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【取材】実は好立地なんです。空港直結 徒歩5分&名古屋から鉄道30分のAichi Sky Expo 名鉄、中部国際空港(セントレア)のインタビューでアクセスの秘密を探ります

愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)は、愛知県常滑市にあるMICE施設です。「名古屋市内から時間がかかるのでは?」「よくわからないけど、少し遠いのでは」と思っていらっしゃる方がいるかもしれません。しかし、この記事を読むと、印象がきっと変わるはず。今回は中部国際空港株式会社と名古屋鉄道株式会社へのインタビューを通して、Aichi Sky Expoの“アクセス”を深掘りします。

中京地区最大規模のスペックを誇る大型展示場、Aichi Sky Expoとは?

2019年8月に開業した「Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)」は、敷地面積 約28万㎡、延床面積 約9万㎡、展示面積 国内最大級の6万㎡を誇る広大な敷地に建てられた、大規模展示場です。

Aichi Sky Expo

場所は愛知県常滑市・中部国際空港(セントレア)島内に位置します

過去の詳細記事はこちら


日本の展示会場のアクセス(主要駅・空港から)

愛知県の南部に位置するため「名古屋駅からは遠いのでは?」と思われるかもしれません。たしかに距離はあるのですが、名鉄名古屋駅から名鉄空港特急「ミュースカイ」を利用すれば乗換なしで最速28分で到着。鉄道でのアクセスは快適です。自動車でも約30分で名古屋市内からアクセスできます。

各展示会場からの主要アクセスと所要時間を比べてみましょう!

実はAichi Sky Expoは、日本初の国際空港直結型の展示会場。日本・海外の主要都市から抜群のアクセスを誇ります。

数字で見てみると、所要時間は全国主要会場とほとんど変わらないことが分かります。空港から徒歩5分という近さは、国内では圧倒的といえます。飛行機でのアクセスで国内外から訪れるにはメリットになります。


名古屋鉄道さま、中部国際空港さまにAichi Sky Expoまでのアクセスと、MICEにおいての取り組みについてお聞きしました。

名古屋鉄道株式会社インタビュー:名古屋駅からミュースカイに乗って!

Aichi Sky Expoを訪れる多くの来場者が利用するのが、名古屋鉄道(以下:名鉄)です。名古屋駅から中部国際空港駅まで特急「ミュースカイ」28分。特急37分、準急で48分です。犬山や隣県・岐阜からでも1時間以内です。

東京・大阪・京都など新幹線を利用して訪れる方も、名古屋駅での乗り換えは徒歩5分とスムーズ。雨の日でも濡れずに移動できます。


名古屋駅から特急「ミュースカイ」に乗ってみました

特急「ミュースカイ」は、日中(多い時間帯)で1時間あたり7本が運行。6両編成のうち2両が特別車、4両が一般車で編成されます。1両あたりおよそ55名が乗車できます。

1.ネットまたは券売機で指定席を確保!

指定席を利用する場合は、乗車券に加えて「ミューチケット」(450円)が必要です。区間や大人・小児に関わらず料金は一律で、Webサイトからも簡単に購入できます。

イベント前にストレスなく移動したい方は、指定席の利用がおすすめ。30分座っているだけで、あっという間に到着します。
※特急の一般車両であれば乗車券のみでOK。

2.乗車(約28分)

車内はWi-Fi完備、トイレあり。リクライニングシート・小さなテーブル付き。

Aichi Sky Expo
コンセントあり
Aichi Sky Expo
キャリーケースなどの大型荷物を置けるスペースがあります

1200系の1号車には展望席があり、車窓から広がる景色を眺めながら旅気分で移動できます。


3.名鉄「中部国際空港駅」

Aichi Sky Expo
改札を出て…
左側の第2ターミナル、高速船方面に向かいます
Aichi Sky Expo
ムービングウォークに乗り…

4.Aichi Sky Expo(徒歩5分)

Aichi Sky Expo

出張の朝も、イベント最終日の帰り道も。「移動が心地よい」と感じられる鉄道アクセスもイベントでの体験を支えています。


新型コロナ渦で0%落ち込むも、108%まで回復

営業部の髙橋さんに話を聞きました。
空港島の主要施設は、中部国際空港とAichi Sky Expo。Aichi Sky Expoが開業してから、空港島へ向かう人の流れは年々増えているといいます。

「利用者は確実に増えています。新型コロナ禍により、一時は2019年比で、ほぼ0%まで落ち込みました。ですが、2024年度には通勤・通学以外の利用者数が約12,000名、2019年比で108%まで回復しました。Aichi Sky Expoの利用者も開業当初の60万人から、いまでは130万人規模にまで伸びています。まさに空港島全体が活気を取り戻している実感があります。通勤・通学以外は、この2つの施設に行く人が中心となります。展示会や国際会議が増えるほど、鉄道の輸送にも勢いが出ます」

増便・増結でスムーズな輸送対応

大型展示会やコンサートなど、短時間に多くの来場者が集中する際は、臨時列車の増発や編成の増強といった柔軟な対応も行われています。

「主催者の方から来場ピークの時間帯を事前に伺い、それに合わせて増便を検討します。たとえば『ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸』ではスムーズな輸送ができるよう、『快速急行』の増発や、『ミュースカイ』などの増結を実施しました」

「終点が空港」だから分かりやすい

名古屋駅から中部国際空港駅までは直通運行。途中での乗り換えがないため、初めて訪れる人でも迷うことはほとんどありません。
“中部国際空港行き”に乗ってしまえば終点が会場です。車内やホームの案内表示にも飛行機マークをつけていて、はじめての方にも分かりやすい導線を意識しています」

鉄道会社として+αを提供したい

「輸送面としての貢献はもちろん、+αとして、対外ソリューションの提供が出来ればと思っております。たとえば、交通広告やデジタルサイネージを通じて、イベント告知をサポートすることも可能です」

最近では、Aichi Sky Expoの担当者とも連携し、主催者のニーズをヒアリングして「どうすれば来場者が増えるか」という観点で広告提案を行うこともあるそうです。
Aichi Sky Expoの横光さん:「ワンストップとまではいきませんが、イベント中の賑わいになるなら、主催者の方には選択肢として見せたいと思っています」


中部国際空港株式会社 インタビュー:日本の真ん中から世界へ繋ぐ

Aichi Sky Expoを語るうえで欠かせないのが、すぐ隣にある中部国際空港。通称「セントレア」の存在です。日本の真ん中から世界へを実現する”ハブ空港”。2025年10月時点では、海外25都市・国内18都市から直行便が就航しています。

セントレア就航先 PDF https://www.centrair.jp/assets/doc/corporate/destination.pdf

セントレアが開港したのは2005年、愛知万博の開催と同じ年です。伊勢湾の常滑沖に造成された人工島に位置し、国際線・国内線がひとつのターミナルで完結する設計になっています。到着フロアの2階から出発フロアの3階へ上がるだけで、国内線にも、国際線にも乗り継ぎができる、利用者にとって利便性の高いつくりです。

そのほか100店舗以上の「ショップ&レストラン」や、飛行機をテーマにした商業施設「フライト・オブ・ドリームズ」の運営を行っています。

レストラン一覧 https://www.centrair.jp/shop-dine/restaurant/index.html
フライト・オブ・ドリームズ https://www.centrair.jp/flight-of-dreams/


イベントの予定人数やスケジュールをもとに受入体制を整備

広報担当者の安藤さんに話を聞きました。

「イベントの際には、Aichi Sky Expoさんから事前に来場予定数やスケジュールを共有いただき、その情報を案内・警備スタッフや空港内店舗などに展開しています。各機関がスタッフ配置や食材の仕入れを調整し、万全な受入体制を整えています。毎年開催される恒例イベントでは、経験を重ねるごとに対応の精度も高まり、よりスムーズな運営が実現できています」

数万人規模の来場者が訪れるイベントでは、空港側も警備・リテール(飲食)・交通面での準備を入念に行います。「いただいた情報共有をもとに各機関と連携し対応いただいています」と話される姿勢には、空港と会場がチームとして動く、信頼関係が感じられました。

総合保税地域としてのポテンシャル

セントレアが位置する空港島は、日本の空港で唯一の総合保税地域にあたります。海外出展者は輸入通関を行わずに展示品を会場に持ち込めるのです。過去には「ワールドロボットサミット」での利用実績があります。

「中部は産業集積地なことから、物流面に力を入れています。空港内の貨物エリアでは『駐機場』『国際貨物上屋』『トラック待機場』が隣接しており、ひとつのエリア内で荷下ろしから輸送までを完結できる設計になっています。貨物地区は、空港島と知多半島をつなぐ『空港連絡道路』からアクセスしやすい場所にあり、効率的でスムーズな物流が実現しています」

24時間体制での受入を実現させるために

「開港20周年を迎え、代替滑走路の整備も進めています。代替滑走路の運用開始により、現行滑走路のメンテナンス中も滑走路の運用を継続できるようになり、24時間運用が可能となります。インバウンドやMICE需要のさらなる受け皿として、国際線・国内線ともに発着便の拡充を進めています」


空港島と市内を結ぶ無料シャトルバス『トコナメシャトル』

常滑市は、大きく分けて空港島エリアと市街地エリアの2つからなります。この2つをつなぐのが、無料シャトルバス「トコナメシャトル」。朝9時40分から夜10時まで、毎日運行しています。アフターコンベンションやエクスカーションにも安心して利用ができます。

「招き猫のまち」常滑らしく、車体には可愛らしい常滑市のキャラクター「トコタン」ラッピング。宿泊税を活用して運行されており、主要ホテルをはじめ、観光や買い物の拠点が停留所として設定されています。

乗降ポイント

・愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)
・名鉄常滑駅
・やきもの散歩道(常滑市陶磁器会館)
・名鉄りんくう常滑駅・イオンモール常滑
・空港島ホテル群
・空港連絡通路下

(運行車両:マイクロバス 26名、ワゴン 8名)

常滑観光協会 https://www.tokoname-kankou.net/news/detail/62/


Editor’s note

主催者にとって「呼びやすい会場」、参加者にとって「行きやすい会場」を目指して、地域との連携を重ねながら取り組みを進めています。とはいえ、細やかな地域調整には多くの関係者との対話や時間が必要で、決して簡単なことではありません。

今回取材にご協力いただいたAichi Sky Expoの横光さんは、何度もステークホルダーのもとに足を運び、「主催者にとって満足度の高いMICEをどう実現できるか」を共に考えながら、一歩ずつ形にしていました。もともとの立地の強みに加えて、“より利用しやすい会場”へと進化しようとしていました。

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