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ホテルの開業・改修・閉館

星野リゾートが仕掛ける2026年開業ラッシュ。歴史的建造物の再生、地域文化を紡ぐ新たな旅の拠点はMICEのポテンシャルも十分

星野リゾートは2026年にかけて全国で8つの施設を順次開業する予定です。横浜エリアでの連続開業や、国の重要文化財である旧監獄を活用した日本初のラグジュアリーホテルなど、地域固有の歴史や文化を色濃く反映した数々の施設は人気を集めそうです。本記事ではこれらの施設をひとつずつご紹介するとともに、MICE分野における活用の可能性にも触れます。

OMO5横浜馬車道

OMO5横浜馬車道:横浜の街を360度見渡す天空のボヤージュ

横浜市に2026年1月15日に開業を予定しているのが、OMO5横浜馬車道 by 星野リゾートです。馬車道駅に直結する超高層複合ビルの46階から51階に位置しており、地上154メートルの高さから港町横浜を360度一望できる圧倒的な眺望が最大の特徴です。コンセプトは「360度天空のボヤージュ」、客室やパブリックスペースからは、まるで空を航海しているかのようなパノラマビューを体験することができます。

OMO5横浜馬車道
OMOハウスコーナースイート(定員6名)
OMO5横浜馬車道
ビリヤードやテーブルゲームを楽しむ「Play Zone」

船旅を彷彿とさせる客室と充実した長期滞在機能

客室は、船のキャビンをモチーフにした温かみのあるデザインとなっており、ベッド周りには革のストラップで支えられたヘッドボードや真鍮色のレールがあしらわれています。全175室にはキッチンや洗濯乾燥機が完備されており、暮らすような長期滞在にも対応可能です。
136平方メートルの広さを誇るOMOハウスコーナースイートなど、グループ旅行にも適した多様な客室タイプが用意されています。パブリックスペースであるOMOベースは回廊式になっており、船の操舵室をイメージしたレセプションや、ビリヤードを楽しめるプレイゾーン、夜景を際立たせる内装のナイトビューデックなど、クルーズ船内のような過ごし方が提案されています。


OMO7横浜 外観
OMO7横浜 外観

OMO7横浜:旧横浜市庁舎を再生したレガシーホテル

2026年4月21日には、JR関内駅前の旧横浜市庁舎行政棟を活用したOMO7横浜 by 星野リゾートが開業します。この建物は、昭和を代表する建築家である村野藤吾氏によって設計され、60年以上にわたり横浜の市政を支えてきたシンボル。戦後建造物として初めて横浜市認定歴史的建造物に認定されたこの貴重な建築を、星野リゾート初の「レガシーホテル」として再生させるものです。コンセプトは「気分上々、ハマイズム」、開港以来培われてきた横浜の独自の文化や活気を現代的な感性と掛け合わせ、新たな都市観光の拠点を目指します。

OMOベース全景
OMOベース全景
やぐらスイート(6名定員)
やぐらスイート(6名定員)

村野藤吾氏のデザインを継承する空間と独自の食体験

館内には、旧市庁舎の意匠を継承したデザインが随所に散りばめられています。1階のOMOベースには、旧市会棟本会議場にあった円形照明の要素を取り入れた特殊照明が設置され、1階と2階を繋ぐ大階段も村野氏の特徴的な曲線を活かして再構築されます。
宿泊者専用のイベントとして、旧市庁舎の屋上テラスであるHAMAKAZEテラスにて音楽や食を楽しむ「気分上々、ハマナイト」が開催される予定。

OMOダイニング 朝食 Yokohama Morning Specialties
OMOダイニング 朝食 Yokohama Morning Specialties


食の面では、OMOブランド初の形態となるOMOベーカリーがオープンします。横浜名物のカレーパンや、お酒と共にパンを楽しむ「パン飲み」といった新しい体験ができるとか。全276室の客室は、旧市庁舎で使用されていた赤、青、緑の色調をテーマカラーに取り入れ、歴史の記憶を現代に繋いでいます。


外観
中央看守所
中央看守所

重要文化財から生まれる美しき監獄。奈良監獄ミュージアムと星のや奈良監獄

奈良市では、1908年に竣工された重要文化財である旧奈良監獄の保存活用事業が進行しています。2026年4月27日には、まず奈良監獄ミュージアムが開館します。この施設は、明治政府が計画した五大監獄の中で唯一全貌が現存する赤レンガ建築であり、山下啓次郎氏が設計した歴史的価値の高い建物です。コンセプトは「美しき監獄からの問いかけ」であり、訪れる人が監獄という規律ある空間を通じて、自由や自らの生き方を見つめ直す体験を提供することを目指しています。筆者も以前、奈良監獄を見学をしたことがあります。まるで映画の世界に入り込んだような、あの空間がどのように生まれ変わるのか楽しみです。

歴史を未来へ継承する展示とラグジュアリーホテルの融合

ミュージアムの展示監修には佐藤卓氏、アートディレクションにはアドリアン・ガルデール氏といった世界的なクリエイターが参画しています。建物そのものを最大の展示物と捉え、歴史と建築、身体と心、監獄と社会という三つのテーマに分かれた棟を巡ることで、多角的な視点から歴史を学ぶことができます。
2026年中には、この歴史的建築を活かしたラグジュアリーホテル、星のや奈良監獄の開業も予定されています。かつての舎房を客室へと生まれ変わらせ、放射状に広がるハヴィランド・システムなどの建築美を肌で感じながら過ごす、世界でも類を見ない施設です。


草津温泉街と専用のトンネルでつながる界 草津

界 草津:温泉街の賑わいと静謐を繋ぐ専用トンネル

2026年6月7日には、日本三名泉の一つである群馬県草津温泉に界 草津が開業します。草津白根山の麓の高台に位置し、「トンネルがつなぐ木立の湯宿と温泉街」をコンセプトとしています。最大の特徴は、温泉街と宿を直接結ぶ宿泊者専用のトンネルです。このトンネルを抜けると、大露天風呂で知られる西の河原公園のすぐ横に出ることができ、賑やかな湯畑周辺の散策と、宿での静かな滞在を自由に行き来できます。

大浴場
草津の自然をイメージした布のインテリア
草津の自然をイメージした布のインテリア

群馬の絹文化を表現した空間と二つの酸性泉

客室は、かつて養蚕が盛んだった群馬の歴史にちなみ、テキスタイルデザイナーの須藤玲子氏が手がけた「シルクアートの間」となっています。壁面には草津の湯けむりを描いた織物のアートが飾られ、絹糸を用いたランプシェードなどが心地よい空間を演出します。温泉では、強酸性が特徴の万代鉱源泉と、希少な西の河原源泉という二つの異なる泉質を楽しめます。食事は半個室の食事処で提供される会席料理に加え、敷地内に併設される蕎麦割烹SAIでは地粉の十割蕎麦をナチュラルワインと共に楽しむことができ、滞在の選択肢を広げてくれます。


BEB5門司港「TAMARIBA」イメージ
BEB5門司港「TAMARIBA」イメージ

BEB5門司港:福岡県初進出。関門海峡の絶景に浸る

2026年7月24日には、福岡県北九州市に星野リゾートとして県内初となるBEB5門司港がオープン。若者向けのホテルブランドであるBEBのコンセプトは「居酒屋以上 旅未満 みんなでルーズに過ごすホテル」であり、気の合う仲間との自由な滞在を提案しています。門司港レトロ地区に位置するこのホテルは、「トキメキ海峡ステイ」をコンセプトに、全119室の客室すべてから関門海峡の景色を望むことができる海峡ビューが自慢です。

客室

24時間営業のパブリックスペースと遊び心ある客室

ホテル最上階に位置する24時間営業のパブリックスペースであるTAMARIBAからは、関門海峡を行き交う船やライトアップされた関門橋の夜景をいつでも眺めることができます。飲食の持ち込みが推奨されており、地元の美味しいものを集めて自由な夜を過ごせるのがうれしい。客室には、秘密基地のようなヤグラルームや、窓際に大きなデイベッドを設けた「くつろぎ寝台」など、遊び心溢れるデザインが施されています。門司港駅からも徒歩4分とアクセスが良く、観光の拠点としても利便性の高いです。


界 宮島

界 宮島:広島県初進出。瀬戸内海と伝統工芸が調和

広島県初進出となる界 宮島は、2026年夏に嚴島神社を望む宮島口エリアに開業予定です。全54室の客室はすべてオーシャンビュー。瀬戸内の島々が織りなす絶景を満喫できます。ご当地部屋の名称は「海霧の間」と決定され、初夏に発生する幻想的な海霧をモチーフにしたデザインが施されています。

界 宮島
瀬戸内海を望む露天風呂

地域の文化を五感で感じる工芸品と温浴体験

客室には、瀬戸内海の蒼色を表現した庵治ガラスの照明や、広島県福山市を中心とする備後地域の福山デニムを用いたクッション、大竹市の伝統的な手すき和紙である大竹和紙などが取り入れられています。窓辺には漁師が使用する魚籠をイメージしたテーブルが置かれ、地域の歴史と文化を身近に感じられます。温泉施設では、最上階の大浴場から海と山の景色を眺められるほか、かつて瀬戸内地域で親しまれた蒸し風呂を現代に再現した石風呂など、独自の湯浴み体験が提供されます。


界 松本:芸術と温泉が融合する知的な休息。リニューアルによる進化

松本は国宝松本城や雄大なアルプスに囲まれ、古くから音楽や芸術が盛んな街として親しまれてきました。 その歴史ある浅間温泉に佇む界 松本は、2026年夏に音楽とアートが彩るモダンな空間として装いを新たにリニューアルオープンします。 今回の刷新では、これまでの魅力であった多彩な湯浴みや食のこだわりを継承しつつ、より知的好奇心と感性を満たす上質な温泉滞在を実現します。

八種十三通りの多彩な湯浴みと信州ワインの饗宴

界 松本の最大の特徴は、八種十三通りという驚くほど多彩な湯浴みを楽しめる大浴場。 浅間温泉の柔らかな湯を、檜の香り豊かな浴槽や開放的な露天風呂など、趣の異なる空間で存分に堪能できます。 食事の面では信州ワインと料理のマリアージュを重視しており、地域の豊かな恵みを洗練された会席料理です。 音楽の街らしい演出として、館内で開かれるコンサートなどの体験も、リニューアルによってさらに深みを増すことが期待されています。


「御釜」をテーマにした開放的なルーフトップテラス
「御釜」をテーマにした開放的なルーフトップテラス

界 蔵王:蔵王のシンボル御釜をテーマにした天空の特等席

2026年秋、星野リゾートの山形県初進出を飾るのが界 蔵王です。 標高約880メートルの天空の温泉郷と称される蔵王温泉に誕生するこの施設は、蔵王のシンボルである火口湖、御釜から着想を得た独創的な設計です。 雄大な蔵王連峰の自然に抱かれ、四季折々に表情を変える火山の恵みを五感で享受できる、まさに天空の特等席と呼ぶにふさわしい旅館となります。

360度パノラマのルーフトップテラスで味わう圧倒的非日常

施設の最大の目玉は、御釜をモチーフにした360度パノラマのルーフトップテラス。 遮るもののない開放的なテラスからは、東に蔵王連峰の雄大な姿、西には山形ののどかな田園風景と朝日連峰の遠景を一望。 テラスの中心にはジャグジーバスが備えられており、刻一刻と表情を変える絶景を眺めながら湯浴みを楽しむ贅沢な時間を過ごせます。テラスの各所には腰掛けられるスペースが設けられ、蔵王に自生する山野草が彩る空間で、自然と一体になるひとときを思い思いの場所で過ごせます。

露天風呂
露天風呂

美肌の湯を段階的に楽しむ三つの湯船

宿泊棟の隣に佇む湯小屋では、蔵王温泉の特徴である日本有数の強酸性の硫黄泉の恵みを体験できます。 温泉の濃度が異なる三つの湯船が用意されており、泉質を堪能する湯巡り体験が提供されます。 まずは体を優しく慣らす露天風呂から始まり、源泉かけ流しで強酸性の泉質をじっくり味わう湯、そして最後に入り体をととのえる上がり湯へと、段階的に入浴。 露天風呂の目の前には蔵王石を配した静寂な庭園が広がり、絶景のテラスとはまた異なる心落ち着く湯浴みの時間を演出します。


リゾナーレ福井 外観イメージ
リゾナーレ福井 外観イメージ
星のや飛鳥 施設イメージイラスト
星のや飛鳥 施設イメージイラスト

全国へ広がる開業ラッシュと2027年以降の展望

2027年には、福井県初進出となるリゾナーレ福井がかつやま恐竜の森内に誕生し、恐竜をテーマにしたアクティビティなどが提供される予定です。同じく2027年には、奈良県明日香村に星のや飛鳥が開業し、日本国のはじまりの地で悠久の時に思いを馳せる滞在が提案されます。

「OMO7横浜」BASEGATE横浜関内 夜景イメージ
「OMO7横浜」BASEGATE横浜関内 夜景イメージ

MICEの文脈で見る星野リゾートの新施設

星野リゾートが2026年に向けて展開するこれらの新施設は、従来の宿泊施設の枠を超え、MICEの文脈においても高いポテンシャルを秘めていそうです。

まず、ユニークベニューとしての価値です。旧奈良監獄を活用した奈良監獄ミュージアムや星のや奈良監獄、そして旧横浜市庁舎を再生したOMO7横浜は、その歴史的背景と建築美自体が強力なメッセージを持ちます。企業の周年行事や、国内外の賓客を招いた特別な会議・レセプションにおいて、他では決して味わえない印象的な体験を提供できるでしょう。

次に、インセンティブトラベルでの活用です。星のや飛鳥や界 蔵王、リゾナーレ福井といった施設は、その土地ならではの圧倒的な非日常や体験価値を提供します。地域の文化や自然に深く浸る滞在は、深い満足感とリフレッシュをもたらすはずです。

さらに、FAMツアーチームビルディングへの親和性も特筆すべき点です。BEB5門司港のTAMARIBAやOMO5横浜馬車道のパブリックスペースは、リラックスした環境でのコミュニケーションを促します。OMOブランドのOMOレンジャーによるガイドツアーなどは、地域の隠れた魅力を発見するFAMツアーのプログラムとしても非常に魅力的です。

これらの施設は、ホテル、宿泊場所にとどまらず、地域活性化の核としての役割も担っています。MICEを通じて、地域の歴史や伝統工芸、食文化を国内外に発信することは、サステナブルな観光のあり方とも合致します。星野リゾートの新しい施設群は、日本のMICE市場に新たな選択肢と価値を提供していくことになるでしょう。

星野リゾートについて(プレスリリースより)

公式Webサイト https://hoshinoresorts.com/jp/

星野リゾートは、「旅を楽しくする」をテーマに、旅の目的や過ごし方に合わせた滞在を提案しています。独創的なテーマが紡ぐ圧倒的非日常「星のや」、ご当地の魅力を発信する温泉旅館「界」、想像を超える体験が溢れるリゾートホテル「リゾナーレ」、テンションあがる「街ナカ」ホテル「OMO(おも)」、みんなでルーズに過ごすホテル「BEB(ベブ)」、心揺さぶる山ホテル「LUCY(ルーシー)」の6ブランドを中心に、国内外74施設(国内69、海外5)を運営しています。

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