【観光庁】令和8年度コンベンションビューロー等MICE誘致体制強化事業の公募を開始
観光庁は令和8年度におけるコンベンションビューロー等のMICE誘致体制強化事業の公募を開始しました。世界有数のMICE開催国の実現を目指し、日本各地のコンベンションビューローやDMOが海外で積極的な誘致活動を展開するための経費を支援する制度です。令和8年度の公募では対象事業者の要件が一部変更されたほか、新たな支援枠も設けられています。

観光庁が推進するMICE誘致支援の背景と制度の狙い
MICEの誘致は都市のブランド力向上や経済波及効果の観点から非常に重要な戦略です。観光庁は日本の国際競争力を高めるため、全国のコンベンションビューローやDMOの受入体制の強化を資金面から後押ししています。今回の補助金事業は、海外で開催されるMICE関連のイベントへの出展や専門人材の育成に要する費用の一部を国が負担するものです。地方自治体や民間施設単独では負担が大きい海外での活動を支援し、実質的な誘致成功件数の増加に結びつけるという明確な狙いがあります。
観光庁Webページ https://www.mlit.go.jp/kankocho/kobo09_00047.html
令和8年度公募における補助対象事業の具体的な支援枠
今回の補助金では、大きく分けて3つの支援枠が設定されています。それぞれの枠組みについて、対象となる活動や経費を整理して解説します。
1)海外で開催されるMICEイベントへの出展に関わる費用の補助
一つ目の枠組みは、海外のMICE見本市や商談会といった国際的なイベントへの参加費用に対する支援です。出展のための準備費用や旅費が対象となります。さらに令和8年度の制度では、ただイベントに参加する費用を補助するにとどまらず、それに付随して実施する個別の営業活動や、先進的な海外のMICE開催都市の視察に要する旅費も補助の対象としています。出展と併せて積極的な個別交渉を行うことで、より精度の高い誘致活動を展開できます。ただし、日本政府観光局がジャパンブースを出すイベントにコンベンションビューローが独自で出展する場合などは補助の対象外となるため、事前の確認が不可欠です。
2)国際水準のMICE専門人材を育成するプログラムの受講支援
二つ目は、MICEの誘致や開催運営を牽引する専門人材の育成に対する支援です。具体的には、国際会議協会が提供する専門的育成プログラムであるICCA Skillsの受講にかかる費用や旅費が補助対象として明記されています。このプログラムには業界未経験者向けのコースから、3年以上の管理職経験を条件とする上級管理職向けの発展的なコースまで用意されており、組織の実情に合わせて受講させることが可能です。その他のプログラムについても、個別に相談のうえで補助対象となる余地があります。
3)実際の誘致決定の場に直接乗り込む海外現地プロモーション活動の支援
三つ目は令和8年度から新設された枠組みであり、国際会議の誘致先が実際に決定される場でのプロモーション活動を支援するものです。ターゲットとする国際会議の前大会や前々大会の会場に直接出向き、日本の開催地としての魅力をプレゼンテーションするための旅費や通訳費用が対象となります。開催国決定の瞬間に向けた最終的な働きかけを国が強力にバックアップする姿勢が表れています。
申請可能な事業者の要件と令和8年度から適用される変更点
本事業の補助対象となるのは、日本コングレス・コンベンョン・ビューロー(JCCB)に所属するコンベンションビューローやDMO、そしてMICE施設の所有者や運営管理者です。令和8年度の公募から導入された重要な変更点として、MICE施設所有者等の単独申請が可能になりました。要件が緩和されたことで、施設側が主体となって積極的な海外セールスに乗り出しやすくなっています。もちろん、地域の関係者が連携して協議体を設立し、共同で申請することも引き続き可能です。
書類審査で重視される評価基準と誘致実績の厳密な定義
全国からの要望額が全体の予算を上回った場合、事前の審査によって採択事業者が決定されます。その際の重要な評価基準となるのが、これまでの誘致実績です。具体的には、ミーティングやインセンティブ旅行の誘致実績のほか、国際会議協会が定める基準を満たす国際会議の誘致や開催の実績が問われます。この基準は、参加者総数が50名以上であること、単発ではなく定期的に開催されていること、そして日本を含む3カ国以上で会議のローテーションが行われていることの3つの条件を満たすものを指します。新規出展や新しい取り組みが含まれているかどうかも評価の対象となります。
補助率と事業期間中の上限額に関する資金計画の仕組み
本事業の補助率は、対象となる経費の2分の1以内と定められています。残りの半分は事業者自身の負担、あるいは地方公共団体からの補助金などを充てる必要があります。また、事業期間中の補助金額の上限は200万円に設定されています。航空券や宿泊費など海外渡航にかかる大きな出費を半減できる点は、予算の限られた組織にとって有益です。国からの他の補助金と重複して受給することは原則として認められませんが、財源が国費ではない地方公共団体からの補助金とは併用できるため、資金計画を慎重に立てることが求められます。
公募の厳密なスケジュールと申請にあたっての手引き
本事業の公募期間は令和8年5月12日から始まり、同年6月30日の15時が提出期限となっています。提出は電子メールのみで受け付けており、期限を過ぎたものは一切受理されません。申請にあたって最も重要なのは、事業計画書を作成する前に観光庁のMICE室へ電子メールで事前相談を行うことが義務付けられている点です。提出書類は指定の事業計画書のほか、経費の根拠となる複数の事業者からの見積書、コンベンションビューローの旅費規程、組織体制を示す資料など多岐にわたります。海外現地での具体的な行程表も求められるため、行き当たりばったりの計画ではなく、誰と会い、どのような成果を目指すのかを明確に説明できるように準備を進める必要があります。
コンベンションビューローとは?詳しく解説したページはこちらから
https://micetimes.jp/mice-4-convention/
DMOについて詳しく解説した記事はこちらから
https://micetimes.jp/mice-19-dmo/



