に使われることがほとんどですが、今後は異物検知に役立つAIの追加も予定しているとのことです。
ブースを訪ねたのは初日の午前。にもかかわらず「食品関連企業からの相談があった」と教えてくれました。「人が目で見て選ぶ」作業を効率化したい企業からの需要が、さらに高まりそうです。
※金属有価物とは:リサイクルや再利用により、新たな資源として活用できる金属廃棄物です。

株式会社インタードリームが展示会へ出展するのは今回が初めて。「出展準備がとても大変でした。知り合いの業者にいろいろ手伝ってもらって、初めてとは思えないくらい、こなれたブースになりました」と髙橋様。
「展示会はお客様のリアルな課題が聞ける良い手段ですよね。ヒアリングと見込み客との出会いが同じ場で行えるのは、営業担当のいない弊社にとってはありがたい機会です」と展示会出展の感想を教えていただきました。
株式会社インタードリーム:https://www.interdream.co.jp/
V-PICKER:https://www.kinkikogyo.co.jp/product/v_picker.php
【主催者インタビュー】AIで「失われた30年」を取り戻したい。「AI博覧会Osaka2025」
「AI博覧会Osaka2025」の主催企業である、株式会社アイスマイリーの代表取締役、板羽晃司様に話を伺いました。「AI導入を進めて日本を豊かにしたい」と語っていただきました。AI関係者必見のインタビューです。

株式会社アイスマイリー代表取締役 板羽晃司様
https://aismiley.co.jp/
──「AIsmiley(アイスマイリー)」というAIポータルメディアを運営されていますが、「AI博覧会Osaka2025」の開催に至った経緯を教えてください。
「AIsmiley」は、AIの導入を考えている企業と、製品を開発する企業をマッチングさせるポータルメディアです。AI製品を紹介し、問い合わせにつながるような取り組みをしてきました。
メディアを運営する中で、お客様から「顔が見えるマッチングがしたい」とご要望があったのが始まりです。コロナが明けてから動き出し、2024年の3月に東京の御茶ノ水で一回目を開催しました。その後の8月に渋谷で二回目を開催し、どちらも多くの方にご来場いただきました。出展企業からもいい反響をいただいたので、今回大阪で「AI博覧会Osaka2025」を開催しました。
──展示会の開催当初に苦労したことはありますか。
初めてのリアルイベントなので、すべてが大変でした。運営方法も、会場選定も、配信の仕方も、勉強しながら手探りでした。
──大阪での開催にあたり「マイドームおおさか」を選んだ理由はありますか。
キャパシティ、アクセスの良さ、金額面など様々な条件と照らし合わせた上でぴったりだったのに加え、天井がドーム型になっていて、開放感に一目惚れしました。

──AIを通して、日本にどのような影響を与えていきたいとお考えでしょうか。
日本は、世界と比べるとAIの導入が進んでいません。日本の経済を立て直すという意味でも、AIを導入し、活用することで「失われた30年」を取り戻したいです。
今後さらに少子高齢化が進み、人手不足が深刻化します。人では補えない部分を、AIにより解決できるよう、導入につながる展示会を開催していければと思います。活用事例もカンファレンスを通して見てもらえるので、参考にしてほしいですね。
基本的には企業対企業のビジネスマッチングが前提ではありますが、一般に対してのアプローチもしていきたいです。
──未来の出展、来場者に一言お願いします。
「AI博覧会」を通して、日本を豊かにしていきたいです。そのために、AIの効率性、生産性を肌で感じられる場を作っていきます。まだ計画はできていないですし、手も回っていない状況ですが、東京、大阪の次は、違う地域での開催を検討しています。ご期待ください。
開催決定済みの「AI博覧会」は、2025年3月末と8月末の東京です。規模もどんどん拡大できていて、3月は6,000名以上の来場を目標にしています。ぜひ最先端のAIを体感しにきてほしいです。
取材を終えて「Editor’s note」 ネットでは感じられないAI業界の熱量を体感
議事録AIが多数出展されていたことからわかるように、近年、「文字を起こす」機能を搭載した製品がどんどん増えています。
職業柄文字を起こす場面が多々あり、文字起こしAIの進化や最新の動向に注目を続けていました。比較検討できるほどたくさんの製品が登場したこと、一度に多くの製品を知れる場があることが本当にありがたいです。もし議事録AIの導入を検討している企業が足を運んでいたら、気になる製品をきっと一つは見つけられたでしょう。
主催者の板羽様がおっしゃっていた通り、「AI博覧会Osaka2025」は「AIの効率性、生産性を肌で感じられる場」でした。インターネットでは感じられない「現場の熱量」を体感できる展示会です。人手不足や業務効率、生産性に悩まれている企業は、今後開催される「AI博覧会」に足を運んでみてはいかがでしょうか。