
【韓国取材】釜山ワンアジアフェスティバル(BOF)『NTC WISH』『Billlie』出演!どうして世界中のファンが集結するのか、楽しみながら運営の秘密を探ってみました

2025年6月11日から14日まで、韓国・釜山の大型イベント施設「BEXCO(ベクスコ)」を中心に開催された「釜山ワンアジアフェスティバル(BOF)」。K-POPを中心とした韓国文化の発信拠点として、釜山で開催されるイベントです。実は日本に向けた情報発信は少なく…どんなイベントなの?と気になっていたかもいらっしゃるのでは。
初日に参加してきましたので、現地の様子をレポートします。世界中から多くのファンが釜山に集まるのはなぜなのか、運営のポイントについてもイベントを楽しみながら探ってみました!

釜山ワンアジアフェスティバル(BOF)はアジア最大級のKカルチャーフェス!
韓国・釜山市が主催、釜山観光公社が主管する、アジア最大級のKカルチャーフェスティバルです。文化体育観光部(日本の文化庁・スポーツ庁・観光庁に相当)および韓国観光公社の後援を受け、2016年からスタートし、2025年で第9回目の開催を迎えました。
BOFはもともと、”釜山から世界へ、K-POPとK-Cultureを発信する”という構想のもと、若者同士の国際的な文化交流の場として始まったイベントです。その後、アジアをはじめとする各国からの参加者が年々増加し、今では音楽フェスティバルの枠を超えた、釜山を象徴するイベントへと成長してきました。
2025年の開催においては、釜山観光公社と、韓国最大手のカルチャー企業である株式会社エスエムカルチャーアンドコンテンツが共催に加わり、企画運営面でもさらなる進化を遂げています。エンターテインメント性と文化的価値の両立を目指し、「上半期の釜山を代表する韓流観光コンテンツ」としてのブランド確立を図っています。
開催概要
名称:釜山ワンアジアフェスティバル(Busan One Asia Festival:BOF)
会期:2025年6月11日(水)~13日(金)
会場:BEXCO(ベクスコ)、華明生態公園パーク
プログラム : K-POPコンサート、パークコンサート、ショーケース、トークコンサート、付帯イベント
主催/主管 : 釜山広域市/釜山観光公社・株式会社エスエムカルチャーアンドコンテンツ
会場のレポート、釜山観光公社の方への過去のインタビュー記事はこちら
初日・会場の様子:世界のK-POPファンが釜山に集結

取材に訪れたのは、初日の6月11日。コンサートが行われる会場「BEXCO(ベクスコ)」の前では、開場1時間前から来場者が集まり、グッズを見せ合ったり、記念撮影をしたりと、ファン同士の交流が行われていました。
日本・欧米からも熱狂的ファンが集う
参加者の多くは10〜30代前半の女性。韓国国内からの来場者に加えて、日本・中国などのアジア圏、さらには欧米諸国からと見られる訪問者も数多く詰めかけていました。

『NCT WISH(エヌシーティー・ウィッシュ)』や『ATEEZ(エイティーズ)』のグッズを持つファンの方が、ペンライト、手作りうちわ、キーホルダーなど、それぞれが自分の“推し”をアピールしながら、思い思いのスタイルでイベントを楽しみます。


会場を回る中で、日本人参加者の姿も複数確認。日本語で会話していたグループは6〜7組程度。日本からも来場しているイベントであることが分かります。
参加者インタビュー:ドイツからのファンも参戦!

会場で出会った韓国の女子学生5人組。手には『NCT WISH』のペンライト。「昨日は釜山駅前で別のイベントがあったけれど、学校があって参加できなかったんです。だから今日は来たかった!」と話してくれました。

ドイツから訪れた女性3人組。『ATEEZ』のファンだといい「ちょうど長期休暇と重なったので、旅行を兼ねてコンサートに参加しました。合わせて釜山観光も楽しみます」とのこと。おひとりは韓国語が話せるそうです。イベントがFITとして釜山観光にもつながっているのですね。
楽しみ方はさまざま、BOFを“まるごと体験”してみました!
BOFの魅力は「BIGコンサート」だけではありません。パートナー企業によるブース出店や、フードが集まる「BIG LAND」。K-POPアーティストの衣装やアート作品が展示された「ファンダムシティ体験スペース」。自由に推しへのメッセージを書き残せる「MESSAGE WALL」。
いったいどんなことが体験できるのか、一緒に見てきましょう!
BIGコンサート:あの大物アーティストとも会える

取材日は日差しが強く暑い日でした。スタッフは入場の列を屋外につくらず、館内での待機をするよう呼びかけを行っていました。会場には入らず木陰で休む参加者には、エアコンの効いた屋内に案内する様子も。当日の気候に合わせて、体調不良のリスクを避ける運営体制が見られました。


会場入り口は、ABCD区域とEFGH区域にわかれており、入り口でチケットをスキャンして入場します。各入り口では3~4名のスタッフが誘導。手荷物が大きい来場者には中身のチェックが行われます。

座席までは決められた区域に向かって進みます。A~Hの大きな旗が掲げられ、遠目でも場所が分かりやすく安心できました。座席の後ろには番号が貼られているため、間違える心配もありません。

18時から続々と参加者が入場。18時30分からは、新人アーティストや地域ミュージシャンのステージがスタート。釜山の名物であるデジクッパなどのトークで参加者を盛り上げていました。

いよいよ、19時10分から「BIGコンサート」が始まりました!5組のアーティストがそれぞれ約30分ずつのステージを披露。K-POPファンが待ち望んだ瞬間に、会場は歓声とペンライトの光に包まれました。

出演アーティスト NTC WISH、ATEEZ、Billlieら豪華5組
・Hearts2Hearts(ハーツ・トゥー・ハーツ)
多彩なメンバーと洗練されたパフォーマンスで注目を集める、2025年デビューの韓国発8人組ガールズグループです。
・Billlie(ビリー)
釜山で行きたい場所は”海”。日本人メンバーのツキちゃんは、釜山の方言を学びたいようです。
・P1harmony(ピーワンハーモニー)
観客に「釜山の人〜!」と呼びかけ、ステージ上で左右を行き来しながら、ファンとコミュニケーション。
・NTC WISH(エヌシーティー・ウィッシュ)
客席から大きな歓声が上がり、甲高い声を終始上げるファンも。NTC WISHのグッズである蛍光グリーンのペンライトが会場の多くで光り出します。一緒に歌いだしたり、携帯で撮影を始める様子もありました。
・ATEEZ(エイティーズ)
釜山や海雲台の話題を織り交ぜながら、トリを飾るパフォーマンスを披露。


予定より5分遅れてコンサートは無事に終了。約3時間にわたる大規模イベントながら、トラブルや混乱はほとんど見られませんでした。途中で退席する参加者のために、会場出口付近で、スタッフ3~4名が誘導棒を赤く光らせて案内をしていました。


BIG LAND:屋外エリアで韓国・釜山を知る
BIG LANDは、「B-Partner」「B-shop」「B-Food」の3つのエリアで構成された野外会場です。Bはおそらく釜山(Busan)のBですね。入口には大きな立て看板がありました。


コンサート会場とは別に、BEXCOの駐車場横のスペースに設けられており、各エリアにはテントや特設ブースが立ち並びます。入り口すぐには、インフォメーションセンター。医療ブースも併設されており、体調不良やケガなどの緊急時にも想定されていました。


BOF満足度調査イベント
BOFの満足度調査を行うブース。QRコードを読み取り、アンケートに回答すると、イベント終了後にTシャツなどのグッズが抽選で当たります。取材時には9名ほどの参加者が並んでいました。スタッフが会場内でQRコードのついたチラシを配り、参加者はコンサート開始までの待ち時間に、スマホでアンケートに答えていました。



釜山代表観光記念品10選
釜山で人気のお土産品を販売。釜山市のPRキャラクター「プギ」のマスコットやTシャツ、マグネットやキシリトールキャンディなど様々な物が購入できます。


ロッテ免税店
ロッテ免税店の案内や紹介をされていました。シートマスクやLDF PAYのバウチャーなどが当たるキャンペーンも。



K-seafood
韓国のり、韓国のりのスナック、イカのスナックなど、韓国の海産物をプロモーション。試食もできます。アンケートに答えると韓国のりや、塩、乾燥させた海藻などのお土産セットがもらえます。アンケートに答えなかった人にも、スーツケースタグを1つプレゼント。参加者は海外から来た方がほとんだと教えていただきました。その場で購入する事も可能です。
B-Food:おでん、トッポギ、たこ焼き、ドーナツ、タコス…
釜山おでんやトッポギなど定番韓国グルメに加え、日本のたこ焼きや焼きそば、メキシカンタコス、ドーナツといった多国籍料理も提供されていました。



テーブルと椅子、パラソルも用意され、落ち着いて食事を楽しめます。

MESSAGE WALL:ファンの手書きメッセージスペース
参加者が自由にペンを使って落書きやメッセージが書けるブースです。思い思いに”推し”への愛や応援の言葉を綴っていました。


ファンダムシティ体験スペース:まるでアート作品。アイドル使用衣装やアーティストコラボ展示
BIG LANDの真ん中にファンダムシティ体験スペースの特設会場があり、実際にアイドルが使用した衣装や音楽とアーティストがコラボレーションした制作物が展示されていました。


This might be[ ]
Jaye Rheeによる展示。NCT127とNCT DREAMの歌詞を白い衣装に刺繍。展示してある白いシャツの襟もとや袖部分に歌詞のフレーズが刺繍されていました。



Tell Me Your Wish
KiRa Kimによる展示。少女時代の代表曲『Genie』が発表された年に、少女時代に会ったことを思い出しプロジェクトを開始。少女時代の衣装を使用し、「この世はあなたの舞台」という応援のメッセージを伝えています。


SKIN
Sascha Pohleは、東方神起の歌詞にインスピレーションを受けて作成。K-POP業界を取り巻くあらゆる環境を表現しています。


Little aespa
Hong Seung-Hyeが、『aespa(エスパ)』の子供時代に向かうタイムトラベルを作成。木でできた人形の顔は、各メンバーがよく使う絵文字を書いたもの。メンバーが実際に着用した衣装を解体して、組み合わせ、人形の衣装を作成しています。


Laundry Sequencer4
Yohan Hanは、『Red Velvet(レッドベルベット)』の様々なスタイルの衣装を、一連のキーワードで配列して、美の物語と存在の美的価値を表現しています。
BEXCOへのアクセス:南浦洞(ナンポドン)から
会場は海雲台(ヘウンデ)にありますが、南浦洞で宿泊している参加者も多いと思います。次回以降、参加される際の参考になれば嬉しいです。海雲台に行くには地下鉄の利用がおすすめです。
13:35 南浦洞駅 発
南浦洞駅より地下鉄1号線にて西面駅にて乗り換え
13:50 西面駅 着
13:56 西面駅 発
西面駅より地下鉄2号線(水営・海雲台方面)にてBEXCO駅下車

14:22 BEXCO駅 着

BEXCO駅 9番出口と11番出口より徒歩10分程度


9番出口を出て真っ直ぐ歩くと右手にBEXCOが見えます




Editor’s note:強いコンテンツが多くの人を呼び込む。丁寧な運営姿勢が参加者の満足につながる
強いコンテンツは人を惹きつけ、丁寧な運営は参加者の満足を生み出します。釜山が世界に発信する「BOF」は、K-POPを切り口に文化と観光を結び付けた、まさにMICE都市ならではのイベントでした。
釜山は国際映画祭をはじめ、文化や芸術を軸とした都市づくりが進んでおり、「文化 × MICE」の可能性を強く感じさせます。
また、参加者への配慮が行き届いた運営姿勢もいくつかご紹介しました。大きなトラブルもなく、これだけのイベントがスムーズに開催されるというのは大変なことだと思われます。これは、都市、施設、そして運営が一体となっているからこそ実現できるのだと感じました。
海外の展示会やイベントでは、日本での当たり前がいい意味で裏切られることがあります。海外旅行や出張の際に、ぜひ現地のMICEイベントに参加してみることをおすすめします。きっと、新鮮な驚きと発見が待っています。
※取材担当:中村
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