
【取材】東京ゲームショウ2025 一般日に会場を訪ねました。MICE向けサービスは見つかったのか。各社のブースの様子をご紹介
2025年9月25日~28日に幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2025」(TOKYO GAME SHOW 2025、TGS2025)(以下、TGS)。ゲームイベントとして国内最大規模というだけではなく、展示会・見本市としても最大規模です。ひとりのゲームファンとして楽しみながら、MICEらしい切り口で面白いものはないかと歩き回りました。
大勢のゲームファンで埋め尽くされた会場。来場者のマナー、出展者の配慮で大きなトラブルが起こらない

ようやく今年の猛暑が落ち着いたかと思いきや、会場の熱気は落ち着いてなどいません。大手ゲームメーカーのブースを中心に幾重にも人が周囲を囲み、牛歩のごとく速度での移動を強いられることも。しかし、大きなトラブルや混乱は起こっておらず、極めてマナーのいい来場者たちという印象。ゲームファンとしてなんともうれしい。各ブースでも人の流れに注意をしていて、大きな声で注意を呼びかけていました。

総来場者数は約26万3千人、来年は史上初の5日間開催で30万人超えか?
TGS2025の総来場者数は263,101人。
日別は25日(木)52,352人、26日(金)54,779人、27日(土)77,415人、28日(日)78,555人。
前年(274,739人)からは減少した一方、出展は47の国・地域から1,136社・団体と拡大しました。
テーマは「遊びきれない、無限の遊び場」。家庭用・スマホ・PC・VR向けの新作発表に加え、関連製品・サービスも幅広く展示。基調講演、日本ゲーム大賞2025フューチャー部門発表授賞式、文化庁・日本芸術文化振興会と連携した「Top Game Creators Academy」特別講義など、多様なステージコンテンツを実施しました。
ビジネス面では公式マッチングシステムによる商談が3,591件に達し、活発な取引機会を創出。オンラインでは21本の公式番組を配信し、YouTube、X、Twitch、ニコニコ等に加え、中国向け(DouYu、bilibili)や欧米向け(IGN)とも連携しました。

次回「東京ゲームショウ2026」は9月17日(木)〜21日(月・祝)に史上初の5日間開催を予定(会場は幕張メッセ)。21日が祝日とあって、5日間というのはうれしい限り。出展される方には、大きな負担になるかもしれませんが、大勢のゲームファンとの出会いは増えるのではないでしょうか。総来場者数は30万人を超え、世界最大規模のゲームの祭典にふさわしいものになりそうです。
また、同時期の大規模イベント・ツーリズムEXPOジャパン2026は9月24日~27日と日程が被りません。旅とゲーム、どちらも楽しみにしている方は、両方参加しやすくなるのでは。

MICEにも応用可能?スマホひとつで魅力的なライブ配信ができるアプリをキヤノンがブース展示
MICEでも応用できそうなサービスや商品はないものか。おそらく会場でそんなことを考えていたのは私くらいでしょう。eスポーツ関連のものや、自治体が取り組む地方創生や学生を巻き込む取り組みは目にするものの、サービスや商品となると、まず見かけません。そこで、プレスリリースを拝見して期待をもっていたキヤノンさんのブースを訪ねました。東京ゲームショウは初出展です。

「Live Switcher Mobile」スマホひとつでマルチアングルライブ配信できるアプリ
展示されていたのはスマートフォンにアプリをインストールして接続するだけで、「誰でも」「簡単に」最大3つのアングルを操り、本格的なマルチアングルライブ配信を実現できるアプリ。外部機材や撮影スタッフは一切不要で、一人で複数アングルのライブ配信を行いたい方や、料理動画、ゲーム実況など、映像に動きを持たせてわかりやすく伝えたい方に最適なツールとして開発されたということです。
会場では実際にiPadやスマホを使った体験ができました。機能は本格的な配信アプリに比べると限定的かもしれませんが、操作がシンプルで初めて操作する方でもすぐに理解できるものです。複雑な配線や設定が不要でゲーム実況以外、たとえばビジネスシーンでも非常に活躍できる可能性があると感じました。

無料プランから利用でき、使える機能が増える有料プラン(月額2,500円(税込))も用意されています。ご担当者には「キヤノンがソフトというイメージはあまりないと思いますが、配信するのに(キヤノンの)カメラを使ってもらっています。だから、ソフト面でも支援をしたいと考えて開発しました」と開発の経緯を教えていただきました。会場では、これまでもビジネス面での利用について興味を持つ方がいたそうです。
展示会やイベント、会議でのライブ配信、セミナーの配信など様々なシーンで活躍しそうです。YouTube、Facebook、Twitchなどのライブ配信プラットフォームに対応。今後、さらに開発が進み、機能が洗練されていくのが楽しみです。10月1日現在、無料トライアル期間も用意されているため、一度有料プランの機能を試すこともできますよ。
公式Webサイト https://lsm.ssw.imaging-saas.canon/lsm/ja/lsm.html
会場ではどのようなブースが展開されていたのか、ご紹介します

セガブースでは「セガパートナーズ」という形で多くのゲーム会社の作品が展示されていました

アトラスブース前は人の歩みが止まっていました。来場者の関心が高い作品の展示が並びます

TGSはまるで海外の展示会のようなスケール感が魅力、上からの眺めも圧巻です

ゲームの世界観を表現するブース装飾は海外出展ほど顕著。テーマパークのような演出が見られます

昭和レトロが人気を集めていたブース。「タイムクライシス」の試遊ができるとの呼びかけに負けそうになりましたが堪えました

集英社ブースは勢いを感じます。会社としても力を入れているのだとわかります

レベルファイブは昨年に引き続き、レイトン教授最新作とイナズマイレブン最新作を大きく展開。相変わらず世界観が素敵

スクウェア・エニックスは昨年と同じスライムなのか気になってます。遠くからでもわかるアイコンがあるのって強いですね

「ゼルダ無双 封印戦記」の展示。光の使い方が上手

学校の集まるゾーン(ゲームアカデミーコーナー)。他の展示会ですと演出控えめなかもしれませんが、絶好のPRの機会とあって、決して地味ではなかったです

ゲームアカデミーコーナーを上から

海外パビリオンからマレーシア。海外パビリオンでは小さなブースや展示がまとめられているものが多いです。どのような作品を展示しているのか一見わかりづらいのがもったいない。ブースも空いていました

アイキャッチとしては、キャラクターがあるものも有利。会場で目を引きます

ショーの華とも言える、キャラクターや作品の世界観に扮した方も大勢

「仁王」最新作。ライトアップで存在感ある展示となっています

PlayStationブース。多くの注目タイトルが展示されていました

コナミブースは「SILENT HILL f」。発売直後ということで多くのファンが詰めかけていました


バンダイナムコ「塊魂」