1. HOME
  2. MICEあれこれ
  3. イベントのニュース
  4. 【台北国際旅行博 ITF 2025】台湾最大の旅行博、11月7日~10日開催 B2B戦略と日本の存在感
イベントのニュース

【台北国際旅行博 ITF 2025】台湾最大の旅行博、11月7日~10日開催 B2B戦略と日本の存在感

台北国際旅行博(ITF)は1987年の創設以来、台湾最大かつアジア太平洋地域で最も影響力のある旅行展示会として知られています。2025年は33回目の開催を迎え、地域の観光トレンドを測る重要な指標となっています。ITFは台湾を代表する唯一の旅行博と位置づけられ、単なる大規模な消費者向け市場であるだけでなく、国際的なビジネス開発のための高度なプラットフォームであり、台湾の国家観光政策を推進する重要な手段でもあります。MICE業界関係者にとって、世界で最もダイナミックな旅行市場の一つである台湾において、市場参入やパートナーシップ構築のために活用すべき極めて重要なインテリジェンスを提供するイベントです。

台北国際旅行博 ITF 2025
ITF公式サイトより

ITF 2025 概要とこれまでの成長の軌跡

ITFは非営利の民間団体である財団法人台湾観光協会(TVA)が主催し、交通部観光署などの政府機関の支援を受けています。台湾唯一の国家レベルの旅行博として、地域の観光プロモーションとビジネス機会創出の両面で重要な役割を果たしています。

2025年は11月7日(金)から10日(月)までの4日間、台北南港展覧館1号館(1階および4階)で開催されます。会場規模は大きく、約123の国と地域から約1,600のブースが出展されると予測されています。2024年の出展国数111、ブース数約1,500からのさらなる拡大を意味しています。

来場者数は、パンデミック後のV字回復を明確に物語っており、2024年には約36.4万人に達しています。この急速な回復は、ITFが台湾の一般消費者にとって旅行関連のお得な情報や最新情報を入手するための主要なプラットフォームとしての構造的な重要性を保持していることの証であり、出展者にとっては購買意欲の高い、非常に意欲的な消費者が存在することを示唆しています。

台北国際旅行博 ITF 2025
ITH公式サイトより

観光政策と連携した戦略的焦点

ITFは、「サステナビリティ」と「デジタル化」という二つの戦略的方針を積極的に推進しています。これは世界のMICEトレンドや台湾の国家観光政策と戦略的に連携したものです。

デジタル技術による体験向上と持続可能な観光

デジタル化の実践として、財団法人資訊工業策進会との協力によるAIを活用したカスタマーサービスの提供が具体的な取り組みとして挙げられています。テクノロジーを通じて来場者体験を向上させることを示唆しており、ITFが革新的なイベントソリューションを受け入れる場であることを示しています。また、最新のデジタル技術、例えばAIアシスタントやAR/VRツアーの導入事例など、新たな潮流を取り入れた展示にも期待が寄せられています。

サステナビリティの要請として、出展者は持続可能なイベント慣行に沿った展示デザインを行うことが奨励されています。環境に優しい観光を推進するという台湾観光署(TTA)の目標を示すものであり、台湾をこの地域における持続可能なMICEのリーダーとして位置づけるものです。国内旅行ゾーン(4階)では、先住民族の集落ツアーやエコツーリズムなど、高付加価値でニッチなテーマ性のある深い旅行体験を促進する商品が紹介されます。

B2Bビジネスの核:トラベルマートの戦略的役割

ITFの重要な側面は、一般向けのB2Cプラットフォームであると同時に、強力なB2B機能を持つハイブリッド構造であることです。

招待制商談会「トラベルマート」

旅行業界向けに、一般公開の前日である2025年11月6日木曜日に「トラベルマート(Travel Mart)」と呼ばれる招待制の特別なB2Bプラットフォームが開催されます。トラベルマートは、台湾観光署(TTA)が台湾へのインバウンド市場を発展させるため、国内外のバイヤーと出展者がビジネス上の議論や交流を行うよう招待する仕組みです。ビジネスミーティングを促進し、台湾へのインバウンド観光を推進するために明確に設計されていることがわかります。

海外旅行ゾーンにおける日本の圧倒的な存在感

イベントは戦略的に二分されており、1階は海外旅行ゾーンに特化しています。このゾーンにおいて、「日本ゾーン」は、全参加国の中で一貫して最大かつ最も人気の高いパビリオンとして存在感を放っています。

過去最大規模の出展と人気

日本ゾーンは公益社団法人日本観光振興協会が事務局を務め、2024年には98の団体が182のブースを出展し、参加国中最大規模となりました。その継続的な拡大は、台湾と日本の間の深く、強固な旅行回廊の存在を示す主要な指標であり、台湾人旅行客にとって日本観光のPR効果が高いこと、そして日本館が来場者人気エリアとして評価されていることを示しています。

2025年も地方自治体などがツアー情報や特産品を持ち込み、日本各地の魅力をアピールする予定です。また、航空会社ではJAL(複数の県と共同ブース)といった業界大手も積極的に参加予定です。観光庁やJNTO(日本政府観光局)もインバウンド誘致の一環として間接的に協力しており、ITFを通じた日本の旅行商材普及に注力しています。

FIT層を意識した出展構成

日本ゾーンには、JR東日本クロスステーションのような大手地域団体や交通事業者に加え、増加する台湾の個人旅行者(FIT)をターゲットとする空港送迎サービス「NearMe」のような革新的なサービス提供者も集います。

このような特定の物流ソリューションを提供する企業の存在は、台湾のアウトバウンド市場が包括的なパッケージツアーから、より洗練された個人旅行者(FIT)セグメントへと顕著にシフトしていることを示唆しています。これらの旅行者は、旅行を詳細に計画し、交通やユニークな体験など、細分化されたサービスのエコシステムを必要としています。この市場の成熟度は、日本の出展者に対し、単一的なパッケージではなく、多角的でサービスに特化したアプローチをとることの重要性を示しています。

台北国際旅行博 ITF 2025
台湾の町並み

MICE関係者がITFを活用するための視点

台北国際旅行博は、一般消費者向けの巨大な市場であると同時に、台湾のインバウンド市場開発に不可欠なB2B商談プラットフォームです。ITFは台湾のMICE戦略の礎であり、高付加価値の旅行者の誘致といったTTAの戦略目標を直接的に支援しています。特にMICE関係者にとって、トラベルマートへの参加は重要な目標であり、招待を確保するためには、TTAとの関係構築が重要となります。

台北国際旅行博 公式サイト https://www.taipeiitf.org.tw/

関連記事:旅行、観光展示会

韓国・釜山でワーケーション、支援が充実
Aichi Sky Expo特集
お問合せはこちらから
スマホアプリができました
過去記事から探す
カテゴリー