MICE産業 4団体が連携! フィンランド発祥のスポーツ「モルック」で人材育成・次世代交流
スポーツで連帯感を醸成、ディスカッションで仕事の悩みを解消
一般社団法人 日本コンベンション協会 のプレスリリースより
2024年8月6日(火)、一般社団法人日本コンベンション協会(JCMA)は、一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)、一般社団法人日本展示会協会、MPI Japan Chapterと共同で、MICE/イベント産業に従事する会員事業者を対象に、フィンランド発祥のスポーツ「モルック」を通じた合同交流会「モルック大会」を開催しました。MICE産業4団体による合同交流会は、今年2月に開催した「ARスポーツ大会」に続き今回が2回目です。コロナ禍を経て、団体間の対面での交流を活性化させ、産業全体の士気向上や人材育成・次世代交流、人脈づくりの機会を創出することを目的としています。また、団体間の連携を通じて、MICE産業の認知度向上と社会への発信力の強化も目指しています。
今回は、他社・他団体・他業種のメンバーで混合チームを組み、モルックをはじめ、「仕事における悩みや課題」をテーマにしたグループディスカッションや懇親会を行いました。若手からベテランまで幅広い年齢層が参加し、和やかな雰囲気の中でつながりを築く場となりました。
【開催概要】
イベント名:MICE産業4団体 合同交流会「モルック大会」
日 時:8月6日(火)14:00~20:00(懇親会18:00~)
場 所:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター sola city Hall
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台4丁目6
主 催:一般社団法人日本コンベンション協会(JCMA)人材育成委員会・次世代委員会
協 力:一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)、
一般社団法人日本展示会協会、MPI Japan Chapter
プログラム:14:00~16:00 モルック大会
16:00~18:00 グループディスカッション「仕事における悩みや課題」
18:00~20:00 懇親会
■モルックとは?
モルックとは、フィンランドの伝統的なキイッカ(kyykkä)というゲームを元にLahden Paikka社が1996年に開発したスポーツです。木製の「モルック棒」を、木製のピン「スキットル」に向かって投げ、その倒れ方によって得点が決まります。得点を加算していき、先に50点ピッタリになるまで得点した方が勝ち。とても簡単なルールで老若男女問わず楽しめることから、チームビルディングにも適しています。
今回のモルック大会では、6人1組の12チームが、6つのコートに分かれて5試合ずつ行いました。初対面同士の参加者も多い中、会場内には歓声や悔しさの声が響き渡ります。各チームが優勝という共通の目標に向かって一致団結し、熱気あふれる盛り上がりを見せました。
モルックで打ち解け合ったあとは、「仕事における悩みや課題」をテーマにしたグループディスカッションを行い、より交流を深めました。
<ディスカッションの流れ>
- 自分の悩みを表すアート写真を複数の中から選び、それをチーム内で共有
- 各々の悩みに対して、メンバー全員で具体的な解決策を出し合う
- その中で共通の悩みや解決策を見つける
- 2チームごとにディスカッション内容を発表異なる会社に所属していても、同じ業界で働く仲間が自分と似たような悩みを抱えていたり、上司と部下それぞれの立場からの意見を聞けたりすることで、仲間意識がより高まりました。ディスカッションは活発に行われ、その後の懇親会では和気あいあいとディスカッションの続きをする姿も見られました。
■MICE産業の認知度向上と人材確保
対面を前提としてきたMICEは、コロナ禍で中止や延期が相次ぐなど、大きな打撃を受けました。その中で、MICE関連事業者として、対面で開催するMICEの意義を実感するとともに、社会において産業として認知されることの重要性を改めて強く認識しました。コロナ禍以降は、2023年のG7広島サミットの開催などをきっかけに、再度MICEに関心が寄せられ、2024年にはインバウンドが過去最高の様相を見せています。
一方で、回復とともに生じる問題の一つが、人材不足です。今後、社会にMICEとその重要性がさらに認知され、MICEの仕事に一層の魅力を感じてもらうためには、1つの企業、1つの団体ではなく、複数の関係団体の連携によって発信力を高めることが不可欠です。
■JCMAの人材・次世代育成企画の新たな展開
JCMAでは、人材育成委員会と次世代委員会が協力し、若手メンバーが参加しやすい交流・育成企画を行っています。これまでに、「モルック大会」をはじめ、LEGOブロックを使用してコンベンション業界の課題や未来を表現する「レゴ®シリアスプレイ®」のワークショップなどを実施。彼らが業界で働くことの楽しさや素晴らしさを改めて感じつつ、さらに優れたスペシャリストになれるようサポートしています。今回の企画は、他の業界団体との連携により、その活動をさらに広げる意味を持っています。
■4団体連携の目的
MICE/イベント産業に従事する事業者(企画・運営、印刷・デザイン、映像・音響・照明機器レンタル、ケータリング、人材サービス、通訳・翻訳、ディスプレイ、ホテル、輸送、施設、コンベンションビューロー等)が、より一層の情報共有、協力、交流を促進すること。そして、インバウンドの復活とともに本格的な回復をみせているMICEをさらに盛り上げ、産業全体で社会への発信力を強化することです。
また、若者層がスポーツを通じて楽しみながら、業界の他の企業や団体の同世代と交流できるネットワーキングの場を提供することで、MICEの仕事の魅力や将来の可能性を新たに発見、または再認識する機会を生み出します。
■MICE産業の連携は、サステナブルなソフトパワーの発揮に向かう
JCMAは、イベント・ MICE運営に関わる業界団体とともに、2025年の大阪・関西万博の準備を契機として設立された「イベント・MICEサステナブル運営推進コンソーシアム」に参画しています。これは、制作・ 運営現場の立場から、「使い勝手の良い」ガイドブックの制作に取り組むものです。
今の時代にまさに必要とされるMICE産業の「ソフトパワー」をさらに強化し発揮していくべく、今後も、企業、団体を超えた連携を行ってまいります。
社会に不可欠な「MICE産業」とは?
■MICEの意義
MICEとは、Meeting(企業系会議・研修)、Incentive travel(企業の報奨旅行)、Convention(国際会議・学会)、Exhibition/Event(展示会・イベント)の総称です。
観光庁は、その意義として、(1)高い経済効果、(2)ビジネス機会等の創出、(3)都市ブランド・競争力向上、(4)交流人口の平準化、(5)レガシー効果 などをあげています。
■経済波及効果 は1兆590億円
MICE産業は、上記の意義を実現化する産業です。
会議開催、宿泊、飲食、観光などの経済・消費活動の裾野が広く、一般的な観光以上に周辺地域への経済効果を生み出すことが期待されます。
観光庁が2018年に発表した、2016年の国際MICEによる経済波及効果は1兆590億円。また、外国人のMICE参加者の1人当たりの平均消費額は33.7万円で、一般観光での訪日外国人1人当たりの平均消費額の15.6万円よりも、約18万円も多いという調査結果が公表されています。
■4団体の概要
<一般社団法人日本コンベンション協会(JCMA)>
JCMAは2015年の発足以来、我が国のMICE推進における中核としての役割を担い、コンベンションをはじめとするMICEにおける日本有数の団体として、MICEの国際競争力の強化に向け、MICEの意義に関する発信・啓発や政策提言、MICEの経済波及効果算出への参画、人材育成・人材交流、国際交流、サステナビリティに向けた活動などに取り組んでいる。
・会員数:260会員(2023年3月31日現在)
・代表理事:近浪 弘武(日本コンベンションサービス株式会社 代表取締役社長)
・URL:https://jp-cma.org/
<一般社団法人 日本イベント産業振興協会(JACE)>
JACEは、イベント産業の振興とそれに伴う豊かな社会の実現を目指し、1989年に設立。イベントの企画制作から実施運営まで、幅広い分野にわたる企業や団体で構成される社団であり、多くの関係者のご協力のもと、イベントやイベント産業に関する調査研究、情報提供、普及啓発、人材育成、内外関係団体との交流、会員交流等の事業活動を行っている。
・会員数:正会員68法人・準会員1法人・賛助会員23法人(2024年7月5日 現在)
・会長:石井 直(株式会社 電通 相談役)
・URL:https://www.jace.or.jp/
<一般社団法人 日本展示会協会>
⽇本展⽰会協会(⽇展協)は、1967年に「晴海協議会」として発⾜し、2013年に⼀般社団 法⼈格を取得。主催者、展⽰会場、⽀援企業の三者で構成される⽇本最⼤級の展⽰会業界団 体。
・会員数:303社・団体
・会⻑:堀 正⼈(株式会社イノベント 取締役代表執⾏役社⻑)
・URL:https://www.nittenkyo.ne.jp/
<MPI Japan Chapter>
MPI Japan Chapterは、MICEのグローバルコミュニティであるMPIの日本支部として1995年に創立され、ミーティング・ビジネス(MICE)業界で活躍する会員が多数所属している。年間の活動として、専門家の講演会や教育セミナー、専門性向上のための勉強会などのほか、会員同士の交流やネットワーキングの機会も数多く提供している。
・会員数:約80人
・会長:岡村篤(株式会社野村総合研究所 社会システムコンサルティング部長)
・URL:https://www.mpi.org/chapters/japan