【乗船レポート】大阪↔︎愛媛(松山)「オレンジフェリー」で仕事はできる?ビジネスパーソンの移動手段
愛媛を訪れる便利な移動手段「オレンジフェリー」
大阪南港から愛媛の東予港を結ぶ「オレンジフェリー」をご存じでしょうか。出張や観光で愛媛を訪れる際、このフェリーは単なる移動手段にとどまらず、仕事をしながら快適に過ごせるユニークな選択肢となっています。
今回は、ビジネス利用を中心に、オレンジフェリーの利用方法や乗船から降船までの流れ、そして船内での仕事環境についてご紹介します。移動中でも効率よく仕事をこなしたい方や、快適な空間でリラックスしながら移動したい方にとって、参考になればと思います。
※2025年1月19日に乗船した体験をもとに、執筆しています。
関西⇔愛媛・松山の手段は?
関西から愛媛・松山に向かう手段はいくつかあります。それぞれの特徴を、大阪駅から松山駅までの移動として比較してみましょう。片道の料金です。
※料金は、2025年1月時点のものです
※2025年2月平日利用の場合を想定
手段 | 区間 | 所要時間 | 料金 |
フェリー (オレンジフェリー) | 大阪南港~東予港(船内泊)→伊予鉄松山市駅(シャトルバス利用) | 約9時間15分(船内泊)+バス(約85分) | 8,200円(シングル)~17,800円(ロイヤル)+バス(1,250円) |
飛行機 | 大阪国際空港(伊丹空港)~松山空港 | 約1時間5分(飛行機) | 11,340円~15,740円(JAL便の場合) |
新幹線+特急 | JR新大阪駅~岡山駅(新幹線)→松山駅(特急しおかぜ) | 約3時間25分 | 12,210円(自由席) |
高速バス | 大阪駅~松山駅 | 昼行便:約5時間40分/夜行便:約8時間 | 4,200円~6,000円(バス比較なびで確認) |
車 | 大阪~松山 | 約4時間30分~5時間 | 高速料金や燃料費により変動 ※参考:高速料金 普通車ETCで10,000円以上 |
フェリー(オレンジフェリー):夜間に移動するため時間を有効に使える手段。
飛行機:最短時間で到着可能。ただし、空港への移動時間や手続き時間を含めると、実質の時間は延びる場合があります。
新幹線+特急:早く移動できる手段。実質的な移動時間では飛行機に近いものがあります。
高速バス:移動だけで考えるともっとも費用が少ない手段。夜行バスなら時間を有効に使えます。
車:時間やルートの自由度が高いですが、運転の負担が大きくなります。燃費も車種によって大きく異なります。複数名での移動ではコストパフォーマンスがよくなります。
注目したいのは、個室でゆったり移動、さらには仕事もできる移動手段として「フェリー」という選択肢があるということです。
オレンジフェリー:四国と本州を結ぶ航路
オレンジフェリーは、四国開発フェリー株式会社が運行するフェリーです。関西航路(愛媛-関西)と九四航路(愛媛-大分)の2つを運行しています。実は、日本初の全室個室の夜行フェリーなんです! まるで移動するホテル。
夜22時に大阪南港フェリーターミナル(大阪)を出発し、翌朝6時に東予港(愛媛)に到着します。寝ている間に着きますね。
オレンジフェリー Webサイト https://www.orange-ferry.co.jp/
移動手段について(いよ観ネット)https://www.iyokannet.jp/access/kengai/osaka/matsuyama
乗船方法: 乗船から降船までの流れ
1.予約
予約センター、旅行代理店、公式Webサイトを通じて事前にチケットを予約します。乗船日、区間、人数、お部屋の等級を決めましょう。特に、個室や人気のある便は早めの予約がおすすめ。東予港からの連絡バスもフェリーと同じタイミングで予約します。
※Webサイトでの予約に限り、フェリー料金に5%の割引が適用されます。
※バスのみの予約は行えません。予約がないとバスは利用ができません。
2.チェックイン(19時45分)
3.乗船と客室への案内(20時)
乗船は20時から。チェックインは30分前(21時30分)までに済ませましょう。
船舶は「おれんじ えひめ」と「おれんじ おおさか」2つの日替わり運行。色使いや展示されている作品が少しずつ異なります。
4.荷物を預ける(20時10分)
客室に荷物を置き、ふぅと一息。シングルは外から施錠できないため、貴重品は部屋に置かないようにしましょう。フロント、貴重品ロッカーに預けることができます。
5.レストランで愛媛グルメをいただきま〜す(20時30分)
21時ごろから共用スペースが混雑し始めます。そのため20時頃から乗船し、早めに食事と入浴を済ませてしまうことをオススメします! 夜は20時~23時、朝は5時半~7時まで営業しています。地元の食材を活かしたメニューが特徴で、夜景を眺めながらの夕食をいただけます。
心待ちにしていた「宇和島鯛めし」(1500円 税込)。南予スタイルの鯛めしですね。お刺身に新鮮な卵をくぐらせて、白米といただきます。
6.入浴(21時)
24時間利用可の船内大浴場を利用するのもおすすめです。湯船に浸かって疲れを癒すことができます。 朝風呂派の方でも24時間利用できるのは嬉しいですね。
廊下からシャワーの利用状況が分かるようになっていました。
7.夜の海を眺めながら落ち着くひとときを。仕事も片付けるぞ(22時)
展望デッキで海風を浴びながらリラックスする時間を。穏やかな波音と夜空が、日中の疲れを癒してくれる特別な体験です。大阪から愛媛に向かう便では、出発後約1時間で明石海峡大橋をくぐります。雨の日はデッキに出られないため、天候は確認しておきましょう。
8.睡眠
おやすみなさい。
9.起床
朝日を浴びながらデッキで深呼吸をすることで、1日の始まりを迎えられるの、なんだか不思議な気分です.気持ちがいい。
10.下船(6時)
到着後は、スタッフの方の指示に従い、船を降ります。8時までは船内にいられます。次への移動手段がない場合は、船内でゆっくり過ごしても良いでしょう。
11.松山行きの連絡バス乗車(6時20分)
事前予約制のバスに乗りました。1時間ほどかけて道後温泉に向かいましす。伊予鉄松山市駅前には7時23分、JR松山駅前には7時33分、道後温泉駅前には7時48分に到着します。料金は一律1,250円です。
フェリーでの仕事環境: ビジネスパーソンにとってのメリット
ビジネスパーソンにとっての仕事環境としては、フェリーはどうでしょうか。
コストパフォーマンスの良さ
フェリーは、移動と宿泊を一体化させることで、コストを削減できます。宿泊費を押さえつつ、移動できる点が大きな魅力です。特にオレンジフェリーは個室でゆっくり休めるため、疲れ知らずです。
8時前には到着できる
フェリーは寝ている間に移動が可能な手段なため、夜間を移動に活用することで翌日の朝早いスケジュールに対応できます。一方、飛行機や新幹線では出発地から空港や駅までの移動時間を含めると、早朝便の利用が難しい場合もあります。フェリーならではの時間の使い方が、忙しいビジネスパーソンには向いていると思います。
個室の安心感
空港や鉄道駅のような混雑は少なく、飛行機やバスと異なりプライベート空間が確保されるため、集中して仕事に取り組むことができます。個室であれば、機密情報の管理も比較的しやすいですね。
シングルルームのほかにも、1人当たりの料金は変わらずに2名まで利用できる「シングルルーム+」という部屋もあります。もっと、ゆったり過ごしたい方には「デラックスシングルルーム(1名定員)」、「スイートルーム(2名定員)」、「ロイヤルルーム(2名定員)」もオススメです。
船旅による旅情、気分転換もできます
フェリーは移動中のリフレッシュ効果も期待できます。船上から広がる海の景色を楽しむことで、移動そのものが癒しの時間となります。船旅は多くの方にとっては非日常で、旅情を感じることができ、気分転換につながりと思います。快適な睡眠を取ることで、到着後に万全の状態で臨むことができるのも大きなポイントです。また、個人的には朝6時に起きないとという強制力が働くので普段よりも早起きして長く1日を過ごせたと感じています。複数人でお酒を楽しむ姿も見受けられました。運転手も同乗者といっしょにお酒を楽しめますね。
飛行機が苦手な方にとってもGOOD
飛行機が苦手な方にとっては安心して利用できる移動手段になると思います。飛行機では、気流による揺れや耳の圧迫感がストレスになることがありますが、フェリーならその心配がありません。瀬戸内海は穏やかで比較的揺れも少ないです。また、広い船内や個室を行き来できるため窮屈さは感じませんでした。気圧の変化もないため耳が痛くなる心配も不要です。揺れについては、気になりませんでしたが、心配な方は酔い止め薬を持っていきましょう。(薬の用意は船内にされていません)
大事な自転車やペットといっしょに移動も可能
マイバイクステイサービス
自転車を輪行袋に入れることなく、そのまま部屋に持ち込み可(自転車は有料)。
事前に知っておいてほしい注意点!
Wi-Fiと通信環境
船内ではフリーWiFiが提供されており、メールの送受信やクラウドサービスを利用した業務も可能です。ただし、海上という環境上、通信速度や安定性は十分とは言えません。
港から離れると圏外になり、持ってきたモバイルWiFiも役に立ちませんでした。そのため、重要なデータは事前にダウンロードしておくことをおすすめします。
電波が入っているときの速度。一般的に静止画やWebサイトの検索であればストレスなく使えます。
ビジネスと快適さを両立するオレンジフェリー
大阪から愛媛への移動手段「オレンジフェリー」の魅力は伝わったでしょうか? うまく活用すれば、移動中も仕事を進めつつリフレッシュすることができると思いますので、ぜひお試しあれ。