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【SEMICON Japan 2025】2025年12月17日~19日、東京ビッグサイトで開催歴史と見どころ 出展企業ブース情報

私たちの生活に欠かせないスマートフォンや自動車、そして話題のAI(人工知能)。これらを支えているのが「半導体」です。世界中の半導体技術が集まる国内最大級の国際展示会「SEMICON Japan(セミコン・ジャパン)」が、2025年12月17日~19日に東京ビッグサイトで開催されます。本記事では、イベントの歴史や経緯を振り返りながら、初心者の方にもわかりやすくその見どころや重要性を解説します。

目次 / Table of Contents

SEMICON Japanとは?

SEMICON Japanは、半導体を作るための製造装置や材料をはじめ、自動車やIoT機器などの応用製品までを網羅するエレクトロニクス製造の国際展示会です。主催はSEMI(国際半導体装置材料業界団体)で、世界各地で開催されているSEMICONシリーズの一つとして知られています。

2025年の開催期間は12月17日(水)から19日(金)までの3日間で、会場は東京ビッグサイトです。入場はビジネス関係者限定ですが、ウェブサイトからの事前登録を行えば無料で参加できます。半導体業界のプロフェッショナルだけでなく、これから業界を知りたい人にとっても、最新技術や市場の動向を一堂に確認できる貴重な機会となっています。

半導体産業の歴史とともに歩んだ軌跡

展示会の歴史は、日本の半導体産業の発展と深く結びついています。第1回のSEMICON Japanが開催されたのは1977年のことでした。当時は米国企業が市場をリードしていましたが、日本市場の重要性が高まり始めた時期でもあり、米国以外で初めて開催されるSEMICONとなりました。

1980年代に入ると、日本企業が世界シェアの半分以上を占める「黄金期」が訪れます。日本製の半導体メモリが高品質で世界を席巻し、展示会場も多くの来場者で溢れかえりました。1990年には会場を幕張メッセに移し、日本の技術力を世界にアピールする場として大きな成長を遂げました。

その後、1990年代後半からは産業構造が変化し、日本は製造装置や材料といった分野で強みを発揮するようになります。SEMICON Japanもまた、完成品の展示から、世界の半導体づくりを支えるサプライチェーンの中心地へと役割を変えていきました。そして現在、国を挙げた半導体産業の復活、いわゆる「シリコン・ルネサンス」の動きの中で、SEMICON Japanは再び大きな注目を集めています。

SEMICON Japan 2025の注目テーマ

2025年の開催において掲げられているテーマは、AIとサステナビリティと半導体の融合です。急速に普及する生成AI(人工知能)と、地球環境を守るサステナビリティ(持続可能性)という二つの大きな課題を解決する鍵が、半導体にあることを示しています。

特に注目されるのは、AIの進化を支える最先端の製造技術や、環境負荷を減らすための新しい材料技術です。会場では、これらの技術をテーマにした展示や講演が多数行われます。2025年は新たな試みとして、材料分野に特化した「SMC Japan」や、微細な回路を検査・計測する技術に焦点を当てた「Metrology & Inspection Summit」といった専門的な会議も初開催される予定です。

地域と世界をつなぐ展示パビリオン

展示会場には、企業のブースだけでなく、特定のテーマや地域ごとのパビリオンも設置されます。2025年は過去最大規模となる19の地域パビリオンが登場する予定です。北海道や東北、九州など、日本各地で半導体工場の建設が進んでおり、それぞれの地域が持つ魅力や産業集積をアピールします。たとえば、次世代半導体の量産を目指す北海道や、シリコンアイランドとして知られる九州など、日本の地域経済と半導体産業の結びつきを感じることができるでしょう。

公式Webサイト https://www.semiconjapan.org/jp


出展企業情報をまとめました

キヤノン:前工程から後工程までをつなぐ露光・成膜・実装技術、そして環境への配慮を展示

キヤノンは、キヤノンアネルバ、キヤノンマシナリーとともに、半導体製造の多様化に対応する装置群と環境配慮の取り組みを紹介します。ブースでは、ナノインプリント技術により微細パターンを低コストで形成する露光装置や、先端パッケージング向けの後工程露光装置などを展示し、前工程から後工程までを一連のフローとして提案します。
複合現実システムを用いて露光装置内部の動作を可視化し、装置構造やプロセスの理解を深められる体験型の展示も用意します。加えて、成膜装置シリーズや原子拡散接合装置、新型ダイボンダーなどインダストリアルグループの製品を通じて、多様な製造プロセスを支えるラインアップを示します。また、部品刷新や仮想化技術による装置の長寿命化、UV-LED露光オプションによる省エネルギー・脱水銀化など、2050年のライフサイクル全体でのカーボンニュートラルを見据えた環境対応もアピールし、持続可能な半導体製造の方向性を来場者に伝えます。

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新コスモス電機:半導体製造現場の安全を守るガス検知

新コスモス電機は、「世界中のガス事故をなくす」という目標のもと、半導体製造に欠かせないガス検知ソリューションを紹介します。主な展示は、クリーンルームや装置への組み込みを想定したコスモス式ガス検知部 PS-8シリーズ、半導体材料ガスに対応したガス検知器 XPS-7II、酸素濃度を監視する酸素計 XO-353IIBT、化学物質リアルタイムモニタ XP-3320II-V などです。毒性ガスや可燃性ガス、高圧ガスを扱う前工程での漏えい検知や作業者保護、設備保全をトータルに支えるラインアップとして、長年培ってきたガスセンサ技術を生かした製品群を分かりやすく展示します。

図研:前工程と後工程をつなぐアドバンスドパッケージ設計環境

図研は、半導体の前工程と後工程をシームレスにつなぐアドバンスドパッケージ設計環境をテーマに展示を展開。微細化が限界に近づくなか、チップレットや3DICなど後工程技術への期待が高まっていますが、その実現にはチップやインターポーザー、パッケージ、プリント基板までを一体で設計・解析できる環境が不可欠です。ブースでは、システムレベル設計・検証ツール「CR-8000 Design Force」を活用したアドバンスドパッケージ設計ソリューションを紹介し、SoC/パッケージ/PCBを3次元データベース上で協調設計するワークフローをわかりやすく示します。

テクノロジーパートナーであるSynopsysの3DIC設計プラットフォームやAnsysの解析ソリューションと連携した統合設計・解析環境も提案します。従来は分断されがちだった前工程・後工程・システム設計の境界を越え、電気特性や熱・機械ストレスまで踏まえた最適設計を追求できる点が特徴です。また、半導体製造装置向けの電装設計ソリューションもあわせて紹介し、デバイスから装置、システムレベルまでを一気通貫で支援する姿勢を打ち出します。アドバンスドパッケージやチップレットを検討する設計者だけでなく、開発と製造をつなぐ「設計DX」に関心を持つ来場者にとっても見どころの多いブースになりそうです。

東レ:素材・装置・分析を結ぶ半導体トータルソリューション

東レは「次の常識を創る、半導体イノベーターの伴走者」を掲げ、グループ各社とともに素材・装置・分析サービスを展開。素材分野では、ポリイミド技術を生かしたコーティング材や感光性接着フィルム、モールド用離型フィルムやダイシングフィルムに加え、研磨用パッドやクリーンルーム用ワイピングクロス、半導体製造装置向け樹脂素材など、前工程から後工程までを支える材料群を展示します。
超純水の製造や有価物回収、廃水減容に貢献する水処理膜も紹介し、環境対応とコスト削減の両面で提案します。装置分野では、ウェーハ外観検査装置や精密加工技術を取り上げ、微細化・高集積化が進むプロセスで求められる検査精度と生産性を訴求します。加えて、分析サービス分野では、組成分析や構造解析、不良解析など最先端デバイスに対応した分析技術を通じて、開発から量産までを一貫して支える体制を示します。

伯東:世界の先端装置を一堂に集めたプロセス・検査・解析ソリューションブース

伯東は、技術商社として取り扱う半導体関連装置を幅広く紹介し、前工程から後工程までを支える提案をします。ブースでは、真空ポンプや分子状汚染測定装置などの真空関連機器、質量分析計やスピニングローター真空計といった分析・計測機器、レチクル保管・洗浄・検査・移載装置、SiCパワーデバイス用熱処理装置、分光エリプソメータや電子線描画装置、プラズマ処理装置、ウェーハストレスモニタ装置など、多彩なラインアップをパネル展示で分かりやすく紹介します。各分野で高い実績を持つ海外メーカーの装置を組み合わせ、デバイス開発や量産ライン構築を支援できる点が特徴です。
製造業系の人気ユーチューバーによる特別講演も予定されており、技術トレンドや装置選定のポイントを学べる場としても注目のブースになっています。

パナソニック インダストリー:LEXCMとMEGTRONで支える先端半導体パッケージ材料

パナソニック インダストリーは、AIやネットワーク技術の進化を支える半導体デバイス材料として、LEXCMシリーズとMEGTRONシリーズを中心のブースとなります。LEXCMシリーズは、半導体パッケージ基板材料から封止材までを一括してラインアップしていることが特徴です。基板材料のLEXCM GXシリーズは、低熱膨張と応力緩和特性によりパッケージ反りの低減と信頼性向上に貢献し、サーバー用CPU・GPU向けの大型FC-xGAパッケージや、スマートフォン向けCSP/モジュールの小型高機能化ニーズに応える設計になっています。封止材のLEXCM CF/DFシリーズは、先端パッケージで求められる高い信頼性を材料面から支えることができます。

低伝送損失・高耐熱多層基板材料であるMEGTRONシリーズも展示。自社独自の樹脂設計によって低誘電率・低誘電正接と業界トップクラスの低伝送損失を実現しています。80層クラスの高多層化にも対応できるため、大規模で複雑な回路構成を持つデータセンターや基地局、光伝送装置向けに豊富な採用実績があり、今回は半導体テストボード用途の例として、MEGTRON採用のプローブカード基板も展示します。半導体パッケージの高性能化・高密度化を素材から支えるマテリアルテクノロジーを、一つのブースで俯瞰できる構成になっています。

ミツトヨ:測れないを測れるへ、半導体工程を高精度計測で支えるブース

ミツトヨは「測れないを測れるへ、測りにくいを測りやすいへ、現場に測定の力を」をコンセプトに、半導体製造工程の生産性向上に直結する計測ソリューションを展示します。白色光干渉を用いた非接触3D計測システム「クイックビジョン WLI Proシリーズ」は、微細形状や表面性状を非接触で高精度に評価できる点が特長です。非接触変位センサを搭載したCNC画像測定機「クイックビジョン HYBRID Type4」や「クイックビジョン Proシリーズ」では、ガラス基板などの測定を高精度かつハイスループットで行う提案を行い、測定時間の短縮と品質保証の両立を訴求。白色光干渉光学ユニット「WLI-Unit」と専用対物レンズ、焦点距離可変レンズ「TAGLENS」、装置組込顕微鏡ユニット「VMUシリーズ」など、装置メーカー向けの組込用ユニットも展示し、プロセス内計測やインライン検査の高度化を支援するラインアップを紹介します。

三星ダイヤモンド工業:SnB工法と新型ウェーハ分断装置で切りひらく次世代パワー半導体加工

三星ダイヤモンド工業は、自社のコア技術であるスクライブ&ブレイク(SnB)工法を体験型展示で紹介し、次世代パワー半導体加工の可能性を伝えます。素材表面にラインを引き、応力で割断するSnB工法は、水を使わないドライプロセスで環境負荷を抑えつつ、削りしろが出ないため高価なSiCなどの材料ロスを大幅に低減できる点が特長です。また、高速加工とクラックの少ない端面仕上げを両立し、生産性と品質向上の両面から注目を集めています。

会場では、好評を得てきた半導体ウェーハ分断装置シリーズの新モデル「DIALOGIC PLUS+」も技術詳細を初公開。需要が急増するSiCウェーハといった高硬度・難削材に対し、どのように高精度かつ効率的な分断を実現するのかを、装置構成やスペックを交えて解説し、自動化や生産性向上につながる具体的なソリューションを示します。ガラスや化合物半導体など脆性材料加工で培った90年の技術を、ツールから装置まで一貫して提供する企業として、最先端パワーデバイス製造のパートナーをめざす姿勢がうかがえます。

フィルム外観検査装置Hawkeyesシリーズ
フィルム外観検査装置Hawkeyesシリーズ

タカノ:次世代パッケージ基板検査を加速する一括ソリューション

タカノは、次世代パッケージ基板の品質管理をテーマに、微細バンプ検査の高スループット化に貢献する検査ソリューションを紹介します。ウェーハ表面検査装置WMシリーズの最新モデル「WM-7SR+/WM-10R+」は、ナノレベルのパーティクル検出とランニングコスト低減を両立し、装置管理や材料開発の現場で求められる高い検査性能を示します。
配線パターンやクラックなどを高精度に確認できるウェーハ外観検査装置Viシリーズ、マイクロバンプの高さを高速で全数測定するALTAX-300EX、2D外観検査と3D検査を一台に統合したALTAXなどを一体的に展示します。加えて、高機能フィルム向けのHawkeyesシリーズや、装置の校正・評価に用いるPSL粒子塗布ウェーハも紹介し、ウェーハからパッケージ基板、フィルムまでをカバーする検査プラットフォームとしての強みをアピールします。

パナソニック コネクト:高品質半導体モノづくりを支える一貫ソリューション

パナソニック コネクトは、進化を続ける半導体産業の「高品質で安定したモノづくり」をテーマに、製造プロセスをトータルで支える装置群を紹介。IoT機器やAI、自動運転などで需要が高まる半導体では、微細化だけでなくパッケージの高機能化が進み、薄ウエハー加工やパーティクルレス、ダメージレス、高精度実装といった要件が一段と重要になっています。こうしたニーズに応えるため、会場ではドライエッチャー、プラズマダイサー、プラズマクリーナー、デバイスボンダー、モジュラーマウンターなど、ウエハー処理からパッケージングまでをカバーする装置を展示します。

長年の製造業で培った知見と先端技術を掛け合わせることで、生産ラインの歩留まり向上や安定稼働、工程集約に貢献できる点をわかりやすく訴求しているのが特徴です。量産ラインの刷新を検討する半導体メーカーやOSATはもちろん、クリーンルームや先端工場をテーマにした見学・研修プログラムを構想する担当者にとっても、最新の半導体モノづくりを具体的にイメージしやすいブースになっています。

超低発塵シリーズ:ボールねじ、リニアガイド

日本精工:Beyond 2nm時代を支える超精密モーションソリューション

日本精工(NSK)は、「『MORE THAN PRECISION』あたらしい動きが、次の世界をつくりだす。」をコンセプトに、半導体製造装置向けの超精密モーション技術を幅広く紹介します。次世代の微細化「Beyond 2nm」を見据えた超低発塵シリーズでは、ボールねじやリニアガイドを低発塵仕様で提案し、高温・真空・クリーン環境での安定稼働に貢献します。サブミクロン精度の位置決めを実現する高精度アライメントテーブルは、くさび機構と高精度ボールねじ・リニアガイドを組み合わせ、高剛性と再現性、さらには高速整定を両立した点が特徴です。

あわせて、電子ビームリソグラフィなどに求められる真空・クリーン環境向けの真空環境用XYテーブルや、リニアガイドとエアスライドを融合したハイブリッドXYテーブルも展示し、広ストロークかつ超精密な位置決めニーズに応えます。AIと独自診断技術を組み合わせた状態監視ソリューションも紹介し、設備の予知保全やダウンタイム低減に寄与することをアピールします。

潤工社:半導体からAIデータセンターまで支えるクリーン配線ソリューション

潤工社が展示するのは、半導体製造からAIデータセンターまでの一連のバリューチェーンを「配線と流体のプロ」として支えるソリューション。半導体製造装置や検査装置、ウェハFAB、PKG基板製造向けに培ってきた超低アウトガスケーブルや検査ケーブル、薬液配管用PFAチューブ、冷媒・ガス配管、液漏れ検知システムなどを通じて、クリーン性と安定稼働、安全性の向上に貢献してきた実績をわかりやすく示します。
GPU・CPUを搭載した高性能サーバーやAIデータセンターの冷却ユニット向けソリューションもあわせて展示し、熱管理と信頼性確保の観点から最新ニーズに応える姿勢を打ち出します。高性能・高精度なものづくりとカスタマイズ力を組み合わせることで、前工程から後工程、さらに情報インフラまでをカバーする点が特徴であり、先端工場の設計や運用に携わる来場者にとって具体的な導入イメージを得やすいブースになっています。

ダルトン:環境負荷低減をねらう薬液レス洗浄ソリューション

イトーキのグループ会社であるダルトンは、半導体製造プロセスにおける環境負荷低減をテーマに、薬液を使わない洗浄技術を中心とした装置群を紹介します。水蒸気と水の二つの流体を超音速で噴射し、発生するキャビテーションの衝撃波で異物を除去する蒸気二流体洗浄装置は、研磨後洗浄やメタルリフトオフ、レジスト剥離など多様な工程で活用できる点が特長です。同装置の洗浄メカニズムについては出展社セミナーでも詳しく解説されます。あわせて、循環方式で少ない水量かつ短時間で高濃度オゾン水を生成できるオゾン水生成装置や、純水のみでFOUP内部のパーティクルや接着剤を効率的に洗浄するFOUP洗浄装置も紹介し、薬液レスかつ省資源なプロセスへの移行を提案します。前工程を中心に、剥離・洗浄・乾燥からメッキ、レジスト塗布、現像まで幅広いウェットプロセス装置を一品一様で設計してきた実績も示され、研究開発用から量産機まで柔軟に対応できるパートナーとしての存在感を打ち出します。

※出展情報は各社のプレスリリース、報道発表をもとに構成しています。

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