
ロッテグループ、日本でのホテル事業を本格拡大 新会社「LOTTE HOTELS JAPAN」設立で2034年に20ホテル展開へ
ロッテグループが日本でのホテル事業拡大に本格的に乗り出します。日本の株式会社ロッテホールディングスと韓国の株式会社ホテルロッテが共同で新会社「株式会社LOTTE HOTELS JAPAN」を設立しました。今後10年間で、既存の2ホテルを含め国内20ホテル、4,500室の展開を目指す計画です。日韓両グループの強みを活かし、全国のホテルオーナーとのパートナーシップを軸に事業を拡大。拡大する日本のホテル市場で新たな価値と豊かな体験を提供し、持続的な成長戦略を描きます。

新会社「LOTTE HOTELS JAPAN」設立の背景と目標
日韓連携によるグローバル戦略「ONE LOTTE」
ロッテグループは、2022年から「ONE LOTTE」をスローガンに掲げ、日本と韓国の事業シーズを掛け合わせたグローバル戦略を推進しています。今回の新会社「株式会社LOTTE HOTELS JAPAN」の設立は、この戦略をホテル事業において具現化するものです。ホテル事業への参入は1973年に韓国で始まり、現在は世界7カ国で39ホテルを運営しています。
日本国内ではこれまで「ロッテシティホテル錦糸町」と「ロッテアライリゾート」の2施設を運営してきましたが、新会社設立を機に事業を本格的に拡大し、今後10年間で主要都市や観光都市を中心に、国内20ホテル、4,500室の展開という高い目標を掲げています。

拡大するインバウンド需要への着実な対応
この事業拡大の背景には、日本のホテル市場の成長見込みがあります。日本政府は「2030年に訪日外国人旅行者数6,000万人達成」を目標に掲げており、今後も市場の拡大が期待されています。訪日外国人旅行者の中で大きな割合を占める韓国人観光客に対し、韓国におけるロッテの高いブランド力は、日本での宿泊客獲得において大きな強みになると見込まれています。日韓ロッテがグローバルに展開するブランド力と認知度により、日本で新たに展開するホテルへの送客効果が期待できます。

LOTTE HOTELS JAPANが展開する事業戦略
MC方式を軸としたホテルオーナーとのパートナーシップ
LOTTE HOTELS JAPANは、マネジメント・コントラクト(MC)方式を事業拡大の軸に据えています。この方式では、ホテル不動産はオーナーが所有し、LOTTE HOTELS JAPANが運営全般を一貫して担います。ホテルオーナーはロッテグループが持つ専門的な運営ノウハウとブランド力を活用して、安定的なホテル経営が可能となります。同社はこれを単なる運営委託ではなく、事業成功に向けた真のパートナーとして、長期的な視点で収益最大化に取り組むとしています。
日韓の強みを融合した独自の価値提供
新会社の強みは、日韓両国で培った豊富なホテル運営ノウハウやブランド力です。ホテルロッテが50年以上の経験と世界7カ国での運営で培った洗練されたホスピタリティに、日本特有のきめ細やかなサービスを融合させます。国際的な感覚をベースにしつつ、インバウンド・国内双方の需要に対応できる上質なサービスを提供します。また、ホテルロッテが展開してきたラグジュアリーホテルからリゾートホテルまで、多彩なブランドポートフォリオを日本市場向けに最適化して導入していきます。
ウェルビーイングを核とした体験価値の創造
LOTTE HOTELS JAPANは、滞在中に「ウェルビーイングを極める体験」を提供することで、ロッテブランドの価値向上を目指します。「身体のウェルネス」としてロッテグループが手掛けるオリジナルの美容サプリや健康食品を活用、「心のウェルネス」として温泉と静寂の空間を味わうプログラム、「社会的つながりのウェルネス」として地元散策や農業体験などを提供する計画です。
オリジナルのスイーツ提供など、「日韓それぞれが誇る上質で本物の+α体験」を提案し、他のホテルとの差別化を図ります。

ホテルオーナーへの包括的なサポート体制
LOTTE HOTELS JAPANは、ホテルオペレーターとして、ホテルオーナーの「ホテル事業の拡張」と「収益向上」に貢献することを明確な役割として掲げています。具体的には、開発戦略の策定や用地選定、ブランド提案といった開発段階から、開業サポート、人材育成、セールス・マーケティング支援、収益マネジメントに至るまで、ホテル運営のあらゆる側面を包括的に支援する体制を整えています。これにより、オーナーとの強固なパートナーシップを築き、事業の成功を目指します。
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