アジア太平洋地域最大級のMICE見本市「AIME」とは？ その歴史と日本との関わり、Knowledge Mondayについて

世界中のビジネスイベント関係者が注目する「AIME」というイベントをご存じでしょうか。AIMEは、毎年2月にオーストラリアのメルボルンで開催される、アジア太平洋地域で最も長く、かつ最大規模を誇るビジネスイベントの展示会です。このたび、私たちMICE TIMES ONLINEはAIMEのメディアパートナーとなりました。そこで今回は、MICE業界の方なら必ず押さえておきたいAIMEの基礎知識から、その権威ある歴史、そして日本との関わりまでをわかりやすく解説します。

AIMEとはどのようなイベントなのか　毎年2月、メルボルンで開催

AIMEの正式名称は「Asia Pacific Incentives and Meetings Event」といいます。日本語では「アジア太平洋インセンティブ＆ミーティングイベント」となるでしょうか、その頭文字をとって「AIME」と呼ばれています。このイベントは、MICE産業に関わるプロフェッショナルが出会い、ビジネスを創出するための巨大なプラットフォームです。開催地はオーストラリアのメルボルンにある「メルボルンコンベンション＆エキシビションセンター（MCEC）」で、通常毎年2月に行われます。

AIMEの最大の特徴は、その圧倒的な規模と影響力にあります。2025年の開催実績を見ると、来場者は4,500名を超え、出展企業は675社に達しました。特筆すべきは、イベント期間中に生まれるビジネスの規模です。2025年の開催では、今後12か月間で約4億豪ドル（約390億円相当）もの商談取引が見込まれるという驚異的な成果を上げています。真剣なビジネス商談の場として機能している証拠といえるでしょう。

30年以上の歴史と「アジア太平洋のIMEX」としての権威

AIMEの歴史は古く、初開催は1993年にさかのぼります。当初はオーストラリア国内向けの小規模な商談会としてスタートしましたが、30年以上の歳月をかけて、アジア太平洋地域を代表する国際イベントへと成長しました。現在では、世界のMICE業界において、欧州の「IMEXフランクフルト」や米国の「IMEXアメリカ」と並ぶ重要なイベントとして位置づけられており、「アジア太平洋版のIMEX」とも称されるほどの権威を持っています。

また、開催時期が毎年2月であることも重要なポイントです。これは世界の主要なMICEトレードショーの中で最も早い時期の開催となるため、その年の業界トレンドや景気を占う役割も果たしているのです。運営体制も盤石で、メルボルンコンベンションビューロー（MCB）が所有し、プロのイベント運営会社であるTalk2 Media & Eventsが運営を担当することで、質の高いプログラムを提供し続けています。特に近年は、コロナ禍を乗り越えて過去最大規模を更新し続けるなど、その成長力に世界が注目しています。

成功を支える招待バイヤーの仕組みと日本との関わり

AIMEがこれほど支持される理由の一つに、「ホステッドバイヤー（招待バイヤー）プログラム」の質の高さがあります。これは、決裁権を持つ有力なバイヤーを世界中から招待し、出展者と引き合わせる制度です。AIMEでは最新のAI技術を活用して、バイヤーと出展者のニーズを精密にマッチングさせており、これが高い商談成約率につながっています。展示会初日には「ナレッジ・マンデー」と呼ばれる教育プログラムが開催され、業界の専門知識を学べる場としても機能しています。2026年のナレッジ・プログラムでは「Expertise Matters!（専門性が重要だ！）」というテーマが掲げられ、AI時代における人間の専門性の価値が議論される予定です。

日本との関わりについても触れておきましょう。AIMEはアジア太平洋地域のハブであるため、当然ながら日本も重要なマーケットの一部です。具体的な事例としては、まだ渡航制限の影響が残っていた2022年のハイブリッド開催時において、日本ブースが出展し、巨大スクリーン越しにバーチャル商談が行われたという記録があります。日本のMICE関係者や観光局、ホテル事業者にとっても、AIMEはオーストラリアやアジア太平洋地域のバイヤーに向けて日本の魅力をアピールし、国際会議やインセンティブ旅行を誘致するための絶好の機会となっています。

AIME 2026「Knowledge Monday」プログラム概要

AIME 2026「Knowledge Monday」プログラムの詳細が発表されています。Knowledge Monday（ナレッジ・マンデー）とは、AIMEの公式な展示会が始まる前日の月曜日に開催される、1日限りの集中型教育カンファレンスです。

プログラムは、BEAMexperience創設者のEl Kwang氏と、アジア太平洋地域の業界リーダーによるアドバイザリー・コミッティーが共同でキュレーションしました。22のブレイクアウトセッションが用意され、ビジネス戦略・リーダーシップ、イベントマネジメントとエクスペリエンスデザイン、テクノロジー・AI・データ、人材・スキル開発、サステナビリティとレガシーという五つのカテゴリーで構成されています。AIが進化した環境への対応、オーセンティックな人間的エンゲージメントの設計、レガシーを生むイベント戦略など、現在の優先テーマを幅広く扱います。

当日はまず三つの基調講演が行われます。ダン・ヘスラー氏はマインドセットと環境がエンゲージメントに与える影響を、マイロ・ウィルキンソン氏は意思決定や信頼の神経科学を、クリスティーナ・カールソン氏はレジリエンスと目的意識を持ったリーダーシップをテーマに登壇します。その後、30名以上のスピーカーがワークショップやパネルなどを通じて実務的な知見を共有し、参加者の専門性を深める一日になる予定です。

今後のAIME2026情報にご注目ください

AIMEは単なる展示会にとどまらず、アジア太平洋地域のMICE産業を牽引する役割を担っています。30年以上の歴史に裏打ちされた信頼と、最新テクノロジーを取り入れた革新性が融合し、参加者に確実なビジネスチャンスを提供し続けています。「AIME 2026」は、2026年2月9日から11日にかけてメルボルン・コンベンション＆エキシビション・センターで開催される予定です。

私たちMICE TIMES ONLINEもAIMEのメディアパートナーとして、今後もAIMEの情報を日本の皆様にお届けしてまいります。世界とつながるビジネスの最前線、AIMEのこれからの展開にぜひご注目ください。

AIME　公式Webサイト　https://aime.com.au/

会場：メルボルン・コンベンション＆エキシビション・センターとは

メルボルン・コンベンション＆エキシビション・センター（MCEC）は、ヤラ川沿いのサウス・ワーフ地区に位置する、オーストラリア最大級の統合型イベント施設です。ガラス張りの近代的な建築が印象的で、世界で初めて「6つ星グリーンスター」を取得したサステナブル施設としても知られています。内部には総展示面積約7万㎡の広大な展示エリアに加え、扇状デザインが特徴的な多目的ホール「プレナリー」や60以上の会議室を備え、国際会議・展示会からコンサートまで幅広いイベントに対応。ウォーターフロントの立地と周辺のホテル・商業施設とあわせて、メルボルンのビジネスと文化を支える中核的なMICEハブとなっています。

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