日本観光振興協会、観光地域づくり支援メニューを公開 「調べたい」「育てたい」まで5分野で網羅
公益社団法人日本観光振興協会(東京)は、自治体・DMO・観光協会をはじめとする観光地域経営に携わる関係者を対象に、観光地域づくり支援の全サービスメニューを取りまとめ、公開した。「調べたい」「計画したい」「見直したい」「伝えたい」「育てたい」という5つの課題分野に対応するかたちで、データ活用ツールから人材育成プログラムまで、幅広い支援メニューを用意している。
同協会は、「日本の観光振興を担う中核機関(ナショナルセンター)として、観光立国の実現に向けた取り組みを行っている」と位置づけ、「自治体・DMO・観光協会をはじめ、観光地域経営に携わる皆様に寄り添いながら幅広く支援することで、日本各地の魅力創出と地域経済・観光産業の持続可能な発展、そして国際的な親善・交流に貢献する」としている。
※この記事は観光経済新聞の提供によるものです。


5つの課題に対応する支援体制
同協会が整理した課題分野は以下の5つだ。
- 調べたい:自分の地域の課題を知りたい、どんな観光資源があり、どんな人がどれだけ訪れているかを整理する
- 計画したい:計画・戦略・目標値(KGI、KPI等)を立てたい、データを使って実態・課題を分析し計画・戦略を作る
- 見直したい:実施した施策の効果を測り、必要な計画・戦略を見直したい、達成目標(KGI、KPI等)の進捗を確認する
- 伝えたい:地域への誘客を促進したい、地域の魅力を発信する
- 育てたい:観光産業で幅広く活躍できる人材を育成したい、DMOに必要な人材や観光DX分野に詳しい人材等
各分野に対応するかたちで、具体的なサービスが整備されている。
全国観光DMP(データマネジメントプラットフォーム)
データ活用ツールの中核となるのが「全国観光DMP」だ。基本機能と拡張機能の2段階で提供される。
基本機能では、約30の統計・ビッグデータを可視化し、手間なく地域の観光動向を把握できる。来訪者数・属性・消費等のデータを活用して計画の説得力を高められるほか、地域を取り巻く観光の概況を経年比較できる点も特徴だ。プランは市区町村・都道府県・全国の各プランから選択できる。
拡張機能では、専用ダッシュボードで独自データの分析を深められる。策定に必要な動向・経済波及効果・消費・人流などを多角的に分析できるほか、施策効果の経年比較も可能だ。生成AI機能も活用でき、分析の工数を削減できる。さらに、DMOの新要件に準拠した数値管理に特化した「DMOパッケージ」を新規リリースしている。
観光予報プラットフォーム
「観光予報プラットフォーム」は、宿泊データを基軸に、6か月先までの需要予測と実績分析を提供するサービスだ。宿泊データを分析し需要の波・繁閑の先読みができ、需要予測をKPI設定に活用できる。予測と実績の比較から施策を検証できる点も特徴とする。有料会員向けの月額プランや商用プランが用意されている。
各種調査・分析
「各種調査実施」では、来訪者・事業者・住民の生の声を定量化できる。戦略の根拠となるデータの収集・指標の算出や、経年変化の把握・比較検証が可能だ。
来訪者アンケート調査については、対面・QRコード・WEBの3形式で目的に応じた来訪者調査を実施する。
その他の調査・分析として、事業者ヒアリング、住民意向、客数・消費額、波及効果、マーケティング分析も提供しており、いずれも課題に応じて個別に提案するかたちをとっている。
観光地域診断ツール「D-NEXT」と計画・戦略策定支援
「観光地域診断ツール D-NEXT」は、地域の強み・連携の状況を可視化し、診断結果を戦略立案の起点に活用できるツールだ。関係者意識の変化を定点で把握できる機能を持ち、観光人材向け次世代研修プログラムとしてワークショップ形式での実践学習も組み合わせられる。基本プランとワークショッププラスの2種類が提供されている。
「計画・戦略策定支援」では、計画提案から策定会議の運営、計画決定までを一貫して実施できる。効果検証や計画の見直しにも対応する。「DMO事業計画 伴走支援」として、観光振興計画の策定・合意形成までを伴走型で個別にサポートするサービスも展開している。
生成AIによる課題分析レポート作成
「生成AIによる課題分析レポート作成」は、生成AIを活用して課題分析・施策立案を行うサービスだ。施策の検証や見直しにも生成AIを活用できる。「デジプラ × AI 支援」として、観光振興計画・戦略策定をAIで支援し、個別AI分析レポートの提供も可能としている。戦略策定プランとAI分析レポートプランの2つを提供している。
情報発信ツール
情報発信・誘客促進の分野では、2つのサービスが用意されている。
「観光情報ガイド JAPAN 47 GO」は、全国11万件の旅行・お出かけ情報が検索できるサービスだ。
「DMO支援サイト DMOなび」は、DMOに関する情報が収集できるサイトで、DMO関係者向けに特化した情報基盤となっている。
「全国観光情報DB」は、観光関連の静態・季節・イベント情報を一元管理し、地域の発信を強化するサービスだ。静態・季節・イベント別のプランが設定されている。
人材育成プログラム
人材育成の分野では、3つのプログラムが展開されている。
「観光地経営人材育成プログラム Dスタディ」は、観光地域づくりの基礎知識や実践的スキルを多角的に習得できる観光庁認証研修プログラムだ。観光地域づくり法人の中核・実務人材を体系的に育成することを目的とし、実務人材向けと中核人材向けの2課程が設けられている。eラーニングも有料で提供されている。
「データサイエンティスト育成・認定制度 観光DX検定」は、DXを中心に観光業界で必要となる知識を体系的に学習・認定するもので、データ活用からDXまでの知識とスキルを体系的に習得・証明できる制度だ。学生・一般向けに開かれており、eラーニングも有料で提供されている。
「幹部候補生対象 観光経営トップセミナー」は、観光地経営の視座・知見と将来役立つ人脈を獲得できるプログラムだ。会員のみが参加できる通常会員・プレミア会員・プラチナ会員・協賛特別会員の各区分が設定されている。

記事提供:観光経済新聞