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イベントの取材・レポート

参加者が「次も参加したい」と思える学会づくり。福井県で開催された国際会議「IIAI AAI 2026」で実践された3つの特別感/PR

学会・コンベンションでは、参加者に「また来年も参加したい」と思ってもらうことが、継続的な開催につながります。研究発表や講演内容は重要。しかし、その場でしか味わえない体験を提供することも重要ではないでしょうか。

2026年7月に福井県で開催された国際会議「IIAI AAI 2026」では、参加者のロイヤルティ向上を目的に特別感を感じられる、さまざまな工夫が取り入れられていました。本記事では、福井県でのMICE開催で実現する「3つの特別感」を紹介します。

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IIAI AAI 2026のWebサイトより
IIAI AAI 2026のWebサイトより

福井県を舞台に開催された国際会議「IIAI AAI 2026」。世界14カ国から400名が参加

2026年7月、「IIAI AAI 2026(第20回先進的応用情報学国際会議)」が福井駅前のアオッサを中心として開催されました。世界14カ国から約400名の研究者やエンジニア、学生らが参加し、コンピュータ科学や情報科学に関する議論が交わされました。

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この学会でしか体験できない「特別感」が、参加したい理由のひとつになる

「IIAI AAI 2026」が目指すのは、初めて参加した人に、次も参加したいと思ってもらえる学会づくり(ロイヤルティを高めること)です。主催者の特定非営利活動法人 国際応用情報学研究機構 松尾徳朗 教授に伺いました。

松尾教授
松尾教授

「参加者が福井に観光で来ることはできます。ですが、1人や家族、少人数のグループでは利用できない場所があるんですよ。わたしたちは国際会議の時だからこそ体験できるものを用意します。『自分たちは特別な体験をしている』と感じてもらえますよね」

それを積み重ねることで、開催地が変わっても再び参加したいという動機につながり、継続的な参加を促します。

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アオッサでの懇親会。足を動かし、最前線で参加者と接する松尾教授

福井での開催では一乗谷朝倉氏遺跡を貸し切ったレセプションや、体験型エクスカーションなど、参加者だけが味わえる特別なプログラムが随所に盛り込まれていました。どのように実現したのかを見ていきましょう。


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福井県が実現したMICE参加者だけが味わえる3つの特別な体験

1.一乗谷朝倉氏遺跡の唐門前広場を貸し切った歴史的空間での野外バンケット

参加者が特別感を感じられるポイント

  • 普段バンケットとしては使えない史跡を貸し切ってレセプション
  • 火縄銃での祝砲など、一乗谷朝倉氏遺跡に合わせた演出
  • キッチンカー食べ飲み放題
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広大な歴史遺産が一夜限りのレセプション会場に

一乗谷朝倉氏遺跡は、約450年前に越前を治めた朝倉氏の城下町跡です。最盛期には京都に次ぐ文化都市として栄え、公家や僧侶、商人が行き交う活気あふれる町でした。1573年、織田信長の侵攻によって焼き払われ、約400年にわたり田畑の下で眠り続けました。発掘調査によって当時の町並みがほぼ完全な形で姿を現したことから「日本のポンペイ」とも呼ばれています。
国の特別史跡・特別名勝・重要文化財の三重指定を受ける、福井を代表する歴史遺産です。

朝倉氏遺跡復元街並みを散策する様子
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一乗谷朝倉氏遺跡を国際会議のバンケット会場(ユニークベニュー)として貸し切るのは、今回が初めての試み。広場にはテントとキッチンカーが並びます。前方にはステージ、後方には参加者が食事や歓談を楽しめるよう、テーブルと椅子が配置されています。

(テントの中の様子。動画・音声が流れます)

福井市の副市長 荒木一男氏と、主催者の挨拶からはじまり、食事、歓談へと進みます。

キッチンカーは食べ放題、ドリンクは飲み放題です。福井の地酒は、荒木副市長から振る舞われました。

キッチンカーは食べ放題、ドリンクは飲み放題です。福井の地酒は、荒木副市長から振る舞われました。

法被や兜、刀の貸し出しも行われていました。参加者は身に着けて記念撮影を楽しみ、特に海外からの参加者が次々に写真を撮る姿が見られました。

(動画・音声が流れます)
主催者である先生方。積極的に場を盛り上げようとされていました。
主催者である先生方。積極的に場を盛り上げようとされていました。
「朝倉ゆめまる」と「福いいネ!くん」と記念撮影
「朝倉ゆめまる」と「福いいネ!くん」と記念撮影

戦国時代を感じさせる 火縄銃の轟音

レセプションのハイライトとなったのが、越前火縄銃保存会による火縄銃演武。

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「放て!!」の掛け声とともに一斉射撃が行われると、谷全体に轟音が響き渡り、白煙が立ち上りました。焦げたような火薬の香りも漂います。

(動画・音声が流れます)

参加者からはその迫力に驚きの声と拍手が送られます。使用されたのは空砲ですが、その音量と迫力は想像以上。戦国時代の城下町という歴史的な舞台だからこそ、実現できる演出となっていました。

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そのあとは、ステージで研究成果を称えるセレモニーが執り行われました。参加者の記憶には研究成果だけでなく、歴史遺産で「表彰を受けた」「世界中の研究者と交流できた」という、この学会に参加したから得られた体験が残ります。それが、次回も参加したいという動機の一つになります。

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バンケットとして活用される際には「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」に足を運ぶのもおすすめです。館内には朝倉館の一部が原寸大で再現されているほか、一乗谷がどのような城下町だったのかを分かりやすく学ぶことができます。歴史的背景を理解したうえでレセプションに参加すれば、ユニークベニューとしての特別感も一層高まります。


2.興味に合わせて選べる「食べる・つくる」を楽しむ5つの体験型エクスカーション

参加者が特別感を感じられるポイント

  • ものづくりや伝統工芸など体験コンテンツが豊富
  • コンパクトな都市構造を生かして効率よく組み合わせられる
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バス乗り場は、メイン会場「アオッサ」の目の前です

ラフな方が、良いコミュニケーションが取れる

従来の学会では、最終日に参加者全員で、同じ観光地を巡るエクスカーションが一般的です。この学会では5つのテクニカルツアー・エクスカーションを日替わりで用意。スケジュールや興味に合わせて自由に選択できます。チロルリボン工場見学や酒蔵見学、越前そば打ち体験、アイスクリーム作り、かまぼこ作りなど自ら手を動かし工程を学べるプログラムが用意されていました。

松尾教授「学会は論文を発表する場であると同時に、新しい研究者と出会い、将来の共同研究へとつながる場でもあります。堅苦しいよりもラフな方が、良いコミュニケーションが取れます」

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研究分野と地域産業がつながる。福井ならではの体験型エクスカーション 

編集部が参加したのは、チロルリボンの工場見学。福井県丸岡町は古くから織物産業が盛んな地域であり、国内でも数少ないチロルリボンの量産工場が残っています。半世紀以上前から稼働するレトロなシャトル織機がリズミカルにリボンを織り上げていきます。

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(体験の様子 動画・音声が流れます)

経糸、緯糸をそれぞれ束ねるところからスタートです。時には糸を準備する機械の操作を一部体験できたり、触らせてもらえます。

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工場見学では、稼働する織機の大きな音を考慮し、ガイドの説明をクリアに聞ける専用の受信機とイヤホンを貸し出されています。音量を個別に調整できるため、耳の不自由な方や聴力に不安のある方も安心して参加できます。

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また、日本語と英語の2コースで分けて実施され、英語コースには通訳の方が同行しました。海外からの参加者も言語の壁を感じることなく、理解を深められます。

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織機で使われる「紋紙」の仕組みに参加者は興味を持っていました。パンチカードのように穴の位置で柄を制御するこの技術は、プログラミングの原点ともいわれています。情報学を専門とする研究者たちは「どのような仕組みで制御しているのですか」と次々に質問を投げかけていました。地域産業が研究分野と自然につながる学びの場になります。

工場長の松川享正氏(右側)と参加者の様子
工場長の松川享正氏(右側)と参加者の様子

北陸新幹線の金沢~敦賀間開業にあわせて、2023年1月にはファクトリーショップ「RIBBON’S CAFE」がオープンしました。店内には、レトロでかわいらしいリボンを使ったポーチやスマホストラップなどが並びます。見学の記念や福井のお土産にいかがでしょうか。

地域資源を生かした5つの体験型エクスカーション

・久保田酒造と一乗谷朝倉氏遺跡
1753年創業の老舗「久保田酒造」を訪れ、福井の地元米と澄んだ地下水を使った地酒づくりと試飲を楽しみます。

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・ミルク工房奥越前と越前大仏
六呂師高原ののどかな自然に囲まれた「ミルク工房奥越前」にて、新鮮な牛乳を使ったアイスクリーム作りを体験。勝山市にある壮大な「越前大仏」を訪れ、奥越エリアの豊かな自然とスケールの大きな文化を満喫するコース。

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・越前そばの里と越前千代鶴の館
福井の代表的な食文化である「越前そば」のそば打ち体験を行い、自分で打ったばかりのそばを昼食として味わいます。午後は「越前千代鶴の館」へ移動し、日本の伝統的な鍛冶技術である越前打刃物の歴史を学び、職人の手仕事が息づく工房を見学します。

・安田かまぼこ道場と養浩館庭園福井市立郷土歴史博物館
竹の棒にすり身を巻き付けて焼く伝統的な「蒲の穂(ちくわ)」づくりを体験し、出来立ての海産物の美味しさを味わいます。国の名勝に指定されている「養浩館庭園」と、隣接する「福井市立郷土歴史博物館」を訪れ、福井の歴史的背景について理解を深めます。

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さらに自ら企画された「御朱印ウォークチャレンジ」も魅力的。会期中の御朱印を集めた参加者には、福井県の特産品がプレゼントされました。エクスカーション以外でも、自発的にまちを歩き、福井を楽しみたくなる仕掛けが用意されていました。


3.街の日常空間を占有する演出が、学会への帰属意識を可視化する

参加者が特別感を感じられるポイント

  • 駅前の公共空間を学会参加者だけで貸し切るという非日常性
  • 大型ビジョンに学会の映像を映し出し「自分たちのための空間」を演出
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福井駅周辺には、徒歩圏内に複数のコンベンション施設が集積しています。そのひとつが、駅西口にある全天候型広場「ハピテラス」です。大型ビジョンがあり、ステージの設置も可能です。
学会プログラム終了後、参加者はメイン会場の「アオッサ」から徒歩約3分の「ハピテラス」へ移動しました。すぐにレセプションへ参加できるのが良いですね。

設営前
設営前
設営後
設営後

自分たちのために用意された開放感のある吹き抜けの広場で、冷えたドリンクや食事を片手に交流を楽しみます。

福井駅の目の前という立地柄、周囲は帰宅や買い物などを急ぐ多くの人々が行き交います。楽しげなジャズの生演奏と華やかな雰囲気に、街を行く人がとても羨ましそうにその様子を眺めていました。

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(動画・音声が流れます)

秋吉のやきとり、鯖江の歩きながら食べられるソースカツ丼など、キッチンカーが6台並びます。福井名物を少しずつ味わえるよう、料理はすべて一口サイズやハーフサイズで提供。これは福井県観光連盟が事前に各業者と打ち合わせを行ったとのこと。参加者の満足度を高めるためのサポートが形になっています。

(参加者はキッチンカーから好きなものを好きなだけいただけます。動画・音声が流れます)

普段は企業広告などが流れている大型ビジョンには、過去大会の様子を特別に上映。学会がこれまで各地で積み重ねてきた歴史や雰囲気を感じられる演出でした。

(IIAI AAI2022のプロモーションビデオ。動画・音声が流れます)

松尾教授は、「私たちの学会では、毎年このような特別な体験を提供していることを伝えたかった」と話します。学会が大切にしてきた価値観や文化を参加者全員で共有し「この学会らしさ」を実感してもらうためのものです。その体験が参加者同士の一体感を生み、「また来年も参加したい」という継続参加への期待にもつながる仕掛けです。

初めて参加した人にとっては、この学会のことを知る機会になります。リピーターにとっては、これまでの開催を振り返れる時間となっていました。こうした体験の積み重ねが、学会への愛着を育むのだろうと思います。

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Editor’s note:福井県で行う次回も参加したいと思える学会づくり

・開催地ならではの体験をつくる
・自由に参加できる豊富なエクスカーション
・交流が生まれる場の設計

エクスカーションで養浩館庭園へ訪れた時の様子

という3つの工夫を通じて、参加者を「一度きりの参加者」ではなく、継続的に参加してもらえるような取り組みをされていました。その実現を支えたのが福井県の地域資源と、行政・観光団体・地域事業者が連携したMICE支援体制でした。

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福井駅周辺にはコンベンション施設が集積し、移動しやすいコンパクトな都市環境があります。一方で少し足を延ばせば、一乗谷朝倉氏遺跡のような歴史空間や、エイトリボンをはじめとするものづくりの現場、酒蔵や食文化など、その土地ならではの体験が数多く存在します。都市としての利便性と、非日常を演出できる地域資源の両方を兼ね備えていることが、福井県ならではの強みと言えるでしょう。

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福井のMICEを検討される方は、福井県観光連盟までお問い合わせください。

団体名:福井県観光連盟
所在地:〒910-0005 福井県福井市大手2丁目4番13号 大手合同事務所2階
電話:0776-23-0181
E-mail:fukui22@fukuioyado.com

Webサイト「大会・会議をご検討の方へ」:https://www.fuku-e.com/business/convention/index.html
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