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イベントの取材・レポート

【コラム】MICE海外バイヤー12社と対話して見えたニーズと、商談してわかった意外な事実(Japan MICE EXPO2025)

Japan MICE EXPO2025では、12社の海外バイヤー(VIP)と商談をしました。どんな企業と商談ができたのか、彼らは何を求めていたのかをお伝えします。海外との渉外を検討されている方は、ぜひお読みください!

イベント概要:日本のMICE関連企業100社、計28名の有力バイヤーが一堂に集まる

Japan MICE EXPO2025は11月27日、28日にインテックス大阪にて開催されました。MICEの企業が出展するのにあわせて、世界各国から約30名の海外バイヤーが招聘されました。アメリカ、シンガポール、タイ、中国、インド、台湾、オーストラリア、ヨーロッパなど、計28名の有力バイヤーが一堂に会します。


迎えた本番。バイヤーの名前が貼られた長机と椅子が並び、入り口に受付があります。1日6件、計12件、20分×6セッションの商談が始まります。編集部は、2日間で12件の商談に臨みました。(あぁ、心臓が飛び出そうなほど緊張する。)


バイヤーとの商談は大きく2パターンに分かれる

私たちから見て商談内容は、大きく2つのパターンに分かれました。
1. 担当業務に直結する具体的な相談(ケータリング、テクノロジー、人材、ベニュー、旅行手配など)
2.業界全体を見据えたパートナーシップや連携の話題(日本と自国の関係構築、今後の協働など)

2番の場合は、高い視座の話になるため、経営視点を持つ方が対応されるのが望ましいですね。

バイヤーが求めていたことは…?

  • イベントで動ける日本語と英語を話せる人手を採用したい
  • 日本と自国との関係を築きたい
  • 日本で開催予定があるから、ケータリングやテクノロジー、ベニューなどを探している
  • 開発したプロダクトを展開したい、認知拡大
  • これまでにない体験ができる場所を探している

商談を兼ねてツアー造成の下見へ

来場者に大阪は初めてかと尋ねると、多くは数回目。“初めて”の方もいらっしゃいました。1日目の商談を終えた後には「京都へ行ってきたよ」「道頓堀を見てきた」という声も。

「日本は四季があって、地域ごとにまったく違う特色がある」
「もっと知りたい。参加者が満足できる日本の魅力を理解したい」

日本への純粋な興味。ツアー造成の“下見”として来日したというバイヤーは、参加者の体験価値を最大化するため、自分の目で確かめていました。大阪・名古屋・京都などの知名度はあるようですが、鹿児島・福島といった地域名は「初めて聞いた」といいます。

「あなたのことを知りたくて」を前提に

直前まで「どんな商談になるのだろう」と胃が痛くなるほど不安でしたが、始まってみれば温かい空気に包まれた商談ばかりでした。バイヤーの多くは、驚くほどフレンドリー。何より、こちらの姿勢をよく見ています

あるバイヤーがこんな言葉をくれました。「日本の人は“投資しよう”というお金の話よりも、まず相手を理解しようとするよね。僕もそうありたいと思っている」。最初にこう言ってもらえたことで、お互いのスタンスが早い段階で共有でき、商談が一気に心地よいものになりました。

いきなり「売り込もう!」よりは、「あなたに会えてよかった」「あなたのことを知りたい」「大阪は何回目ですか?」と意識しました。売り込まれると身構えてしまいますからね…。

一方で、展示会側の課題も見えました。商談は午後から。午前中から会場入りしていて、展示ブースをウロウロとしていました。「英語で対応できるブースが少なく、居心地が悪かった」と当社のブースにいらっしゃいました。ほかに、何度もブースを訪れて「先に打ち合わせできないか」と声をかけられる場面も。日本語オンリーのブースがあることで、バイヤーが気兼ねなく立ち寄れなくなっているのですね。

展示会あとには、バイヤーが持参した日本酒を囲んで、当社メンバーと食事に行きました。


シンガポール、タイ、欧米から——商談した海外バイヤーを紹介

AONIA(シンガポール):シンガポール有数のPCO/DMC

現れたのは、いわゆる“めちゃめちゃイケおじ”なダニエルさん。何をしているのか尋ねると、「MICEなら全部やっているよ」と即答。以前取材したシンガポールのエドワード・コー氏ともお知り合いで、一気に場が和みます。シンガポールと日本をつなぐ取り組みには特に関心を持っており、これまでにも少人数制のトレードミッション(貿易視察団)を日本へ派遣していたとのこと。
https://aonia-group.com/

Events Travel Asia(タイ):タイ有数のDMC

2013年設立のバンコクを拠点とするブティック型DMC/イベントエージェンシー。カルティエやルイ・ヴィトンといった高級ブランドを中心に、トップティアの顧客向け旅行・イベントを手がけています。これまではヨーロッパが主な送り先でしたが、今後は日本を含むアジア地域への旅行提案を強化したい考えがあり参加。
http://www.eventstravelasia.com/

THE AGENCY TEAM(シンガポール):インセンティブエージェント

「Silent Seminars」をアジア太平洋地域に広めたいとお話しいただきました。イヤホンを使って静かなセミナーを実現させるというものです。セミナーでは、スピーカーや大型音響設備が不要になるため、会場の騒音に左右されず、参加者が集中して聴講できます。AI翻訳と組み合わせれば、登壇者の話をリアルタイムで異なる言語に変換。時差もありません。ケーブル接続も不要なため、イベントの設営負担も大きく軽減できるといいます。
https://theagencyteam.com

Amway Thailand(タイ):タイ発インセンティブトラベルのコーポレートプランナー

年間で3回の大型トリップを実施しており、宿泊は原則すべて5つ星ホテル以上。その中でも、特に厳選された“VIP専用”のホテルを利用し、通常の5つ星を上回るサービス体験を提供しています。彼らが重視するのは、旅行者が自分たちだけでは絶対に得られない体験価値。特別なアクセス、限定プログラム、パーソナライズされた体験など、ツアーならではの“差別化された体験”を最も大切にしています。タイ人にとって日本は個人旅行が非常にしやすいデスティネーション。だから「ツアーで行く意味」を感じられる付加価値——特別な体験、特別な場所、特別な学びが求められていました。
http://amway.co.th/

International Society for Professional Innovation Management(ヨーロッパ):協会、世界中で様々な規模の国際会議を定期的に実施

「子どもが日本大好きで、ポケモンセンターのお土産を頼まれているのよ」微笑ましい話から始まった商談。彼女は高齢者のがん治療を専門とする国際学会SIOGに所属し、世界各国に支部を持つ組織で活動しています。これまではヨーロッパや北米を中心に年次会議を開催してきましたが、ついに次回は東京での開催が決定。「日本の医師に、欧米で起きている最新知見を共有したい。そして、日本の技術をヨーロッパにも伝えたい」。医療の国際連携を広げたいという強い意思が感じられました。
https://siog.org/

FANTASEA TRAVEL(ベトナム):ベトナムに拠点を有するインセンティブエージェント

ベトナム国内外のイベント・団体旅行・MICEを幅広く扱う中で、今回は「日本の最先端技術」に強い関心を持って来日されていました。日本が持つ最先端の技術開発に関心があり、イベント運営や体験型コンテンツに応用できる技術を実際に日本で見たいと話しました。
https://fantasea.vn/

海外バイヤー28社

IME Consulting(中国):中国を代表するMICEコンサル会社
Shinopharm(中国):中国最大級の医療・製薬関連企業
Amway China(中国):中国発インセンティブトラベルのコーポレートプランナー
American Express Global Business Travel(オーストラリア):世界を代表するエージェント
First Incentive Travel(アメリカ):アメリカを代表するブティック系のインセンティブエージェント
International Society of Geriatric Oncology(タイ):スイス・ジュネーブに本部を有する有力国際医学会の一つ
Ozum(アメリカ):グローバル企業のビジネスイベントを手掛けるブティック型インセンティブエージェント
Origin Event Planning(アメリカ):ラスベガスに本拠地を有する、アメリカのブティック系インセンティブエージェ

International AIDS Society (International AIDS Conference)(ヨーロッパ):スイス・ジュネーブに本部を有する有力国際医学会の一つ
International Society of Nephrology(ヨーロッパ):ベルギー・ブリュッセルに本部を有する有力国際医学会の一つ
Trivium Packaging(ヨーロッパ):グローバル展開をするパッケージングソリューション企業
International Association of Agricultural Economists(ヨーロッパ):トロントに本部を有する国際学会
Asia Pacific Federation of Association Organizations(フィリピン):アジアにおける学協会のエグゼクティブが集う組織体
Xiaomi(中国):中国を代表するITメーカー
INFINITUS(中国):中国を代表する健康食品の研究開発、製造、販売企業
IQIYI(中国):中国・北京を本拠とする大手オンラインエンターテイメント企業
Institute of Management Accountants(シンガポール):世界最大級の管理会計士団体
PT WonderMice(インドネシア):インドネシア・バリに拠点を有するインセンティブエージェント
HelmusBriscoe(インド):世界を代表する会場ソーシングサービス企業のインド代表
Anderes Fourdy Events(マレーシア):マレーシアを代表するPCO
The Smart East(香港):欧州の学協会向けにアジアでの会議開催に伴走するコアPCO事業を展開

日本のバイヤー14社

一般社団法人全国スーパーマーケット協会
RX Japan株式会社
株式会社マイナビ
近畿日本ツーリスト株式会社
株式会社南海国際旅行
株式会社イノベント
メッセフランクフルト ジャパン株式会社
インフォーマ マーケッツ ジャパン 株式会社
株式会社 日本旅行
株式会社 メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン
テレビ大阪株式会社
株式会社テレビ大阪エクスプロ
協同組合日本製パン製菓機械工業会
株式会社 阪急交通社

バイヤーの一覧
https://mice-expo.jp/jp/exhibitor/buyerlist/#overseas


まとめ:海外バイヤー12社と対話して見えた日本との違い

12件の商談のうち、3件は紙の資料を受け取らないという明確な意思表示がありました。そのうち2件は、NFCタグを使ったデジタル名刺を提示してくれたり、スマホで事例をそのまま見せてくれたりと、最初から“紙を使わない前提”でした。

周りも同様に受け取らないのかと聞くと、あるバイヤーは、紙を断った理由をこう説明してくれました。「僕の場合は、周りがどうこうじゃなくて“自分の理念”として紙を受け取らないようにしているんだ。名刺は紙のままで、なかなか辞められないんだけどね」

パソコンを使っているバイヤーはゼロ。すべてスマホで事例を見せるか、もしくはトークのみ。「資料も後でメールで送ってほしい」とのこと。「身軽さ」と「合理性」を感じます。

日本の展示会では、ポスターが貼られ、紙のチラシや冊子が配られる光景が今でも主流です。人によっては紙への好印象が全くないどころか、むしろ逆効果になる場合があることを実感しました。商談を通じて、「紙=親切」ではなく、「紙=負担」になり得る。価値観の違いを痛感しました。これは、知っていれば避けられたギャップであり、読者の皆さまにとっても、海外バイヤーとの商談準備の参考になるはずです。この記事が気づきとなりますように。

会場当日の様子はこちら

https://micetimes.jp/report-japan-mice-expo-2025/

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