【取材】Board Game Business Expo Japan2026(BGBE)西日本最大級のボードゲームの祭典 昨年から倍増の来場2万人を達成したイベントをレポート
昨今、ビジネスシーンでもボードゲームを使ったワークショップやチームビルディングがが行われる機会が増えています。ボードゲームに関連するイベントも多く開かれています。それらのイベントの中でも特に注目したいのが「Board Game Business Expo Japan」、通称「BGBE」と呼ばれるイベントです。3回目の今年、1月31日~2月1日にBGBE2026が開催されました。前回から来場者2倍、2万人を目指した今年のイベントがどのようなものだったのか、現地で取材をしてきました。

ボードゲームのイベント?大阪で2万人を集めるBGBEの価値
【ボードゲームとは】広く、奥深いボードゲームの世界
ボードゲームは、ボードやカード、駒、サイコロなど物理的なコンポーネントを使い、ルールに沿って複数人で遊ぶアナログゲーム全般を指します。盤を使う印象が強い一方、カード中心でボードを使わない作品も含め、広義で捉えられることが増えています。
将棋・麻雀・トランプ・すごろく・人狼といった身近な遊びから、UNO、モノポリー、人生ゲームなどの定番まで幅広く、ビデオゲームでも「桃太郎電鉄」「いただきストリート」「Civilization」シリーズのように要素を取り入れた人気作があります。ジャンルは戦略型(カタン等)、協力型(パンデミック等)、推理・体験型(マーダーミステリー)、物語を紡ぐTRPG(テーブルトークRPG)など多彩で、社会課題を題材にした作品も注目されています。
市場は世界的に拡大し、2024年に約143億7,000万米ドル、2032年に320億米ドルへ成長すると予測されています。日本でもボードゲームカフェの増加やデジタル疲れからの回帰、SNS拡散、コロナ禍のおうち時間需要を背景にプレイ人口が増加。企業・教育機関で研修ツールとしての導入も進み、YouTubeやTwitch配信が新規ファン層を広げています。
ビジネスシーンに取り入れられるボードゲーム
ボードゲームは、ビジネスの場でも体験型の学習・コミュニケーション装置として意味があります。勝敗よりも、限られた情報での意思決定、合意形成、交渉、役割分担、資源配分、リスク対応といった仕事の縮図を安全に疑似体験できる点が強みです。研修ではチームビルディング、心理的安全性づくり、リーダーシップ、プロジェクト推進、システム思考、顧客理解の入口に使われ、終了後の振り返りで気づきを言語化・共有できます。
イベントや店舗での顧客接点づくり、コミュニティ形成、ブランド体験の設計にも有効で、企業オリジナルのゲーム化はPRや採用広報、商品理解の促進にもつながります。導入時は目的に合うゲーム選定と進行役の設計、学びの評価指標(対話量・行動変化など)を用意すると、オンボーディングや部門横断の対話促進にも展開しやすくなります。
イベントの開催概要
名称:「Board Game Business Expo Japan2026」(BGBE2026)※ボドゲエキスポ
開催日時 :2026年1月31日(土)~2月1日(日)
ビジネスタイム 10:30~12:00
一般入場開始 12:00~17:00(2月1日は16時まで)
会場:インテックス大阪3号館
主催:株式会社ReAkku/フリースタイルクリエーション/妄想ゲームズ☆
後援:公益財団法人 大阪観光局
公式Webサイト:https://www.bgbe-j.com/
前回の取材記事と主催者・高橋さんへのインタビュー
前回取材記事 https://micetimes.jp/report-bgbe-2025/
主催者の高橋さんインタビュー https://micetimes.jp/interview-board-game-business-expo-takahashi/

発展を続けるBGBEが果たす社会的・産業的な意義
BGBEは、インテックス大阪で開催される西日本最大級のボードゲームイベントであり、展示即売会を超えた多面的な意義を持っています。社会的・産業的な意義は、大きく以下の3点に集約できそうです。
1)日本のクリエイターと世界をつなぐ「ビジネスの架け橋」としての役割
イベント名に「ビジネス」を冠する通り、日本のボードゲームイベントとしては先駆けて、商談に集中できる「ビジネスタイム」を導入しました。日本の豊かな同人(インディー)文化から生まれた作品が、国内外の企業やバイヤーの目に留まり、商業化や海外展開へと羽ばたく機会を創出しています。アジアをはじめとした海外市場の成長を見据え、海外企業の誘致や通訳サポート、多言語対応を強化することで、大阪をアジアのボードゲームビジネスのハブにすることを目指しています。
2)ゲームを通じた「社会的価値」の再定義
BGBEではボードゲームを娯楽としてだけでなく、教育や福祉、コミュニケーションのツールとして位置づけています。教育現場では「失敗から学ぶ経験」や論理的思考を育む教材として、福祉分野では就労支援や施設でのコミュニケーション活性化の手段として活用されるなど、ゲームが持つ社会的な可能性を広げています。
3)地域と未来への投資
開催地である大阪・関西の食や観光資源と連携し、イベントをきっかけにインバウンド需要を取り込む「地域まるごとのイベント化」を推進しています。学生の出展料を半額にするなど、次世代のクリエイター育成にも注力しています。

過去の取材では主催者の高橋さんは「皆様の挑戦のきっかけとなる場にしたいという想いから、BGBE2026のテーマを『挑戦』に決定致しました。運営としても前回を大きく超え盛り上がるよう、挑戦する気持ちを持ち続けたいと考えております」と語っています。BGBEは、「遊ぶ・買う」楽しさを提供しながら、産業としての成長と文化的な成熟、そして人と人とのつながりを創出するプラットフォームとして発展、機能しています。
コロナ禍での分断、梅田での50人のイベントから始まったBGBEの歴史
MICE TIMES ONLINEでは昨年のイベントの取材から、今年のイベントまでBGBE代表、主催者である高橋さんを追いかけてきました。こちらの特集コーナーに、イベントの歴史と、主催者の取り組みをまとめています。ぜひ、ご覧ください。
https://micetimes.jp/close-up-bgbe/
会場いっぱいに広がるボードゲームの世界!

今回は2日目の2月1日、ビジネスタイムに会場を訪ねました。一般入場の方の開場は12時。待機列形成はなんと10時から。取材ということで、一般の方よりも少し早く入場しました。
まずは昨年、特集記事の取材にご協力いただいたブースにご挨拶に。
取材記事はこちらから https://micetimes.jp/close-up-bgbe-03/

HEY!:大阪のボードゲーム創作集団 4500個以上販売の『マッチ売りの大富豪』らをラインナップ
初回から企業ブースで出展されています。人気作品を抱えるだけあり、ブースの様子は安定感があるのはさすがです。遊び方を教えていただいた『マッチ売りの大富豪』は、マッチ棒パズルの要領で手札を変化させられる「大富豪」をベースにしたカードゲームです。2、3回遊べばコツが掴めそうなシンプルなルールですが、トランプで遊ぶものよりうんと戦略性がありそうです。
ワンゲームが短く、8名まで誰でも遊べるので、オフィスに置いておくといつの間にかみんなが遊んでるといったシーンも目に浮かびます。

ボードゲームを第三者視点で「読みやすい説明書」になるようにアドバイスする校正サービスを始めるなど、自作のみならず、他制作者向けの展開もされています。
公式Webサイト https://heyteam.net/

株式会社バーチャルパーティー:昨年に引き続きVR体験を実施、アナログゲームのVR展示会出展者を先行募集
会場でもひときわ目立つ大きなブース。同社は「バーチャルとリアルの融合」をテーマに多面的にブースを構成。VR上でのイベント「バーチャルダイスパーティー」への出展者を先行募集されていました。代表取締役兼CEOの細野さんによると、昨年よりも広い範囲の方とお話できているとのことでした。昨年はVRを前面に押し出したブースでしたが、今年は通販ショップの合同会社コノスとの合同出展でブースがにぎやかになっていました。
バーチャルパーティー公式Webサイト https://virtualparty.jp/

@Dokkoi_JP(アットマークドッコイジェイピー):ゲームで遊ぶときに使うグッズを販売
先ほど、HEY!さんのブースで『マッチ売りの大富豪』で遊ぶときに使ったカードスタンドがブースに並んでいました。自作のゲームでこんなオリジナルグッズが作れたら楽しそう、と思いますね。一般の来場者だけではなく、他の出展者さんからも注目を集めるのではないでしょうか。他にも様々なグッズが並んでいて、ボードゲームの広がりを感じます。今回はとてもいいブース位置だと、ブースのnabeさんが喜んでいらっしゃったのが印象的です。
Xアカウント https://x.com/Dokkoi_JP
会場で見つけたBGBEのユニークなブースたちをご紹介!

Wild Magic:フィリピンからの出展、日本の作品の多様性に驚き。ハンドメイドのゲーム用ダイスが幻想的
展示されていたダイスはインテリアとしてカフェやオフィスに置いておきたいくらいの完成度。アートや民芸品のようです。日本のマーケットのことを知りたいとフィリピンから初めて出展されました。海外からの出展者が目立つのもBGBE。来場者のグッズへの評価は上々だそうです。彼ら自身も日本の他の出展作品の多様性に驚き、参考になるとも教えてくれました。

フィリピンではまだまだユーザーは少ないが、コロナ禍以来、増えているということです。Instagramで凝ったデザインを見られるので、ぜひご覧ください。
Wild Magic Instagram https://www.instagram.com/wildmagic.gamingoddities/

株式会社ササガワ(ORIGINAL WORKS):展示会やイベントで活躍しそう!軽くて、組み立てカンタンな繰り返し使える紙製・木製のディスプレイ什器
これはっ!と目を見張ったのが、ディスプレイ什器のブースでした。展示会やイベントではアクリルや金属のディスプレイ什器が使われていることが多いのですが、割れたり、傷が目立ったり、重かったり、かさばったりと取り扱いが難しいときもあります。この紙や木の什器は触るとしっかりしているのに、組み立てが簡単です。何度も繰り返し使えるとなると、SDGs的にもGOODですね。しかも、かなりリーズナブルな価格設定です。

同社は明治27年創業の老舗紙製品メーカー。この製品はハンドメイド販売のフリマやイベントでのニーズから始まったそうです。パンフレットやチラシを置くのにも適しています。BtoBの展示会やイベントでもきっと活躍するはず。うちではA5判のZINEを並べるのに今後使えると思ったので、オトクなクーポンコードを使って買うことにしました。
株式会社ササガワ Webサイト https://www.sasagawa-brand.co.jp/

雷果:キュートでカラフルなブースでガチャをやったら、何やらレアなものを引いた件
ビジネスメディアとは思えぬくだけた見出しですが、まあいいのです。なんとも可愛らしいピクセルアート(ドット絵)の缶バッジを使って遊ぶ「ガチャゴチャメイト」を販売されていました。ドット絵と言えば私ですから、見逃せません。1回200円のガチャを回すことに。そうすると何やら良いものを引いたので、3つもの缶バッジを手にすることができたのです。初めはスターターセットを購入して、それでちまちまとバッジを集めていける、というわけですね。


ドット絵のアートワークを用いたゲームは会場で他にも見かけました。45年来のコンピュータゲームファンからすると、ドット絵がアートのひとつのスタイルになっていることは嬉しく思います。
初回以来、2回目の出展ということで、前回よりも手応えがいいとのこと。販売も前回より順調ということでした。ブースのおふたりの格好もキュートで、こういったホスピタリティがイベントに華を添えています。
雷果 Xアカウント https://x.com/Lighka_limenome

「夢」の2万人を達成!来年に向けて描く次の「夢」は?
前回の取材から約1年間、2026年のBGBEがどのようにして作られていくのかをMICE TIMES ONLINEでは追いかけてきました。それは、展示会やイベントに出展し、あるいは取材などで参加した際に感じていた違和感の正体を確かめるためでした。
主催者が出展者と向き合うこと、来場者のことを考えて、ひとつひとつ丁寧に取り組みを進めること。当たり前のはずのことが、どこか展示会業界の「常識」のようなもので、ないがしろになっているのではないか、そう感じていたからです。BGBE会場で取材し、主催の高橋さんにお話を聞き、取り組みを知り、出展者の声を聞くことで、私は自分の違和感が間違っていなかったとわかりました。
緊張感がありながらも晴れやかな表情で、主催者が入場口で来場者に頭を下げ、迎えている姿は多くの展示会やイベントでは実はあまり見かけない光景です。多忙な中、各ブースにも顔を出している様子も見かけました。
式典やらVIPへの挨拶も大切です。ただ、当日向き合うべきは誰なのか。当たり前のことをされているBGBEは実はとても貴重な存在になっています。
回数を重ねることで、規模が大きくなることで、あらたな課題が生じるかもしれません。しかし、BGBEはそれを乗り越えていくイベントだと思います。夢であった2万人を達成して、来年に向けて描く次の「夢」が楽しみです。来年も会場に足を運びます。
2万人達成を伝えるXの投稿 2027年は1月16日~17日の開催
【フォトギャラリー】会場の様子をご案内します

滋賀県彦根市の郷土ゲーム「カロム」ブース 「カロム検定」を実施

たくさんのチラシが置かれているコーナー

サンプルゲームも置かれています

一般入場の時間になると、まちわびた来場者がドッと入ってきます

会場はビジネスタイムとは違う雰囲気に。各ブースにひとだかりができます

全国各地で行われるボードゲームイベント

試遊できるブースも多くあり、実際に遊んでゲームのことを知ることができます

会場の外にはキッチンカーが並びます。

伊たこ焼さんの塩ガーリックたこ焼きをいただきました。BGBEでは毎回キッチンカーコーナーにも力を入れています