2026年10月、東海道および山陽新幹線が最上位クラス座席「Supreme Class」を導入/プライバシー確保とくつろぎの空間
2026年10月1日より東海旅客鉄道株式会社と西日本旅客鉄道株式会社は、東海道および山陽新幹線において、グリーン車を上回る最上位クラスの座席としてSupreme Class(スプリームクラス)を順次導入します。多様化する移動のニーズに応えるため、完全な個室タイプと半個室タイプの二つの座席が新たに用意されました。プライバシーを確保しながら、くつろぎの時間を過ごせる新しい選択肢として設計されています。本記事では、座席の設備や主要区間の利用料金、そして車内で提供される専用の飲食サービスについてお伝えします。

東海道および山陽新幹線における最高品質の空間設計
設備の名称とロゴデザインに込められた想い
新しい設備の名称であるSupreme Classは、最高の品質やサービスを提供したいという理念に基づいて名付けられました。ロゴマークは、中央のなめらかな曲線によって名称の頭文字であるエスを表現しています。さらに、車窓をイメージした外枠の中に、富士山や海原といった東海道および山陽新幹線沿線の特徴的な風景が描かれています。ロゴの色彩は、日本の伝統工芸である黒漆や金蒔絵を連想させる深みのある色合いとなっており、格式の高さを伝えています。
プライバシーと快適性を両立する座席の基本機能

個室タイプと半個室タイプのどちらの座席にも、交通系ICカードやQRコードで解錠できる電子錠付きの扉が設けられており、オートロック機能も備わっています。車内には、利用者の体格に合わせて背もたれ腰部の形状を調整できる電動ランバーサポート付きのシートが採用されました。足元を支えるレッグレストや大型のテーブルも完備されています。手荷物については、航空機内に持ち込める規定サイズのスーツケースを足元に収納できる専用のスペースが確保されており、足元のゆとりを妨げません。
通信環境と最新の音響設備による利便性の向上
座席には専用のタブレット端末が設置されており、利用者は手元で照明や空調、そして車内放送の音量を個別に調整できます。専用のWi-Fi環境が整備されているため、移動中の作業やデータの通信も円滑に行えます。窓には、鉄道車両として世界で初めて搭載されたAGC株式会社の5G対応透明ガラスアンテナが採用されました。音響面では、周囲への音漏れを低減するNTTグループの特許技術を用いたシートスピーカーが内蔵されており、自身のスマートフォンなどの機器とBluetoothで接続して音声を楽しむことができます。
沿線の伝統工芸品を取り入れた上質な車内装飾
車内の空間には、日本の伝統的な美しさが随所に取り入れられています。座席付近には、沿線地域の伝統工芸品を組み込んだ特別なオーナメントが飾られます。東海旅客鉄道株式会社の編成では、岐阜県の美濃焼が採用されました。このオーナメントのフレーム部分には、新幹線の廃車からリサイクルされたアルミニウム材が再利用されています。西日本旅客鉄道株式会社の編成では、大阪府の注染や兵庫県の播州織、岡山県の金襴、広島県の江田島紙布、山口県の柳井縞、福岡県の博多織など、複数の地域の工芸品が用いられ、地域性を感じられる空間となっています。

座席タイプ別の定員とサービス開始時期の違い
2026年10月から利用可能な個室のキャビン 当初はN700Sに順次導入
Supreme Classには、二つの異なる座席区分が設定されます。完全な個室タイプであるSupreme Class Cabinは、2026年10月1日に運行される東京駅午前6時発ののぞみ1号からサービスを開始します。キャビンは1編成につき二つの部屋が用意されます。7号車に設置されるキャビンは広めの空間となっており、ゆったりと過ごせるソファが配置されています。こちらは2名での利用も可能ですが、座席の向きは博多方面に固定されており、転換することはできません。

10号車に設置されるキャビンは1名専用の空間です。どちらも静粛性を重視した作りとなっており、ビジネスの準備や休息など、目的に合わせて自由な時間を過ごすことができます。当初はN700Sの16両編成に順次導入され、10月時点ではのぞみ、ひかり、こだまの各列車を含めて1日あたり上下計12本程度で運行される予定です。

2027年度中に導入される半個室タイプのシート
2027年度中には半個室タイプであるSupreme Class Seatのサービスが始まります。シートは10号車のグリーン車寄りにある座席5列分のスペースを改装し、新たに6席が設置されます。通路と座席の間には出入り用の電子錠付き扉が設けられます。座席自体は、周囲からの視線を遮る大型のバックシェルタイプとなっており、個室に近い安心感を得られます。シートの最大の特徴は、座席の向きを転換できることです。座席の向きを変えることで前後で向かい合っての対面利用が可能となり、複数名での移動にも適しています。キャビンと同様に、専用タブレットやシートスピーカーなどの設備はすべて搭載されます。


のぞみとひかりで提供される独自の車内飲食メニュー
乗車後に無料で提供されるウェルカムサービス
のぞみおよびひかりに乗車した利用者を対象に、専用の車内サービスが用意されます。乗車後には、無料のウェルカムサービスとして、お飲み物とお菓子が一人につき一回提供されます。飲み物は、あたたかいコーヒー、緑茶、紅茶のほかに、冷たいアルコール類やソフトドリンクの中から好みのものを選ぶことができます。お茶請けとして提供されるお菓子は、新幹線の沿線地域にゆかりのある銘菓などが予定されています。
専用タブレットから注文可能なモバイルオーダー
グリーン車で実施されているモバイルオーダーサービスも、Supreme Class仕様に拡張されて提供されます。座席に備え付けられた専用のタブレット端末を通じて、追加の飲み物や軽食を有料で注文することができます。注文した商品は、専任のパーサーが直接座席まで届けます。モバイルオーダーのメニューには、ジュース、お茶、アルコール類といった飲み物に加え、おつまみなどの軽食が含まれます。季節を感じられる沿線地域の特産品が、Supreme Class限定の商品として順次追加される予定です。なお、パーサーが乗務しない一部の列車や区間では、これらの車内サービスは提供されません。

座席の利用料金とチケットレス乗車の仕組み
主要区間におけるキャビンの片道料金設定
キャビンの利用料金は、区間や座席の広さによって明確に分けられています。東京と新大阪の間を通常期に大人1名で利用する場合、エクスプレス予約では7号車が60500円、10号車が42100円に設定されています。東京と博多の区間では、7号車が90220円、10号車が63620円です。スマートEXを利用する場合は、エクスプレス予約の料金に数百円程度の加算があります。
これらの料金は乗車券と特急券が一体となったチケットレス専用の価格です。なお、7号車を2名で利用する場合、同行する方は普通車自由席、普通車指定席、またはグリーン席のいずれかの乗車券および特急券を別途購入する必要があります。シートの料金については、詳細が決まり次第、別途案内される予定です。
予約方法と乗り継ぎに関する具体的な規定
予約はエクスプレス予約およびスマートEXのシステムを通じて、2026年9月15日の午前5時30分から開始されます。発売開始日以降は、乗車日の1カ月前の午前10時から購入可能になります。乗車の際はきっぷを受け取らずに、事前に登録した交通系ICカードや乗車用QRコードを使用します。複数の列車を乗り継いで利用する場合、予約できるのは同一の設備を継続して利用するか、普通車自由席との組み合わせのみに限定されています。キャビンの7号車から10号車へ設備を変えて乗り継ぐことや、グリーン車と組み合わせて乗り継ぐことはできません。
サービス開始前の体験乗車が実施されます
実際のサービス開始に先立ち、2026年7月25日および26日の2日間にわたって、キャビンの体験乗車が実施されます。新大阪駅と東京駅の間を運行するのぞみの指定列車内で行われ、各回6名、合計24名が抽選で招待されます。体験時間は1名あたり30分程度となっており、実際の座席の座り心地や空間の広さを直接確認できる機会となります。応募は6月17日から6月30日まで、専用のウェブサイトにて受け付けています。
体験乗車の応募はこちらから
https://www.jrc-marketing.jp/campaigns/supremeclass_trialride



