【大阪市公募】インテックス大阪の改修方針等の検討業務委託：大阪のMICE競争力強化へ/夢洲IR-MICE整備計画と補完しあえる関係づくり

2025.03.01

MICEをテーマにした展示会の様子、インテックス大阪はMICE産業発展のための取り組みを積極的に取り組んでいます

築40年、インテックス大阪の現状と改修の必要性

インテックス大阪は1985年の開業以来、西日本最大の展示会場として国内外の多くの展示会や見本市を支えてきました。しかし、開業から約40年が経ち、施設の老朽化や設備の時代遅れが目立つようになっています。主催者ヒアリングから、施設全体の規模、アクセス、来場者動線、駐車場、共用施設、展示館の構造・仕様、照明、空調など、多岐にわたる課題が浮き彫りになっています。さらに、全国各地で新しい展示施設が次々と建設される中、大阪の都市としての競争力低下が心配されています。

夢洲のIR-MICE計画との相乗効果を目指して

インテックス大阪がある咲洲に隣接する大阪市此花区の夢洲では、統合型リゾート（IR）の整備が進められています。2030年の開業時には2万平方メートルの展示施設を整備、開業後は15年以内に6万平方メートル、35年以内に10万平方メートルに段階的に拡張する計画になっています。大阪市は、夢洲におけるIR‐MICE整備計画を踏まえ、既存の公的展示施設であるインテックス大阪の改修計画を検討する必要があるとしています。

プロポーザル方式で改修方針を公募

大阪市は2025年2月26日、インテックス大阪の改修方針を検討するためのプロポーザル方式による業務委託を公告しました。この業務では主に以下の項目が検討されます。

1. 現状の課題と利用者ニーズの把握

令和4年度にまとめられた改修基本計画の調査内容や、令和5年度の開催実績をもとに、施設の問題点や主催者が求めるものを整理します。これにより、改修の方向性を定める基礎資料を作成します。

2. 将来の展示会需要を予測

今後25年間の大阪府内における展示会・見本市の開催見込み件数を予測し、将来の需要動向を把握します。これにより、改修後の施設に必要な規模や機能を適切に設計するための指針とします。

3. IR-MICE施設との役割分担と連携策

夢洲のIR-MICE施設とインテックス大阪が、それぞれの特色を活かしながら効果的に役割分担や連携を図る方法を検討します。利用目的や開催される催事の種類など、様々な角度から分析を行い、両施設が互いに補完し合える関係づくりを目指します。

4. 最適な改修方法と事業手法の検討

老朽化対策と機能向上を実現するため、建て替えを含めた改修方法を比較検討します。また、指定管理者制度やDBO方式（設計・建設・運営）、コンセッション方式など、長期的に持続可能な運営を実現するための事業手法も検討します。

5. 工事中も営業継続できる改修計画

改修工事中も、工事していないエリアでは催事を継続して開催できるよう配慮します。これにより、利用者への影響を最小限に抑えながら施設の更新を進めます。公募は2025年2月26日に始まり、3月21日まで参加申請を受け付け、4月下旬に選定結果を発表、12月1日までに業務を完了する予定です。

参加資格

本プロポーザルに参加できるのは、以下の条件を満たす事業者です。

平成26年度以降にMICE施設の整備を目的とした基本構想や調査検討業務の契約実績を1件以上有すること
または、都道府県・政令市が策定した行政計画策定支援業務の契約実績を1件以上有すること

公募スケジュール
公募開始：令和7年2月26日
質問受付期限：令和7年3月6日
参加申請書類の提出期限：令和7年3月21日
企画提案書の提出期限：令和7年4月4日
プレゼンテーション審査：令和7年4月23日（予定）
契約締結・事業開始：令和7年5月中旬（予定）
事業完了：令和7年12月1日
本プロポーザルでは、現状の課題分析や主催者ニーズの整理、今後のMICE市場動向を踏まえた最適な事業手法の提案が求められています。提案方法としては、指定管理者制度、DBO方式、PFI方式など多岐にわたる事業手法が検討され、単体またはジョイントベンチャーによる参加が認められます。

夢洲駅にて。まもなく大阪・関西万博が開幕。夢洲にはいずれ新たなMICE施設が建設されます

MICE都市・大阪の飛躍なるか：注目したいインテックス大阪の改修方針

インテックス大阪の改修には、施設の老朽化対策、IR-MICEとの差別化、そして多様なニーズへの対応など、多くの課題が横たわっています。これらの課題を克服し、真に魅力的な展示会場を実現するためには、関係者の知恵と努力が不可欠です。西日本には大型の展示施設が少なく、インテックス大阪の果たしてきた役割はとても大きいです。改修はMICE業界だけではなく、広く日本の産業発展にも関わってくるものと言えます。アジアのMICE都市として大阪が飛躍するため、どのような改修方針が提案されるか注目しましょう。

インテックス大阪　Webサイト　https://www.intex-osaka.com/jp/

公募型企画競争方式（プロポーザル方式）発注案件（国際見本市会場（インテックス大阪）の改修方針等の検討業務委託）
https://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000644996.html