1. HOME
  2. MICEあれこれ
  3. DX・AI・Tech
  4. 大阪から世界へ「Tech Osaka Summit 2025」9月16日~17日 大阪梅田で開催/万博「Global Startup EXPO 2025」とも連携
DX・AI・Tech

大阪から世界へ「Tech Osaka Summit 2025」9月16日~17日 大阪梅田で開催/万博「Global Startup EXPO 2025」とも連携

2025年9月、大阪・関西万博を契機に、これまで「Hack Osaka」として親しまれてきたイベントが、装いも新たに「Tech Osaka Summit 2025」として開催されます。関西の強みであるディープテック分野に焦点を当て、国内外のスタートアップ、投資家、事業会社が一堂に会するこのサミットは、新たなビジネスの創出とグローバルな成長機会を提供することを目指しています。本記事ではイベントのこれまでの歴史とTech Osaka Summit 2025についてご紹介します。

これまでの歴史:礎を築いた「Hack Osaka」

「Tech Osaka Summit」のルーツは、2013年に大阪市が主催する国際イノベーション会議「Hack Osaka(ハック大阪)」に遡ります。このイベントは、「世界につながる共創都市・大阪」の実現を使命に、大阪市経済戦略局が立ち上げた「大阪イノベーションハブ」の取り組みの一環として始まりました。

Hack Osakaとしての誕生と成長

Hack Osakaは、年に一度開催され、世界中の起業家、投資家、大企業、学生、自治体など、スタートアップエコシステムの幅広いプレイヤーが大阪に集い、交流する場を提供してきました。その目的は、大阪・関西を世界とつなぎ、新たな価値を創造するイノベーション・エコシステムを形成することにありました。特に、スタートアップ企業と投資家や企業など、イノベーションに関わる人々の交流機会を提供し、大阪・関西の魅力や強みを国内外に発信することを目指していたのです。

2013年の初開催以来、Hack Osakaは2020年を除き毎年開催され、2024年までに計12回を数えました。回を重ねるごとに参加者数が増加し、数百人規模の起業家や投資家が世界各国から集う、関西最大級のイノベーション・フェスへと発展しました。
2022年にはオンライン開催という変動要因があったものの約800名が参加し、112件の個別商談が行われました。また、2023年には初めて2日間開催となり、来場者数713名(うち海外から46名)、スタートアップ展示33社、個別面談83組という実績を残しました。
2024年の開催では、会場規模を拡大し、国内外から1,000人以上が参加する活況を呈しました。これらの実績は、単に来場者数を増やすだけでなく、具体的なビジネス機会の創出、すなわち「個別面談数」や「商談件数」といった質の高い繋がりを重視する主催者の哲学を示すものです。ジェトロや大阪産業局のような公的機関にとって、イベントの成功は最終的に成立した提携や投資の数によって測られるため、規模よりも質が追求されてきたのです。

Tech Osaka Summitへのリニューアル

そして、2025年に開催される大阪・関西万博を契機に、Hack Osakaは「Tech Osaka Summit(テック大阪サミット)」へと名称も新たにリニューアルされました。大阪・関西万博に合わせ世界中からスタートアップ関係者が大阪に集まる好機を最大限に活用し、イベントの規模や内容を拡大して、さらなる発展を図ります。

この変革を推進するため、主催体制も強化されました。従来の大阪市、公益財団法人大阪産業局(大阪イノベーションハブ)、公益財団法人都市活力研究所、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)大阪本部に加え、新たに一般社団法人うめきた未来イノベーション機構が実行委員会に参画。「過去最大規模」の商談会などを通じて、より充実した交流と成長の機会を提供することを目指します。

このリニューアルは、Hack Osakaがこれまでに培ってきた基盤の上に築かれた、飛躍を意味します。地域カンファレンスから、西日本のディープテック投資におけるグローバルゲートウェイへと自らを再定義するものとなりそうです。


Tech Osaka Summit 2025

Tech Osaka Summit

新生「Tech Osaka Summit 2025」は、大阪・関西万博がもたらす世界的な注目を背景に、これまで以上に大規模で充実した内容が予定されています。

公式Webサイト https://www.innovation-osaka.jp/tech-osaka-summit/

開催概要と会場

「Tech Osaka Summit 2025」は、2025年9月16日(火)から17日(水)までの2日間、午前10時30分から午後6時まで開催されます。会場は、大阪・梅田の主要なランドマークであるグランフロント大阪 北館の地下2階、ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンターなどが使用されます。展示会場はコングレコンベンションセンターに加え、ナレッジキャピタルB1Fイベントラボも想定されています。JR「大阪駅」、OsakaMetro御堂筋線「梅田駅」、阪急「大阪梅田駅」、阪神「大阪梅田駅」から徒歩5~6分というアクセスの良さも魅力です。

一般来場者の参加は無料ですが、事前登録制となっています。公式Webサイトからの申し込みが必要です。

会場のひとつ「ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター」

注目のテーマと戦略的焦点

今回のサミットが特に注力するのは、以下の3つの主要なテクノロジー領域です。

  • バイオ・ライフサイエンス/ヘルスケア
  • グリーンテック
  • デジタル

これらのテーマは関西地域が歴史的に強みを持つ「製薬」や「重工業・素材科学」、「エレクトロニクス」といった産業基盤に深く根差しており、まさに「ディープテック」分野に特化しているのです。これにより、東京で開催される広範なITイベントとは異なる、独自の価値提案を確立し、明確な差別化を図っています。

さらに、このテーマ設定は世界的な投資トレンドとも完全に一致します。Future Today Instituteの2024年レポートが指摘する「AIとバイオテクノロジーが牽引するスーパーサイクル」の到来といった世界的な追い風に乗るものであり、「広さより深さ」を追求する意図的な戦略の証左といえるでしょう。

主要コンテンツ

「Tech Osaka Summit 2025」では、参加者間の交流を最大化し、具体的な成果を生み出すために、以下の4つの主要なコンテンツが用意されています。

  • ビジネスマッチング(Business Matching):国内外のスタートアップとVC(ベンチャーキャピタル)、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)、事業会社による、高速マッチングや個別面談が実施されます。これはイベントの商業的な中核をなす部分であり、過去最大規模の商談会が期待されています。
  • ネットワーキング(Networking):会場内に専用スペースが設けられ、スタートアップ関係者、登壇者、投資家、スポンサーなど、様々な参加者が交流し、ネットワーキングを深められる場が提供されます。
  • セッション・ピッチコンテスト(Sessions & Pitch Contest):国内外の著名な登壇者によるトークイベントが多数開催されるほか、選抜されたスタートアップによるピッチコンテスト**「Tech OSAKA Award 2025」**が行われます。なお、2025年度のピッチコンテスト参加スタートアップの募集はすでに終了しています。
  • スタートアップ展示会(Startup Showcase):国内外から約150社ものスタートアップが、先の3つのテーマ分野ごとに分かれてブースを出展します。協賛企業や支援機関のブースも設置され、来場者はスタートアップの魅力やポテンシャルを直接体感できるでしょう。なお、2025年度のスタートアップ展示募集もすでに終了しています。

豪華登壇者陣

サミットの登壇者選定には、イベントの戦略的な意図が色濃く反映されています。国内外の著名な専門家や実業家が名を連ねています。

  • 中澤 理香氏(NTT Chief Commercial Innovation):テクノロジー上級幹部、VC投資家、ベストセラー作家であり、次世代テクノロジーがビジネスや社会に与える影響について積極的に講演されています。NTTのチーフコマーシャルイノベーションとして、フォトニックネットワークや宇宙・衛星イノベーションの商業的・持続可能性の応用を推進し、万国博覧会を通じて世界の官民セクターに影響を与える取り組みを組織されています。
  • Kuldip K. Ahluwalia氏(Viitals, Inc. CEO and Founder):AIベースのヘルスケアプラットフォーム「Viitals」を率いる「創造的破壊者」です。AI、Large Reasoning Models (LRM)、自然言語処理の最新ツールを使い、医師が質の高い医療を遠隔から提供し、治療成績を向上させることを目指しています。
  • Tiffany Bloomquist氏(Amazon Web Services アジア太平洋・日本地域 スタートアップエコシステム ゼネラルマネージャー):サービスおよびテクノロジー分野で25年以上の経験を持ち、スタートアップの創業者を支援する営業、開発、パートナー、技術チームを率いています。
  • 堀江 貴文氏(実業家、SNS media&consulting株式会社ファウンダー):ロケット開発やアプリプロデュース、予防医療の啓蒙など多岐にわたる分野で活躍する実業家です。大阪・関西のスタートアップがグローバル市場で成功するために必要なマインドセット、戦略、行動力について語られる予定です。

この他にも、アンタレス・ベンチャーズの村山 類氏(グリーンテック)、Apprecia Capitalの長沼 秀美氏(グリーンテック)、NordicNinja VCの宗原 智策氏(グリーンテック、クライメートテックを含むディープテック)といった、各分野を牽引するベンチャーキャピタル関係者も登壇者に名を連ねており、専門性の高い議論が展開されることでしょう。

大阪・関西万博との強力な連携

「Tech Osaka Summit 2025」は、大阪・関西万博がもたらす世界的な注目を最大限に活用できるよう、戦略的に時期と場所が設定されています。特に重要なのは、国が万博会場で開催する「Global Startup EXPO 2025」との連携です。この連携により、万博のために世界中から集まるスタートアップ関係者を「Tech Osaka Summit」へと効果的に誘導することが可能になります。これは、これまで地方イベントが抱えていた国際的な集客という課題を抜本的に解決する、巧みな戦略です。

さらに、同時期に開催されるスタートアップ関連イベントの情報集約プラットフォームである「Global Startup Crossroads-Osaka」や、世界最大規模の国際的なイーサリアムイベント「EDCON 2025」とも連携し、より充実した交流と成長の機会が提供されます。これらの連携を通じて、サミットは世界のテクノロジーコミュニティが大阪に集う際の主要なB2Bインターフェースとして機能することを目指しています。


まとめ:大阪のイノベーションが世界へ羽ばたく時

「Tech Osaka Summit 2025」は、単なるイベントではなく、関西地域のイノベーション・エコシステムを戦略的に動員する大規模な取り組みです。これは、10年以上にわたる「Hack Osaka」の実績の上に築かれた、大阪・関西のイノベーション戦略における新たな章の幕開けを象徴しています。

このサミットの成功は、大阪・関西地域が万博によって得られる一過性の注目を、自らのテクノロジーセクターにおける持続的かつ長期的な成長へと転換できるか否かを測る重要な指標となるでしょう。強力な官民連携体制、地域の産業基盤を活用したディープテックへの明確な焦点、そして万博との比類なきシナジーという強みを持つこのサミットは、大阪をグローバルなイノベーションハブとしての地位へと押し上げるための、不可欠な存在となると期待されています。

関連記事:スタートアップイベント

大阪・関西万博関連の記事はこちら
お問合せはこちらから
MICEのキャリアコーナー 9月OPEN
夏季休業のお知らせ

平素は格別のお引き立てをいただき、厚く御礼申し上げます。誠に勝手ながら、当社では下記期間を夏季休業とさせていただきます。期間中ご不便をおかけいたしますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

【夏季休業期間】
2025年8月10日(日)~8月17日(日)

スマホアプリができました
過去記事から探す
カテゴリー