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イベントの取材・レポート

【取材 淡路島/MICE】「ニジゲンノモリ」ドラクエ・チームビルディング×「北淡震災記念公園」震災学習ツアー。遊びと学びのハイブリッド研修をレポート

“遊び”と”学び”は、両立するのでしょうか。淡路島の「ニジゲンノモリ」「北淡震災記念公園・野島断層保存館」を組み合わせたツアーに参加しました。
午前は、仲間と協力しながら課題に挑む体験型のチームビルディング。午後は、震災の記憶と向き合い、自分と周囲の命を守るための学びへ。見えてきたのは不測の事態にどう向き合うか、仲間とどう連携するのかというテーマでした。

観光でも、座学中心の研修でもない。企業旅行やインセンティブツアーにも活用できる体験です。編集長の体験をもとにお伝えします。

ニジゲンノモリ+北淡震災記念公園・野島断層保存館

午前はニジゲンノモリでチームビルディング、午後は北淡震災記念公園・野島断層保存館で震災学習です。

08:30 三宮 出発(貸切バスにて移動)
09:15~14:10 兵庫県立淡路島公園アニメパーク ニジゲンノモリ
 09:30 ドラゴンクエスト アイランド 
 12:30 園内のレストランで昼食
 13:30 謎解きワーク
14:30~16:00 北淡震災記念公園・野島断層保存館
 14:30 震災の語りべ講話
 15:20 野島断層の見学
 16:00 AWAJI EARTH MUSEUM
17:00 三宮 到着

【ニジゲンノモリ】東京ドーム28個分、淡路島の大自然を舞台にした“歩く”テーマパーク

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お子様が体験する施設…?ノンノン。気づけば大人のほうが夢中になっています。編集長・藤井、途中から完全に「自分は武闘家である」と思い込みました。テーマパーク型の研修ツアープログラム、侮ってはいけません。

ゴジラ・クレヨンしんちゃん・NARUTO-ナルト-・進撃の巨人などアトラクション盛りだくさんの「ニジゲンノモリ」

兵庫県立淡路島公園の敷地内にニジゲンノモリがあります。約128ヘクタール、東京ドームおよそ28個分。明石海峡大橋を渡ってすぐの「淡路インターチェンジ」から車で約3分のところにあります。

2017年に開業したニジゲンノモリは、日本のマンガ・アニメなど“2次元コンテンツ”と、自然、テクノロジーを掛け合わせたテーマパーク。「ゴジラ」「クレヨンしんちゃん」「NARUTO-ナルト-」と「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」などのアトラクションがあります。2026年春からは「進撃の巨人」とのコラボイベントも開催予定です。
ライド型ではなく「歩く」ことが基本スタイルです。一般の方に向けたフリーパスは存在しません。1日では遊び尽くせないからです!

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園内の大芝生広場は、散歩や運動をしたりと、市民に開かれている場所でした。団体での昼食、簡単なオリエンテーションなども対応できる広さです。

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【ドラゴンクエスト アイランド】ドラクエを知らなくてもハマる4人1組で挑むRPG体験

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ドラクエを知らなくても楽しめるようにつくられています。もちろんプレイしていたら、一気に会話が弾みますね。
所要時間は約2時間。最初に聞いたときは「そんなに?」と驚きますが、体験すると納得です。どれどれ覗いてみましょう。

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舞台は、あの国民的RPG「ドラゴンクエスト」の世界をリアルに再現したフィールドRPGアトラクション「ドラゴンクエスト アイランド」。参加者は4人1組でパーティを組み、「戦士」「武闘家」「盗賊」「魔法使い」「遊び人」の職業を決めて冒険に出ます。

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…正直、大人でも超楽しい。途中から自分がプレイヤーそのものになった気分でした。 何が面白かったのかを、まとめてみました。


ゲームの形を借りた自然な役割分担と意思決定

王様からの依頼を受けるところからスタート。「冒険者のしるし」と「冒険の書」を手に、フィールドを歩き回ります。

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目標は大魔王ゾーマを倒し、世界に平和を取り戻すこと。そのために城下町の人の話を聞いたり、メダルや宝箱を探したり…と常にクエストがあります。

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魔王城

クエストは見失わないように、うま~く設計されていました。「冒険者のしるし」をかざすと、タイミングによって表示される情報が変わります。話を聞きに行くのが、早すぎると反応しない。誰がプレイしても、ちゃんとゲームが進行するよう設計されていることに脱帽です。

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「あっち見てくるわ!」「さっき見かけた気がする」謎解きが得意な人、地図を読むのが得意な人、体力を活かして探索する人。ゲームの形を借りて、自然と役割分担と意思決定が生まれます。メダルを見つけたときの高揚感、他チームの姿が見えなくなってきたときの焦り。思い通りに進まない場面こそ、チームの会話が生まれます。トラブルを共有し、声を掛け合い、解決策を探す。その過程自体が、自然なチームビルディングになっていました。同じ体験を通して、同じ感情を共有できる濃度は、座学ではなかなか得られないものだと思います。

年齢差のあるグループや、体力にばらつきのある団体でも、無理なくできる内容でした。小学生くらいのお孫さんとおばあさまのペアも見かけました。

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失敗しながら学習するプロセスが、ゲームに似ている

完全にルールを理解してスタートしません。不思議なもので、進めていくうちに少しずつ仕組みが分かってくるのです。体験しながら理解する感覚が、まさにゲームと同じで感動しました。

小さな町だと思っていたのに、途中から情報がごちゃごちゃになってきて。どこで何を見て、誰の話を聞いたのか分からなくなり、神経衰弱をしている気分でした。ミッションのクリアにはかなり頭を使いましたね。私は北の森エリアの行き方が分からず、しばらく彷徨うことに(笑)。だからこそ「自分の足で探している」という実感が湧いてくるのです。

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誰でも主人公に。年齢や体力に関係なく誰もがチームに貢献

道中には、ドラキー、ばくだんいわ、メタルスライム、スライム、キラーパンサー、キングスライムなど、おなじみのモンスターたちが登場します。ゲームに不慣れな方でも、ボタン操作で戦闘に参加可能。

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勇者のつるぎを見つけました。

「勝ち方」がひとつじゃない評価設計

クリアを目指すだけでなく、6つの評価軸が用意されている点も秀逸でした。

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クイズ大会の様子
  • タイムを競う「タイムレース」
  • 万歩計を使った消費カロリー対決
  • チームの団結力を見る「写真撮影コンテスト」
  • フィールドに隠された「ちいさなメダル」の獲得数
  • かいしんのいちげきのポイント
  • クイズ対決

私の歩数は5,693歩。トップチームは7,500歩超えでした。頭だけでなく身体もしっかり使うので、なかなかの運動量。デスクワーカーの健康促進という視点でも機能しそうです。

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日・英・中・韓対応で国籍を問わず参加できる

基本は日本語ですが、英語・中国語・韓国語にも対応。最初に設定した言語に応じて表示が切り替わるため、多国籍チームでの利用にも十分対応できるでしょう。

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かの有名な「へんじがない。ただの しかばね のようだ。」です。3ヶ国語で併記されていますね

雨天対応レストランは130席で団体利用にやさしい

ニジゲンノモリは屋外型ですが、雨天時でも実施可能です(雨具が必要)。園内のレストラン「モリノテラス」は全130席(屋内80席、テラス50席)。屋内席があるため雨天時も安心です。

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ルイーダの酒場では、メニューや掲示板まで世界観が徹底。余韻に浸ります。

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おみやげコーナーも充実。購入の時間も確保できると良いですね。

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ニジゲンノモリ
営業時間 10:00~22:00
(ドラゴンクエスト アイランド
最終受付 19:30、サブクエストは19:00)
駐車場 観光バス10台(県立淡路島公園F駐車場)
団体窓口 050-3684-4874
Webサイト https://nijigennomori.com/


国道43号倒壊再現模型

【北淡震災記念公園・野島断層保存館】30年が過ぎ、あらためて震災を自分ごとにする

冒険の高揚感から一転「北淡震災記念公園・野島断層保存館」へ。1995年の阪神・淡路大震災で出現した野島断層が、ありのままの姿で保存されています。震災の記憶が薄れやすい今、現地で学ぶことは自分ごととして考えるために、欠かせないものだと思います。

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震災の語りべが伝える あの日のこと

約45分にわたり総支配人の米山正幸(こめやま)さんがお話されました。どこかで見聞きした話ではなく当事者が語る言葉は、言い表せない重みがあります。一部ご紹介します。

「1995年1月17日午前5時46分、兵庫県南部地震の特徴は、突き上げるような激しい縦揺れでした。溜まっていたエネルギーのほとんどが最初の10秒間で放出され、続く横揺れを含めてもわずか40秒という短い時間で、北淡町では39名の尊い命が奪われ、約3700棟あった家のうち、3300棟が全半壊するという壊滅的な被害を受けました。

当時、私は生後2ヶ月の赤ちゃんを間に挟んで奥さんと川の字で寝ていました。激しい衝撃と共に奥さんが赤ちゃんに覆いかぶさり、米山さんはその2人に覆いかぶさることしかできなかった。震度7の揺れは立つことすらできず、電子レンジが2mも吹き飛んで床に突き刺さるほど、凄まじいものでした」

北淡町、行方不明者ゼロを実現した対策と共助の姿勢

自身の家族の無事を確認したあと、米山さんは消防団員として、倒壊した家屋からの救助活動や、避難所への救援物資の配送に奔走することになります。この講話から考えられるのは、マニュアルだけでは対応できない不測の事態に直面したとき、人はどう動くべきかという問いです。

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北淡町では、倒壊した家屋の下敷きになり、生き埋めとなった人が約300名いました。地震発生当日のお昼過ぎには全員が救出され、夕方には行方不明者ゼロを発表できたといいます。背景にあったのは、日頃からの住民同士の密接なコミュニケーション。地元の消防団員と住民が顔見知りであり、隣の家のおじいちゃんがどの部屋で寝ているか、子供がどこにいるかを互いに把握していたのです。家がぺしゃんこに潰れていても、どこを探せばよいか即座に判断できたのです。災害時における「共助」がいかに重要であるかを教えてくれました。

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自分の命は自分で守るという自助の精神を強く持ってほしい

講話の後半では、明日から活かせる防災対策のアドバイス。最後には、震災で幼い娘を亡くした母親が10年後に娘に宛てて書いた手紙が朗読されました。「愛する人を失う悲しみを二度と繰り返さないために、自分の命は自分で守るという自助の精神を強く持ってほしい」。静かに涙を流す方の姿がありました。心に深く届いた証だと思います。

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災害は”起きた出来事”ではなく、いつでも起こり得る”これからの課題”。防災・減災は、私たちの生活に欠かせないテーマです。

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展示されている野島断層

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地震発生でズレた生け垣

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長田の公設市場で使われていた鉄筋コンクリートの防火壁「神戸の壁」。神戸大空襲、阪神・淡路大震災でも焼け残りました。

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活断層の真横でもほとんど壊れなかった家「メモリアルハウス」
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AWAJI EARTH MUSEUM

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野島断層保存館の隣には神姫バス株式会社が手がける自然体験型ミュージアム「AWAJI EARTH MUSEUM(アワジ アース ミュージアム)」があります。2025年3月にオープンしました。館内に並ぶのは淡路島で生み出される製品や、この土地の風土・暮らしに根ざしたアイテムの数々。お土産やカフェに立ち寄れますね。

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北淡震災記念公園 野島断層保存館
営業時間 09:00~17:00
駐車場 一般車200台、観光バス20台
窓口 0799-82-3020 
Webサイト https://www.nojima-danso.co.jp/


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Editor’s note:遊びながら学び、学びながら備える

今回は、観光庁の「地域観光魅力向上事業」の補助金を活用したモニターツアーとして実施されました。「ニジゲンノモリ」は、パソナグループが運営。阪神・淡路大震災が発生したのは1995年1月17日。2025年で30年という大きな節目を迎え、震災を「体験として知る人」が急速に減っていくタイミングでもあります。この“30年の壁”に直面する淡路島では、震災の記憶をどう継承し、どう次世代に伝えていくかが大きな課題。そこで、株式会社ニジゲンノモリは、北淡震災記念公園と連携し、防災学習(北淡震災記念公園) × チームビルディング(ニジゲンノモリ)の「淡路島体験学習ツアー」を企画しました。

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ツアーを通して見えてきたキーワードは「不測の事態の動き方」と「連携」です。ニジゲンノモリでは、チームでゴールを目指す“疑似体験”が用意されています。状況を理解し、誰が何を担うか、どう意思決定するのか。仲間と困難に立ち向かう場面が自然とつくられます。失敗や迷いも含めて、チームで乗り越えていくプロセスそのものが学びになります。
一方「北淡震災記念公園・野島断層保存館」では、災害から、自分と仲間の命をどう守るのか。防災や共助というテーマを“自分ごと”として捉えられるようになっています。

MICEにおいては、教育旅行や企業研修、ファミリー向けプログラムに広く展開できる可能性を感じられました。

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