
数字で見るMICE業界:MICEの成長性とキャリアの未来像を考える【MICEキャリアナビ】
【データで見るMICE業界】未来を創る、成長産業でのキャリアとは?
この記事は、こんな方に向けた記事です
- 将来、どんな業界で働こうか迷っている就職活動中の学生の方
- イベントの企画運営や、旅行・観光の仕事に興味がある方
- 世界とつながるような、国際的な仕事に挑戦してみたい方
- 自分の仕事で地域を元気にしたり、社会に貢献したりしたいと考えている方
- 人と人をつなぎ、新しい価値が生まれる瞬間に立ち会うことに喜びを感じる方
MICEの本質は、世界中から人々が集まり、ビジネスや文化、そして新しいアイデアが交差する、未来を創るための戦略的な産業にあります。MICEが注目される理由のひとつは、参加者が地域で使うお金の額に明確に表れています。例えば、2023年に日本で開かれた国際会議では、海外からの参加者1人当たりが使ったお金は、平均で約112万2千円でした。これは、同じ年の一般的な外国人観光客の平均消費額(約21万3千円)と比べると、5倍以上もの金額です。この数字一つをとっても、MICEがいかに価値が高く、大きな可能性を秘めた産業であるか想像できるはずです。
この記事では、客観的なデータを使いながら、MICE業界の本当の規模、コロナ禍からの力強い回復、そして未来を形作る大きなトレンドを、学生のみなさんにも分かりやすく解説します。これから自分のキャリアを考えるみなさんにとって、MICEの仕事がなぜ、社会への貢献、安定性、そして無限の可能性に満ちた魅力的な選択肢なのかを、一緒に見ていきましょう。

第1章 数字でわかる!MICEが経済を動かす大きな力
MICEは、イベントが開催されるだけでなく、ホテルやレストラン、交通機関といった地域の様々なビジネスを元気にし、新しい仕事を生み出す、経済の強力なエンジンです。その影響力は、日本国内はもちろん、世界中に広がっています。
1.1 日本経済を支える、約8,500億円のインパクト
日本で開催される国際的なMICEは、私たちの国の経済にとても大きなプラスの影響を与えています。観光庁が発表した2023年の調査報告書によると、そのスケールが数字で分かります。
- 経済へのプラス効果:約8,520億6千万円
- 新しい雇用を生み出す効果:約8万2,185人分
- 国や自治体の税収を増やす効果:約1,052億6千万円
これらの数字が意味するのは、MICEが開催されると、ホテルや飲食店、交通機関などが潤うだけでなく、イベント会場の設営や運営、警備、通訳、装飾など、多くの専門的な仕事も活気づくということです。一つのイベントが、まるで波紋のように経済効果を広げていく様子が想像できるでしょう。
この経済的な価値は、コロナ禍以前から非常に高く、2016年には約1兆590億円の経済効果があったと推計されています。2023年の数字は、この高いレベルに力強く戻りつつあることを示しており、今後のさらなる成長が期待されています。
MICEの価値を最も分かりやすく示しているのが、先ほども触れた「参加者一人が使うお金の多さ」です。MICE参加者は単なる旅行者ではなく、「質の高いサービスを求め、たくさんのお金を使ってくれる特別な訪問者」なのです。彼らは企業の役員や研究者など、所得水準が高い層が多く、高級なホテルやレストランを利用する傾向があります。これにより、質の高いビジネスが支えられ、結果として安定した雇用が生まれます。これは、価格の安さで競争しがちな一般的な観光と比べて、MICEがより安定的で効率の良い経済のエンジンであることを示しています。国がMICEを重要な戦略として立派な会議場を作ったりするのは、こうしたしっかりとした理由があるのです。
1.2 世界に目を向ければ、そこは巨大な成長市場 高い成長率も注目
日本のMICE産業の可能性は、活気に満ちた世界市場とつながっています。いくつかの市場調査会社の分析によると、世界のMICE市場は2023年から2024年にかけて、100兆円を超える巨大な規模になると言われています。
さらに驚くべきは、その成長スピードです。年間の平均成長率は7%から11%以上と予測されており、多くの産業と比べても非常に高い数字です。このペースで成長が続けば、2032年から2034年には市場規模が200兆円以上に達すると見られています。この成長の背景には、ビジネスのグローバル化や、企業が「直接会って話すこと」の価値を再認識していること、そしてアジアなどの新興国でビジネスが活発になっていることなどがあります。
地域別に見ると、現在はヨーロッパが最大の市場ですが、ほとんどの調査レポートが、アジア太平洋地域を「これから最も成長する市場」だと指摘しています。この事実は、MICE業界で働くことを考えるみなさんにとって、自分のキャリアを後押ししてくれる強力な追い風になります。アジアのリーダーとしての日本の役割は、これからもっと多くの国際会議や企業イベントを日本に呼び込み、世界で最もダイナミックな経済圏と直接関わるチャンスを増やしてくれるでしょう。
1.3 MICEはどんな立ち位置? 他の産業との比較 MICEは全産業の成長エンジン
MICE産業がどれくらいの規模なのか、他の有名な産業と比べてみると、その特徴がよりはっきりとわかります。
例えば、日本の巨大な産業である情報通信業(約99.1兆円)や卸売業(約107兆円)と比べると、国際MICEが直接生み出す経済効果(約8,520億円)は、数字の上では小さく見えるかもしれません。
しかし、MICEの本当の姿は、単独で存在する産業ではなく、他のたくさんの産業の成長を助ける「起爆剤(触媒)」や「エンジン」のような産業であるという点にあります。MICEが開催されることで、ホテル、飲食、交通、小売、そしてイベント運営の専門サービスといった、他の産業に直接的な仕事が生まれます。例えば、大きな国際医学会が一つ開かれれば、最新の医療技術や知識が共有され、医療業界全体の発展につながります。同様に、最新技術の展示会は、出展企業と来場者の間に新しいビジネスチャンスをもたらし、IT業界やメーカーの技術革新を加速させます。
2023年にMICEによって生まれた約8万2,000人分の雇用も、宿泊業、飲食サービス業、運輸業、郵便業、そして様々なサービス業など、非常に幅広い分野にわたっています。つまり、MICE業界で働くということは、一つのイベントの仕事にとどまらず、日本のほとんどすべての主要産業と関わり、それらを刺激する役割を担うということです。これは、他の産業ではなかなか味わえない、多様で面白い経験ができるチャンスだと言えるでしょう。

第2章 驚異のV字回復!コロナ禍を乗り越えた日本の実力
世界中の産業が大きなダメージを受けたパンデミック。MICE業界も例外ではありませんでしたが、そこから驚くべき回復力を見せつけました。特に日本は、質の高い施設や運営能力を武器に、再び世界のMICE開催地として注目を集めています。
2.1 ゼロからの再出発:回復を物語るデータ
パンデミックの影響は甚大でした。日本での国際会議の開催件数は、2019年の3,621件から、2021年にはわずか29件という、これまでにないレベルまで落ち込みました。
しかし、海外との往来が再開されると、業界は力強いV字回復を遂げます。2023年には、開催件数が前年の2.5倍の1,376件、参加者総数も前年の3.1倍の101.6万人を記録し、完全復活への道をはっきりと示しました。
表1:日本の国際会議開催統計の移り変わり (2019年~2023年)
年 | 開催件数 | 参加者総数 | うち外国人参加者数 | 主な開催形態 |
2019年 | 3,621件 | 1,993,790人 | 213,394人 | 対面 |
2020年 | 222件 | 96,271人 | 6,603人 | オンライン/ハイブリッドへ移行 |
2021年 | 29件 | 55,221人 | 750人 | ハイブリッド/オンライン |
2022年 | 553件 | 325,752人 | 33,787人 | ハイブリッド/対面 |
2023年 | 1,376件 | 1,016,000人 | 129,000人 | 対面 |
出典:日本政府観光局(JNTO)各年国際会議統計
この回復劇で特に注目したいのは、「やっぱり直接会いたい!」という人々の強い思いがデータに表れている点です。2023年には、パンデミックが始まって以来初めて、実際に顔を合わせる「対面開催」が、オンラインと併用する「ハイブリッド開催」の件数を上回りました。ビジネスでの人脈づくり、信頼関係の構築、そして偶然の出会いから生まれる新しいアイデア。こうした「対面ならではの価値」は何にも代えがたいことが証明されたのです。これは、MICEという仕事の根幹がいかに強いものであるかを示しており、人と人とのつながりを創る仕事の価値が、これからもずっと変わらないという心強いメッセージになります。
2.2 世界が認める日本の実力:アジアのトップクラスの実績
日本のMICE産業の強さは、国際的な評価にもはっきりと表れています。世界で最も権威のある業界団体の一つ、国際会議協会(ICCA)の2023年の統計で、日本は国際会議の開催件数で世界第7位(363件)にランクインし、アジア太平洋地域では他を大きく引き離して堂々の第1位の座を守りました。これは、2022年の世界12位からの大きなジャンプアップであり、日本の急速な回復を世界に印象付けました。
表2: ICCA 国際会議開催件数ランキング (2023年)
世界順位 | 国・地域 | 開催件数 | アジア 太平洋順位 | 国・地域 | 開催件数 |
1 | アメリカ | 690件 | 1 | 日本 | 363件 |
2 | イタリア | 553件 | 2 | 韓国 | 252件 |
3 | スペイン | 505件 | 3 | オーストラリア | 219件 |
4 | フランス | 472件 | 4 | 中国 | 170件 |
5 | ドイツ | 432件 | 5 | 台湾 | 155件 |
出典:国際会議協会(ICCA) 「2023年国際会議統計レポート」等
日本の強みは、東京のような大都市だけに頼っていない点です。2023年のアジア太平洋地域の都市別ランキングでは、東京(3位)や京都(10位)はもちろん、福岡、札幌、横浜、神戸など、日本の15もの都市が上位70位以内にランクインしました。これは、質の高い会議施設、便利な交通網、そして専門知識を持ったプロフェッショナルが、首都圏だけでなく日本全国に存在し、地方都市も高い競争力を持っていることの証明です。この「全国どこでもハイクオリティ」という事実は、MICE業界でのキャリアが特定の場所に縛られないことを意味します。大都市でダイナミックな国際会議を手がける仕事もあれば、地域の魅力を最大限に活かしたユニークなイベントを創り出す仕事もあるのです。

第3章 未来はもう始まっている:これからのMICEキャリアを創る3つの大きな流れ
MICE業界は、社会やテクノロジーの変化を敏感に感じ取り、常に新しく生まれ変わり続けるダイナミックな分野です。今、この業界で働く人々のキャリアを大きく変える3つの大きな流れが来ています。
3.1 デジタル技術との融合:AI、DX…若い世代が活躍できる機会がある
パンデミックをきっかけに、MICEの世界でもデジタル化が一気に進みました。しかしそれは、単にオンライン会議ツールを使うようになったという話ではありません。テクノロジーは今や、イベントの価値をさらに高めるための戦略的な「武器」として考えられています。
AI(人工知能)がリアルタイムで同時通訳をしたり、イベントのハイライト動画を自動で編集したりする技術は、言葉の壁をなくし、参加者の体験をより豊かなものにします。また、参加者のデータをAIが分析して、一人ひとりにぴったりの講演を勧めたり、新しい人脈づくりのチャンスを提案するパーソナライズされたサービスも始まっています。さらに、VR/AR(仮想現実/拡張現実)技術を使えば、遠隔地にいながら、まるでその場にいるかのような製品デモを体験することも可能です。
この流れは、MICEのプロに求められるスキルを変えていきます。これからは、ただデジタルツールを使えるだけでなく、「これらの技術をどう戦略的に使って、参加者の心を掴み、主催者の満足度を最大化できるか」が問われます。その結果、「デジタルイベントストラテジスト(デジタル技術を活かしたイベント戦略家)」や「MICEテクノロジースペシャリスト」といった、新しい専門家の需要が高まっています。
3.2 サステナビリティとレガシー:「意味のあるイベント」が求められる時代へ
「サステナビリティ(持続可能性)」という言葉を聞いたことがありますか?これは、環境や社会に配慮し、将来にわたって良い状態を保ち続けようとする考え方で、MICEを企画する上で絶対に欠かせない要素になっています。
日本はこの分野で多くの強みを持っています。使う電力を100%クリーンエネルギーでまかなう展示場(愛知県国際展示場)や、ゴミのリサイクル率約90%を達成した施設(パシフィコ横浜)がすでにあります。また、世界一の輸送量を誇る鉄道網という環境に優しい移動手段や、地元の食材を大切にする「地産地消」の文化も、サステナブルなMICE開催を後押ししています。
さらに重要なのが、「レガシー(遺産)」という考え方です。これは、イベントを通じて、開催した地域にずっと残り続けるプラスの影響(遺産)を残そうという考え方を指します。2023年のG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合では、地域の住民がボランティアとして参加し、国際交流を経験することで、自分たちの街への誇りや愛着といった、お金では測れない素晴らしいレガシーが生まれました。2025年に開催されている大阪・関西万博では、どんなレガシーが残るのか考えてみるのも面白いですね。
この流れは、MICEのプロの仕事を、単なるイベント運営者から、持続可能な社会を創る実践者、地域を元気にする仕掛け人、そして未来への貢献をデザインする人へと変えていきます。この変化は、特に社会貢献を大切にする若い世代にとって、MICEという仕事に深い意味とやりがいを与えてくれるでしょう。

3.3 体験こそが価値になる:「忘れられない瞬間」をプロデュースする仕事
情報があふれる現代だからこそ、他では味わえない本物の「体験」の価値が、これまで以上に高まっています。MICEは、この「エクスペリエンスエコノミー(体験経済)」の最前線に立つ産業です。
成功するMICEは、ビジネスの目的を達成すると同時に、参加者の心に深く刻まれる特別な体験を提供します。京都の歴史あるお寺で開かれる晩餐会、最先端の工場を見学するファクトリーツアー、あるいは北海道の雄大な自然の中で心と体を癒すリフレッシュプログラムなど、その土地ならではの文化や魅力を活かした企画が強く求められています。出張(Business)に観光(Leisure)を組み合わせる「ブレジャー」という言葉が広まっているのも、このトレンドの表れです。
この流れは、MICEのプロに、段取りを管理する能力だけでなく、豊かな創造性、文化への深い理解、そして地域の人々と協力関係を築く力を求めます。仕事の焦点が、事務的な手配から、参加者の感情に訴えかける「忘れられない瞬間」を戦略的にデザインすることへと移っており、MICEという仕事のクリエイティブで面白い側面をますます際立たせています。

第4章 MICEで働く、あなたの未来:社会を変えるインパクトと無限のチャンス
MICE業界は今、大きな変化の時を迎え、新しい才能を心から求めています。それは、挑戦とチャンスに満ちたフィールドが、みなさんの目の前に広がっているということです。
4.1 人材不足は、実は大きなチャンス!
MICE業界が今、深刻な人材不足に直面しているのは事実です。これからもその傾向は続くでしょう。しかし、これは業界が衰退しているのではなく、むしろ急成長し、より高度になっている証拠です。コロナ禍からの急速な需要回復と、これまで見てきたような新しいトレンドに対応できる、専門的なスキルを持った人材へのニーズが急増している状態です。
これから業界を目指すみなさんにとって、大きなチャンスを意味します。高い需要は雇用の安定につながりますし、意欲のある人にとっては、若いうちからリーダーシップを発揮し、キャリアを大きく飛躍させる絶好の機会になります。業界団体も合同の交流会などを通じて人材の確保や育成に力を入れており、業界全体が新しい仲間を大切に育て、サポートする文化を持っています。
4.2 未来のMICEプロフェッショナルに必要な5つの力
これからのMICEのプロには、様々なスキルを組み合わせて使いこなす力が求められます。
- 計画を立て、やり遂げる力(プロジェクトマネジメント能力):予算やスケジュールを管理し、多くの関係者と調整し、予期せぬトラブルに備える。複雑な物事を計画通りに進める力は、全ての仕事の土台になります。
- 人と心を通わせ、まとめる力(コミュニケーション・交渉能力):お客様が本当に望んでいることを引き出し、様々な立場の人とスムーズに話を進め、魅力的な企画を提案する力は欠かせません。
- 課題を解決するアイデアを生む力(戦略的・創造的思考力):お客様のビジネスの目標を深く理解し、それを達成するための斬新なイベントを企画する力と、問題が起きても冷静に解決策を見つけ出す力が求められます。
- デジタル技術を使いこなす力:イベント管理ソフトやオンライン配信ツール、データ分析ツール、SNSマーケティングなど、最新の技術を使いこなす能力は、もはや必須スキルです。AIをうまく業務に取り入れることも、重要性が増すでしょう。
- チームを導き、協力する力(リーダーシップとチームワーク):様々な専門家が集まるチームをまとめ、プレッシャーの中でもみんなのやる気を引き出し、一つの目標に向かって導く力が重要です。
これらのスキルを見ると、現代のMICEプロフェッショナルは、単なる「企画屋」ではありません。お客様の課題を解決するために、イベントという手段を設計し、創り上げる「ビジネス課題を解決する設計士)」のような存在に進化しているのです。
4.3 現場のリアルな声:先輩たちのストーリーから学ぶキャリア
データだけでは伝わらない、MICEの仕事のリアルな姿を、現場で活躍する先輩たちの声から探ってみましょう。
- この仕事を選んだ理由:「旅行が好き」「人と人をつなぐのが楽しい」「誰かを支える裏方の仕事に魅力を感じた」など、動機は様々です。大学で観光学を学び、その専門性を活かしたいと考える人も多くいます。
- 大変だけど、最高に面白い!:仕事は忙しく、大きなプレッシャーを感じることも少なくありません。しかし、多くの人を動かし、困難を乗り越えてイベントを成功させた時の達成感は、他では味わえない特別なものだと多くの人が語っています。お客様や参加者から直接「ありがとう」「あなたに頼んで本当によかった」と言ってもらえた瞬間が、一番のやりがいです。
- 一人じゃない、チームで成長できる:何か問題が起きても、一人で抱え込む必要はありません。先輩や上司に相談し、チームみんなで解決策を探す文化が根付いています。若手にとっては、目標となる先輩の存在が、キャリアへの不安を乗り越え、成長していく上でとても大切です。
- キャリアパスは自分で創る:MICE業界のキャリアパスは、一本道ではありません。これは逆に言えば、一人ひとりが自分の強みや興味に合わせて、自分だけのキャリアを創っていける柔軟性があるということです。ITスキルを活かしてシステム開発のリーダーになる道もあれば、医学会など特定の分野の専門家になる道、あるいは全く違う業界から挑戦して、新しい風を吹き込む道もあります。
- 働き方も進化中:長時間労働が課題であることは事実ですが、一方で、テレワークを導入したり、振替休日を柔軟に取って長期休暇を楽しんだりと、働きやすい環境を整える動きも着実に進んでいます。

最後に:さあ、未来を創る仕事へ。チャンスに満ちたMICE業界が君を待っている
このレポートでお伝えしてきたデータや分析は、MICE業界が持つ多くの魅力を明らかにしてくれました。最後に、そのポイントをもう一度、みなさんに力強くお伝えします。
- 経済を動かす力強さ:MICEは、参加者一人が多くのお金を使ってくれる「高付加価値」な産業であり、日本の経済に大きなプラスの影響を与えています。
- 証明された強さ:パンデミックという誰も経験したことのない危機を乗り越え、力強く回復したことで、「人が直接会うこと」の根源的な価値が決してなくならないことを証明しました。
- 未来志向の成長性:世界で最も成長しているアジア太平洋地域の中心に位置し、デジタル化やサステナビリティといった未来の波に乗り、常に進化を続けています。
- チャンスの宝庫:急速な需要の回復と業界の高度化によって、新しい才能を強く求めています。社会に目に見える形で貢献できる、やりがいに満ちたキャリアを築くことができます。
MICE業界で働くことは、単にイベントを運営することではありません。それは、国境を越えた知識の交換の架け橋となり、新しい技術やアイデアを育て、経済を成長させ、そして未来へと続く素晴らしい遺産(レガシー)を創造する仕事です。情熱、創造力、そして社会の役に立ちたいという強い意志を持つあなたにとって、MICE業界は単なる「職業」ではなく、未来を形作るための「舞台(プラットフォーム)」になるはずです。その扉は今、あなたのために大きく開かれています。
