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【1Dayワーケーション】大阪や京都から30分の枚方/東海道56番目の宿場町?仕事を楽しみ、歴史を楽しむ一日を体験【レポート】

枚方市(ひらかた)は、大阪と京都のほぼ中間に位置する都市で、かつて東海道五十六番目の宿場町として栄えた歴史ある場所です。東海道五十六番目の宿場町として江戸時代に栄えたこの地は、現在もその歴史を感じさせる街道や建築が残り、多彩なワークスペースや観光スポットがあります。今回は、そんな枚方市でのワーケーション体験をお届けします。
※2024年12月30日 取材

枚方ワーケーションのおすすめポイント

「効率よく、ほどよく!1日で歴史散歩と仕事を両立させリフレッシュ」
・東海道56番目の宿場町として栄えた歴史的な街
・水運の要淀川で自然と災害の歴史について知る
・ワークスペースが点在!

1Dayワーケーションスケジュール

午前:ひらパー+淀川・枚方宿の歴史探訪
午後:コワーキングスペース2軒でお仕事

9:30京阪中書島駅 待ち合わせ
9:50京阪枚方公園駅まで移動
10:20ひらかたパーク
11:20枚方宿で歴史散歩
12:00ランチタイム「dikdik」
14:00「Community & Coworking HOOP!」で仕事
17:00枚方T-site「Study / Work Booth」で打ち合わせ

枚方市ってどんな場所?交通アクセス抜群、京都や大阪のベッドタウンとして存在感

枚方市(ひらかた)は、大阪府の北東部に位置し、京都府と隣接しています。人口約39.3万人(2024年12月)を有するこの街は、京阪本線、京阪交野線、JR学研都市線が通り、大阪・京都のどちらからも30分以内でアクセス可能な便利な立地です。

東海道五十六番目の宿場町である「枚方宿」は、江戸時代に交通と物流の要衝として栄えました。江戸から京都、大坂へと続く東海道筋では通常「五十三次」が知られていますが、枚方宿は伏見宿、淀宿、守口宿とともに加えられた特別な宿場町です。(この部分を京街道とも呼びます)
淀川舟運の拠点や寺内町としても重要な役割を担い、多様な文化資源が今も色濃く残っています。歴史的な宿場町としての一面に加え、「ひらかたパーク」などレジャーを楽しめる場所も。近年は商業施設や住宅地の整備が進む一方、淀川河川敷の自然豊かな環境も魅力で、市民の憩いの場となっています。

京阪本線の特急停車駅が2つもあり、京都や大阪中心部とは約30分で結ばれます。関西空港や伊丹空港からのアクセスも良好。この立地からベッドタウンとして発展し、大型商業施設も立ち並ぶ、とても暮らしに便利なところです。

「枚方宿くらわんか五六市」は、かつての宿場町の風情を生かしながら新たなにぎわいを生み出そうと、街道沿いの住民らが中心となり平成19年(2007年)に始まった手作り市。京阪本線「枚方市」駅から「枚方公園」駅の間で行われ、約200店舗が軒を連ね、6000~8000人の方が訪れます。

枚方市 Webサイト https://www.city.hirakata.osaka.jp/front.html
枚方宿くらわんか五六市 Webサイト https://www.gorokuichi.net/gorokuichi


9:30/京阪中書島駅から、京阪電車で出発

旅は京都市伏見区・京阪電車の中書島駅からスタート。駅のホームから眺める風景に京都の趣を感じながら、列車に揺られて枚方へ向かいます。向かいホームには大阪・関西万博カラーの特急列車がやってきました。

向かいのホームに万博カラーの列車が入線


9:50/ひらパー最寄りの駅前で寄り道スポット

20分ほどでひらパーの最寄り駅である「枚方公園駅」に到着。当日はド年末(12月30日)。遊びに出かける人も少ないかと思いましたが、多くの家族連れが下車します。駅前のパン屋「サンエトワール枚方公園」で軽く腹ごしらえ。プチサイズのパンは4つで240円とお手頃価格です。


10:20/日本最古の遊園地・入口だけでもテンションMAX

「ひらかたパーク」は、地元では「ひらパー」として親しまれています。1910年(明治43年)に創業。創業時から営業が続いている遊園地としては、日本最古!。浅草「花やしき」と並ぶ最古産の遊園地なのです。

敷地内には最高速度70km/hのローラーコースター・レッドファルコンや、イタリア製のメリーゴーラウンド、ドイツ製のウェーブスインガーなど39種類ものアトラクションがあります。「ひらパー兄さん」でも有名ですよね。毎度、オマージュされた広告を見るのが楽しみでもあります。(え?関西だけですか?)。今回ひらパーでワーケーションをすることが叶わなかったものの、午前は遊び、午後は仕事。そんなお仕事の方法もアリですよね。

入場できないのにこの笑顔である


パナソニック、エクセディなど大手企業の本社がすぐ隣町

メインゲート横展示スペースでは「大阪ブルテオンルーム」が。バレーボールチーム「大阪ブルテオン」(旧パナソニック パンサーズ)は、大阪府枚方市のパナソニックアリーナを本拠地として活動しています。
ちなみに、「パナソニック ホールディングス株式会社」の本社は、枚方市の隣に位置する門真市にあります。また、寝屋川市には、自動車部品メーカー「株式会社エクセディ」の本社があり、周辺地域には日本を代表する企業が集積しているんですね。


11:00/江戸時代から続く水運の要「淀川」。過去の洪水被害と未来の万博航路を見つめて

堤の向こうには淀川と河川敷が広がります

江戸時代、京都と大阪を結ぶ伏見航路が栄え、飲食物を販売する「くらわんか舟」が集まり、枚方は三十石舟による人の動きが盛んな場所でした。見上げるような大きな石碑には「明治18年淀川洪水碑」。明治18年の豪雨により、現在の枚方市伊加賀付近の堤防が約180メートルにわたって決壊。通称伊加賀切れと呼ばれる水害は一円を水没させ、2万6千戸以上が流出、約290人が亡くなったとされています。淀川の氾濫区域内には、国道や鉄道など重要交通網が密集しているエリア。石碑は洪水の悲惨さを風化させないよう、地域の歴史と自然災害の記憶を伝えています。淀川の治水と地域の未来を考える、「淀川大塚切れ 100年シンポジウム」というものも開催されています。(※大塚切れは高槻市に大正6年に発生)

現在の枚方の淀川堤防では夏には25万人が集まる「水都くらわんか花火大会」で明るく照らされます。2025年の大阪・関西万博開催に合わせ、会場の夢洲(大阪市此花区)への航路整備。淀川で河川工事をし、万博期間中は船が運行されるとのことです。


11:20/宿場町を歩く。菊・町家の文化を紡ぎ続ける

旧宿場町の様子を伝える絵地図。今もこの道に沿って歩くことができます

「鍵屋」は現在枚方宿の様子を伝える資料館となっており、ぜひ立ち寄っていただきたい場所です。「船待ちの宿」として繁盛しました。かつて淀川舟運の鍵屋別館(KAGIYA BEKKAN)は、カフェや雑貨、工房が入る建物として活用されています。古い建物をアレンジされ、うまく街と溶け込みながら、魅力を伝えるものになっていると思いました。

鍵屋資料館Webサイト https://kagiya.hirakata-kanko.org/


歩くとあちらこちらで「菊」のモチーフを見かけます。枚方市の花として1962年に「菊」に制定されました。時代は第二次世界大戦前の1910年(明治43年)に遡ります。京阪本線の開通を祝って、香里園遊園地を開園。行楽シーズンに合わせて菊人形のイベントを開催されました。2012年には「ひらかたパーク」開園100周年を記念し、期間限定で「ひらかた大菊人形」が復活するなど、今でも菊の文化は守られています。菊は重要なモチーフなのです。

菊人形の文化を紡ぐため、2002年から毎年10月末〜11月中旬の3週間にわたり枚方市の「市の花」である菊を街道沿いに並べる「枚方宿街道菊花祭」が開催されています。市内の小・中学校で大切に育てられた大菊三本仕立て約200鉢を借り受け、街道の軒下に並べて、まちの魅力アップを図っています。ガーデニングで菊を育てるお家もありました。


12:00/とろ~りチーズで満腹、Woody House DikDikでランチ

地元で人気の、木の温もりを感じる喫茶店「Woody House DikDik(ディクディク)」さん。チーズたっぷりのカレードリア(650円)、ミートドリア(680円)、ピラフ(650円)などボリュームがあってとってもリーズナブル。地元の人から愛される理由がよくわかりました。


13:00/5分後には記憶がない、ビオルネでひとやすみしたら仕事モード

歩き疲れたら、ひとやすみの時間。枚方市駅前のショッピングセンター・ビオルネにはマッサージ機が並ぶスペースがあります。無重力マッサージで5分後にはすっかり眠くなり、記憶がなくなっていました。

ちなみに今回は立ち寄っていませんが、ビオルネ5階の中には、「ビィーゴ」というコワーキングスペースがあります


14:00/電車と京街道を眺めつつも仕事に集中。HOOP!が叶える贅沢なワークスペース

ワーキングスペースとして訪れたのは枚方宿の真ん中にある、塩熊ビル2Fにある「Community & Coworking HOOP!」。

建物全景はこちら。看板が出ていました。

管理人の中岡さんがお出迎え。こちらは、枚方の「おもしろい」が集まる場所へをコンセプトにされているスペースです。詳しくお話を伺いましたので、それはまた別の記事にて。

京阪電車が間近ではないですか。鉄道好きにはたまらない!当編集部の井上も興奮気味でした。ハンモックやドライフラワーが飾られたリラックス空間が、カフェのようで落ち着きます。街道を眺められる席や、複数人で打ち合わせができるようなデスクが用意されていました。

こちらは個室のスペース。ホワイトボードも用意されています。

1日利用料金¥1,000(税込) ※学生さん半額
2時間以内料金¥500(税込)です。

モニターの貸出もあり

嬉しいのはおやつをいただけたこと。これで集中力持続間違いなし。珈琲は1杯100円。そのほかドリンクも100円。PayPayで完結します。そのほかお水、緑茶、ルイボスティーは無料です。

HOOP! Webサイト https://hoop-hirakata.com/


17:00/最新ワークスポット!一人で没頭できる場所、枚方T-SITEにあります

最後は枚方駅前に位置する「枚方T-SITE」へ。実は枚方は、1983年にTSUTAYA1号店「蔦屋書店 枚方駅前店」が開業した創業の地であることをご存知でしたか?ここからCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が始まったのですね。枚方T-SITEにはTSUTAYAと蔦屋書店を核に、ファッション、雑貨、食などの物販から飲食店などの専門店が並びます。当初こんなかっこいいのができたのかと舞い上がりました。

京阪枚方市駅前のロータリー。このペデストリアンデッキからT-SITEが直結

そして2024年6月21日に新しくワーキングスペース「Study / Work Booth」ができたと聞き、訪ねました。1時間550円(税込)、1日最大2,200円(税込)で、集中できる静かな環境が整っています。仕事だけでなく、趣味や勉強のために訪れる人も多いようです。

3階にあるカフェの入口から入店し、右に曲がると「Study / Work Booth」があります。各席デスクに余裕があり、パソコンを広げての勉強、仕事、何か作業をするのにも向いていると思います。

モニターやコード類の貸出もしています


枚方T-SITE広報 福呂さんにお聞きしました

「ほかと違うのは、一人で集中できるスペースであるという点です。家では集中しづらい方もいらっしゃると思います。仕事や勉強はもちろん、書斎のように使っていただいたり、手芸をしたり、漫画を書いたり、動画を作成したりと、仕事や勉強に限らず、一人の時間を有効に活用していただける場所です。周りに配慮いただければ、Web会議も可能です」

—コワーキングスペースというと一緒にコミュニケーションをとって仕事をするイメージを持たれると思いますが、それとはあえて違う、集中できる環境を整えられているということですね。

「はい。イベント会場としても利用いただけます。これまで経済に関する講演会や『みりん女子』の集まりで利用されたこともあります。お気軽にご相談ください。また、他店のTSUTAYAのシェアラウンジでは飲食サービスがありますが『Study / Work Booth』は、自由に持ち込んでいただけます。(臭いが強いものはNG)。その分金額を安価に設定しています。枚方T-SITEにはカフェスやスーパーもあり、購入して持ち込むことも可能です。移動中の食事や、読書をしながら過ごす場所としても活用いただけます」

—開設の経緯について教えてください
「カフェで勉強されている方がたくさんいらっしゃるのを見ていて、ニーズがあるんじゃないかと思ったことがきっかけと 聞いています」

—今後についてどのようにお考えでしょうか
「柔軟に使っていただける場所にしたいと思っています。一人の時間を大切にするためのスペースとしてもいいですし、主婦の方が一息ついて自分だけの時間をつくる場としても活用していただければ嬉しいです。特に何かをする目的がなくても、ただぼんやりと座っていただくのでも構いません。自分の書斎や部屋のように気軽に使っていただけるのが理想です。また、会社から家に帰る途中で気持ちを切り替えるための場所としても利用されることが考えられます」


まとめ

枚方市は、東海道五十六番目の宿場町として江戸時代から栄えた歴史がありながら、現代の働き方にも応える便利なワークスペースが充実しています。遊び、歴史散策、そして集中できるワークスペースを、無理なく1日で楽しめるのが枚方の魅力です。「効率よく、だけどゆったりと充実した時間を過ごしたい」。枚方で新しい働き方のヒントを見つけてみてはいかがでしょうか。

いずれ挑戦してみたい「ひらかたパーク」でのワーケーション。たとえば、2020年に発表されたよみうりランドの「アミューズメントワーケーション」は、プールサイドの特設スペースをレンタルできるプランとして話題を呼びました。このように、施設の特性を生かした新しい働き方の可能性は枚方でも広がるはずです。プールサイドのように他の季節でも利用できる取り組みは、施設活用の新たな方向性として注目しています。


参考

【枚方T-SITE】勉強や仕事に。「Study / Work Booth」を6/21(金)にオープン
鍵屋資料館
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