【釜山取材】「学生でも、こんな世界に飛び込めるんだ」大学生姉弟が韓国・釜山のスタートアップイベントの取材に挑戦!出会った人たち、踏み出した一歩
「肩書きのない学生でも、今できることがある」「自分が何から始めればいいのか、少し見えてきた」。韓国・釜山で開催されたスタートアップイベント「BOUNCE 2026」「FLY ASIA 2026」を取材した大学生2名が、帰国後に話してくれた言葉です。
海外のビジネスイベントには、どんな人が集まり、何を話しているのでしょうか。展示ブースで起業家に話を聞いたり、韓国の大学生と交流したり、海外で働く人からアドバイスをもらったりと、片手では収まらないほどの出会いがありました。
今回参加したのは、MICE TIMES ONLINEが主催する「MICEワンダラーズ」で最優秀チームに選ばれた松井来美さんと松井響己さん。お二人は仲良し姉弟です。編集長の藤井が同行し、2026年10月6日から8日までの3日間、韓国・釜山へ行きました。
本記事では、学生たちが海外MICEの現場でどのように人と関わり、何を感じたのかを紹介します。
なぜ大学生を海外MICEの現場へ?「MICEワンダラーズ」の取り組み
2026年7月に大阪で開催した「MICEワンダラーズ」では、学生たちが街を歩き、展示会場やホテルなどのMICEに関わる場所を探しました。ゲームのように楽しみながら、身近な街にあるMICEを発見する企画です。最優秀チームが、釜山の取材ツアーに同行できることとなりました。
編集長・藤井
「MICEに参加し、話を聞き、考えに触れ、旅先でワーケーションもしてみる。学生たちにあらゆる角度からMICEを体験してほしいと思っています。現地で見つけた”面白い”は、学生自身の言葉で記事にまとめてもらいます。次は、その記事を読んだ誰かが、MICEに興味を持ってくれたら嬉しいです」
釜山で過ごした3日間を振り返ります。
1日目(10月6日) 1日のスタート!釜山で合流し、翌日の取材に向けて準備
学生2名は、10月5日に大阪から「パンスターミラクルクルーズ」で出発。船で一晩を過ごし、翌6日に釜山で合流しました。クルーズでの船旅についても、後日記事で紹介します!

翌日はいよいよ、スタートアップイベントの取材です。渡航前から何度か打ち合わせを重ねてきましたが、現地でもカフェに集まり、記事の方向性を確認しました。「誰に読んでもらいたいのか」「何を伝えたいのか」「読んだ人にどう感じてもらいたいのか」。ただ会場を見て回るのではなく、自分たちが何を知り、読者に何を届けたいのかを考えます。学生たちも、取材する側として翌日に備えました。



打ち合わせの後は、学生たちのリクエストで韓国焼肉へ!「パンチャン」と呼ばれる小皿のおかずが次々と並び、韓国ならではの食事を楽しみました。取材だけでなく、現地の文化や食事に触れられるのも海外取材の楽しみです。お腹いっぱいになったところで、翌日の本番に備えました。
2日目(10月7日) 「BOUNCE 2026」と「FLY ASIA 2026」の取材に挑戦
いよいよ取材当日です。釜山の市場に少し寄り道しながら、海雲台方面へ向かいました。目的地は「BEXCO(釜山国際展示場)」です。

会場に到着して、まず学生たちが驚いたのは、その規模です。BEXCOには展示場のほか、会議室やオーディトリアムなど、さまざまな催事に対応する施設が集まっています。


まずは開会式に参加。英語の同時通訳画面を確認しながら、登壇者のスピーチに耳を傾けました。会場の入口付近には海洋分野の展示もあり、造船関連企業や研究機関などが出展していました。

その後は、学生たちがそれぞれ興味のあるブースを回れるよう、自由に取材する時間を設けました。
「どんなきっかけで事業を始めたのか」「誰のどんな困りごとを解決しようとしているのか」。製品やサービスの説明を聞くだけでなく、起業した理由や事業にかける思いについても質問します。



渡航前は、言葉の通じない海外で自分から話しかけることに不安もあったそうです。ところが、いざ会場に入ると、韓国語が話せなくても気になるブースへどんどん足を運び、出展者に声をかける二人。引率する立場として、少しは背中を押す場面もあるかなと思っていましたが、そんな心配は全く必要ありませんでした! 自らの力で取材を進めていました。

ランチをいただきます
韓国の学生にインタビュー!同世代だからこそ聞いてみたいこと
「BOUNCE」の運営に携わる学生サポーター2名にインタビューしました。主催者の釜山創造経済革新センター(BCCEI)に調整いただき、実現した取材です。

お話を聞いたのは、大学4年生のチェ・ジウォンさんと、大学1年生のペク・ナグォンさん。お二人は、事前に共有していた質問に対して、日本語と韓国語を交えたメモを用意してくれていました。
学生サポーターに参加したきっかけや、イベントで担当している活動、将来やってみたいことなどを質問しました。国や大学、学年は違っても、同じ大学生同士。海外の学生がどんなことに関心を持ち、何を考えているのか、直接話を聞ける機会になりました。

取材の最後には、BOUNCE会場で学生4人の記念写真を撮影しました。今回のイベントがなければ、出会うこともなかったかもしれない4人です。こうして国を越えて同世代の学生と知り合えるのも、MICEに参加する面白さだと感じました。

展示会場の外にもMICEがある!釜山国際映画祭の会場へ

展示会場の外にもMICEがある!釜山国際映画祭の会場へ
BEXCOの近くにある「映画の殿堂(Busan Cinema Center)」にも足を延ばしました。釜山といえば、アジアを代表する映画祭「釜山国際映画祭(BIFF)」の開催地としても知られています。

展示会や国際会議だけでなく、映画祭のように国内外から多くの人が集まるイベントも、MICEと関わりの深い催しです。映画祭をきっかけに、映画関係者や観客が釜山を訪れ、街のホテルや飲食店、交通機関などを利用します。イベントの開催は、地域の経済や文化を知ってもらう機会にもなります。
展示会場の中だけでなく、街を歩いてみると、MICEと地域のつながりが見えてきます。今回の取材では、学生たちにも、イベントが開催される街そのものに目を向けてもらいました。

展示会の後は交流会へ!「BOUNCE NIGHT」で出会った世界の人たち
展示会場での取材を終えましたが、この日はまだまだ続きます!次は、夜のネットワーキングパーティー「BOUNCE NIGHT」です。

BEXCOの屋外駐車場から専用シャトルバスに乗り、海雲台・冬柏島の「The Bay 101 Gallery」へ向かいました。バスもVIP仕様で、移動中からちょっと特別な気分です。


会場では、立食ビュッフェ形式で食事が振る舞われました。学生たちは、お刺身をおかわりするなど、食事も満喫。「こんなに豪華なご飯を食べていいの?」と驚いていました。




もちろん、食事だけが目的ではありません。BOUNCE NIGHTは、イベントに参加した起業家や企業関係者などが交流する場です。

同じテーブルになった参加者が親切に話しかけてくださり、日本語や英語を交えて会話が始まりました。学生たちも、ニューヨークや台湾で働く参加者と交流。仕事のことや、これまでの経験について話を聞きました。

展示ブースでは、製品やサービスをきっかけに会話が始まりますが、こうした交流会では、隣に座ったことから思いがけない出会いが生まれます。学生たちにとっても、普段は接する機会の少ない海外で働く人たちと、直接話ができる時間になりました。
さらに、抽選会ではくるみさんが当選!なんとマッサージ機が当たりました!
壇上で英語のスピーチをすると、同じテーブルの参加者から「くるみー!」と声が上がります。少し前まで初対面だった人たちが、名前を呼んで応援してくれる。そんな光景も印象に残りました。


パーティーの終了後には、主催者である釜山創造経済革新センター(BCCEI)のキム代表にもご挨拶できました。現地へ足を運び、人と会い、つながることの大切さについてお話を伺いました。朝から展示会で取材を重ね、夜にはさまざまな国や地域で働く人たちと交流した学生たち。実際に参加してみたからこそ、MICEが人と人をつなぐ場であることを感じられたのではないかと思います。

3日目(10月8日) 釜山ワーケーション中央センターで、パソコンを開いてひと仕事
最終日はホテルをチェックアウトし、釜山駅前にある「釜山ワーケーション中央センター(Busan Workation Central Center)」へ向かいました。ワーケーションとは、仕事(Work)と休暇(Vacation)を組み合わせた言葉です。普段の職場を離れ、旅先などで仕事をする働き方を指します。
センターでは、スタッフの方から施設の概要や利用方法について説明を受け、デスクスペースなどを見学しました。その後は、学生たちも実際に席に座り、パソコンを開いて施設を利用してみました。


海外のイベントに参加し、現地の人と交流する。そして、旅先で仕事ができる施設も使ってみる。今回の釜山取材では、学生たちに、さまざまな働き方や海外との関わり方に触れてもらいました。
午後には、それぞれ帰路へ。最後はみんなで記念撮影!3日間の釜山取材を終えました。

学生2人は何を持ち帰った?出会いを通じて見えてきた、今の自分にできること
来美さん:肩書きのない学生でも今できることがある。起業家との出会いで見つけた行動のヒント
「BOUNCEでは、企業の方とお話する機会が多かったです。スタートアップとして始められたきっかけを聞いたり、そこに対する熱意とかを聞けて、すごい刺激をもらいました。身近なことからビジネスに繋げられたりするんだというのも知れて、良い経験でした。交流会ではニューヨークで働く女性に、肩書きのない学生でもできることを教えてもらえたり、企業さんへのアプローチの仕方とかも学べました! イベントに出向いたり、自分ができることを話したり、ひたすら自分のブランディングをしていけば絶対繋がるからと教えてもらって。今の私でもできることだし、早速実践したいと思います」

響己さん:「何から始めたらいい?」のヒントを探して。釜山で一歩踏み出した3回目のスタートアップイベント
「スタートアップ関連イベントは、実は3回目なんです。初めては高校生の時でした。1人だったら不安もあるし、そこまで喋りかけていなかったし、やりきった感じはいつもなくて。今回は韓国だから、よりハードルが高くて無理なんじゃないかと。2人が背中押してくれたおかげで、自分も成長できたんじゃないかと思います。
自分が今一番困ってるのは、優先順位を決められないこと。BOUNCEという場は優先順位を決める何かしらのきっかけを見つけたいと思っていました。人と話したり経験談を聞いて、自分が何をしたらいいのかとか、ぼんやりと分かってきました。優先順位を自分なりにもう一度まとめて、どんどん行動していきます!」

「こんな世界があるんだ」MICEを知るきっかけをつくりたい
私たちが学生と一緒に釜山を訪れた背景には「MICEをまず知ってもらいたい」という思いがあります。
世界の人とつながる仕事がしたい。地域を元気にしたい。人が集まるイベントをつくってみたい。そんな関心があっても、それがMICEという仕事につながっていることを知る機会は、まだ少ないかもしれません。就職活動でMICE業界を選ばなかったとしても、将来MICEにつながっていることに気がつくかもしれません。
そこでMICE TIMES ONLINEでは、学生が初めてMICEに出会う「My First MICE」をコンセプトに、業界や仕事を知るきっかけづくりに取り組んでいます。Webサイトの「MICEキャリアナビ」や、大学に配布する冊子「MICE ZINE」も、その一つです。イベントの現場や、そこで働く人を紹介しながら、学生にMICEの世界を届けています。
目指しているのは、若い世代にとって「MICEを憧れの業界に」すること。仕事の内容を知り、現場で働く人に会い、自分も関わってみたいと思える機会が必要だと考えています。これからのMICEを担う人材の育成も、私たちが向き合っているテーマです。
2人の目に釜山がどう映ったのか、学生の視点からのレポートもMICE TIMES ONLINEでお届けします。