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台湾高鉄の新型車両「N700ST」が台湾へ。日立・東芝、2028年末までに全12編成を導入予定/台湾MICEにおいて重要な存在である高速鉄道の輸送力約25%増加の見込み

日立製作所と東芝などで構成するHitachi Toshiba Supreme Consortium(HTSC)は、台湾向け新型高速鉄道車両「N700ST」の第1弾となる1編成12両の製造を完了し、日立製作所の笠戸事業所から台湾へ出荷します。2023年5月に台湾高速鉄路から受注した全12編成、144両の一部で、2028年末までに全編成を営業運転へ導入する予定です。車両数の増強により、ピーク時の輸送力は現在と比べて約25%増える見込みです。

新型車両
台湾向け新型高速鉄道車両「N700ST」

JR東海のN700Sをベースに設計

N700STは、JR東海の最新型新幹線車両「N700S」をベースに、台湾高鉄の運行環境やニーズに合わせて設計されました。1編成の長さは約300メートルで、営業運転時の最高速度は時速300キロです。

先頭車両には、トンネルへ進入する際に発生する抵抗を低減する形状を採用しました。駆動システムには、炭化ケイ素を使ったSiCデバイスと、走行風冷却システムを組み合わせています。機器の小型化と軽量化、電力消費量の削減を実現したとしています。

外観は白を基調とし、台湾高鉄のコーポレートカラーであるオレンジと、現在運行している「700T」に使われている黒いラインを組み合わせました。オレンジは明るい未来などを意味し、既存車両との連続性を残しながら、新世代の高速鉄道車両としての先進性とスピード感を表現しています。

N700ST

5月19日には日本車輌製造株式会社が、第1回目の出荷を行うと発表

日本車輌製造株式会社(本社:愛知県名古屋市)のプレスリリースによれば「日本車両は、国内向け鉄道車両の製造に加え、海外向け案件にも継続的に取り組んでおり、台湾向け高速鉄道車両においても長年にわたり培ってきた高速鉄道車両の製造技術および品質管理の知見を活かし、計画どおり製造を進めてきました。」ということで、日立への第1回目の出荷を行うと、2026年5月19日に発表しています。同社は新型高速鉄道車両12編成144両の一部を、製造するものとしています。

停電時に使用する自走バッテリ装置を搭載

N700STには、架線停電などで電力を失った場合のバックアップ電源として、東芝のリチウムイオン電池「SCiB」を採用した自走バッテリ装置が搭載されます。停電時には、車両を低速で安全な場所まで移動させるための電力として使用できます。また、照明やトイレなどの車内設備を継続して利用するための電力としても活用できます。

全席にコンセント、全車両に荷物置き場

標準車両には、リクライニング時に座面が沈み込む座席を採用します。ビジネスクラス車両には、身体を包み込む形状の座席を導入し、車内の色はグレーを基調とした落ち着きのあるものです。

車体の揺れを抑えるフルアクティブ制振制御装置を導入するほか、全席にコンセントを設置します。車内案内には、上下2段で表示できるフルカラー液晶ディスプレイを採用。列車情報や次の停車駅を確認しやすくします。

荷物置き場は全車両に設置されます。授乳室には洗面台、コート掛け、ベビーシートを新設し、車椅子スペースも現行車両より増やします。

2028年末までに全12編成を営業運転へ

N700STは、北部の台北市南港駅から南部の高雄市左営駅まで、台湾の南北を結ぶ主要交通ルートを走行します。全12編成、144両は2028年末までに営業運転へ導入される予定です。台湾高鉄は、南港、台北、板橋、桃園、新竹、苗栗、台中、彰化、雲林、嘉義、台南、左營(高雄)の12駅、約350キロを結んでいます。MICEで台湾の複数都市を訪れる場合にも利用される都市間交通です。沿線には台湾の主要なMICE施設が位置しています。

台湾MICEの都市間移動を支える新世代車両

台湾では、台北だけでなく、台中、台南、高雄でも展示会や国際会議といったMICE開催が盛んです。MICE TIMES ONLINE編集部は、台湾MICEの取材を現地で行っています。台北と高雄が日帰りで移動できる高速鉄道によりMICEの可能性が大きく広がった、というお話もうかがいました。
N700STの導入は鉄道車両の更新にとどまらず、主要都市間の移動環境を改善し、台湾全体でMICE参加者を受け入れるための基盤強化につながります。今後は、台湾での試験や営業運転開始までの予定も注目されます。

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