バーチャルツアーはMICEのSDGsアクションにつながるのか
MICEにおいてSDGsにつながるアクションが求められるようになってきました。環境への配慮、社会的責任(平等な教育、ジェンダー平等、雇用の創出など)、経済的持続性などを背景に今後のイベントや会議でSDGsに配慮することが求められています。
バーチャルツアーの導入は、費用削減や売上向上、採用力強化といった課題解決だけではなく、企業としての姿勢や態度を示すことにもつながります。具体的に見ていくことにしましょう。
バーチャルツアーでサステナビリティを推進 - 企業がSDGsに貢献する手段のひとつ
企業がサステナビリティに取り組み、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献することは、ブランド価値向上のため重要です。特に、VR(仮想現実)を活用したバーチャルツアーの導入は、環境に優しい選択肢として、企業の社会的責任(CSR)や持続可能な経営戦略の一環として効果的です。
企業がバーチャルツアーを通じてどのようにサステナビリティを推進し、SDGsに貢献できるのかをご紹介します。
1. 移動の削減で環境負荷を低減
企業が開催するカンファレンスや展示会、製品プレゼンテーションなどの場面で、バーチャルツアーを活用することで、物理的な移動を大幅に削減できます。これにより、飛行機や車による移動から生じるCO2排出量が削減され、企業の環境への負荷が減少します。特にSDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」に沿った、気候変動への取り組みを効果的にアピールできます。
オンラインでの打合せや内覧も同様です。現地に移動する必要がなくなり、遠方への移動にともなうCO2消費をおさえる、カーボンオフセットにつながります。
2. リソースの効率的な利用で無駄を削減
物理的なイベントや展示会では、会場設営や交通手配、宿泊など、多くの資源が必要となります。これに対して、バーチャルツアーを導入することで、これらのリソースを大幅に節約し、無駄を減らすことができます。この効率的な資源利用は、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に対応し、サプライチェーン全体での持続可能性を強調することができます。
3. 環境に配慮した製品やサービスを効果的に紹介
企業が提供する製品やサービスが環境に優しいものである場合、そのメリットを最大限に伝える手段としてバーチャルツアーは最適です。製品の製造過程やエコフレンドリーな取り組みをバーチャル体験で顧客にリアルに伝えることで、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」や目標12に沿った持続可能なイノベーションを強調することができます。
4. 誰でも参加できる平等なアクセスの提供
バーチャルツアーは、場所や移動に関係なく、世界中の誰でも参加できる平等な体験を提供します。イベントやツアーに参加できない人々にも情報や体験を届けることが可能になります。企業はこの点をアピールすることで、SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」に貢献し、社会的責任を実現していることを強調できます。
5. イメージ向上とブランド価値の強化
サステナビリティやSDGsに積極的に取り組んでいる企業は、消費者やステークホルダーからの評価が高まり、ブランド価値が向上します。バーチャルツアーのような先進的なテクノロジーを活用したサステナブルな取り組みは、企業が未来志向であることを強くアピールできます。
SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」をサポートしながら、ビジネスの持続可能性を高めることが可能です。
国連職員が「Sustainable」「SDGs」と次々に称賛
「MICE TIMES ONLINE」を運営する株式会社イザンでは2023年に国連が主催するインターネットに関する世界最大級のカンファレンスである「インターネットガバナンスフォーラム京都2023」(IGF KYOTO 2023)に、大切なもの、残していきたいものをデジタルアーカイブする取り組みを「たいせつアーカイブス」と名付け、ブース出展しました。
カンファレンスのメインテーマは【私たちの望むインターネット―あらゆる人を後押しするためのインターネット】
ブースに立ち寄った方にはバーチャルツアーという手法は、オンライン内覧、建築DXなどの文脈を越えて、あらたな可能性の一つと写ったようです。複数の国連職員の方が「サステナブルな取り組みだ」「SDGsにつながる動きだ」「世界中のあらゆる地域で活用したい」とおっしゃっていたのが印象的です。
バーチャルツアーを導入することは、サステナビリティを推進し、SDGsに具体的に貢献できることをアピールする強力な手段となります。移動を削減し、資源の無駄をなくし、誰でも参加できる平等な体験を提供することで、持続可能な未来に向けたビジネスの価値を高める企業であると発信できます。
MICEであれば展示会やイベントの様子をアーカイブすること、展示会場やユニークベニューの内覧資料として活用すること、イベントで展開する体験型のコンテンツにすること、など活用方法は広く考えられます。紙の資料を大量に配布するだけではなく、体験型、没入型のコンテンツで来場者の記憶に残るイベントも実現できるでしょう。
IGF KYOTO 2023のレポートはこちらからご覧いただけます