【レポート】メッセナゴヤ2024 宇宙につながる技術に直接触れる/特別展示「Space Approach EXPO」
2024年10月30日~2024年11月1日にポートメッセなごやで開催される国内最大規模の異業種交流展示会「メッセナゴヤ2024」。
その中で注目の特別展示コーナーが「Space Approach EXPO」です。ビジネスセミナーも同時開催されます。
場所:ポートメッセなごや 第1展示館内 特設ステージ横
このレポートでは「Space Approach EXPO」からいくつかのブースをご紹介いたします。ispace社の月面着陸船のレプリカが展示されていて、存在感があります。
【オーエスジー株式会社】宇宙で「味変」できる調味料ケース
このSFチックなアイテムは宇宙で味変するためのケースです。この小さなケースには5種類の調味料を入れることができ、宇宙での食事の際に任意の調味料を使用するためのものです。宇宙空間では飛散しないように液体状の調味料が入るそうです。精巧に作られたこの調味料ケースはアルミ製、宇宙での使用に耐える特長を備えています。宇宙だけではなく、災害時など非常時に「味変」を通じて少しでも快適に過ごすことを助けることも期待されます。
同社の優れた切削加工技術を活かした、とてもユニークな展示でした。
会社Webサイト https://www.osg.co.jp/
【PDエアロスペース株式会社】有人宇宙飛行機打ち上げを目指す
名古屋に本社を置く同社は「有人宇宙飛行機」の打ち上げを目指しています。実際に打ち上げに使われたエンジンが展示されていました。このエンジンを積んだ期待は全長5mのもの。機体は一般的な航空機のように離陸し、ジェットエンジンで飛行、その後ロケットエンジンを使い高度を上げ、宇宙へ到達します。その後、大気圏に再突入し、ジェットエンジンで飛行して、着陸します。
このような形の宇宙機(宇宙飛行機)があるのだと、今回初めて知りました。無人であっても、様々な分野での活躍が期待されるものだと思います。
会社Webサイト https://pdas.co.jp/
【株式会社ElevationSpace】人工衛星を用いた宇宙実証機会を提供
宇宙環境利用・回収プラットフォームについてお話いただきました。宇宙空間での無人の実験・実証を行い、それを地球で回収できる。高頻度で打ち上げを行うことができ、短期間で利用ができる。また、無人のため制限が少なく、幅広い用途で利用が可能な技術です。
同社は宇宙事業への参入を検討する企業に向けて、宇宙への挑戦のハードルを下げ、リスクを最小限にするサービスをワンストップで提供しています。
会社Webサイト https://elevation-space.com/
【高砂電気工業株式会社】
高い品質が求められる医療用などで培われた流体の精密制御技術を応用し、小型人工衛星用スラスターバルブや宇宙実験装置向けの流体制御機器を展示されています。ブースでは同社の代表取締役会長の浅井様から直接、ご説明をいただきました。
手のひらに乗る小さなサイズの精密な製品はとても美しいものです。宇宙空間での人工衛星の制御に欠かせない小型のスラスターはまさに同社の技術があって成立するものです。
また、宇宙空間での盛んに研究が進むライフサイエンス分野においても同社の「ポータブル培地交換システム」をベースとしたシステムが活躍しているとのこと。素人の私にもわかりやすいご説明により、浅井様の宇宙に向けた熱意を感じることができました。
会社Webサイト https://takasago-elec.co.jp/
盛り上がりを見せる名古屋周辺の宇宙業界
名古屋商工会議所の方から以下のイベントや取り組みをご紹介いただきました。
2025年9月開催 第2回SPACE SUPPLIERS SUMMIT 名古屋
来年9月、開催される第6回エアロマート名古屋と合わせて開催される、宇宙インフラ及び製造サプライチェーン対象の国際展示商談会「第2回SPACE SUPPLIERS SUMMIT 名古屋」。会場はポートメッセなごや。
宇宙マーケットの中でも、宇宙機器関連製造サプライチェーンにフォーカスした国際展示商談会です。
「名古屋宇宙会」発足!次回は12月6日開催
航空宇宙に歴史的に関わりのある名古屋を基軸に、”宇宙産業・中部ベルト地帯”と名づけ、岐阜県、三重県、和歌山県、長野県、山梨県、静岡県で宇宙産業のサプライチェーンを構築することを念頭においています。(パンフレットより引用)
第4回名古屋宇宙会は名古屋商工会議所で12月6日(金)開催予定です。
宇宙ビジネスを身近に体験できる展示です
専門的な知識がなくても、宇宙につながるビジネスを身近に体験できる展示はいずれも大変興味深いものでした。SF映画やマンガ、アニメなどで宇宙へのロマンを感じることはあっても、実際に宇宙ビジネスに携わっている方と直接お話をする機会は一般的にはそう多くはないと思います。
自社のビジネスや、自分のキャリアがもしかすると、宇宙ビジネスで役に立つことがあるかもしれません。私も自分の会社の事業やキャリアで、宇宙に関われることがあるか考えてみました。私にとってはこうやって記事にして発信できることも、そのひとつだとすると、どなたにも、どの企業や事業でも「宇宙」とつながれると思えてきませんか。
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