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八芳園、創業以来最大規模のリニューアル 10月1日グランドオープン 「継承と創造」でMICEを大幅に強化

東京・白金台の総合プロデュース企業、八芳園が半年以上の改修期間を経て、2025年10月1日にグランドオープンを迎えます。創業以来最大規模となるこのリニューアルは、「継承と創造」をテーマに掲げ、結婚式の価値を深める「生涯式場」への進化を目指すだけでなく、MICE事業の大幅な強化と白金台から広がるエリアプロデュースを推進し、多様性と国際性に対応した文化の継承と創造に取り組むものです。今回の大型投資は、婚礼事業に依存しない新たな事業基盤の確立を目指す八芳園の、未来への強い意志を示すものと言えるでしょう。

ロビー 庭側
ロビー 庭側

八芳園が描くMICE事業の新たな可能性

八芳園は、約400年の歴史を持つ日本庭園とともに、80年以上にわたり日本文化とおもてなしを体現してきました。2000年代からは国際会議やビジネスイベントといったMICE事業にも注力し、人と人、文化と文化を結ぶ場としての役割を担ってきました。今回のリニューアルでは、MICE事業のさらなる強化を図り、国際的に選ばれる施設として生まれ変わります。

環境配慮型施設「ZEB Oriented」認証取得でサステナビリティを追求

今回の改修では、本館が「ZEB Oriented」の認証を取得しました。建物の一次エネルギー消費量を基準値から30%以上削減することが必須条件となる、省エネルギーに優れた建築物に対する認証制度です。特に宴会場を用途とする既存施設の改修でこの認証を取得したのは国内初の試みであり、八芳園が環境配慮型施設として地球温暖化対策に貢献する姿勢を示しています。ZEB Oriented認証の取得は、環境意識の高いMICE主催者にとって大きな魅力となりそうです。

6階 HALL HAKU
6階 HALL HAKU

上質なビジネスシーンを創出する会員制「CLUB FLOOR」と企業向けメンバーシップ

MICE事業強化の核となるのが、日本庭園を望む上質な会員制特別フロア「CLUB FLOOR」の新設です。
このフロアには、専用アクセスを持つ「ROOFTOP TERRACE」や、全長約20メートルのLEDウォールを備える「STUDIO KOKU」、そして柔軟な空間利用が可能な「HALL HAKU」などが設けられ、質の高いビジネスシーンをサポートします。

5階 STUDIO KOKU
5階 STUDIO KOKU

企業向けのメンバーシッププログラム「CLUB HAPPO-EN for Business」も2025年2月から開始され、会員企業には「CLUB FLOOR」の優先利用や特別優待などが提供されます。重要な会議やイベントのトータルサポートが可能となり、MICE誘致につながることが期待されます。

多様なゲストに対応するムスリム対応専用キッチン

国際的なMICEイベントを誘致する上で不可欠なのが、多様な文化的・宗教的背景を持つゲストへの配慮です。八芳園は今回、ムスリム対応専用のセントラルキッチンを館内に新設し、NPO法人日本ハラール協会による「ハラールフードサービス施設認証」の取得も予定しています。より多くのゲストに安心して食の体験を楽しんでいただける環境が整い、国際会議やイベントの開催地としての魅力がさらに高まります。


1階 HAKOU ~122名様
1階 HAKOU ~122名様

「生涯式場」への進化がMICEにもたらす相乗効果

八芳園のリブランディングでは、ブライダル事業を「ライフイベントプロデュース事業」へとアップデートし、「生涯式場」という概念を提唱しています。これは、結婚式にとどまらず、お客様の人生のあらゆる節目に寄り添い、祝福の場を提供するという考え方です。

2階 KIOTO ~102名様
2階 KIOTO ~102名様

結婚式の価値を深化させる「並婚礼」という考え方

現代社会の多様性を尊重し、新たな文化創造を推進するため、八芳園は「並婚礼」という考え方を掲げています。結婚式の価値を深化させるとともに、多様なライフイベントシーンに寄り添う存在へと進化することで、結婚式場から「生涯式場」へと事業をアップデートするものです。八芳園は単なる結婚式場ではなく、人生の節目節目で利用される特別な場所としての地位を確立しようとしています。

インスピレーションサロン
インスピレーションサロン

五感でインスピレーションを深める空間 VRによる披露宴体験

新設された「インスピレーションサロン」では、五感を通じて結婚式のイメージを深められるよう、VRによるリアルな披露宴体験や、花材・コーディネートを実際に見て触れて選べるアトリエ、シェフとの対面での料理打ち合わせなどが提供されます。結婚式の準備における不安を解消し、よりパーソナルな体験を追求するものです。MICE事業においても、このような五感を刺激する体験型コンテンツのノウハウは、イベント参加者の満足度向上に貢献するのではないでしょうか。


白金・高輪エリアを「国際交流拠点」へ

八芳園は、白金台から白金・高輪エリアへと広がる事業展開を推進し、地域に根ざした文化の継承と創造に取り組んでいます。特に、東日本旅客鉄道株式会社との「共創パートナーシップ協定」を締結し、「TAKANAWA GATEWAY CITY」をはじめとするエリア一体での文化発信・地域共創を通じて、この地域を「国際交流拠点」として発展させることを目指しています。

割烹BUTAIの料理
割烹BUTAIの料理

高輪ゲートウェイシティへの2店舗同時オープン

2025年9月には、高輪ゲートウェイ駅直結の「ニュウマン高輪」内に、八芳園が手がける2つの新店舗がオープン。29階には、岩手県産栗材を用いた一枚板カウンターや聚楽壁風の壁面など、日本の伝統素材を活かした設えの中で“江戸”をテーマにした日本料理を提供する「割烹 BUTAI」が開業します。ここでは、料理人が目の前で腕を振るい、東京の野菜や全国の旬の食材を取り入れることで、地域と都市を結ぶ食の発信拠点としての役割を担います。また、1階には八芳園初のパティスリー「八芳園洋菓子店」がオープンし、約100種のオリジナルスイーツを提供し、日常に特別なひとときを届けます。これらの店舗は、MICEで訪れる国内外のゲストにとっても、地域の魅力を体験できる新たなスポットとなります。

シンボルツリー
シンボルツリー

DX・AI導入でホスピタリティと効率性を両立

今回のリニューアルでは、伝統と文化を大切にしつつ、最新のDX・AI技術を積極的に導入することで、さらなるホスピタリティの向上を目指しています。料理や飲み物の運搬には運搬ロボットを導入し、スタッフがお客様と接する時間を増やすことで、より心のこもったおもてなしに集中できる環境を整備します。

また、窓拭きや床掃除には専用の掃除ロボットを導入し、作業時間の削減と快適な環境維持に貢献します。タッチパネル型の大型「スマートAIボード」の設置や、全社員へのAIアシスタント配布により、業務効率化と生産性向上を図ります。これらの先進技術の導入は、MICEイベント運営における効率性と、顧客体験の質の向上に寄与するものと考えられます。

外観
外観

まとめ:「生涯式場」への進化、「MICE事業」の強化、「エリアプロデュース」による地域共創という三つの柱

八芳園の創業以来最大規模となるリニューアルは、「生涯式場」への進化、「MICE事業」の強化、そして「エリアプロデュース」による地域共創という三つの柱から成り立っています。ZEB Oriented認証取得による環境配慮型施設への転換、会員制「CLUB FLOOR」の設置や企業向けメンバーシッププログラムの導入、ムスリム対応専用キッチンの新設、高輪ゲートウェイシティへの新店舗展開、そしてDX・AIの積極的な導入など、その取り組みは多岐にわたります。

八芳園は、これらの変革を通じて、婚礼に依存しない事業基盤を確立し、2030年には年間グループ売上130億円規模を目指すとしています。400年の歴史を持つ日本庭園を舞台に、日本の美意識と文化を次世代に継承し、世界へと発信していく八芳園の挑戦は、MICE市場に新たな価値と可能性を提示するものとして、今後も注目されることでしょう。

八芳園 公式Webサイト https://happo-en.com/

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