
築地地区まちづくり事業の基本計画発表!2023年代前半以降の開業を目指す東京の新たなアイコン、MICEを誘致する国際拠点としての魅力に迫ります
三井不動産を代表企業とする築地まちづくり株式会社は、築地地区まちづくり事業の基本計画を策定し、発表しました。この計画は、東京都中央区築地五丁目および六丁目各地内という広大な約19万平方メートルの都有地を活用し、総事業費約9,000億円を投じて、2030年代前半以降の開業を目指すものです。かつての築地市場が扇の形状をしていた歴史的背景から、「扇」をデザインモチーフに、東京の新たな顔となる象徴的な景観を創出しようとしています。

まちづくりで描かれる「ONE PARK×ONE TOWN」の未来
築地地区のまちづくりは、「ONE PARK×ONE TOWN(ワンパーク ワンタウン)」を基本コンセプトに掲げ、自然と都市活動の共生・調和・発展を通じて社会的価値を創出することを目指しています。


水と緑豊かな「ONE PARK」
「ONE PARK」は、隅田川や浜離宮恩賜庭園と一体的な緑地・広場の整備を通じて、水と緑豊かな空間を創造することに主眼を置いています。江戸期から交易・交流の拠点であった築地の歴史と、隅田川の水辺のにぎわいを継承し、シンボリックな景観デザイン、多様な活動を生み出す水辺のオープンスペース、周辺資源と調和するプロムナードと緑化、そして舟運の活用により、「水都東京の再生」を推進する構えです。

国際競争力強化を牽引する「ONE TOWN」
一方、「ONE TOWN」では、銀座の文化・芸術、築地場外市場の食文化、新橋・汐留のビジネス拠点、隣接する医療施設との連携を深め、交流と感動、そしてイノベーションが生まれる都市活動を表現します。大規模な集客・交流機能、迎賓・ホスピタリティ機能、日本の食文化を継承・発展させる機能、そして周辺医療施設との連携によるイノベーション創出機能などを導入し、「国際競争力の強化」に貢献するまちづくりを進めます。
この地区の歴史的文脈である「外国の異文化を取り入れ進取の精神が育まれてきた」という点も踏まえられています。

陸・海・空をつなぐ次世代モビリティハブ
この計画では、「陸・海・空」のモビリティが乗り入れ可能な「広域交通結節点(モビリティハブ)」の形成も大きなポイントです。地下鉄新駅、バス・タクシーといった既存の交通手段に加え、次世代モビリティ、舟運、さらには空飛ぶクルマやヘリポートといった多様な移動手段が接続される予定です。これにより、にぎわい機能や情報発信といった付加価値を高め、新しい都市の玄関口としての機能強化を目指します。

基本事項
所在地:東京都中央区築地五丁目及び築地六丁目各地内
事業者:築地まちづくり株式会社
(開発事業者)三井不動産株式会社、トヨタ不動産株式会社、株式会社読売新聞グループ本社
活用都有地面積:約19万㎡
総延床面積:約126万㎡
開業時期:2030年代前半以降
公式Webサイト https://tsukiji-machizukuri.jp/

MICE誘致へ向けて築地が放つ新たな輝き
計画されている施設群は、MICEの誘致と成功に直結する要素を多数含んでいます。
大規模集客・交流施設とMICE・ホテル・レジデンス棟
主要建物として、大規模集客・交流施設(マルチスタジアム)とMICE・ホテル・レジデンス棟が計画されています。MICE・ホテル・レジデンス棟は、約14.6万平方メートルもの延床面積を有し、高さ約210メートルに及ぶ大規模な施設となる見込みです。これは、国際会議、展示会、企業のインセンティブ旅行など、様々なMICEイベントに対応できる十分な規模と質の高い宿泊施設を提供することを示しています。大規模集客・交流施設は、その名の通り多様なイベントを可能にし、MICE参加者にとって魅力的なコンテンツとなることでしょう。

迎賓・ホスピタリティ機能の充実
「国際競争力の強化」に資するまちづくりのテーマには、「迎賓・ホスピタリティ機能」の充実が明確に盛り込まれています。これは、国内外から訪れるMICE参加者やVIPを迎え入れるための質の高いサービスと環境が整備されることを意味しています。築地場外市場との連携による日本の食文化の継承・発展機能は、参加者にとって唯一無二の体験となり、会議やイベントの付加価値を高めることにも繋がります。
アクセシビリティと周辺資源との連携
前述の陸・海・空をつなぐモビリティハブは、MICE開催地としての築地の魅力を飛躍的に高めます。多様な交通手段が利用できることで、国内外からのアクセスが格段に向上し、参加者の利便性が大幅に向上するでしょう。また、銀座の文化・芸術、新橋・汐留のビジネス拠点、さらには隣接する医療施設との連携は、MICEイベントのテーマや内容に多様な広がりをもたらし、MICE開催地としてのポテンシャルをさらに高める要因となります。

2030年代前半以降の開業に向けて進む「まちづくり」
築地地区のまちづくりは、単なる再開発に留まらず、水と緑豊かな環境、日本の文化と最先端の都市機能が融合した、まさに「東京の新たなアイコン」となることを目指しています。特にMICEの観点からは、大規模な施設、質の高いホスピタリティ、そして優れたアクセス性が確保されることで、国際的な競争力を有する新たなMICE拠点として、築地が世界の注目を集める日がくるかもしれません。2030年代前半以降の開業に向けて、どのような「まち」が姿を現してくるのか楽しみです。
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