【取材】ユニークベニューを巡るツアーその1:うみの神戸編 貸切水族館のナイトツアー×伝統芸能/海を望むワイナリー/ウェルネスをウォーキングとクルーズで体感
MICE都市としての魅力を放つ神戸。その魅力を語るうえで外せないのが数々のユニークベニューです。
2026年1月、神戸市ミーティング&インセンティブ旅行誘致コンソーシアムによる実証事業として、2泊3日のモニターツアー「MUSEUM FICATION KOBE JAPAN」が行われました。神戸市が掲げる「神戸2025ビジョン」のテーマは”海と山が育むグローバル貢献都市”。ツアーは神戸のユニークベニューを巡り、海と山の神戸の可能性を探るものでした。本記事シリーズでは「うみの神戸」「まちの神戸」と題して神戸MICEの魅力をご紹介します。
神戸市:海も山も、街のすぐそばにある神戸
神戸市の人口は約148万人。県内総生産(GRP)は兵庫県全体で約23.4兆円、神戸市単独でも約7.5兆円に達します(2025年時点)。海と山が至近距離に迫る風光明媚な景観と、異国情緒あふれる街並みが調和した日本屈指の港町です。古くから国際貿易の拠点として発展し、北野の異人館街や旧居留地など、西洋文化が息づく洗練された雰囲気が漂います。
食の魅力も多彩で、世界的なブランドである神戸ビーフやスイーツ、灘の酒蔵など豊かなグルメが揃います。夜には「1000万ドルの夜景」と称される美しいパノラマが広がり、訪れる人々を魅了します。また、日本最古の有馬温泉を市内に有し、都市の利便性とリゾートの癒やしが共存している点も大きな特徴です。伝統を大切にしながら、常に新しい文化を創出し続ける開放的な気風が、神戸の尽きない魅力となっています。

近代の神戸の歴史は、1868年の開港とともに始まったと言っても過言ではありません。港を窓口に、物資だけでなく人と文化が流れ込み、多様性が日常として根付いた街なのです。

3エリアに広がる「神戸ウォーターフロント」
今回のモニターツアーの舞台のひとつとなった「ウォーターフロント」と称されるエリア。観光地として整備され、現在も開発が進むエリアです。 神戸の中心街の南に位置する海沿いの3つのエリアに分かれています。

1.ハーバーランド:神戸有数のショッピング・観光エリア
- 神戸ハーバーランドumie
- 神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール
- 神戸シーバス boh boh KOBE 号 …

2.メリケンパーク:神戸を代表する観光地が集積するエリア
- 神戸ポートタワー
- 神戸海洋博物館
- 神戸港震災メモリアルパーク
- BEKOBE モニュメント …

3.ニューシーポート(新港町):新たな神戸の顔に生まれ変わったエリア
神戸開港時に最初に設置された波止場があったこの地。かつての海上物流を担う倉庫街が”新たな神戸の顔”として生まれ変わったエリア。近代日本の歴史的建築物と出会えます。
- ステージ・フェリシモ
- átoa
- GLION ARENA KOBE
- 神戸ポートオアシス
- ポートターミナル
神戸ウォーターフロント https://kobewaterfront.com
ウォーターフロントに点在するユニークベニューたち
では、モニターツアーで巡ったユニークベニューを、海や港にまつわるものからご紹介します。

【átoa】 アクアリウムとアートが融合した都市型の水族館
Why átoa?
- アート・食・サステナビリティなど、複数切り口から興味をもたせやすい
- 非日常な空間を活かした日本らしい演出が可能
- 楽しさと学びを両立、幅広い年代に対応
アクアリウムとアートが融合した、ユニークな都市型の水族館です。なんと水族館の中で研修や伝統芸能鑑賞、パーティー、コンサート等が行えるんです。
海上入口で灘の酒(甘酒・日本酒)が振る舞われました。升には今回のツアー名が印字されています。飲んだあとは持ち帰れるのが嬉しい。いまも自宅で晩酌のお供になっています。


伝統芸能・淡路人形浄瑠璃「戎舞」で、参加者の夢を叶えるサプライズ
会場「MIYABI」は花鳥風月をモチーフにした新しくも、日本らしい空間。ガラスの床からは、鯉が泳ぐ様子を楽しめます。重要無形民俗文化財「淡路人形浄瑠璃」が披露されました。兵庫県・淡路島を発祥とし、全国に広がった人形芝居のルーツとも言われる伝統芸能です。


演目は「戎舞(えびすまい)」 。福の神・えびす様が登場し、五穀豊穣や商売繁盛、大漁などを祈願する、代表的な演目です。 今回特別に参加者の“夢”をえびす様が名前とともに読み上げるサプライズがありました。参加者からは思わず笑顔がこぼれます。

黒衣(くろご)の方も顔を出し、操演の細かな動きについて説明してくださいました。人形劇は世界各地に根づいており、国や文化の違いを越えて、分かりやすい日本文化体験のひとつとなるでしょう。


舞台鑑賞だけではなく、記念撮影や人形を間近で見られる時間も用意されています。

デザインは、自然について理解を深める入口
átoaの根底にあるのは、自然について理解を深めてもらうこと。まずは関心をもってもらうために、デザイン性を重視。いわゆる“映え”や”エンタメ”のためではありません。生き物には負担をかけないように工夫をされているのだとか。

環境学習のワークも用意されていました。説明役を務めるのは、アンモナイトのキャラクター。エンターテインメントの中に教育的要素(エドゥテインメント)※を巧みに組み込んでいます。
皆さんはどれが正解だと思いますか?
※「教育(Education)」と「娯楽(Entertainment)」を組み合わせた造語




アクアリウムを眺めながら楽しむ、フードロスに配慮した貸切ディナーパーティー
お食事は「生命のゆらぎMARINE NOTE」でいただきます。

再び戎様がお出迎え。こちらではイベント会場として結婚式や、造形物の展示、コンサートなどが行われています。会場のサイズは50~100名規模でも十分に対応できるものです。

ビュッフェのテーマは「兵庫・神戸のテロワール(地産地消)」と「サステナビリティ(フードロス削減)」。1階のレストランがプロデュースを担当。フードロスを出さない工夫として1人1品を基本にしています。量は十分で、一口サイズのメニューが中心のため、無理なく食べられました。


環境負荷の低い「白寿真鯛0(ゼロ)」、合鴨農法で作られた無農薬米、廃棄される牡蠣殻を活用して育てた椎茸など、SDGsを意識したメニュー構成です。

立食パーティーのような場が、必ずしも得意な方ばかりではありません。初対面の参加者が多いと、どうしても気を遣ってしまいます。その点、この場では「お食事を持って、周辺も自由に歩いていただけますよ」と案内がありました。会話を楽しむこともできれば、アクアリウムを見たり。選択肢があることで、参加者それぞれが負担を感じず、無理のないペースで過ごせる印象です。





【TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES】神戸最大級のフードホール
átoaの1階に位置する神戸最大級のフードホール。「NIGHT FES」とある通り、夜景の見えるテラス席や巨大なバーカウンターを備えており、アフターMICEの場として、カジュアルかつ洗練されたナイトライフを提供できるスポットです。バーカウンターの真上には巨大水槽があります。こちらも貸切・イベント利用ができます。

施設名:átoa
営業時間:年中無休 / 10:00-19:00(átoa)
公式サイト:https://atoa-kobe.jp/floor/marine/
施設名:TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES
営業時間:不定休 / 11:00-22:00
公式サイト:https://toothtooth.com/toothmart-foodhall
アクセス:JR 三宮駅 徒歩18分
JR/阪神 元町駅 徒歩15分
所在地:神戸市中央区新港町7-2 神戸ポートミュージアム

【Felissimo】神戸港を一望するランチパーティー
Why Felissimo?
- 海に最も近いワイナリーであること
- 海底熟成されたワインで物語を感じる体験できる
- ミュージアム、体験、食事までが一つの施設の中で完結
都市型ワイナリー「f winery」 は地元企業のフェリシモが設立・運営。ミュージアムや体験、食事までが1つの施設の中で完結しています。私たちは12時に到着し、14時頃まで滞在しました。

目の前が海という抜群のロケーション! 屋外テラスは、カクテルパーティーなどの会場としても活用できます。「日本で最も海に近いワイナリー」とも言われています。

【f winery】オリエンテーションで海底熟成ワインの飲み比べ
2021年6月には、神戸税務署管轄内で初となる果実酒製造免許を取得し、ワイン醸造をスタート。 土地やぶどうの品種に縛られず、その時々に良いぶどうを選び、自由な発想でワインづくりに挑戦しています。神戸産を中心に、北海道・長野・オーストラリアなど国内外から、ぶどうを調達しています。神戸産の比率は約55%です。

室内は、ガラス越しに眺められるスタンドエリア、テーブルが用意されています。醸造区には、スロベニア製のステンレスタンク7基と樹脂タンク2槽、計9つのタンクがあり、年間最大約3万本(750ml換算)の製造ができます。

瓶詰めからラベル貼りまで、すべて手作業! ラベルはイベントに合わせてオリジナルデザインを施せます。デザイン決定から納品までは約1〜2週間、全体の打ち合わせ期間はおよそ1か月。企業インセンティブや周年イベントで活用できそうですね。

神戸港の海底約10mにワインを沈めて熟成した海底熟成ワインをいただきます。同じタンクで醸造し瓶詰めした「神戸産メルロー」を、海底熟成したものと、定温庫で保管したものを飲み比べましょう。 海底熟成ワインは、潮の揺らぎや水圧、暗闇といった環境によって熟成が進むとされており、実際に飲み比べると味わいの違いを感じられます。海を想像しながら味わいます。

搾りかすは畑に戻したり、バイオエネルギー事業者に引き渡したり。粉砕したかすを使用したカレーは「ワイン熟成カレー」として館内レストランでも提供されています。

【Sincro】海を望むランチと、意味のある松花堂弁当
そのまま2階に上がると予約制の日本料理レストラン「Sincro(シンクロ)」があります。海を望む開放感が素晴らしい。

調理師専門学校講師としても長年研鑽を重ねた北川氏がエグゼクティブシェフとして料理を手掛けます。ランチで提供されたのは”松花堂弁当”。北川シェフは、松花堂縁高弁当で「日本料理大賞2024-2025」の第2位に入賞されたこともあります。


食材がカウンターに並べられ、調理の工程が見える演出は、ライブキッチンのようで視覚的にも楽しめました。メインとなるお料理や椀はタイミングを見計らい、温かい状態で運ばれてきます。

お箸・フォーク、どちらでもいただけました。

香住ずわい蟹(但馬)清汁仕立 / 神戸ビーフ炭焼き(摂津)玉ねぎ(淡路) / 丹波鴨治部煮(但馬)/ 花蓮根(播磨)/ つぶ貝岩津ねぎソース(丹波)/ 足赤海老(播磨)/ 鯛棒寿司(播磨) / 白鶴酒粕プリン など

【felissimo chocolate museum】神戸の港から広がった、チョコレート文化をたどるミュージアム
ショコラティエの想いや創造性が凝縮されたチョコレートパッケージを後世に伝えていくためにできたミュージアム。神戸は、1868年の開港以降、港を通じてさまざまな西洋文化を受け入れてきました。洋菓子文化もそのひとつであり、チョコレートは神戸の暮らしや美意識と自然に結びついてきた存在です。

展示されているのは、なんと世界50カ国・約500ブランド・19万点のチョコレートパッケージ。 これほどの規模で集め、展示している施設は非常に珍しく、その多様さに圧倒されます。



見覚えのあるパッケージを見つけて盛り上がったり、「あなたの国のチョコレートはどれだろう?」と探したりすることが、自然なコミュニケーションのきっかけになります。


フォトスポットで、参加者同士が和気あいあいと写真を撮る様子が見られました。
施設名:f winery
営業時間:土日祝 / 12:00 ~ 19:00
公式サイト:https://www.felissimo.co.jp/fwinery/fwinery_fsn.html
施設名:Sincro
営業時間:昼夜ともに完全予約制
公式サイト:https://www.felissimo.co.jp/sincro/sincro_sin.html
施設名:felissimo chocolate museum
営業時間:11:00~18:00
公式サイト:https://www.felissimo.co.jp/chocolatemuseum/top_fcm.html
アクセス:JR三宮駅 徒歩18分
JR/阪神 元町駅 徒歩15分
所在地:神戸市中央区新港町7-1 Stage Felissimo

【神戸シーバス boh boh KOBE号】 港町で愉しむテロワール&ウェルネスクルーズ
Why boh boh KOBE号?
- 海から神戸の街を見る“動くベニュー”
- 運動が苦手でも参加しやすいプログラム
- 海そのものを使ったウェルネス体験

ストレスチェック→60分のウォーキングと脳トレ
まず行われるのは30分間のストレスチェック。血圧や唾液分泌量を測定し、シートに記入します。数値として可視化されることで、今の自分の状態を客観的に知ります。



続いて、60分間のウォーキングと軽い脳トレ。ナップザックとタオルが配られ、屋外へ。

ラグビーボールを使った簡単なパス回しや、ミニゲーム感覚の脳トレ、チームで協力するワークなどが取り入れられ、運動が得意でない人でも自然に体を動かせる内容です。年齢や体力に応じてプログラムを調整できるそうです。

名店の味を船上で。ゆったり楽しむ90分クルーズ
体を動かしたあとは、いよいよクルーズへ。

90分の航程で景色がゆっくりと流れていきます。船は最大540名まで貸切が可能。食事は着席で最大150名まで対応できます。


船内で提供されたのは、ミシュランガイドにも掲載される京都の老舗日本料理「杦 SEN(せん)」が監修した和食弁当。


明石浦 鰆-自家製淡路玉葱ポン酢- / 丹波地鶏 / 信州プレミアム牛肉 黒毛和牛サーロイン鍋 / 明石鯛の蒸し寿司 など



海で整えるタラソテラピー

クルーズの後半は、デッキに上がってのタラソテラピー※。円になって立ち、深呼吸とストレッチを行い、海藻や海水を入れたお湯に手を浸します。海という環境そのものを活かしたリラクゼーションでした。 最後に再度ストレスチェックを実施し、最初の数値と比較。


※タラソテラピー
海水・海藻・海泥などの海の資源と海洋性気候を利用して、心身の健康回復や美容、リラクゼーションを目指す自然療法(海洋療法)
施設名:神戸シーバス boh boh KOBE号
営業時間:不定休 / 9:00~18:00
公式サイト:http://www.kobe-seabus.com/guidance/
アクセス:地下鉄 みなと元町駅 徒歩5分
JR 神戸駅 徒歩13分
所在地:神戸市中央区波止場町7-1

【神戸ポートタワー】リニューアルした神戸港のシンボル
神戸港を象徴するランドマークが、2024年4月にリニューアルオープンした神戸ポートタワーです。150余年にわたり、日本の主要な国際貿易港として物資や人、文化の交流を見守ってきた存在であり、国の登録有形文化財に指定されています。


2024年に新設されたのが、屋上の展望デッキ「Port Tower Panorama」。海・街・山が近接する神戸ならではの風景を360度のパノラマで一望できます。

施設名:神戸ポートタワー
営業時間:年中無休 / 展望エリア9:00~23:00
公式サイト:https://www.kobe-port-tower.com/
アクセス:地下鉄 みなと元町駅 徒歩5分
JR/阪神 元町駅 徒歩15分
JR 神戸駅 徒歩15分
阪神/阪急 高速神戸駅 徒歩20分
所在地:神戸市中央区波止場町5-5

ウォーターフロントを巡って見えた「Why KOBE」
地図で見ると、大阪・夢洲との距離は意外と近いのです。2030年開業予定の大阪IRを見据えると、大阪と神戸を周遊するプランも描きやすくなります。
また、ユニークベニューがコンパクトにまとまっています。無理のない移動距離で複数の体験を組み合わせられるのは、神戸ならではの強みです。クルーズなど、海そのものを活かしたベニューがあるのも特徴。今後も神戸ウォーターフロントは開発が続くエリア。新港町を中心に新しい施設が加わりながら、街の歴史も受け継がれています。これからさらに、体験の幅と価値が深まっていきそうです。
主催:神戸市ミーティング&インセンティブ旅行誘致コンソーシアム
行政と民間が一体となり、オール神戸で誘致に取り組む体制が築かれています。
- 一般財団法人 神戸観光局 神戸コンベンションビューロー
- 株式会社 アクアメント
- 株式会社 どうぶつ王国
- 早駒運輸 株式会社
- 株式会社 フェリシモ
- 株式会社 神戸 ポートピアホテル
- 株式会社ユニトラベル
- 株式会社 地域創生Coデザイン研究所
- 株式会社 BUZZPORT
神戸市ミーティング&インセンティブ旅行誘致コンソーシアム https://mf-kobe.jp/ja


