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ホテル・宿泊施設の取材・レポート

重要文化財で暮らすように滞在する【シタディーンなんば大阪】でのMICEとは/MICE Hotel Elite(5)

大阪・関西万博が無事に幕を閉じ、大阪は次のステージへと歩み始めています。次に注目されるのは、2030年のIR(統合型リゾート)開業。世界から人が集う都市・大阪は、いままさに“MICE都市としての成熟”が問われています。注目したいのが、「どこに滞在し、どう過ごすか」という視点。

暮らすように滞在できる「シタディーンなんば大阪」は、アフターMICEや、エクスカーションでも利用しやすいステイと体験を叶えてくれる場所でした。今回は、編集長 藤井の宿泊体験と、総支配人・大塚滋さんへのインタビューを通して、記事をお届けします。

「国の重要文化財に泊まれる」ホテル&サービスレジデンス

南海電鉄「なんば駅」を出てすぐにある高島屋大阪店。そこから南へ歩いて10分。商都大阪らしく、随一のメインストリートの堺筋に面して堂々と佇むのが、かつて東洋一と謳われた「旧高島屋東館別館(旧松坂屋大阪店)」です。2018年にリノベーションをし、300室以上のホテル&サービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」へ生まれ変わりました。

外観は1930年代の姿をそのままに。建物全体はヨーロッパで流行したアール・デコ調の装飾で彩られ、シンメトリーに並ぶ11連のアーケードや、温かみのあるテラコッタの外壁が印象的。日本に現存するアールデコ建築の代表格と評される所以です。

館内に入れば、当時の意匠が至るところに息づいています。Z型の照明器具にアカンサスの葉を模した繊細な装飾。エレベーターホールや大階段には大理石のモールディング。かつてのエレベーターの押しボタンが、静かに往時を語ります。2021年に重要文化財(建造物)に指定されました。

堺筋は江戸時代から商人文化を支えた大動脈であり、いまも日本橋の電気街や老舗の問屋街、個性的なカフェやレストランが点在する“アーバン×ローカル”が交わるエリア。海外の来訪者にとっても、都会の利便性と大阪らしい人情味を同時に感じられる街並みです。


シタディーンなんば大阪って、どんなホテル?

シンガポールに拠点を置き、世界40ヵ国230都市以上で1,000軒を超えるプロパティを展開するホスピタリティグループ「The Ascott Limited(アスコット)」のホテル&サービスレジデンスです。旅行者のニーズ変化や大阪・関西万博の開催を背景に、レジデンス型施設の中でも「シタディーンなんば大阪」は特に高い稼働率を維持。

現在、宿泊客の約95%がインバウンド旅行者で、平均滞在日数は3泊。長めの滞在にも適しています。立地はさることながら、文化や人の営みを感じながら滞在できる点に、海外のゲストが惹かれる理由があるのでしょう。

レジャー客に加え、出張などビジネス用途でも利用できるのが嬉しいポイント。「出張でも快適に」「家族を連れて滞在できる」などMICEをにおいての利点も考えられます。

客室は、スタジオ、ファミリー、デラックス、エグゼクティブ、プレミア、1ベッドルーム、2ベッドルームの全313部屋。今回、宿泊させていただいたのは、「プレミアダブル」(30㎡)です。ブルーを基調にした空間は、静かで落ち着きがあり、ボタンを思わせるクッションやタータンチェックの絨毯が、どこか百貨店時代のエレガントな雰囲気を漂わせます。

お部屋はとても静かで、仕事に集中できました。オンラインミーティング中もWi-Fiが安定していて、接続に困ることは一度もありませんでした。

広々としたデスクが頼もしい存在です。ノートPCを開いても十分な奥行きがあり、資料を広げての作業も楽々。

一日の終わりには、ソファに腰掛けてコーヒーを飲んでみたり…


MICE利用でおすすめの理由3選

1.大型バス3台駐車場/団体・個人の動線を分けられる

フロントは1階。エントランスは表・裏に2か所設けられています。表を個人利用(FIT)、裏を団体専用と、動線に分けられます。団体でもストレス無くチェックインができますね。

都心では珍しい、大型バス3台分の駐車場を用意。入れ替えれば複数台でお越しいただくにも困りません。


2.滞在先でも暮らすように旅を続けられる快適さ

ホテル・イン・レジデンスの考え方

シタディーンなんば大阪が掲げるのは、「ホテル・イン・レジデンス」という滞在モデル。ホテルのような快適なサービスと、レジデンスのような生活機能を兼ね備えたスタイルです。

客室の3割はフルキッチンを完備。水回りにはIHコンロ、電子レンジ、冷蔵庫、オーブン、調理器具が揃います。

電子レンジはBALMUDA(バルミューダ)製。


レジデンスラウンジ

クラブフロア限定ではない、すべての宿泊者が利用ができるスペースが6階に用意されています。24時間コーヒー・紅茶が無料。片手にパソコン作業やミーティングをしてみてはいかがでしょうか。


ロビーと一体利用できるミーティングルーム

スクール形式 最大18名まで収容可能のミーティングルーム。スクリーンを出して使うことができます。仕切りを動かすことで、ロビーと一体化した広いスペースとして利用もできます。1部屋 1時間あたり 5,000円です。


和洋が揃う朝食ビュッフェ

6時30分~10時までビュッフェをいただけます。

大阪ならではの”たこ焼き”がありました

パンケーキも、おかわり必須!


以下の部分は、シタディーンなんば大阪 総支配人 大塚滋さんにお話を伺いました。

3.体験に重きを置くactiv∞(アクティベート)

シタディーンでは、“滞在の満足度は体験で決まる”という考えのもと「activ∞(アクティベート)」と名付けた独自のプログラムを展開しています。それは、旅先での「暮らし」と「交流」をアクティブに楽しむための仕掛けです。

立ち入れないエリアへ特別案内「ヘリテージツアー」

ホテルでは、建物の魅力をより深く知るための「ヘリテージツアー」を定期開催。普段は立ち入ることのできない地下エリアから高島屋史料館までを、高島屋資料館の学芸員及び、ホテルスタッフ双方で案内します。現役稼働する手動エレベーターなどを間近で見学できます。

ツアーは毎月第3木曜日の15時30分から45分間。宿泊者だけでなく一般の方も参加可能で、建築や歴史に興味のある方に人気です。

2025年には、シンガポールから来日した大学生グループ(20~30名)が宿泊+ツアーに参加。日本の百貨店文化に触れました。


ブランド軸のひとつであるコーヒーでのおもてなし「For the Love of Coffee」

日常を彩る上で欠かせない”コーヒー”をブランドの象徴として位置づけています。10月には、UNI COFFEE ROASTERYとのコラボレーションイベントを開催。スタッフ自らハンドドリップを実演し、抽出体験を楽しむ60分のワークショップを行いました。
バリスタによるコーヒーサービスはコーヒーウィーク等の特別な機会に行っています。

また、コーヒー片手にチェックインできる「カフェチェックイン」を導入。1階フロント付近にて、フェアトレードの豆を使ったコーヒーをセルフサービスで淹れることができます。3種類のシロップで自分好みのフレーバーに。


大阪名所を走って乾杯「ナイトラン」

宿泊者とスタッフが一緒に約4kmのコースをランニングするイベントが企画されました。都会の風を感じながら大阪の名所を駆け抜け、ゴール後は館内レストランに戻って、おつまみとクラフトビールで乾杯。8月・9月には15〜25名の方が参加しました。

会場となったのは、ホテル1階にある「ヌメロ ファイブ(numero five)」はイタリア料理を楽しめる全122席のレストラン。最大立食で180名まで収容。貸切も可能です。カクテルパーティ、企業懇親会、結婚式の2次会などに選ばれています。


シンガポールからのインセンティブトラベル(報奨旅行)受入

インセンティブトラベルで来られたシンガポールの団体に、住吉大社を訪ねる特別ツアーを実施。ホテルの駐車場からバス4〜5台で出発し、住吉大社で伝統芸能を観覧。それから、ホテルに戻り宿泊をされました。こちらはプランナーの方と相談をしながら実現したといいます。


ホテルプラチナメンバー・オーナー招待イベント

また、9月末にはアスコット・スター・リワーズ(ASR)プラチナメンバーおよびオーナーを対象にした招待イベントを開催。ヘリテージツアー、ハンドドリップコーヒーでゲストをお出迎え。続いてジャンボタクシー8台で、大阪・関西万博シンガポールパビリオンへ向かいました。パビリオン3階のレストランでお菓子や軽食を用いて交流をし、万博も楽しまれました。

大阪・関西万博 期間中は、アスコット・スター・リワーズ(ASR)メンバーを、シンガポールパビリオンへ優先案内するなど、MICEとも関わりのある取り組みが行われていました。


Editor’s note:ユニークな体験を求めるなら、滞在そのものを体験にできるホテルを選びませんか

「シタディーンなんば大阪」は、“重要文化財に暮らすように滞在できる体験を提供してくれるホテルです。建物そのものが文化的価値を持つ空間でありながら、団体やビジネス利用にも柔軟に対応できる点も特筆すべきところ。大型バスでの来館にも対応できる受け入れ体制を整え、アフターMICEやエクスカーション、インセンティブトラベルなど、MICEを目的とした滞在をサポートします。

2030年には統合型リゾート(IR)の開業を控え、国際都市・大阪への注目はさらに高まります。「シタディーンなんば大阪」は、これからの大阪MICEを支える存在であり続けるでしょう。

シタディーンなんば大阪 https://www.discoverasr.com/ja/citadines/japan/citadines-namba-osaka


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