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【内覧会レポート】大阪・関西万博 パソナグループパビリオン「PASONA NATUREVERSE」展示内容と見どころ 動くiPS心臓、空飛ぶ手術室、未来の手術室…「いのち」について考えるパビリオン

※2025年4月2日

「いのち ありがとう」を伝える未来のパビリオン。パソナグループが大阪・関西万博に出展

株式会社パソナグループは、2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)に、自社パビリオン「PASONA NATUREVERSE(ネイチャーバース)」を出展します。メディア向けの完成披露式典も行われ、その全貌が明らかになりました。

テーマは「命ありがとう」。建物は“いのち”の象徴としてアンモナイトの螺旋形状がモチーフとなっており、パビリオンのナビゲーターには、あの手塚治虫作品のキャラクター「ブラック・ジャック」の手によって生まれ変わった「ネオアトム」が登場。大阪・関西万博のテーマ “いのち輝く未来社会のデザイン“とも深く共鳴する展示となっています。

【音が出ます】完成披露内覧会の様子を短い動画にまとめました。記事をお読みになる前にご覧いただくと、内覧会の様子がよりわかりやすくなります。

和太鼓の演奏でスタート。兵庫県の太鼓集団「鼓淡」の演奏

衣装デザインをされた98歳現役デザイナーの藤本ハルミ氏と、デザインの服を着たモデルと共に撮影
オートクチュールドレスは、大阪・関西万博のパソナグループのパビリオンでVIP接客などにあたるアテンダントが着用

テープカットの様子。
左から
・朝日インテック株式会社 代表取締役社長 宮田憲次氏
・ミネベアミツミ株式会社 代表取締役会長 CEO 貝沼由久氏
・東京大学大学院 総合文化研究科広域システム科学系 教授 池上高志氏
・大阪大学名誉教授 澤芳樹氏(「PASONA NATUREVERSE」エグゼクティブプロデューサー)
・株式会社パソナグループ 代表取締役グループ代表 南部靖之
・公益財団法人 2025年日本国際博覧会協会副事務総長 髙科淳氏
・作曲家 千住明氏(「PASONA NATUREVERSE」音楽プロデューサー)
・株式会社the design labo 代表取締役 板坂諭氏
・デザイナー 藤本ハルミ氏
・CYBERDYNE 株式会社 代表取締役社長 山海嘉之氏


パソナグループ創業50周年、万博出展「夢のよう」

株式会社パソナグループ 代表取締役 グループ代表の南部靖之氏は、2025年の大阪・関西万博に出展するパビリオン「PASONA NATUREVERSE(ネイチャーバース)」について、「夢のようだ」と語ります。2025年は、パソナグループが創業50周年を迎える節目の年でもあります。これまで人材サービスを中心に事業を展開してきたパソナグループですが、これからの50年は「Well-being」をテーマに、より幅広い社会価値の創出を目指します。

万博会場に設置されるパビリオンのエントランスには、カナダ・アルバータ州でしか採取できない、世界最大級の7000万年前の化石宝石「アンモライト」を直輸入して展示予定だと発表されました。

キーワード:「アンモライト」
カナダ・アルバータ州で採れるアンモナイトの化石だけにつけられた宝石としての名前


どのようなパビリオンなのか…まずは外観から。アトムが指差すのはあの場所。

外観は”いのち”の象徴としてアンモナイトの螺旋形状がモチーフとなっています。


パビリオンの頂点では、鉄腕アトムが来場者をお出迎え。アトムが指さす先にあるのは淡路島です。SDGsの視点から、万博終了後にはこのパビリオンが淡路島に移設される予定であり、その先導者として”ネオアトム”が淡路島で来場者を待っているというストーリーが込められています。


展示は螺旋の外側から内側へと進む構成となっています。

1 からだ:医療/食
最新の医療と食により健康な身体をつくります。

2 こころ:生きがい/思いやり
「思いやり」の精神のもと、誰もが自分の未来に想いを馳せることができ、 ダイバーシティにあふれ、生きがいにあふれる、心豊かな社会を創ります。

3 きずな:働く/互助
あらゆる人がイキイキと働き、幸せに暮らすことのできる、真に豊かな社会、 すなわち「ミューチュアル・ソサエティ(互助の社会)」を創ります。

パソナグループの仕事は「人を活かす」こと。 誰もが健康でイキイキと活躍できる社会の実現を目指しています。

『いのち、ありがとう』
子どもからお年寄りまで、世界中のすべての人たちが、 いのちを尊び、いのちへの感謝で包まれる、そんな世界を創りたい!私たちの社会は自然界の一部であり、人間も自然によって生かされている存在です。 しかし、いつからか、私たちはそれを当たり前のように思い、 感謝を忘れてしまっているのではないでしょうか?自然が私たち人間に与えてくれる豊かな恵みに、 そして、今生きていることに、『ありがとう』と言いあえる。 そんな、『ありがとう』が響きあう新しい世界をつくり、次の世代へ残したい。

世界中から多くの方々に、私たちのパビリオンを訪れてもらい、 『ありがとう』が響き合う世界「NATUREVERSE(NATURE×UNIVERSE)」をともに創る 未来の創造者になってほしい。それがパソナグループの願いです。

引用:パソナグループ Webサイトより

ネオアトムとブラック・ジャックがナビゲーターとして登場。ネオアトムは、ブラック・ジャックの執刀でiPS心臓が装備されたアトムです。1972年に手塚治虫氏が描いた鉄腕アトム最終回後の世界をベースとして、手塚プロダクションが制作した完全オリジナルの物語が展開されます。


1億年後の世界から見た10の地層「生命進化の樹」

池上高志氏

このパビリオンの目玉の1つともいえるのが、「生命進化の樹」と名付けられた巨大なモニュメントです。監修を務めたのは、東京大学大学院・総合文化研究科 広域システム科学系教授であり、アーティストとしても活動する池上高志氏。

「生命進化の樹」は、ガラスの床下から天井にかけて、0〜10までの“地層”が積み重ねられた構造です。ミラーによって上下が反射し、まるで無限に続いているかのような空間演出がなされています。今という時代を、1億年後の視点から問い直す構成になっています。


地層の最下層には、生命のない時代から、カンブリア紀に生命が誕生した頃の様子を再現。象徴的なアンモナイトの姿も見られます。注目すべきは黒色の4層目。ここからは人間が登場し、文明や文化が発展していく様子が描かれています。2063本の黒い糸は、戦争や原水爆実験など人間の過ちの数を表しています。この黒い層を超えると、さらに未来へ。7層目以降では、ミツバチやさまざまな生命体の絶滅、やがて太陽に飲み込まれ地球が終わりを迎える…という遠い未来のシナリオが示されています。そしてまた新たな生命が芽吹き、0層目から始まるというサイクルを表しています。

有限である私たちの”いのち”を、未来に向かってどのように生きるのか。そんな深い問いを投げかける空間からパビリオンは始まるのです。


拍動するiPS心臓「iPSメモリアルミュージアム」で”いのち”を感じる

大阪大学名誉教授であり、本パビリオンのエグゼクティブプロデューサーを務める澤芳樹氏によって開発が進められている、培養中の“iPS心臓”が拍動する様子を見ることができます。
澤氏は「子どもたちにはまず驚いてほしい。展示を見て未来を感じてもらい『自分たちが未来を作るんだ』というゲームチェンジャーの意思をもってもらいたいですね。1人でも多く優れた科学者が現れ、技術を継承してもらえたら嬉しいです」と語ります。

この展示の実現には、パソナグループの代表 南部氏の強い後押しもありました。iPS心臓の技術を見せた際「これや!」という、南部氏の一言が、パビリオン構想につながったといいます。それから6年、澤氏は月に2回は淡路島へ足を運び、週に1〜2回のWeb会議を重ねながら、このプロジェクトを築き上げてきました。

「動いている心臓を目の前で見ることは、おそらく多くの人にとって初めての体験。”いのち”があることを感じ、”ありがとう”という気持ちが湧いてきてほしいと思います」。

キーワード:「iPS心筋シート
人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作りだした、ヒトに移植可能な安全性の高い心筋細胞を使用し、シート状に加工したもので、心臓に移植することができます。
引用:大阪大学大学院医学系研究科・医学部 iPS細胞から作製した心筋細胞シートの医師主導治験の実施~治験計画前半の移植実施報告~

キーワード:「iPS心臓」
iPS細胞や、既に実用化されているiPS心筋シートの技術を活用。生きた細胞により、バイオマテリアル・バイオエンジニアリングを用いた立体の心臓を作製。


未来の医療:空飛ぶ手術室とリモートオペレーションセンター(朝日インテック)

「空飛ぶ手術室」や「リモートオペレーションセンター」を想定した展示。災害時の緊急対応や、医療資源が届きにくい離島や船上などでの手術を可能にすることで、これまでアクセスが難しかった場所にも迅速かつ高精度な医療を届ける未来が考えられるでしょう。この技術には、カテーテル治療に用いられるガイドワイヤーや、影が出ない手術用照明「オペルミ」などが用いられています。

朝日インテック株式会社 手術用ガイドワイヤー操作体験

株式会社大林組「オペルミ」
キーワード:「カテーテル治療」「ガイドワイヤー」
手首や足の付け根からカテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入し、血管内を治療します。
ガイドワイヤは、カテーテルに先立って患部まで挿入され、カテーテルをレール兼ガイドとして患部まで導くことで、"カテーテル治療"が実施されます。開胸することなく治療が行えることで、患者にとってより痛みが少なく、低侵襲な方法です。さらに、入院日数が短縮されて、早期の社会復帰が可能となるなど、経済的負担も軽いことから、現在においては、動脈疾患治療の主流となっています。
引用:古賀テクノマテリアル ガイドワイヤについて


未来の眠り:眠りのメカニズムに基づき最適な睡眠を(ミネベアミツミ)

一人ひとりの身体の状態に合わせて最適な睡眠へと誘う最新技術が紹介されています。柔らかい照明の下には2台のコンセプトベッドが設置されており、希望者は実際に横たわって、センサーによる眠りの測定を疑似体験することができます。

体験には複数の先進デバイスが連動。眠りの状態に応じて光の強さや角度が変化する複合的な照明制御、ベッドに横たわる人だけに音を届ける超小型振動デバイス、温湿度をモニタリングするセンシング機器、そして香りを発生させる装置などが、五感を通して理想的な睡眠環境を整えてくれます。

ミネベアツミ株式会社が技術提供、慶應義塾大学医学部 名誉教授 三村氏が監修


未来のわたし:場所にとらわれないもう1人のわたし、複数ロボットを操作(サイバーダイン)

装着型の「マスターデバイス」を身につけることで、離れた場所に設置されたロボットに自分の動きを伝えることができる体験展示。人の動きの信号を読み取り、ロボットが忠実に再現。1人で複数台のロボットを同時に操作も可能。遠隔地での作業や、専門家が現場にいない場所での対応も可能になるため、人手不足の解消に繋がることが考えられます。

CYBERDYNE株式会社
「生活空間を拡張するわたし」では、マスター・リモートシステムという遠隔技術によって”もう1人のわたし”が活躍することで、場所や空間に縛られない生き方や働き方が実現する社会を提案しています。


Wonder Earth~あなたの知らない微生物の世界~

自分が小さくなって土の中に入り込んだような感覚を味わえる体験型展示「Wonder Earth」。土の中に潜む微生物や小さな生き物の姿が、地中視点でリアルに広がります。もぐらの巣、アリの行列、地上に立つ人間の足元…スケール感の違う土の中の生活がどのようなものか、五感を使って体験できます。出口ではブラック・ジャックからのメッセージももらえるのでお見逃しなく。


「こころ・きずなゾーン」中央には大型モニター。上下水平に移動・回転する約2m四方のLEDキューブ27個


千住明氏:iPS心臓の鼓動とシンクロする、音楽も最新技術を取り入れた

パビリオンを歩いていると、空間ごとに変化するBGMに気づきます。展示されているiPS心臓とシンクロしているのです。心臓の微細な動きがカメラを通じて感知され、鼓動が力強いと音も大きくなります。音はランダムでその瞬間にしか存在しない”いのち”の音として会場のBGMとミックスされます。

iPS細胞はとても繊細。期間中何度か取り替えるため、そのたびに設定など変わるそう。それでも録音に頼らず生きた音にこだわったのは「普通の展覧会になってはいけないと思った。音楽も最先端を目指した」と、作曲家の千住明氏は言います。


Editor’s note:万博を立体的に楽しむには、思いの部分に触れること

万博は、国をあげた壮大な文化祭のようなもの。さまざまな「面白い」が詰まったこの空間で、きっと誰もが新しい気づきを得られるはずです。その背景にはパビリオンが6年もの歳月をかけて構想・設計されてきたという事実がありました。企業単体で完結するのではなく、大学や関連企業、アーティスト、音楽家など多様なプロフェッショナルたちの協力によってつくられていることに気がつきます。それぞれが真剣にパビリオンのテーマに向き合っているからこそ、最高の「面白いもの」が見られると思うのです。

「どこに面白さがあるんだろう?」
そんな視点で会場を歩けば、技術やアートだけではなく、“思い”そのものに触れる体験になるはずです。一人でも多くの人に、見て、感じて、楽しんでほしいと思います。

また、パソナグループは、会場内だけでなく本社機能を置く淡路島とも連携した取り組みを進めています。万博会場と淡路島を結ぶ期間限定の高速船「PASONA NATUREVERSE号」は4月13日より運航予定。来場できない子どもたちに向けたオンライン見学ツアーや、法人向けの淡路島西海岸を巡る旅行プランの展開など、万博に合わせた多角的な取り組みにも注目です。
会場内外の広がりにも目を向けることで、“いのち輝く未来社会のデザイン”という万博のテーマが、より立体的に見えてくるのではないでしょうか。


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