【観光庁で働くということ】観光を志望して国土交通省へ。入省2年目の関口さんに聞くMICE室の仕事と日常【MICEキャリアナビ】
観光を志望して国土交通省に入省した関口さん。現在は観光庁MICE室に所属する入省2年目の職員です。入省前は「MICE」という言葉を詳しく知らなかったそうですが、現在は国際会議の誘致支援に関する業務や、省庁・自治体との連絡調整、観光庁が実施する事業の実務などを担当しています。
普段の仕事場は東京・霞が関の庁舎。事務作業や調整業務が中心ですが、MICE関連イベントへの出席や全国各地への出張の機会もあります。関口さんが仕事を通じて知ったのは、旅行やレジャーだけでは捉えきれない観光の広がりでした。観光庁の若手職員は、どのような仕事に携わり、現場で何を学んでいるのでしょうか。日々の業務から印象に残った経験、今後の目標まで、関口さんにお話を伺いました。
※2026年9月に観光庁にて取材を行いました

観光を志望して国土交通省へ。入省2年目、観光庁MICE室で働く関口さん
福岡県出身の関口さんは、大学の教育学部を卒業後、国土交通省に入省しました。以前から旅行が好きで、遠方に住む祖父母の家へ飛行機で出かける機会もあり、観光という分野に関心を持っていました。
現在の配属先は観光庁MICE室。入省前はMICEという言葉に詳しくなかった関口さんですが、今は国際会議の誘致支援に関わる業務をはじめ、省庁や自治体、事業者との連絡調整など、行政の立場からMICEを支える仕事に携わっています。

観光庁MICE室の仕事とは?国際会議の誘致支援から省庁・自治体との調整まで
関口さんが現在担当している業務には、大きく分けて2つの役割があります。
一つ目は、観光庁内や他省庁、自治体などとの連絡・調整を行う窓口業務です。
たとえば、日本への国際会議の誘致にあたり、国としての支援姿勢を示す招請レターの作成や、MICE関連イベントの後援名義申請に伴う庁内手続きを行っています。2027年3月に開幕する「GREEN×EXPO 2027(横浜国際園芸博覧会)」も、関口さんが関わっている仕事の一つです。観光庁MICE室が庁内の窓口を担っており、関口さんは関係部署との各種調整を担当しています。
二つ目は、観光庁が実施する各種事業のサブ担当として、事業の進行を支える業務です。
庁内で必要な手続きを進めたり、委託事業者と連絡を取ったりと、事業が円滑に進むよう実務面から支えています。日々の勤務は、東京・霞が関の庁舎での事務作業や調整業務が中心です。一般企業にも共通する庶務業務から、他省庁や自治体との連絡調整まで、その内容は多岐にわたります。MICE関連イベントへの招待を受けて出席することや、担当事業に伴って全国各地へ出張する機会もあります。

初めて訪れた沖縄で、学生のMICE企画に触れる。印象に残った現場経験
入省後の経験で印象に残っているものの一つが「Japan MICE Challenge」です。大学生や大学院生がチームを組み、インセンティブ旅行や国際会議の地方誘致に向けた企画を提案する取り組みで、関口さんは3月に沖縄で開催されたラウンドに参加しました。沖縄を訪れるのは、このときが初めてだったそうです。
当日は参事官が審査員として出席し、関口さんも学生たちの提案を見届けました。驚いたのは、参加学生のMICEに対する理解の深さと、学生ならではの発想です。関口さん自身も改めてMICEへの理解を深める機会となり、こうした企画が学生にとって業界を知り、将来の進路を考えるきっかけになると実感したそうです。
「GREEN×EXPO 2027」に関連する会議への随行も印象深い経験です。国土交通省が主催に関わる会議に観光庁職員として立ち会い、局長級をはじめとする職員が出席する場を経験しました。博覧会の開幕に向けて業務に携わりながら、一人の参加者としても2027年の開幕を楽しみにしているそうです。
関連記事:【JAPAN MICE Challenge 2027】12校21チームの参加決定 4回目を迎える学生がチャレンジするMICE誘致ピッチコンテスト。第1次ラウンド横浜・決勝ラウンドは沖縄で

旅行やレジャーだけではない。MICEの仕事を通じて知った観光の新たな一面
観光庁MICE室での仕事を通じて、関口さんは一般的な観光とMICEの違いについても理解を深めてきました。
一般的な観光旅行では、旅行者自身が行きたい場所や日程を決めます。国際会議では主催者が開催地を選び、参加者がその場所を訪れます。そのため、もともと日本や特定の地域に関心がなかった人にも、そこを訪れる機会が生まれます。こうした人々が地域を訪れるきっかけの違いも、MICEの特徴の一つです。
開催時期にも特徴があります。MICE関連イベントは平日に開催されることも多く、休日以外にも地域を訪れる人を生み出します。地域での消費拡大に加え、観光需要の分散やオーバーツーリズムの緩和を考えるうえでも、MICEには可能性があります。
MICEが関わる分野は観光だけではありません。ビジネスや学術、地域活性化など、さまざまな領域と結びついています。関口さん自身も、以前は観光を娯楽やレジャーとして捉えることが多かったそうですが、仕事を通じて、観光が社会や経済に幅広い影響を及ぼしていることを知りました。そうした観光の広がりに、仕事としての面白さも感じています。
家族や知人に自身の仕事について尋ねられたときには、「国際会議の誘致や、地域の魅力の発掘に関わる仕事」と説明することが多いといいます。旅行が好きで関心を持った観光という分野。関口さんにとって、MICE室での日々は、それまで知らなかった観光の役割に触れる機会にもなっています。
MICE業界で出会った人たちと、若手職員を支える職場の環境
関口さんが仕事を通じて出会ったMICE業界の人たちには、コミュニケーション能力が高く、明るく親しみやすい人が多いという印象を持っているそうです。配属されて間もない頃、MICE関連イベントに出席した際には、周囲の参加者から気さくに声をかけてもらい、別の関係者を紹介してもらうこともありました。
業界を盛り上げようという熱意を持つ人たちに接する機会も多く、ベテランだけでなく、新卒をはじめとする同世代の若手や女性が活躍する姿も見てきました。さまざまな立場の人と接するなかで、MICE業界の明るい雰囲気も印象に残っているようです。
関口さん自身は、自分のことをマイペースでおっとりした性格だと話します。何かあっても引きずらず、気持ちを切り替えて次に活かせるところが自身の強みです。現在は先輩や上司に気兼ねなく相談できる環境のなかで、日々の業務に取り組んでいます。入省2年目。庁舎での仕事からイベントや会議への出席、出張先での経験まで、一つひとつの業務を通じて、MICEについて学びを重ねています。

MICEを知らなくても、まずは現場へ。学生へのメッセージとこれからの目標
関口さんは、MICEという言葉に馴染みのない学生にも、まずは実際の現場に足を運んでほしいと考えています。自身も入省前からMICEに詳しかったわけではなく、配属後の仕事や現場経験を通じて、その役割や広がりを知ってきました。
観光以外の分野を学ぶ学生にも、MICEに触れる機会はあります。「GREEN×EXPO 2027」のようなイベントや国際会議など、実際に足を運べる機会があれば、現地を見てみること。学術や国際交流、地域活性化などに関心がある学生にとっても、将来の進路を考えるうえで一つの選択肢になり得ます。
関口さん自身の今後の目標は、まず一人の担当者として自立して業務を遂行できるようになることです。現在は先輩や上司のサポートを受けながら仕事を進めていますが、経験を重ね、担当する業務を着実に担えるようになることを目指しています。さらに、MICE関連の催しや意見交換の場では、専門的な知識を持つ関係者とも対等に話ができるよう、理解を深めていきたいといいます。
国際会議の誘致支援や省庁・自治体との調整。関口さんの話から見えてきたのは、普段はなかなか目にすることのない、行政の立場からMICEを支える仕事です。国際会議や展示会には、主催者や運営事業者、会場関係者など、多くの人が携わっています。そのなかには、関口さんのように行政の立場から関わり、日々の業務を通じてMICEを支えている人たちもいます。



