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取材・レポート

【展示会レポート】EdgeTech+ West 2024

2024年7月12日 大阪(グランフロント大阪・コングレコンベンションセンター)

グランフロント大阪北館・コングレコンベンションセンターで行われた、EdgeTech+ West 2024の会場を訪れた際のレポートをお届けします。

■EdgeTech+ West 2024

名称: EdgeTech+ West 2024
開催日: 2024年7月11日(木)・12日(金)
時間: 10:00-17:00
会場: グランフロント大阪 北館 B2F コングレコンベンションセンター
出展: 約70社
主催: 一般社団法人 組込みシステム技術協会 (JASA)
企画・推進: 株式会社ナノオプト・メディア
Webサイト https://www.jasa.or.jp/etwest/

EdgeTech+はMST ( Microcomputer System & Tool Fair ) として1986年にスタート、その後2000年に組込み総合技術展 ( Embedded Technology Expo) となり、現在は「事業変革を推進するための最新技術とつながる総合展」へと進化した形で開催されています。イベントのコンセプトは「事業変革期を迎えた今、エッジテクノロジーに新たなプラスで顧客起点の価値創出を実現するイベントへ」。

エッジコンピューティングとは、データを生成された場所やその近く(周縁=エッジ)で処理する技術です。クラウドコンピューティングは、クラウド上の高性能サーバーでデータ処理を行うのに対して、エッジコンピューティングはデータの送受信時間が短くなりリアルタイムの応答が可能になり、インターネットの帯域幅の節約やセキュリティの向上も期待できます。自動運転車、スマートシティ、工場の自動化など、リアルタイムデータ処理が求められる多くの産業で活用されています。

7月12日、雨の中でも開場時間から多くの来場者が訪れ、会場は朝から活気に満ちていました。展示ブースでは多くの来場者が熱心に展示についての説明を受けている様子が見られました。

公式サイトによると7月11日は2883名、7月12日は3002名、合計5885名の来場者数。昨年に比べて34%以上の増加となっています。基調講演、セッション、出展社セミナーも盛り上がりを見せていました。

各社の技術やツールがわかりやすくデモンストレーションされていました。しかし、いくつかのブースでお話を聞くと、「自分のところの技術をデモンストレーションで見せるのが難しい」とブースでの展示に工夫や苦心があると教えていただけました。
それではいくつかのブースをご紹介いたします。

かまちょっかい株式会社

製造業向けDXツールの開発・提供を行う、かまちょっかい株式会社(本社 沖縄県那覇市)。ユニークな名前が気になって、CIOの石川さんに由来をお聞きすると「(製造現場に)構って」「ちょっかいを出す(お節介を焼く)」から「かまちょっかい」とのこと。工場内のDXを進めるためのツールを開発されています。

ブースではスマホを使った外観検査システムを展示。アプリを入れてスマホで良品の写真を20枚撮るだけで簡単に検査ができるというシンプルな仕組みです。サブスクリプションで安価に素早く導入できるうえに、使い方もわかりやすいのが印象的でした。月額のサブスクリプションのため、初期費用もかかりません。
Webサイト https://kamachokkai.com/

TOPPERS プロジェクト

TOPPERSとは「Toyohashi OPen Platform for Embedded Real-time Systems」プロジェクトのこと。ITRON仕様の技術開発成果を基盤として、組込みシステム構築のためのソフトウェアを開発し、良質なオープンソースソフトウェアとして公開することで、組込みシステム技術と産業の振興を図ることを目的としています。組込みシステム技術者の育成にも貢献しています。
プロジェクトは、2003年9月に設立された特定非営利活動法人(NPO法人)を中心に、名古屋大学教授の高田広章氏をリーダーとして、産学官の団体と個人の連携により推進されています。
こういった活動をされているプロジェクトが出展されているということが印象的でした。ブースでは小さな基盤に接続されたロボットを制御する様子などを展示されていました。
Webサイト https://www.toppers.jp/

株式会社Anamorphosis Networks

社名は「アナモルフォーシスネットワークス」と読みます。京都市の会社で、京大発の注目のスタートアップです。
独自の技術を使ったAIによる製品検査システムを紹介されていました。その名も「NuLMiL」(ヌルミル)
不良品画像に色を塗ってパターン学習させることで、AIによる外観検査を行うソフトウェア。専用のペイントツールを使って不良箇所を塗っていくと、AIがそのパターンを学習します。代表取締役の炭谷さんからは今後展開していきたい事業についてもお話を伺いました。
Webサイト https://anamorphosis.net/

EdgeTech+ West 2024は技術の最前線を知ることのできる展示会で、多くの新しい発見がありました。
展示やセッションは一般の方にもわかりやすく工夫されていて、このような技術に触れる機会が少ない方にもぜひ訪れてほしいと感じる展示会でした。

株式会社イザン 井上

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