
【大阪・関西万博】文化のるつぼ、パプアニューギニア。7月21日ナショナルデーは20人のダンサーが伝統舞踊を披露
大阪・関西万博の会場北東部に位置する「コモンズ A」館に、ひときわ目を引くブースがあります。パプアニューギニアです。豊かな自然と世界有数の文化多様性を誇る同国の魅力と、来たるナショナルデーの見どころをご紹介します。

7月21日はパプアニューギニアのナショナルデー、20人のダンサーが来日
「パプアニューギニア・ナショナルデー」には、本国から20人のダンサーが来日し、「マヌス州」の伝統的な踊り「マヌス・シンシン」を披露する予定です。「シンシン」というのはパプアニューギニアの民族舞踊(ダンス)の総称のこと。パプアニューギニアでは部族の数だけ「シンシン」が存在すると言われています。今回は国内最北部、赤道直下に位置する島々からなるマヌス州のシンシンが披露されます。
苦難に直面しても守り育まれたマヌス州の伝統的な踊り
「マヌス州」の伝統的な踊りは、数ある民族舞踊の中でも個性的なダンスとして知られています。同国政府・マーケティング担当のストゥワントさんによると、「木の中をくり抜いて作られた太鼓『ガラムート』が奏でる16ビートのリズムに合わせて踏まれる、(タップダンスのような)軽快なステップに注目してほしい」とのことです。太平洋戦争中の1942年に日本軍が進駐した過去を持つ「マヌス」の地。いかなる歴史の苦難に直面しても変わらず守り育んできた自慢の伝統舞踊が、この夏、大阪・関西万博で披露されることに大きな期待が寄せられています。
コモンズA館、パプアニューギニアブース
パプアニューギニアのブースでは、地域ごとに異なる伝統工芸品やバッグなどの手芸品が展示され、独自に発展してきた文化を間近で楽しむことができます。手作りの木工品や天然素材を使った装飾からは、パプアニューギニアならではの「自然と人の共生」が強く感じられます。
ブースでの注目は、中央に設置された没入型ホログラムディスプレイです。豊かで美しい自然や伝統的な儀式、そして迫力ある伝統舞踊の映像が3Dで浮かび上がり、まるで現地にいるかのような没入感を体験できます。自然と共に生きる暮らしを大切にしてきた同国の姿勢を反映し、持続可能な資源活用や環境保護への取り組みも映像で紹介。

ブースで来場者を出迎えるストゥワントさんが語る日本での日々
ブースで来場者を温かく迎えているのは、同国政府機関でマーケティングを担当するストゥワントさんです。今回が3回目の来日となるストゥワントさんは、万博期間中も大阪に滞在し、問い合わせ対応から設営、運営まで多忙な日々です。
多忙な中でも大阪巡りを楽しんでいるとのことで、特に心に残ったのは天満の焼肉屋だそうです。パプアニューギニアでは、焼いて食べる以外にも、茹でる、煮込む、そして「ムム」と呼ばれる地面に埋めて蒸し焼きにするユニークな調理法もあるそうです。「暑さには慣れています」と笑顔で語る姿は、環境を大切にするパプアニューギニアらしい一面を垣間見せてくれました。
パプアニューギニアは世界有数の文化多様性を誇る国
パプアニューギニアは、南太平洋に位置し、約600もの島々からなる国です。約800の言語と800以上の部族が暮らし、少数民族が伝統文化を守りながら生活する、世界有数の文化多様性を誇ります。熱帯雨林やサンゴ礁を守りながら、森林の持続的管理や伝統漁法、エコツーリズム、自然素材を生かした「ものづくり」などを通して、サステナビリティにも力を入れています。
オーストラリアの北に位置するパプアニューギニアは、国土は日本の約1.25倍。手つかずの自然と文化の多様性から「地球最後の秘境」とも呼ばれます。国土にはオセアニア最高峰級のウィルヘルム山(標高4,509m)がそびえ、広大な熱帯雨林や美しいサンゴ礁が広がります。首都はポートモレスビー。約1,014万人の国民が暮らしています。
経済は液化天然ガス(LNG)や金、銅といった鉱物資源と、コーヒーや日本にも輸出されるエビ、マグロなどの農水産物が支えています。日本との関わりは深く、第二次大戦の激戦地(ラバウル等)で、現在も慰霊訪問が続いています。経済面では、日本にとって重要なLNG供給国であり、50年以上にわたる日本の政府開発援助(ODA)を通じて、両国は強い友好関係で結ばれています。
パプアニューギニアはオーストラリアの北に位置します
万博の魅力・ナショナルデーで知らない国から「知っている国」へ
名前は聞いたことがあっても、どんな国なのかはちゃんと説明できない、多くの日本人にとって「パプアニューギニア」はそんな国ではないでしょうか。大阪・関西万博のナショナルデーは、そういった国々を知るとてもよい機会になります。
披露されるというマヌス州の伝統舞踊は、目の当たりにすると、どのように心が動くでしょうか。ネットで調べれば、すぐに動画で見られる時代。画面越しではなく、パプアニューギニアからやってくる20人ものダンサーに出会えるのが万博です。パプアニューギニアに限らず、ぜひ様々な国のナショナルデーに参加してみましょう。あるいは会場を訪れる日はどんな国のナショナルデーなのか、知っておくことをオススメします。「知ってるよ」といえる国や地域が増えると思いますよ。
今後のナショナルデーの予定
国ごとにテーマを定め、公式式典や多彩な文化プログラム、パレードなどが開催されます。
7月19日(土) アメリカ合衆国
7月20日(日) コロンビア共和国
7月21日(月) パプアニューギニア独立国
7月22日(火) ツバル
7月23日(水) エジプト・アラブ共和国
7月24日(木) チェコ共和国
7月25日(金) キューバ共和国
※パレード実施予定(14:00~14:45、ナショナルデーホール前出発)
開催日時、内容は告知なく変更する場合があります。最新情報はこちらから、イベント名を入力してご確認ください。 https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events
