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【コラム】台湾MICEの勢いを現地で体感。「ASIAN MICE FORUM 2026」から考える、日台の学び合い/神戸大学 教授 辛島理人

MICE TIMES ONLINEの記事を見て、国際化を始めた神戸空港から直行便に乗り、台北のASIAN MICE FORUM 2026(以下:AMF)に参加しました。いくつもの媒体が戦略をもって躍進・拡大しつづけている台湾のMICE事情を報じています。そのまさにダイナミズムを体感する機会となりました。

※神戸大学 国際文化学研究科 の辛島教授の寄稿記事です。

台湾の経済官庁が主催するAMF 2026、MICEの未来を考える「知的なお祭り」

AMF 2026は、台湾経済部国際貿易署(TITA)が主催し、台湾貿易センター(TAITRA)が実施しました。台湾政府の経済官庁が開催するものの、商業的あるいは即物的な話題から少し距離をおき、未来志向で新しいアイデアを模索する、知的なお祭りといった雰囲気でした。

公式Webサイト https://amf.com.tw/index_en.html

テーマは“Tomorrow is Here, Future is Now”

Ole Scheeren(オーレ・シェーレン)氏は、Rem Koolhaas(レム・コールハース)氏率いる建築設計事務所OMAを経て、自身の設計事務所を構えました。

今回の基調講演では、彼がOMA時代に関わった「台北パフォーミングアーツセンター」を最初に紹介しました。偶然か必然か、台湾では伊東豊雄氏設計の「台中国家歌劇院」などの文化施設とともに、各都市でMICE施設の整備が進められています。

AMFでは、さまざまな人と知り合いになれる仕掛けがありました。
パネルディスカッションでは、司会のMike van der Vijver(マイク・ファン・デル・ファイフェル)氏によるファシリテーションが聴衆を巻き込みます。私は、隣に座った現地のPCOで働く、若手社員とのディスカッションを楽しめました。

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パネルディスカッションの登壇者

台北から台湾各地へ広がるMICE、日台で学び合う機会を考える

そんななか、会場でひときわ存在感のある方にご挨拶すると、台湾の業界団体「Taiwan Exhibition and Convention Association(TECA)」の理事長、Kitty Wong(キティ・ウォン)氏でした。

K&A International社を率いるウォン氏は、World PCO AllianceやICCAで要職を歴任し、日本の政府観光局や自治体国際化協会でも講師を務めてきた、台湾のMICE業界を代表する人物です。

AMFが開かれた台北市信義区のMICE施設について尋ねると、「以前はここが台湾で唯一でしたが、今は全国各地に充実した施設があります」と勢いを感じさせる回答をいただきました。

会場となった「台北101」の周辺は、台北市役所に近く、金融・商業施設や展示・会議施設が集まる経済の中心地です。現在の街並みができるまでには、さまざまな時代の変遷がありました。かつて田園が広がっていたこの地域には、日本統治下で陸軍の倉庫が立ち並びました。国共内戦後には、大陸から移ってきた部隊とその家族が暮らすようになり、1980年代以降の再開発を経て、現在の姿になっています。

日本と台湾では、半導体をはじめとする工業分野での連携が、急速に深まっています。経済水準や社会体制が似ているだけでなく、少子高齢化や一極集中、過疎化といった社会課題も抱えています。ビジネスや文化、スポーツ、観光、そしてMICE。より広範な日台の学びあいが必要になっていると、痛感する旅となりました。

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四四南村の資料館が展示する、台北市信義区の歴史

辛島理人さん

神戸大学 国際文化学研究科教授
1975年大阪生まれ。一橋大学で経済学、オーストラリア国立大学で歴史学を学ぶ。
2016年に神戸大学へ着任し、地域のDMOや企業と連携しながら、観光についての講義を行う。

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