【取材】2027年秋開業 北日本最大の「札幌産業展示場」。東京・大阪に次ぐ、大型MICEを獲得できる都市へ
2027年秋、札幌に新たなMICEの拠点が誕生します。長年親しまれてきた「アクセスサッポロ」の後継施設として整備が進む「札幌産業展示場」です。新施設が目指すコンセプト、国内初となる環境性能への挑戦、そして札幌のMICEがどう変わるのか。札幌市 経済観光局 流通担当課長の角谷(すみや)様にお聞きしました。

最大15,000㎡ある新展示場、コンセプトは「北日本最大の展示場」
既存施設である「アクセスサッポロ」との変化は”キャパシティ”
新展示場のコンセプトを一言で表すと何か。
迷いなく角谷様は「北日本最大の展示場である」と答えました。
これまで札幌の産業展示を支えてきた「アクセスサッポロ」は、使い勝手の良い施設でありながら、展示面積は5,000㎡に限られていました。新展示場では最大15,000㎡へと大幅に拡張されます。 これは、スペースの制約で開催を断念していた大規模な展示会やイベントが、札幌で開催できることを意味しています。
「首都圏や関西、中部、福岡などで開催されている規模の展示会の”受け皿”が整うことが考えられます。大きさが全てではありませんが、15,000㎡になることで期待できることは非常に大きい」と、その意義を話します。

全国展示場初、札幌市有施設初!脱炭素の象徴となる「Nearly-ZEB」認証施設
大規模展示場としては国内でも極めて珍しい「Nearly-ZEB(ニアリー・ゼブ)」認証の取得を見込んでいます。札幌市の公共施設として初めてです。「Nearly-ZEB」とは、省エネと創エネを組み合わせてエネルギー消費量を75%以上削減する建物を指します。天井が高く、空調や照明の負荷が大きい展示場において、これほど高い省エネ基準を達成するのは技術的にも大きな挑戦です。
「大きいけれど環境に配慮しており、エネルギーを自ら創り、節約もできる施設です」
札幌市の脱炭素政策の象徴になるとも言えますね。
札幌市は「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」の開催実績があります。ハードとソフトの両面から、サステナブルイベントの開催地としてのブランド力を高めます。

新展示場が完成することで、札幌のMICEはどう変わるのか
国際会議場構想との連携による”エリア戦略”
視線の先には、2033年以降に計画されている中島公園エリアでの新たな国際会議場「(仮称)新MICE施設」の構想があります。既存の「大和ハウス プレミストドーム」。2027年に開業する「札幌産業展示場」。これらが連携することで、数万人規模の国際会議やメガイベントを受け入れる体制が整います。
「これまでは施設がなくて諦めていた案件も、これからは獲得できるようになると思います」
現在、国内の展示会は、東京・大阪が中心ですが、主催者が次の展開として地方都市を選ぶ際、会場規模が障壁となることがありました。新展示場の完成で、福岡や神戸といったMICE先進都市と肩を並べるスペックを持つことになり、国内巡回型の大型展示会や商談会の誘致に弾みがつくことが期待されています。

2027年のオープンに向け、現在は業界内での認知拡大に力を入れられています。アクセスサッポロのDNAを受け継ぎ、スケールアップする新展示場。札幌の動向に、引き続き注目していきましょう。
担当:札幌市経済観光局 産業振興部 流通担当課
住所:札幌市豊平区月寒東3条11丁目
TEL:011-211-2481
公式Webサイト・お問い合わせ:
https://www.city.sapporo.jp/keizai/tenjijo/shisetsugaiyo.html



