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京都開催の国際会議統計、2024年に力強い回復を見せる – 5年ぶりに200件超え、国際的地位も向上/京都文化交流コンベンションビューロー発表

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2025年6月16日、公益財団法人京都文化交流コンベンションビューローが発表した「2024年京都開催の国際会議」統計によると、2024年(1月~12月)に京都で開催された国際会議の件数が、5年ぶりに200件の大台を超え、225件(京都全域)を記録したことが明らかになりました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響で数年間続いた厳しい状況からの着実な復調を示しています。

京都市域が回復を牽引、参加者数も過去最高水準へ

特に注目すべきは、京都市域の目覚ましい回復です。京都市域では、前年から38件増の210件の国際会議が開催されました。総参加者数は135,611名、海外参加者数は21,727名、国内参加者数は113,884名となり、いずれも過去最高を記録した2019年の水準の約70%まで回復しています。国内参加者数に至っては、コロナ禍以降で初めて10万人を突破し、回復基調が着実に進んでいる「過渡期」にあると言えます。

2024年には、大型会議の開催が回復の兆しを強く見せました。7月には「IVS2024 KYOTO」が2年連続で開催され、8月には「第27回国際昆虫学会議」が44年ぶりに京都で開催されるなど、大規模なイベントが着実に誘致・開催されています。これらの大型会議に加え、小規模・中規模の会議も増加しており、京都が誇る多様なMICE受入体制が機能していることが窺えます。

一方、京都市域を除く京都府域でも、前年から6件増の15件の国際会議が開催され、総参加者数は4,794名となりました。南部を中心に開催が見られ、北部地域でもその特性を活かした国際会議が開催されるなど、こちらもコロナ禍前の件数とほぼ同水準まで回復しています。

月別開催件数では…

もっとも多いのは11月の33件、9月・10月と合わせて秋の3ヶ月で91件となり、全体の43.3%でした。

国際的な評価も向上 – ICCAランキングで世界42位に浮上

国際的なMICE都市としての地位も着実に向上しました。国際会議協会(ICCA:International Congress and Convention Association)統計(JNTO基準よりも厳格な基準を採用)において、京都市の開催件数は前年より8件増の49件となり、前年の世界52位から10位上がり、世界42位へと躍進しました。これは、厳しいコロナ禍においても積極的に誘致活動を継続した結果であり、京都のMICE関係者の尽力が実を結んだ形と言えるでしょう。

UIA(国際団体連合:Union of International Associations)統計では、2023年のデータ(2024年統計は未公表)で、東京が世界都市ランキングで1位の226件、アジア・オセアニア地域でも1位を維持する中、京都はアジア・オセアニア地域で12位の40件を記録していました。ICCAの2024年世界都市ランキングではウィーンが1位、アジア・オセアニアではシンガポールが1位となっています。これらの国際的な基準はそれぞれ統計手法や基準が異なるため、比較には留意が必要です。

2024年アジア・オセアニア都市上位14位ランキング(ICCA)

順位都市名開催件数
1シンガポール144
2ソウル124
3バンコク115
4東京97
5香港86
6クアラルンプール78
6台北78
8シドニー63
9メルボルン62
10バリ54
11京都49
12ニューデリー39
13上海38
14北京33
14マカオ33

サステナブルなMICE推進と地域貢献

MICE誘致活動の回復と並行して、サステナビリティへの取り組みも強化されています。京都文化交流コンベンションビューローでは、「第27回国際昆虫学会議」の開催を契機に、小中学生向けの体験教室や市民向けのイベントを企画し、世界的研究者との交流を通じて国際会議を身近に感じてもらう機会を創出しました。

また、開催を契機とした府民・市民公開講座などの地域貢献や、環境に配慮した取り組みについては、「サステナブルなMICE開催支援補助制度」や「環境に配慮したサステナブルMICE京都ガイドライン」、MICE開催にかかるCO2排出量計算ツールなどによって支援を強化し、サステナブルなMICE開催を一層推進しています。これは、SDGs達成への貢献を目指す京都のMICE戦略の一環であり、今後のMICE誘致においても重要な要素となるでしょう。

手厚いMICEサポートと未来への展望

京都文化交流コンベンションビューローは、かねてより京都府、京都市、京都商工会議所、MICE関連施設、そして会員企業・団体の皆様との「オール京都体制」でMICE誘致に取り組んできました。同ビューローは、誘致から開催まで、多岐にわたる手厚いサポートサービスを提供しています。これには、誘致用京都PRツールの提供(観光地図、絵はがき、PRバナーなど)、コンベンション主催者の視察受入れ支援、ビッドペーパー・プレゼン資料作成支援、京都の写真画像やPR映像の貸し出しなどが含まれます。

また、ユニークベニューの案内や京都伝統産業製品の貸し出し、府市民向け公開講座の広報支援、そしてMICEイベントのタイプや規模に応じた各種助成金制度の活用など、開催を成功させるための包括的な支援体制を構築しています。さらに、「京都MICE基金」を通じて、京都の文化・芸術、自然環境の保全・継承・活用を図り、地域の魅力向上やSDGs達成に寄与する取り組みを支援しており、寄附金控除も適用されます。

2024年京都開催の国際会議統計の発表について
https://meetkyoto.jp/ja/news/20250616_2024toukei/

まとめ:京都が示すMICE都市としての“底力”は、数字だけでは測れない価値を内包

この素晴らしい成果は、関係者の皆様の尽力の賜物です。この数字の回復以上に注目したいのが、多様なユニークベニューや奥深い文化・学術の蓄積といった、京都ならではの“底力”です。この勢いは、MICEが生み出す知的創造や地域への貢献といった「質の深化」へと繋げる絶好の機会と存じます。市民の皆様を巻き込んだプログラムやサステナビリティへの先進的な取り組みは、MICE都市・京都のブランド価値を未来に向けてさらに高めていくことになるでしょう。

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