
ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸:旅行・観光業界の国内最大のイベント これまでの歴史と愛知初開催の今年の概要をご紹介
ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸は、日本最大級にして世界有数の総合観光イベントとして、2025年9月25日から28日までAichi Sky Expoで初めて愛知の地で開催されます。今年のテーマ「旅は“知”の再発見」を掲げ、中部・北陸地域全体の観光振興、北陸の復興支援、そして中部国際空港の国際ハブ機能強化という多角的な戦略的意義を担う、まさに業界注目のビッグイベントです。本記事ではイベントの概要、歴史などをわかりやすくご紹介します。

ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸:開催概要
イベント基本情報とテーマ
正式名称は「ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸」。2025年9月25日(木)から28日(日)までの4日間、愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」にて開催されます。前半の9月25日(木)、26日(金)は旅行、観光、MICE業界関係者向けの「業界日」、後半の9月27日(土)、28日(日)は一般来場者向けの「一般日」となります。会場となるAichi Sky Expoは中部国際空港(セントレア)に直結しており、国内外からのアクセスに優れているのが大きな特徴です。
今年の開催テーマは「旅は“知”の再発見」であり、単なる観光地の訪問に留まらず、旅を通じて新たな知識や文化、価値観に触れるという、より深く知的な旅行体験の価値を提唱しています。本イベントは、公益社団法人日本観光振興協会、一般社団法人日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)の日本の観光を牽引する3団体が主催しています。
開催概要
会期:業界日 9/25・9/26(10:00–18:00)、一般日 9/27(10:00–18:00)・9/28(10:00–17:00)
会場:Aichi Sky Expo
主催:日本観光振興協会/JATA/JNTO
合同開催:VISIT JAPAN トラベル&MICE マート 2025
公式Webサイト https://www.t-expo.jp/
注目イベントと来場者目標:スペシャル・サポーターは瀬戸朝香さん
イベント期間中、様々なプログラムが予定されています。9月27日(土)には岩田剛典さんによる「スペシャルトークイベント」が、9月28日(日)にはTEJスペシャル・サポーターを務める瀬戸朝香さんによる「トークショー」が、Aichi Sky Expo 展示ホール B 「Aステージ」にて開催されます。
岩田剛典さんのイベントは13:00~14:00に開催され、入場、観覧にはツーリズムEXPOジャパン2025の入場券と、当日配布される「観覧指定席券」または「立見エリア観覧整理券」が必要となりますが、スペシャルトークイベント自体は無料で観覧できます。定員は1500名で、300席程度の指定席は抽選で配布されます。この抽選は当日受付のみで、事前申し込みは不要です。当日午前9時よりTEJ2025会場内『スペシャルトークイベント受付』にて観覧券が配布され、抽選で当選された方には指定席券、当選されなかった方には立見エリアの整理券が渡されます。
瀬戸朝香さんのトークショーは9月28日(日)14:30に開催され、愛知県瀬戸市出身で瀬戸市広報大使を務める瀬戸さんがご自身の“旅”についてお話されます。観覧にはツーリズムEXPOジャパン2025の入場券が必要です。
本イベントでは、業界日3万4千人、一般日6万6千人の合計10万人という来場者目標を掲げており、商談目標は5,500件以上、出展目標は1,100小間が設定されています。また、日本最大のインバウンド商談会「VISIT JAPAN トラベル&MICE マート2025(VJTM)」も同時開催され、海外の旅行会社(バイヤー)と国内の観光事業者(セラー)とのビジネスマッチングが強力に推進されます。

日本最大級の旅の祭典:ツーリズムEXPOジャパンの軌跡
誕生の背景と初期の成長
ツーリズムEXPOジャパン(略称TEJ)は、2014年に「観光産業をさらに活性化させる」ことを目的に誕生した、日本最大級にして世界有数の総合観光イベントです。それまで別々に開催されていた国内旅行フェア「旅フェア」と、海外・訪日旅行を主眼とした「JATA旅博」が統合され、日本の観光を「オールジャパン」体制で国内外に発信する統一プラットフォームとしてスタートしました。日本の観光産業を国の成長戦略の柱として位置づけ、世界市場における競争力を高めるための国家戦略の一環とされています。初開催の2014年には東京で約15万8千人が来場し、華々しいスタートを切りました。その後、2018年には過去最多となる約20万7千人もの来場者数を記録し、その規模を急速に拡大させました。
来場者数の推移(2014年–2024年)
2014(東京):157,589人
2015(東京):173,602人
2016(東京):185,844人
2017(東京):191,577人
2018(東京):207,352人
2019(大阪):151,099人
2020(沖縄):24,174人
2021:開催中止
2022(東京):124,074人
2023(大阪):148,062人
2024(東京):182,934人
開催地の変遷とパンデミックからの回復
TEJは、当初は東京を中心に開催されていましたが、2019年に初の大阪開催、2020年には沖縄開催と、開催地を首都圏以外にも広げる「地方開催戦略」を展開してきました。しかし、2020年の沖縄開催は新型コロナウイルス感染症の影響で規模が縮小され、来場者数は約2万4千人にとどまり、2021年には開催延期(実質中止)となるなど、世界的なパンデミックによる大きな試練に直面しました。
パンデミック後、2022年に東京で再開され、約12万4千人が来場し復調の兆しを見せました。続く2023年の大阪開催では約14万8千人、そして2024年の東京開催では約18万3千人が来場し、コロナ禍前の水準に迫る活況となりました。そして、2025年に初めて愛知・中部北陸で開催されることは、この地方開催戦略の集大成といえるでしょう。

愛知・中部北陸開催の意義
「昇龍道プロジェクト」の国際的ショーケース
2025年の開催地に愛知・中部北陸が選ばれた背景には、中部・北陸地域の広域振興という明確な狙いがあります。中部地方から北陸地方にかけて龍が昇るように伸びる観光ルートの愛称である「昇龍道」は、愛知・岐阜・長野・静岡・三重・滋賀・富山・石川・福井の9県にまたがります。このエリアは観光資源が豊富でありながら、これまで首都圏・関西圏に比べ訪日客の周遊が少ない傾向が指摘されてきました。TEJを誘致することで、この「昇龍道プロジェクト」にとって過去最大級の国際的プロモーション機会を提供し、広域周遊観光の起爆剤として地域経済の活性化に大きく貢献しようとしています。今回のTEJ2025では、9県が初めて共同ブースを設置し、文化・自然・食・体験など多彩な観光資源を世界に向けて発信します。
北陸復興支援とセントレアのハブ機能強化
タイミング的にも、2025年は中部国際空港(セントレア)開港20周年にあたります。世界中から参加者が集まる本イベントを空港直結のAichi Sky Expoで開催することは、セントレアの利便性とポテンシャルを国際社会に強くアピールする絶好の機会となり、同空港をハブとしたインバウンド・アウトバウンド需要拡大を図る狙いがあります。新規航空路線の誘致や旅客数の増加を促し、日本の空の玄関口の多極化に貢献することが期待されています。
また、主催者発表では、北陸新幹線の延伸や、近年北陸地方で発生した自然災害からの復興支援も視野に入れて本イベントを開催すると明言されており、TEJを通じて北陸地域への観光客呼び戻しや風評払拭を後押ししたい考えです。
MICE拠点としての愛知の魅力
愛知県は製造業だけでなく、観光・MICE誘致にも力を入れており、県内の自治体・経済団体・交通機関などで開催地連絡協議会を結成し、全面支援する体制を整えています。開催会場となるAichi Sky Expoは2019年開業の最新大型コンベンション施設で、中部国際空港に直結という利点に加え、5つの展示ホールと会議室群を備え、延べ60,000㎡超のイベントスペースは国内有数の規模を誇ります。
名古屋市内にも名古屋国際会議場やポートメッセなごや等の施設があり、ホテルの客室数も東海エリア最大級で、大規模会議や展示会を支えるインフラが整っています。この「観光資源の多様性×アクセシビリティの高さ×MICE施設の充実」という三拍子揃った愛知・中部北陸地域が、ツーリズムEXPOジャパンという舞台を通じて自らの強みを国内外にアピールできる意義は大きいでしょう。

ツーリズムEXPOジャパン2025 注目のプログラム
スペシャル・サポーター瀬戸朝香さんのトークショー
愛知県瀬戸市出身で瀬戸市広報大使を務める女優の瀬戸朝香さんが、ツーリズムEXPOジャパン2025のスペシャル・サポーターに就任されました。9月28日(日)14:30よりAステージにて、ご自身の「旅」について語るトークショーにご出演されます。観覧にはTEJ2025の入場券が必要です。
岩田剛典さんのスペシャルトークイベント
9月27日(土)13:00から14:00まで、Aichi Sky Expo 展示ホール B 「Aステージ」にて、岩田剛典さんによるスペシャルトークイベントが開催されます。観覧は無料ですが、TEJ2025の入場券と当日配布の観覧券(観覧指定席券または立見エリア観覧整理券)が必要です。指定席(300名)は抽選となり、午前9時より会場内『スペシャルトークイベント受付』にて観覧券が配布されます。抽選に外れた場合は立見エリアの観覧整理券が渡されます。当日は安全上の観点から徹夜待機および深夜来場は禁止とされており、禁止行為があった場合はトークイベントを中止する可能性もあるため注意が必要です。
業界の未来を議論する多様なセッション
ツーリズムEXPOジャパンは、単なる旅行博に留まらないMICEイベントとしての側面も持ち合わせています。開催初日には、世界各国の観光担当閣僚や国際機関リーダーが参加する「TEJ観光大臣会合」が開かれ、観光の課題や協調策が話し合われます。観光振興やSDGs達成に資する優れた取り組みを表彰する「ジャパン・ツーリズム・アワード」の表彰式も併催されます。
日本政府観光局(JNTO)主催の国際商談会「VISIT JAPAN トラベル&MICE マート(VJTM)」がTEJに合わせて合同開催され、海外バイヤーと日本の観光事業者との間で数千件規模のビジネスマッチングが期待されます。その他、「トラベルソリューション展」や業界関係者向けセミナー「ツーリズム・プロフェッショナル・セミナー」も開催され、デジタルトランスフォーメーション(観光DX)やコンテンツツーリズムなど、最新の潮流が発信されます。2025年は初めて「コンテンツツーリズム」専門エリアが設けられる予定です。

MICE TIMES ONLINEではAichi Sky ExpoとTEJ2025の取材記事をリリース予定
ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸は、単なる旅の祭典にとどまらず、日本の観光産業の未来を切り拓く戦略的なイベントです。愛知・中部北陸という新たな舞台で、「旅は“知”の再発見」というテーマのもと、地域活性化、北陸復興、MICE振興といった多岐にわたる目標達成に貢献することが期待されます。
国内外の観光関係者、そして一般の旅好きが集い、新たなビジネスチャンスや発見が生まれるこの一大イベントです。MICE TIMES ONLINEはMICE開催地としての愛知の魅力とイベントの様子をお届けする予定です。
※本記事の写真は昨年TEJ2024で当編集部が撮影したものです
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