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【海外取材】フランス・リヨン、2日間で4万人を集める日本ファン交流のイベントに潜入 日本からの留学生が取材で知った「フランスから見た日本」

はじめまして。フランスのリヨンに留学中の山村です。
将来、MICE業界でのキャリアを目指しています。今回、現地にて2日間で約4万人を集め、開催された日本文化イベント「Japan Touch Lyon2025」を取材しました。見えてきたのは「なぜフランスのイベントは参加者がここまで主体的なのか」という点でした。本記事では「Japan Touch Lyon2025」から、フランスならではの体験重視型イベントの魅力やフランスにおける日本文化への関心の高さについてお伝えします。 ※2025/11/30取材

Japan Touch Lyon2025

リヨン最大級の日本文化イベント「Japan Touch Lyon2025」

フランス第2の都市であるリヨンで日本文化イベント「Japan Touch Lyon2025」が開催されました。日本の伝統文化からアニメや漫画などのポップカルチャーまで、幅広いジャンルが紹介されます。日本ファンの交流の場として2日間で約4万人が集う大型イベントです。

リヨン:MICEにも力を入れている商業都市、食通の街としても知られる

リヨンはフランス南東部に位置する中核都市で、市域人口は約50万人、広域都市圏では約200万〜250万人規模を抱える大都市圏です。パリ首都圏に次ぐ第2の経済圏として産業集積が進み、ライフサイエンス、化学・医薬、デジタル分野などの先端産業クラスターを背景に国際ビジネス都市として高い存在感を示しています。欧州主要都市と鉄道・航空で結ばれた交通拠点であることも強みで、MICEでもフランス国内で常に上位に位置づけられています。ユーロエキスポをはじめとする会議・展示施設群、歴史的景観と都市観光資源を組み合わせた滞在価値により、国際会議・見本市・企業ミーティングまで幅広い需要を受け入れる「ビジネスと観光が両立する都市圏」として評価されています。
「食通の街」としても名高く、地元食材を活かした料理、レストラン文化、食市場レ・アール・ド・ボキューズなどは、ビジネス渡航者や国際会議参加者にとっても魅力的な体験資源となっており、MICE開催都市としての滞在価値を高めています

イベント開催概要

イベント名:Japan Touch Lyon 2025 / Salon de l’Asie
会期:2025年11月29日(土)・30日(日)
会場:Lyon Eurexpo
主催:Asiexpo Events(Association Asiexpo)
公式サイト https://www.japan-touch.com/


参加型イベントに全力投球するフランス人

Japan Touch Lyon2025の特徴は、「体験型」を重視している点です。このイベントでは参加者が自ら動いて体験し、他者と関わることを前提にイベントが設計されています。来場者は単に展示を眺めたり購入したりするだけでなく、参加者自体が展示に加わる双方向型のイベント形式が取られています。

実際に会場内を歩いていると、恥じることなく全力で楽しんでいる姿が多く見られました。コスプレをした来場者、文化体験コーナーにて他人と一緒に楽しむなど、人と人との繋がりはもちろん能動的に体験することへの抵抗がほとんどありません。

本イベントでは人同士の関わりが自然に活発になる設計がとられていました。「他人と一緒に楽しむ」「失敗を恐れない」「体験を学びと捉える」というテーマ設定が、双方向型のイベントの盛り上がりに直結しています。


注目の体験型ブース紹介。相撲にお茶、K-POP、コスプレ着替えコーナーまで

Japan Touch Lyon2025

相撲体験(Sumo Paris Sumo):力士と組んで相撲体験

会場の一角には土俵が設置されていました。フランスの人々がふんどし姿で力士と組み合っています。デモンストレーションを見るだけでなく、来場者自身が体験することで、相撲という日本文化を学んでいました。
体験スペースの周りは100人以上の人々が囲んでいましたが、体験者は恥ずかしがらずに堂々と相撲を楽しんでいました。

Japan Touch Lyon2025

茶の湯体験(Pavillon de thé):茶室ごと再現された空間で、茶道の作法を学ぶ

吹き抜けの日本家屋を模した茶室では、来場者が茶道の作法を学びながら実際にお茶を点てることができます。単なる道具の展示に留まらず、空間全体を設計することで、伝統文化を五感で体験できる工夫がなされていました。
ひとりの日本人デモンストレーション担当に対し、15人ほどが小さな茶室にすし詰めになり真剣なまなざしで茶道を学んでいました。疑問はすぐにその場で尋ね、他の参加者とも自然に会話が生まれる様子は、双方向型イベントならではの光景です。

Japan Touch Lyon2025

K-POP即興ダンス:モニターに流れる曲に合わせて参加者が自由に踊る

Japan Touch Lyon2025では、日本以外のアジア文化も取り扱われています。
モニターにダンス動画が流れ、来場者が知っている曲のときに一斉に踊り出す、フラッシュモブのような双方向型の参加型コンテンツでした。前方のダンサーは本気で踊りすぎず、ほどよくゆるく踊っていました。そのため、上手い・下手に関わらず全員が参加しやすい雰囲気になっていました。

Japan Touch Lyon2025

インフルエンサーとの交流:憧れのあの人と会話ができる!?

日本文化に関連するインフルエンサーがブースに集結。来場者は会話やサインを通して直接交流でき、リアルなコミュニケーションが生まれていました。列がきれいに形成されていない点は、良くも悪くも「フランスらしい」光景ですね。

コスプレ着替えコーナー:思い思いのコスプレに身を包み、自分も展示の一部に

会場内にはコスプレに着替えることのできるスペースが設置されていました。来場者の3-4割程がコスプレに身を包んでいました。
施設内で着替えることができるため、参加者自身もイベント演出に自然に関わりやすい設計がなされています。

その他販売・展示型注目ブースをご紹介

Japan Touch Lyon2025

鯉の生簀(France Koi):会場内のプールで泳ぐ大きな鯉の観察・撮影が可能

会場内には大きな鯉が泳ぐ生簀が!多くの人々が写真を撮り、中には鯉に触れようとする人もいました。海外での鯉の人気の高さを感じます。鯉を上から眺め、匂いや動きを五感で感じることで展示を「体験」として楽しむ工夫がされていました。

Japan Touch Lyon2025
Japan Touch Lyon2025

コスプレ用ウィッグ販売(LucikoWigs):展示方法に注目!色とりどりのウィッグ

壁一面に並ぶカラフルなウィッグをタッチパネルで比較・選択可能。視覚的にも楽しめる販売ブースです。壁に配置してあるだけではなく、パネル形式で様々なキャラクターと比較できる点が販売においても体験を生み出していました。

Japan Touch Lyon2025

アニメの刀販売(Sword Art):アニメの刀でキャラクター気分

『鬼滅の刃』など、各キャラクターにちなんだ刀のレプリカが販売されていました。日本文化・侍・武具ファン向けのアイテムがずらりと並びます。実際に手に持ってアニメキャラクターの気分を味わえるブースでした。

Japan Touch Lyon2025
Japan Touch Lyon2025

ランドセル販売(Koji Japon):日本製ランドセルで本格コスプレ

日本製ランドセルが大量に並んでいました。コスプレとの相性も抜群です。その他、こけしや和柄のグッズなど、フランスの消費者に向けたアイテムがセレクトされていました。販売ブースもただ見るだけでなく、実際に試着したり手に取りやすい配置になっていました。

販売や展示においても、試着・操作・五感での体験を通じて、参加者が自然にイベントに関われる構造になっています。会場ではお菓子や着物など、置物だけではなく家に持ち帰って日本文化体験の延長となるようなアイテムが多く出品されていました。

Editor’s Note:「参加者もイベントの一部に」──フランスで感じた双方向型体験の文化

「Japan Touch Lyon2025」では、参加者自身が前に出て体験していく設計が多く見られました。ただ受け身でコンテンツを楽しむのではなく、自分で工夫し、行動し、他者と関わることを前提にイベントが設計されています。そのため、イベント自体が常に変化し続ける動的な空間となり、熱気が自然に生まれていました。
本イベントのように、体験に完成度を求めず、全員が気軽に参加できる「心理的安全性の高い入口」を用意することがイベントに動きと熱気をもたらす鍵となるのではないでしょうか。

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