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「日本の魅力を海外に伝えたい」観光に興味のなかった澤井萌さんが、旅行会社での13年以上を経て学生にMICEを伝えるまで/茨城キリスト教大学【MICEキャリアナビ】

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茨城キリスト教大学で助教を務め、東京富士大学の非常勤講師も兼務する澤井萌(さわい はじめ)さん。教員になる前は、13年以上にわたり、旅行会社でインバウンドの現場に立っていました。海外からの旅行者を迎え、企業訪問やインセンティブ旅行を手がけた経験を、今は教育・研究に生かしています。

学生にMICEの面白さをどう伝え、現場へ踏み出すきっかけをつくるのか。澤井さんの歩みから、学生と向き合う思いや、現場で学ぶことを大切にする姿勢を紹介します。

日本から来たと伝えても、会話が広がらない。留学時に感じたギャップ

澤井さんは、神戸市外国語大学の外国語学部で英語を学び、名古屋大学大学院で国際開発やコミュニケーションを専攻しました。進路を考えるきっかけになったのが、アメリカ東海岸の大学への留学です。

日本から来たと伝えれば、興味津々で話しかけてもらえるだろうと思っていましたが、思うように会話が広がりません。日本の作品や食べ物に親しんでいても、日本そのものに関心があるとは限らない。渡航前のイメージとのギャップを感じました。

そこで澤井さんは、自分たちから交流のきっかけをつくろうと考えました。約4,000〜5,000人の学生がいる大学で、日本人は9人ほど。仲間と日本食のパーティーを開いたり、日本語を担当する教員とともに、日本文化を紹介するイベントに取り組んだりしました。

「もし最初から周りのみんながウェルカムで、日本に強い関心を持ってくれていたら、日本の魅力を海外に伝える仕事をしようとは思わなかったかもしれません」

旅行や観光そのものには興味がなく、それを仕事にしようとも考えていなかった澤井さん。この経験から「日本の文化や地域の魅力を、自らの手で海外へ届ける仕事」が就職活動の軸になりました。

sawai

インセンティブ旅行の現場で知った、目的に合わせて旅をつくる面白さ

澤井さんが目指していたのは、英語を使って海外からのお客様を案内する通訳案内士の仕事でした。一方で、フリーランスとして働くことには、収入面で不安もありました。

2008年に出会ったのが、株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベル(JTBGMT)です。会社に所属しながら、海外からのお客様を迎え、日本の魅力を伝えられる。自分のやりたい仕事につながると考え、入社しました。

MICEに関わるきっかけとなったのは、酪農関連企業のインセンティブ旅行の受け入れ。それまでは観光旅行を中心に担当していましたが、企業の行う「ビジネストラベル」では予算の規模や、食、滞在先に求められる内容も異なりました。参加者が何のために日本を訪れるのかを踏まえ、訪問先との調整や細かな手配を重ねていきます。

のちに東南アジア市場を担当し、愛知・岐阜・三重で200〜300人規模の訪日インセンティブ旅行にも携わりました。旅行の提案や手配に加え、自ら添乗し、現場で参加者を案内することもありました。

編集長との2ショット
MICE TIMES ONLINE編集長との2ショット

自分で旅行を提案しお客様を迎える仕事から、観光に関心を持つ人を育てる仕事へ

旅行会社で約13年にわたり、インバウンドの現場に立ってきた澤井さん。教育の道へ進むきっかけになったのは、新型コロナ禍に自身のこれからを考えたことでした。週休3日になるなど働き方が変わり、じっくり考える時間ができました。感染症が収束すれば、観光の需要は戻ってくる。そのとき、現場を担う人材が足りなくなるのではないかと強く感じました。

「旅行業の仕事はすごく有意義。だけど、そろそろビジネスに関わるところから、人を育てる方に回った方がいいかもなって」

長年の経験を、次の世代に伝えたいと考えるようになりました。若いうちに観光ってこういう捉え方・ビジネスができるんだよと、視点やものの見方を手渡したかった澤井さん。教員への転身につながります。

観光と英語を掛け合わせた教育を目指し、3年間英語教諭として教えたのち、実務家教員養成課程でさらに学び、茨城キリスト教大学として新たな一歩を踏み出しました。

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英語を使い、地域の人に会う。うまくいかない経験も授業になる

「観光英語」「エアライン英語」「ホテル英語」などの講義では、文法や発音を学ぶことに加え、相手を思いやる「ホスピタリティの姿勢」を大切にしています。

MICEの授業では、ケーススタディを取り入れることが多いといいます。たとえば、コロナ禍のデジタルスタンプラリー。人を密集させずに地域を巡ってもらう取り組みから、どんな課題があり、なぜMICEを解決策として選んだのかを考えます。また、学生にとって身近な音楽フェスやスポーツ大会も、開催する目的やビジネスへ目を向けるようにしています。

事例を伝えるだけでなく、現場にも足を運びます。年に4~5回ほど、茨城県内の港にクルーズ船が寄港する際には乗客を案内する接客ボランティアに参加します。
「私は現場主義者だと思っていて。大学で勉強してることが、ビジネスの現場でどう使えるのか。もしくは使えないのかを体感してもらうために現場に出ています」

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茨城キリスト教大学

学生の目線に寄せながら、少しずつ働きかけています。
「教員側と学生の気持ちはズレがあります。そこを埋めて、学生目線に寄せていきます。思ってるほど学生の関心喚起っていうのはすぐにはできません。継続的にやらないといけません」

地域に出れば、関係者それぞれの立場や考え方の違いに気づかされます。連携を進める中では、互いの認識をすり合わせたり、調整に時間を要したりするなど、必ずしも当初の想定通りに進まない場面もあります。澤井さんは、学生にも「うまくいかない事例」に触れてほしいと話します。相手の事情を聞き、どうすれば前へ進めるかを考えることも、現場での学びです。

今後は、外部の人と連携する取り組みへと接点を増やしたいと考えています。自身の取り組みはまだ十分ではないと感じながらも、まずは観光やMICEに関心を持つ人を増やしたい。学生の反応を確かめながら、教室と現場をつなぐ授業を続けています。

参考URL

茨城キリスト教大学 Webサイト
文学部 現代英語学科 助教 澤井 萌 氏 紹介ページ

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