1. HOME
  2. 取材・レポート
  3. イベントの取材・レポート
  4. 【レポート】ツーリズムEXPOジャパン2024/来場者が殺到するブースの秘密を探れ!/東京ビッグサイト
イベントの取材・レポート

【レポート】ツーリズムEXPOジャパン2024/来場者が殺到するブースの秘密を探れ!/東京ビッグサイト

2024年9月28日(土) 東京ビッグサイト

ツーリズムEXPOジャパン2024開幕!9/28一般来場日のレポート

2024年9月26日(木)10:00より「ツーリズムEXPOジャパン2024(TEJ)」が開幕しました。世界から約80か国・地域の観光・旅行関係者が一堂に集まる、日本最大の旅の祭典です。会期前半の2日間(9月26日・27日)はビジネスデイ、後半の2日間(9月28日・29日)は一般公開日です。


テーマパークのような旅の展示会

世界80ヵ国・全国の47都道府県から1200を超える企業・団体が出展する「ツーリズムEXPOジャパン2024」。

来場者の足取りは軽快で、まるで旅行にでも行くかのよう。一目散にお目当てのブースに向かう方もいれば、思うがまま回る方もいて、イベント全体がまるでひとつのテーマパークのような雰囲気でした。それもそのはず、世界各国や日本各地のブースがずらりと並び、華やかそのもの。一般的に行われているBtoB展示会とは、一味違いましたね。

日本人が一般的に旅を楽しむようになったのは江戸時代。江戸時代でも遠くまで旅に出る機会は限られていました。
今年は海外旅行の自由化60周年。私たちが自由に世界を旅できるようになってから、まだそれほど長い時間は経っていません。
旅を楽しむためのイベントに、多くの方が来場する。素晴らしいことだと思いませんか。

いかに来場者の足を止めるか、記憶に残る体験を提供できるか

さて、そんなイベントで、ひときわ多くの人を集めるブースがあります。

接点を持てる人は1人でも多い方が良いですよね。接点を持てる人が増えれば、次のアクション(買ってもらえる、現地に足を運んでもらえるなど)に移す人の数も増えます。

今回は、ツーリズムEXPOジャパン2024からブースにおける集客の工夫について、具体例を交えてご紹介します。
他のイベントでも使えそうなヒントをいくつかピックアップしてみました。


何を得られるのかがゼロ秒で分かるか

先に結論をお伝えします。

一般カスタマー向けの展示会では、来場者の足を止めるためには、何が体験できるのか、瞬時に分かる工夫が非常に大切です。会場でも、来場者がパッと見て「これができるんだ!」と分かるブースが明らかに賑わっていました。

来場者は全ブースを隅々までをじっくり見ていません。足を止める理由をつくることが大切になるのです。

今回見つけた、来場者がブースで得られる体験を 「もらえる」「見られる」「参加できる」「座れる」の 4つのカテゴリーに分けてご紹介します。


■もらえる

試食・試飲できる

試食・試飲は、外から見ても何をしているのか一目で分かります。日本酒造ツーリズムでは、酒蔵のお酒が試飲できるコーナーが設置され、京都聚楽第(じゅらくだい)さんの日本酒が振舞われていました。

サウジアラビアのブースでは、アラビックコーヒーをいただくことができ、スパイスの効いた生姜のような風味を楽しめました。今回は、強い香りがする商品を展示しているブースは見受けられませんでしたが、香りで五感を刺激するのも非常に有効なアプローチだと思います。


写真を撮ってもらえる

写真は手元に残り、お土産にもなりますよね。イベントが終わった後も見返すこともできますし、SNSでシェアしてもらうことも考えられます。

ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐ メイキング・オブ・ハリー・ポッターでは、なんとホグワーツ魔法魔術学校のスクールローブを着て写真が撮れるんです! ブースの角を上手く利用して、奥行きのあるフォトブースになっています。誰でもすぐにハリー・ポッター気分!わかりやすいですね。

福井県のブースでは、恐竜の上に乗れるユニークな撮影スポットに行列。
福井県は恐竜化石発掘量日本一、新種の恐竜の化石も発見されています。子供も大人も一緒に楽しい写真が撮りたくなります。2024年3月に北陸新幹線が敦賀まで開業したこともあって、福井県の本気が伝わってきます。

韓国観光公社では、韓国の観光スポットを背景にしたフォトブースが数種類通路側に展開されていました。どこで撮るのか選べるのが嬉しいですね。旅の計画にも役立ちそうです。


■見られる

ショーを見る

タイ国政府観光庁のブースでは、格闘技の一種「ムエタイ」を披露。ムエタイの発祥地であるタイらしい、力強いパフォーマンスに来場者の視線は釘付け。「バチン!」とキックが決まる音や、息づかい、表情にドキドキしながら見入ってしまいました。子どもたちからの「頑張れ~」という可愛らしい声援も聞こえ、ミニライブのような一体感が来場者たちの心をつかんでいました。

伝統の踊りを見られたのはフィジー政府観光局・フィジーエアウェイズのブース。フィジーの文化を直接体験できる貴重な機会でした。


■参加できる

クイズ大会

台湾観光協会のブースでは「台湾館クイズ」が開催され、楽しみながら台湾について学べます。

大きなモニターを用いて、歴史の解説や抽選会を開催。来場者参加型イベントは前の登壇者が見えなくなるほど、賑わいをみせていました。

クイズラリー・スタンプラリー

日本遺産ツーリズムでは、7つの日本遺産の取り組みをが紹介。クイズラリーに参加することで御朱印帳ならぬ「御周印帳」がもらえる取り組みも。来場者はブース内を回りながら学べます。その様子は御朱印を集めているようでした。

衣装を着る

ウガンダ(アフリカ)は、サファリが有名。日本からは約15時間のフライトで到着します。スタッフさんが伝統衣装を上から羽織らせてくれて、可愛らしいゴリラのぬいぐるみと一緒に記念写真をパシャリ。「一緒に撮りましょう!」と声をかけてもらえたのも嬉しいサプライズでした。ブースの方に声をかけるのは少し勇気がいるので、こういう声かけはありがたいですね。

VR体験

ハワイ州観光局のALOHA BALLOONのブース。VRで気球の体験ができるコーナーを用意されていました。気球とVRの組み合わせは、何が体験できるか想像しやすく相性も良いと思いました。

ただ、体験時間が長ければ長くなるほど、体験できる方の数は減ってしまいます。待ち続けるのをあきらめてしまうおそれもありそうです。テーマパークのアトラクションの列に並ぶときと同様に、退屈さを軽減する工夫や、体験時間を短縮して回転率を上げる工夫が求められるのかも知れません。ブースでは、並ぶ間にパネルでサービスの紹介をされていました。


■座れる

タイ国政府観光庁の観光列車「ロイヤル・ブラッサム号」をイメージしたブースは多くの人の目を引いていました。豪華な観光列車に揺られているような感覚を味わえます。ゆったりと座れるスペースが設けられていて、入りやすさも抜群!立ち寄って、座るもよし、写真を撮るのもよし。旅のプランを決めるもよし。
ちなみに「ロイヤル・ブラッサム号」は元JR北海道の夜行急行「はまなす」号。北海道新幹線が開業した際に廃止になった急行列車を、タイ国鉄に無償で譲渡したものなんです。日本にゆかりのある列車と知ると、見え方も変わってきますね。

勝運の寺 勝尾寺ブースは、来場者が気軽にくつろげるスペースになっていました。スタッフの方がブースの外にいるという、普段とは逆のスタイル。着物の女性スタッフが無料のおみくじを案内する場面も。来場者との接点づくりが上手ですね。
さらに、話題のストリートピアノ…ならぬ「コムニカチオピアノ」も。ラテン語で”コミュニケーション”を意味し、勝尾寺の別名「カチオデラ」とも似て良い響き。このピアノは勝尾寺に置かれてあるようで、訪れる人々に楽しい交流を促す仕組みが散りばめられていますね。


■取材を終えて「Editor’s note」

本記事では「ツーリズムEXPOジャパン2024」から、賑わいを見せるブースの工夫について探りました。
来場者が集まるブースとは「足を止めたくなるもの」つまり、「来場者が何をすればいいのかが分かるブース」。皆さんが出展されるときにも、自社のコンテンツと上手く組み合わせることで、同様の効果を得られる可能性があります。まずは「わかりやすさ」「ゼロ秒でわかるか」をテーマにアイデアを出してみませんか。

株式会社イザン 藤井

プレスリリースはこちら

MCIEインサイト:一気読みで振り返り!

カテゴリー