福岡市がMICE施設運営のスマート化に向けた実証プロジェクトを募集開始 AIやIoT活用で課題解決へ 募集期間は3月13日まで
福岡市と福岡コンベンションセンターは、2026年2月10日より、MICE施設の運営効率化を目指して民間事業者からの提案を募集する「mirai@公民共働事業テーマ型募集」を開始しました。国際会議や展示会などのイベントが行われるMICE施設では、エネルギー価格の高騰や人手不足、施設の老朽化といった課題が深刻化しています。こうした状況を打破するため、市はAIやIoTなどの先端技術を活用した解決策を広く求めています。

MICE施設が直面する課題とスマート化の必要性
近年、国際会議や展示会、大規模イベントなどを総称するMICEの分野では、運営の効率化と高度化が急務となっています。福岡市が今回の募集に踏み切った背景には、施設運営における切実な課題があります。
まず大きな要因として挙げられるのが、エネルギーコストの上昇です。大規模な施設では空調や照明などの電力消費が膨大であり、価格高騰は運営コストを直接圧迫します。少子高齢化に伴う労働力不足も深刻化しており、従来通りの人手に頼った管理手法では、質の高いサービスを維持することが困難になりつつあります。施設の経年劣化への対応や、多様化する利用者ニーズへの柔軟な対応も求められています。
これらの課題を解決するためには、従来の手法にとらわれない新しいアプローチが必要です。そこで期待されているのが、AIやIoTといったデジタル技術です。テクノロジーを活用して業務を自動化・効率化し、限られたリソースで最大限のパフォーマンスを発揮する「スマート化」が、次世代のMICE施設運営における重要な鍵となります。
募集される4つの実証テーマ
今回の実証プロジェクトでは、特に解決が求められている4つの具体的なテーマが設定されました。応募する事業者は、これらのテーマに対して技術を活用した解決策を提案することが求められます。
エネルギー自動制御による電力最適化
一つ目のテーマは、エネルギー管理の効率化です。MICE施設ではイベントの開催状況や天候、来場者数などによって電力需要が大きく変動します。これらをリアルタイムで把握し、AIを用いて空調や照明を自動制御することで、快適性を損なうことなく電力消費を最適化する仕組みが求められています。無駄なエネルギー消費を削減することは、コスト削減だけでなく環境負荷の低減にもつながります。
設備管理業務の高度化
二つ目は、設備管理のスマート化です。広大な施設内にある膨大な数の設備機器を適切に維持管理するためには、多くの手間と専門知識が必要です。IoTセンサーを活用して機器の状態を常時監視し、故障の予兆を検知する予知保全や、巡回点検業務の効率化などが期待されます。テクノロジーによって管理業務を高度化することで、少人数でも安全かつ安定した施設運営が可能になります。
原状回復チェックの高度化
三つ目は、イベント終了後の原状回復チェックに関する課題です。展示会やイベントでは、会場の設営と撤去が頻繁に行われます。利用後の施設に破損や汚れがないかなどを確認する作業は、現状では人の目に頼る部分が大きく、時間と労力を要します。画像認識技術などを活用してこの作業を自動化・迅速化できれば、施設稼働率の向上やスタッフの負担軽減に寄与します。
イベントレイアウト設計の省力化
四つ目は、レイアウト設計の効率化です。主催者の要望に合わせて会場レイアウトを作成する業務は、専門的なノウハウと多くの時間を要します。過去のデータやAIを活用して最適なレイアウト案を自動生成したり、設計プロセスを省力化したりするソリューションがあれば、主催者への迅速な提案が可能となり、サービス向上につながります。
実証フィールドとプロジェクトの進め方
本プロジェクトの実証フィールドとして想定されているのは、福岡コンベンションセンターが管理する主要施設です。具体的には、福岡国際会議場、マリンメッセ福岡A館およびB館、福岡国際センターが対象となります。
プロジェクトは公民共働の形式で進められます。市側は実証フィールドやデータの提供を行い、提案事業者はソリューションの提供と費用の負担を担います。募集期間は2026年3月13日17時までとなっており、応募後は意見交換を経て実施可否が判断されます。
詳細掲載ページ https://mirai.city.fukuoka.lg.jp/project/1780/
公民共働で切り拓くMICE施設の未来
今回のプロジェクトは、行政と民間企業が協力して社会課題の解決とビジネス創出を目指す取り組みです。福岡市はMICE開催都市として重要な役割を担っており、施設運営のスマート化は都市の競争力強化に直結します。AIやIoT技術を持つ企業の皆様にとって、自社のソリューションを実証する貴重な機会となるでしょう。


