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【取材】SusHi Tech Tokyo 2026|未来のMICEにつながるMICEテックを見つけよう

アジア最大級のグローバルイノベーションカンファレンスである「SusHi Tech Tokyo 2026」が、2026年4月27日から29日の3日間にかけて東京ビッグサイトで開催。会場で「MICEにつながるテック」を探してみました。はたして、MICEの未来を見せてくれるテックに出会えるでしょうか。

※「MICE TIMES ONLINE」はSusHi Tech Tokyo 2026のメディアパートナーです。

MICEで活用できそうなテックを探して、15000歩

まず、本記事では、来場者体験、運営効率、多言語対応、会場設計、安全性を支える技術を広くMICEテック・イベントテックとして扱うこととします。

700を超える出展があるSusHi Tech Tokyo 2026。完璧ではありませんが、ひとつひとつすべてのブースの前を通る程度には、会場をひたすら歩きました。3周くらい、まじめに歩いて15000歩。これやっ!というのは、実はあまり見つからなくて、MICEやイベントで活用されるテックはまだまだ少数派です。マーケットとしての魅力がスタートアップ企業には伝わっていないのかもしれません。

会場で使われているMICEテック・イベントテックはあるのか?

では、少し視点を変えて、会場で使われている画期的なテックはあるのか、何か実証で使われているものはあるのか。しかし、意外なことに、そういったものも見当たらず。SusHi Tech Tokyo 2026は丁寧な作り込みによる、正統派のイベントです。レイアウトやデザインは工夫されているものの、見える範囲では新しいMICEテックには私は出会いませんでした。

”どこでも通信基地”があれば、どこでもMICE会場になる…?というのは少し無理がありますね

ITAMAEゾーン。ボードにペタペタとメッセージを貼る。すごいテクノロジーの展示のなかで、アナログ感がむしろ目立っていました

そしてこのダルマもアナログ。目が光ったり、AIでしゃべったりしません

ステージ上のサイン。遠くからでも目立つし、格好いいですね。よく見ると文字型ではなく汎用性のありそうな長方形。私が見たことがないだけで、案外様々なシーンで使われているのかもしれません。

自動運転のモビリティは駅から会場への移動や、広い会場での移動で間違いなく今後活用されるでしょう。

輝度の高い多面体のディスプレイ。よく目立つ使い方がされていました。

いずれMICEの現場でも3Dプリンターによる、ブースや会場の設営が行われるでしょうか。

では、実際に会場でMICEに向いていると感じた、展示をご紹介していきます。

韓国から出展したスタートアップ「XL8」のAI翻訳字幕「EventCAT」

XL8(エックスエルエイト)が提供しているのは、「EventCAT」というオフラインイベントとオンラインミーティングの双方に対応するAI翻訳字幕システムです。概要を尋ねると、「オフラインのイベントとオンラインミーティングの両方で、リアルタイム字幕を提供しているシステムです」と説明しました。前日から開催されている各種カンファレンスでも、同社の技術が使用されているとのことです。

同システムはWebベースで稼働し、イベントや会議の場でリアルタイムに字幕を提供します。国際カンファレンスやビジネスイベントでは、多言語での情報共有が重要になります。参加者同士のコミュニケーションを支援する仕組みとして活用されています。SusHi Tech Tokyoに出展した目的については、「東京都と協定を結び、公式パートナーシップとして参画することになったため」と説明。現在、同社の技術は韓国国内にとどまらず世界中で活用されているといい、「日本の日常でも私たちの技術をご案内したいと考えました」と、日本市場への展開にも意欲を見せています。

実際に私もマイクに向かって話しかけてみましたが、日本語とそれを訳した外国語が画面にスムーズに表示されていき、ブースの方との意思疎通ができました。韓国での実績について尋ねると、ネクソンやSKといった大手企業で多く利用されているほか、国際イベントでも頻繁に使用されているとのことでした。会場では多くのAI翻訳システムの展示を見かけましたが、私が見た限りでは唯一、MICEを強く意識したソリューションでした。


スマホが次世代インカムに!AI翻訳と自動テキスト化で現場のコミュニケーションを変える「VOYT」の最新アプリ

展示会にて、スマートフォンをインカム(トランシーバー)として活用できる画期的なアプリを展開するのがVOYT(ボイット)。病院の看護師や介護施設の介護士といった「フロントラインワーカー」のコミュニケーションツールとしてだけでなく、各種イベント運営でのチームの連携など、幅広い現場で活躍できるソリューションです。

スマートフォンを活用したインターネット通信サービスは、従来のトランシーバーのような感覚で使いながら、距離の制限を受けずにスタッフ同士をつなげられる点が特徴です。専用アプリを手持ちのスマートフォンにインストールし、イヤホンマイクと組み合わせることで、iOS・Androidのどちらでも利用できます。インターネット環境があれば、広大なイベント会場内はもちろん、施設の外にいるスタッフとも連絡を取り合うことができます。また、トランシーバー大手のアイコムと資本業務提携を結んでおり、既存のトランシーバー端末との連携も可能です。

AIを活用した自動翻訳や音声のテキスト化機能も備えています。ユーザーごとに使用言語を設定しておけば、相手の発言を自動で翻訳して伝えられるため、外国人スタッフとのやり取りも円滑になります。会話内容は自動で文字起こしされ、履歴として残るため、接客中などに連絡を聞き漏らした場合でも、後から内容を確認できます。専門用語や人名を事前に辞書登録することで、AIの誤認識を抑え、翻訳やテキスト化の精度向上につなげられます。最新のアップデートでは、その日のやり取りをAIが自動で要約し、管理者へメールで送信する機能も追加され、現場と管理側の双方の業務効率化を支援します。

耳を塞がない骨伝導イヤホンで快適な通話

取材時には、周辺機器として骨伝導タイプのイヤホンマイクを試用しました。耳を塞がないため、周囲の音や状況を把握しながら通信ができます。音漏れも少なく、音量調整も可能で、しっかりと相手の声を聞き取ることができました。言葉の壁を越え、コミュニケーションの聞き漏らしも防ぐこのAI搭載インカムアプリは、今後の様々な現場で重宝されるソリューションです。


転んだ時にやわらかくなって真価を発揮。Magic Shieldsの「ころやわ」

MICE向けの展開というよりも、医療機関・福祉施設への導入が進められている製品ですが、転ぶと一大事なのはMICEも同じ。「ころやわ」は歩行時の安定性と、転んだ時の「衝撃吸収性」をあわせ持つ、ユニークな床材です。

歩いてみると、フローリングのような感覚ですが、膝をついてみると不思議なことに痛くありません。絨毯や畳よりも転倒時の衝撃波は相当に小さく、4センチ厚のベッドサイドマットと同等ということですから驚きです。内部に「メカニカル・メタマテリアル」と呼ばれる可変剛性構造体を用いています。素材そのものを単に柔らかくするのではなく、構造によって「普段は硬い」「衝撃時だけ凹む」という性質を実現している点が特徴です。

手軽につかえるマット上の製品も紹介してもらいました。こちらもアイデア次第で便利に活用できそうです。

ユニバーサルMICE、アクセシブルイベントへの活用も向いてそう

来場者の安全、ユニバーサル対応、体験型展示、ステージ演出、仮設空間の安全設計といったMICEの現場との相性を感じます。多様な方が参加するMICEには、ユニバーサルMICE、アクセシブルイベントといったキーワードになるでしょうか。車椅子のような重量物での沈み込むことはないということです。VIP導線、登壇者導線での活用、MICE施設の控室・休憩エリアへの導入、医務室・授乳室・キッズスペース・シニア向け体験ゾーンにも向きそうです。


会場の様子(運営提供)
会場の様子(運営提供)

どんなイベントなのか、個性が垣間見えるスタートアップの大型イベント

SusHi Tech Tokyo 2026会場を歩き回ってMICEテックを探してみました。MICEは裾野の広い産業でもあり、言ってみればどんなテックも活躍しそうではあります。AIを活用した翻訳・通訳はもはや実用段階であり、会場の内外をつなく次世代モビリティ、会場運営を支えるシステムなども、標準的なものになってきました。

登壇する高市総理と小池東京都知事(運営提供)
登壇する高市総理と小池東京都知事(運営提供)
会場の様子(運営提供)
会場の様子(運営提供)

しかし、SusHi Tech Tokyo 2026そのものには、私が見た範囲では画期的なイベントテックが使われている様子はありませんでした。イベントそのものが巨大な実証の場になっているIVSとは、イベント設計の思想が違うのでしょう。どちらが良いということではありません。ともすれば画一的なデザインのビジネスイベントが少なくない日本では、イベントにユニークさがあることを、私は支持したいです。結論として、SusHi Tech Tokyoで見えたのは、MICEに特化した技術の少なさと、周辺産業の技術をMICEに転用する可能性でした。

ビジネスデイの会場の様子をレポートした記事はこちらから

https://micetimes.jp/report-sushi-tech-tokyo-2026-photo/

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