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「らしさ」を見つけ、地域をMICEの舞台に変える。高松のプロデューサー・藤田徳子氏が手掛ける“場づくり”と次に手掛けるON船事業【香川MICE特集1】/PR

地域とひとの「らしさ」を見つけ、新しいMICEの場をつくる。高松には、そんな仕事を続けてきた女性プロデューサーがいます。株式会社フェアリー・テイルの代表取締役の藤田徳子(ふじたのりこ)氏です。

ウェディングで培った「らしさ」を起点にした場づくりは、企業・団体のMICEにも通じると藤田氏は考えています。「らしさ」とは何なのか。なぜ場にこだわるのか。その考え方は、現在取り組む瀬戸内の定期フェリーをMICEに活用する「ON船」にどうつながっているのでしょうか。

※2026年9月に取材
※写真はすべてフェアリー・テイルの提供によるものです。

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栗林公園での国際結婚式

「結婚式屋さん」ではなく「らしさ屋さん」

1972年に岡山県倉敷市で生まれた藤田氏は、大学卒業後に広告代理店へ勤務。自身の結婚式をきっかけに、25歳でオリジナルウェディングのプロデュース事業で起業しました。

  • 主なプロデュース事例
  • 栗林公園の文化財資源を活用したユニークベニューの基本構想、ブランディング、広報戦略の総合プロデュース
  • G7香川・高松情報通信大臣会合
  • 日中平和友好条約締結45周年記念 西日本地区日中友好交流大会
  • 外務省「地方を世界へ」プロジェクト
  • 国産高級車、海外高級ブランド等のVIPカスタマーイベント 多数
  • 高松観光プロモーション事業「ふるさと讃岐ウェディング」 ほか

株式会社フェアリー・テイル Webサイト https://www.fairytale.co.jp/btob/

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キーワードは生まれ育った土地

「地方出身の友人の結婚式に招待されて、遠方まで足を運んだことがありました。いざ会場に入ってみたら、大阪や東京で見るようなどこにでもある画一的な式場。でも二次会は日本海を一望できる温泉宿。ここで結婚式を挙げればよっぽど素敵だったのに、と思いました。その考えからふるさとの地域資源を生かして表現する『ふるさとウエディング』を確立しました」

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「結婚式屋さんと呼ばれることに違和感がありました」

結婚式もMICEも、その人や企業・団体”らしい”場をつくるという点において共通しているといいます。

「結婚式屋さんと呼ばれるのには、昔から違和感がありました。私たちは『らしさ』を追求し、主催者のメッセージが参加者に深く届く場をデザインする『らしさ屋さん』だと思っています。いわゆる大人数の運営オペレーションを行うPCOのような企業とは仕事が異なります。イベントを通じて誰に、何を伝えたいのか。その思いやメッセージを、空間のディテールから食事、演出に至るまで、細かく『らしさ』を追求し、参加者の心に深く残る場をつくるのが私たちのプロデュース領域です」

※PCO 会議運営の専門家集団。国際会議や学術大会など、大規模で複雑なイベントの企画から運営までを総合的に手がける会社を指します。
MICE業界にはどんな会社・団体があるのでしょうか これを読めばどんな業種があるのかわかる24業種を解説【MICEキャリアナビ】

クライアントと会場、2つの「常識」を理解し、新しいフレームをつくる

藤田氏がMICEをプロデュースする際に向き合う相手は、大きく2つあります。イベントを依頼するクライアントと、舞台となる会場です。どちらにも、それぞれの立場から見た常識や大切にしたいポイントがあります。その違いを理解することから仕事を始めます。

クライアント:参加者の常識を理解して伝わるメッセージに置き換える

「クライアントごとに生きている世界も、普段接している”常識”も全く違います。皆さまにとっての常識が、私たちにとっては非常識であることも多い。だからパッケージを当てはめるのではなく”どこで、誰に、何を伝えるのか”を考え抜く必要があります。受け手の文脈にシンクロして、初めてメッセージが届きます」

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会場(ベニュー):相手の優先ポイントを理解して、その場所である理由を伝える

もう一方が、会場側との調整です。

「ユニークベニューというのは、関わる角度によって、それぞれが最も大事だと思う”優先ポイント”が180度異なります。誰が良い・悪いという話ではなく、管理する立場によって、大事にすることが違うのは当然なのです」

2020年に栗林公園で行われた「レクサスの新型LS特別内覧パーティー」では、400年の歴史で初の自動車搬入と新車発表ナイトパーティーが許可されました。同社は、香川県・栗林公園観光事務所と交渉。文化財を保護する管理側にとって、庭園や建造物を守ることは何よりも重要。違いを理解したうえで、共通の”テーマ””言葉”に置き換えます。

「『日本人の美学や哲学を極限まで追求したメイド・イン・ジャパンのレクサスをこの場に迎える。その姿を全世界に発信すると、栗林公園という日本の価値をグローバルにアピールする場になります』と、意図と目指すべき着地点を明確に伝えます」

クライアントと会場それぞれの立場を理解し、その間をつなぐ。双方が納得できる新しい使い方をつくる。それが藤田氏の考える「場づくり」です。

フェアリー・テイル 事例紹介ページ https://www.fairytale.co.jp/btob/event/entry-868.html


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「当日2日間をお預かりするだけで良いのでしょうか 」 

2011年頃のこと。藤田氏のもとに「四国遊機商業協同組合」の創立50周年事業の相談が舞い込みました。藤田氏が考えたのは、50周年を祝う2日間のイベントだけではありませんでした。

「節目では、これまでの歩みを振り返るだけでなく、これからの100周年に向けて、自分たちの理念をもう一度見つめ直すための絶好のチャンスだと思いました」

こうして、約2年に及ぶ二人三脚のプロジェクトが始まりました。藤田氏は、MICEを”インナーブランディング”の場として捉えます。昨年、実施した西日本最大級の許認可数を誇る株式会社パブリック(本社:香川県観音寺市)の周年記念事業でも、50周年をきっかけにビジョン・ミッション・バリューの再定義まで一緒に考え抜きました。今もブランディング・プロモーション・コンサルタントとして関係が続いています。

「お金を払って、飲んで食べるだけのパーティーではもったいない。社員500名全員がそれぞれの胸の中に、この50周年という節目に我が事として、主体的に関わったんだと思える機会にしてはどうでしょうか、と提案しました。イベント当日という”点(過去形)”だけを作って終わらず、これからの未来に何をもたらし、どのようなメッセージとして繋がっていくのかという”線(現在進行形)”まで設計し、双方が納得する形を作り上げていきたいのです」


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フェリーの定期便内にある貸切サロンを使ったMICEの様子

そしてON船へ。「動く海上ユニークベニュー」に挑む

これまで結婚式では”ふたりらしさ”を、MICEでは”企業・団体らしさ”を、そしてユニークベニューには”その場所らしさ”を探してきました。藤田氏が次に目を向けたのが、瀬戸内海の定期フェリーでした。

両備グループが創立115周年を記念して立ち上げられた社会課題解決プロジェクト「WONDERFUL SOLUTION PROJECT(ワンダフル・ソリューション・プロジェクト)」で、定期フェリーを使ったMICEを提案。2025年7月31日の最終審査会で見事優秀賞に選ばれ、異業種の3社で「ON船(おんふね)」事業を進めています。ハード面を「両備グループ(国際両備フェリー)」、情報メディア面を「OHK岡山放送」、プロデュースを「フェアリー・テイル」が担います。

瀬戸内海を行き交う公共交通フェリーを丸ごと、あるいは船内スペースの一部を貸し切り、企業イベント、国際会議、レセプション、さらにはウエディングやヨガ、音楽ライブまでを可能にする「動く洋上ユニークベニュー(特別なイベント会場)」として活用する取り組みです。

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「四国で暮らして、船や海が日常の生活に身近な存在であることを実感しました。島々は、人口減少や高齢化が著しく進んでいます。島で生活している人が最後の1人になろうとも、命を繋ぐライフラインである公共交通フェリーとしてのミッションは、何があっても果たし続けなければなりません。地域住民として私たちが、離島交通、公共交通の存続を支えられないかと考えました。日常の移動インフラであるフェリーを、MICEという『非日常空間』として捉え直しました」

フェリーはイベント会場である前に公共交通

一方で、フェリーをMICEの舞台にすることは、これまでのユニークベニューとは異なる難しさもありました。

「フェリーはイベント会場である前に、移動のための船です。最優先は乗客を安全に、定時に、目的地へ到着させること。潮の満ち引き、港湾の管理、船が行き交う航路(言わば国道)、安全基準や港湾に関するルールなど、フェリーの役割と守るべき条件があります。規制や条件に則して、ユニークベニューとして機能するよう調整する難しさを、プロジェクトが始まり改めて実感しました」

これまでよりも、さらに複雑な環境で実践することになります。藤田氏がこれまで培ってきた双方の立場を理解し、新しい使い方を成立させるという仕事のかたちが、いま海の上で試されています。


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相手と場所の「らしさ」を見つけ、その先の変化まで見据える

主催者の目的を理解し、その企業や団体にとっての「らしさ」を見つける。何を開催したかではなく「その場を通じて何が残るのか」を考え、提案する。思いを受け止められる場所を探し、今度は会場側の論理を理解する。双方が納得できる理由をつくり、これまでになかった使い方を成立させる。そこには、長年かけて築いてきた会場や地域との関係、そして一つひとつの仕事を通じて積み重ねてきた信頼があります。高松・香川には、地域にあるものを”使う”のではなく、そこにある”らしさ”を見つけ、企業や団体の未来につなげようとするプロデューサーがいます。

株式会社フェアリー・テイル Webサイト https://www.fairytale.co.jp/
ON船 Webサイト https://on-a-ship.com/
ON船 問い合わせ https://on-a-ship.com/inquiry/

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